原題:Crawl 監督&制作:アレクサンドル・アジャ 製作国:アメリカ 上映時間:87分
週に1、2回は更新していきたい感じでやってるブログだが(本当なら毎日更新したいくらいだ)前回から半月近くも間が空いてしまいヤバい!と思って出先でやってたこれを観た(「ジョーカー」はネタバレ聞いちゃったからレンタルでいいわ)。今頃「ゲーム・オブ・スローンズ」を観たくなって、一ヶ月以内に観ようと一気に観てて映画あまり観てない(今シーズン6)。
先日、令和元年台風第19号が日本に上陸し、関東や東北などの東日本に甚大な被害をもたらした。俺が住む地域は河川も山もなく凹んでもないので幸いにも平気だったが家が壊され未だ避難所で不安な日々を過ごす人たちは多い。そんな台風19号と同じ規模「カテゴリー5のハリケーンが発生して洪水になる」というこの映画は観ててシンクロ感が高かった(こんな事態には遭わなかったが日本人として心情的には)。
監督は「ヒルズ・ハブ・アイズ (2006)」「ミラーズ (2008)」「ピラニア3D (2010)」とかでお馴染みのアジャ氏。寺沢武一の「コブラ」を映画化したいって10年くらい前からずっと言ってるけど全然進展してないね。ホラーじゃない映画は観てなかった。
タイトルの「Crawl」は、ワニが「這う」ことと主人公の得意な水泳とが、かかってる感じか?ネタバレあり。
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フロリダ大学に通い水泳の大会で奨学金を得ている女子大生ヘイリー(カヤ・スコデラーリオ)。幼い頃、父デイブ(バリー・ペッパー)にコーチして貰ってたが、今は父に見て貰ってないせいか調子が悪い。
カテゴリー5の巨大ハリケーンの直撃を受けたフロリダでヘイリーは、妻と離婚して一人暮らししてる父デイブに電話しても連絡が取れないので心配した彼女はハリケーンの中、実家へ向かう。愛犬シュガーは居たが父の姿は無い。
昔、家族で住んでいて売りに出している古い家に行くと、何とデイブは地下室で重傷を負って倒れていた。
デイブは、周囲に生息しており配管から地下室に侵入したワニに噛まれたが、配管に囲まれてワニが入ってこれない安全地帯に逃げこんで気を失っていたらしい。
そうこうしてる間にヘイリーも片脚を噛まれてしまう。そしてワニは一匹ではなく複数頭が侵入してきている。
嵐はますます酷くなり地下室はどんどん浸水していく。このまま地下に居ても一時間も満たないうちに水で一杯になってしまう。父娘2人とも怪我しとるし。愛犬シュガーは心配そうに実家の床を引っ掻いている。
ヘイリーとデイブの父娘は地下から脱出できるのだろうか?―
という話。
🐊ワニは水中だと動きが素早くなり聴覚も鋭くなる。
だから時間が経てば経つほどワニは強くなり、怪我してる父娘は弱くなっていく(‥と思うじゃん?実際には父娘が強くなりワニが弱くなっていった)。
父娘はワニと闘いながらお互い胸の内を語り合い、お互い黙っていた自分の弱い部分をさらけ出す事によって心は晴れていく。そして会話して晴れていく精神状態と比例するかのように火事場のクソ力がアップして状況も好転していく。疎遠気味だった親子が久しぶりに会って打ち解けていく様子を、ワニ&台風ディザスター映画として描写した感じか。
主人公である父娘が喰われてしまうと話が進まないので、家の向かいのコンビニで火事場泥棒していた若者たちや父娘を助けに来た親切な警官などが代わりに喰われてくれる。
一番良かった喰われ方は、主人公ヘイリーの幼馴染警官の同僚が、ワニに空中を錐揉み状態でふっ飛ばされて違うワニが噛み付いて引き倒して6匹くらいに同時に噛まれて最終的にバラバラにされる‥というダイナミックすぎるもので笑った。この時のワニは、主人公父娘に噛み付くより明らかに数倍のパワーで気の毒な警官に噛み付いていて容赦がない!そして、この火事場泥棒や警官を襲っていた時のワニがピークで後は弱体化していく。
後半、色々苦労して地下室を出た父娘。ずっと心配してた愛犬シュガーも嬉しそうに尻尾を振る。かわいいね。だが雨脚は激しくなるばかりで家への浸水も激しい。せっかく地下から脱出したにも関わらず実家の中すべてがさっきまでの地下と変わらない状態だ。ワニどもも家の中を我が物顔で闊歩している。
それでも2人と犬一匹はワニに噛まれつつも何とかボートに辿り着いき、町を脱出しようとするが今度は町の堤防が壊れて町全体が屋根まで洪水に飲まれていく!こうなってしまっては町そのものがさっきまの地下。世界中がワニワニパニック状態。
‥と、この様に難局をクリアする度に「汚くて狭い地下→浸水した実家内→洪水に飲まれた町‥」といった感じで難易度の高いステージになっていくのが面白い。同時に、一番滞在時間が長かった地下室の場面は狭いし汚いし観ていて息苦しかったので、地下から実家に出れた爽快感が凄かった。ワニがいる地下よりワニがいる地上の方がマシという感じか。そういう感じで物語が展開するにしたがって気持ちいい状態になっていく。
それにしてもモブ人物はワニに一回喰われたら一発アウトなのに対して、主人公ヘイリーと父デイブはそれぞれ3、4回もガブッと噛まれてるにも関わらず何だかんだ気合で切り抜けた。とにかく頑丈な父娘だ。
🧔🏻最初から死にかけてた父親デイブだが、噛まれてより深刻な怪我する度にベルトでキツく締めればとりあえず回復。シャベルでワニ撃破するし。しかも死にかけた状態から回復する度に強くなってるように見えるサイヤ人気質。最終的には手を食いちぎられる重症を負うが何時ものようにベルトをキツく締めただけで全快した。当たり前だよな。
🏊🏻♀️娘のヘイリーも腕に噛みつかれても拾った銃でワニの口腔内に全弾発射して倒したり最終的には水中でワニに噛まれ、しかもそのワニは噛み付いた状態で食いちぎろうと大回転する‥という現実のワニもやる実在のワニ超必殺技「デスロール」を繰り出してくるがヘイリーも自分で回転してデスロールの威力を無効化する「ヘイリーロール」という返し技をアドリブで繰り出しデスロールの威力を無効化し、冷静に発煙筒を拾って発火してワニにブッ刺して逆転勝利!女子大生が水中でワニのデスロールを破った!コンサート会場で赤ちゃんも産まれた!アドレナリンが出て興奮したヘイリーはボートをGETして「私が捕食の頂点や!」と叫ぶ。すごい強い。奥飛騨最強の女が爆誕した。大学卒業した後は特殊部隊に入ったほうがいい。アベンジャーズに入るのは無理でもS.H.I.E.L.D.には余裕で入れる。登場人物が少ないせいで「一人の人間がワニに何度か噛まれるが死なすわけにはいかんので何とか生き抜く描写を2時間続けたせいで、普通の女子大生の主人公が最終的には超人くらい強く見えてしまう」という、この昭和のアクション映画の感じは懐かしかった。こういう「スーパーヒーロー映画やランボーみたいに意図したわけではないのに結果的に強く描写されてしまった映画の登場人物」の事を僕は〈異能生存体〉カテゴリーに入れて気に入っている。僕も水泳やってたので「水泳やってたらワニも倒せるんだな」と嬉しくなった。
🐶ゾンビ映画における犬はゾンビに知覚されず無傷な事が多いが、本作の愛犬シュガーも、ワニには最後まで気付かれず噛まれたりしないので愛犬家も安心して観ることができる。映画監督によっては裏をかいて「犬だけどストーリーと関係ないところで殺しちゃうぞ!これが現実‥リアルですからね」みたいな高2病的な逆張りで犬を無意味に殺しちゃう人もいるが、そ-いうのは要らないんだよ。変に逆張りせず、犬とか猫は殺さなくてよし。映画の中の犬とか猫はその世界に残った良心とかを現してるからな。「ジョン・ウィック」とかは犬の死に必然性あるからいいけどね。しかし父娘がこれだけ強かったからシュガーも「絶・天狼抜刀牙」でサポートして欲しかったところ。
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そんなこんなで動物パニックものと台風ディザスター映画が一緒になった映画だった。それプラス親子愛ね。全体的にQTE(クイック・タイム・イベント)多めのゲームしてるような感じだった。リブート版「トゥームレイダー」やってる感じ。
それにしても、こういう映画も何だか古典的な懐かしさを感じた。
父娘が不死身すぎる可笑しさとかも懐かしいし、そこそこ楽しめました。
最近の映画にしては1時間半にも満たない短さとか、ワニ&台風のみでグイグイ押してくる「ウチの店は『ラーメン』と『餃子』その2つしか置いてません!」って感じの男らしいラーメン屋って感じで好感度高い映画だ。
それにディザスターものだとパパが家族を救ったりカップルがイチャつきながらサバイブする事が多いが「健康な娘が弱った父を助けながら」という組み合わせが良かったね。
文句付けるとすると、食い殺されるのがモブ5人だけというのは少なかった。しかも喰われる時に水しぶきの中で血煙が舞って喰われるからよく見えないし。もっと主人公父娘&犬以外の、町中の人たち何十人もが色んなバリエーションでグチャグチャに踊り喰いされた方が良かったね。父娘は何度か噛まれても逆転できるしワニも鈍いせいで「俺でも倒せるかも?」と思えてワニが怖くなかった。アジャ監督だからもうちょっとゴアな感じかと思うじゃん?小さいお子さんと一緒に観ても大丈夫だから一緒に観たらどう?
あとやっぱりワニが弱かったね。最初は親父が「奴らはよく見てるぞ!」と言ってたのに終盤では「水しぶき上げずに止まってたら感知されない!」とか言い出したので「弱体化しとるやん」と思った。こっちはワニの事知らないので正確な情報を教えてくれないと!
そこそこ楽しかったけど「そこそこ楽しかった」以外に感想書くことなかったのだが、頑張って文量をこれだけ増やす事ができた(何故増やしたいのかというと字がいっぱい書いてないとブログっぽく見えないから)。だが、さすがにもう書く事ないので早いけどここで終わっておく。ここが限界。台風19号ネタに触れれば無限に文量増やせそうだが映画に直接関係ないからやめとくわ。
だが一個だけ言うと、先日の多摩川の氾濫は10年前に地域住人が「巨大な堤防なんて作ったら町の美観が損なわれる!千年に一度の氾濫に備えるなんて馬鹿らしいw」と、町が堤防を作る事に一部のバカ市民が反対したせいで起きた(そして街は、美観どころじゃないグチャグチャの状態になった)。日本昔話みたいな話だ。
だが今の時代、悪い予感はただの予感では終わりはしない。
皆さんも防災の備えしておくように‥。
そんな感じでした
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