gock221B

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『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)/本編シリーズよりこっちを応援する気満々だったが思いのほか大味だった👨🏼‍🦲👩🏻‍🦲


原題:Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw 製作&主演:ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサム 監督:デヴィッド・リーチ 製作国:アメリカ 上映時間:136分 シリーズ:「ワイルド・スピード」シリーズのスピンオフ



 

なんか最初は走り屋B級映画って感じだったのに途中から超絶ヒットし始めたのと比例して内容も、政府が主人公の走り屋チームに国家機密レベルのミッションを依頼し、主人公の走り屋ファミリーは世界各国を走りながらカーチェイスや義理人情で解決していく内容になってった脳筋マイルドヤンキー的カーアクションシリーズ。
走り屋的なものにもファミリーの絆的なノリにも興味なくて観てなかったんだけど去年あたりジェイソン・ステイサム目当てに、ステイサムが加入しはじめて観るにはキリがいいらしい7と8を観て確かに面白かった。近年のアクション大作シリーズと言えばMCUなどアメコミ映画を始めとしてオタク要素の強いものやトム氏の狂気を見せつけられるMIばかり観てたので、カラッとしたマイルドヤンキー要素の多いこのシリーズは新鮮な味わいだった。
ステイサム演じるデッカード・ショウは、完全に悪役として出てきたはずが8では主人公チームと共闘して知らん間に「良い人」みたいなキャラに変わっていきラストでは主人公と一緒に飲み会に参加してた。どうやら少年ジャンプ漫画のように敵がどんどん味方になっていくようだ。ステイサム目当てに7から観始めた俺には関係ないが、シリーズを追ってる人にとってショウは人気キャラのハンを殺した男で、それが知らん間に飲み会に参加してるのは納得いかんものだったらしいが、今朝公開されたワイスピ9作目の予告でハンが「魁!男塾」みたいに生き返ってたからショウへのヘイトも薄らいだかもしれない。
だが、メインメンバーのドウェイン・ジョンソンとステイサムは、シリーズ主人公であるヴィン・ディーゼルを中心とするシリーズ本隊と不仲になって分裂し、このホブス&ショウを主人公としたスピンオフが作られた。僕はと言えば元々ワイスピシリーズに特に思い入れもなくステイサム目当てに観ただけなので「メインキャラが大幅に減ったらステイサムの出番が増えていいやん」と単純に思っていた。
この監督の他の作品は「ジョン・ウィック」「アトミック・ブロンド」「デッドプール2」と、どれも結構面白かったので期待していた。

 

 

 

元FBI特別捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)と元MI6エージェントのデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)。犬猿の仲の二人が行きがかり上、手を組むことになって巨悪に立ち向かう‥という8作目「ワイルド・スピード ICE BREAK」で好評だった、喧嘩しながら連携して敵を倒す二人をそのまま抜き出して一本の映画にしたかのような正にスピンオフって感じの仕上がりになった。
新キャラ、MI6エージェントのハッティ(ヴァネッサ・カービー)はショウの妹。彼女は重要なウイルスを悪の組織に渡すまいと自らの体内に注入して逃げる。それを追うのはショウと因縁ある超人兵士ブリクストン(イドリス・エルバ)。
ホブスとショウはハッティと合流し、ハッティは48時間以内に専用の機械で体内のウイルスを取り出さないとハッティが死ぬと同時に、そのウイルスが世界中にばらまかれて人類が危険に晒される。
ちなみに本作の秘密組織は人類を殲滅して世界の浄化を図ろうとしている。「人類滅亡したらお前らも困るんじゃ?」という気がしなくもないが、まぁその辺は考えても仕方ないので考えるのをやめた。
悪の組織はメディアも自由に操れるので、ホブス&ショウ&ハッティは凶悪な犯人として報道されてしまい、もうCIAやMI6などの援護が受けられないので三人だけで解決しなければならなくなった。これは「人類滅亡の危機なら政府の巨大組織に頼らなきゃ」という疑問を封じ〈ホブス&ショウ兄妹 vs.ブリクストンの殴り合い〉という単純な構図に持ち込むための舞台装置。いわば規模の大きい「ビー・バップ・ハイスクール」みたいな感じだ。
ウイルスを体内に持つハッティ自身がマクガフィン。ハッティを護りながら二日以内にハッティ体内のヤバい薬品を取り出してブリクストンをKOすればOK。

 

 

 

ハッティ役のヴァネッサ・カービーはイギリスの女優で、自分は「キル・コマンド (2015)」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト (2018)」とかで見かけて魅力的だなと思ってた。面長かつ、こういうゴリラっぽい美人(口元が少し前に出てる美人)は好きだ。瞳など顔のパーツもデカいので表情豊かでいい。
ウイルスを除去する機械を探しながら逃亡するホブス&ショウ兄妹。それをブリクストンがターミネーターさながら追ってくる。三人は戦いながら何とか逃げ続ける。ブリクストンは完全防弾スーツを着て超人的なパワー、それに変形可能なバイクで追ってくるので最初は「こんなバケモノに勝てるのか?」と思ってたが、観てるとホブス&ショウ兄妹に何度も逃げられるので「あまり強くないのでは‥」という気もしてくる。
とりあえずホブス&ショウに勝ってるのは怪力と不死身なところだけのようだ。
ワイスピ本隊と分裂したので、独自のノリを作っていくのかと思ってたけど、秘密組織との戦いが殴り合いに収束していく様、無茶なカーチェイスと無茶なアクションと無茶なハッキング、マイルドヤンキー的ファミリー要素‥などワイスピに必要であろう要素は全て兼ね備えてたので「これもまた立派なワイスピだな」と思った。
ワイスピ本編では走り屋仲間を中心にファミリー感を出してたが、分裂しちゃったのでホブスとショウの友情以外にも、ホブスは故郷サモアの家族との関係修復、ショウは妹や母との関係修復‥など、それぞれ本当のファミリーとの繋がりを全面に出している。ついでにホブスとハッティもいい感じになる。闘いはするがモロにヒロインっぽい役回りのハッティとか、おもしろ黒人の登場とか若干、一昔前のエンタメ映画っぽい良い意味での半周遅れ感もまたワイスピっぽい。
それにしてもホブスの故郷サモアでの終盤の展開は、ステイサムも同格として活躍してはいるものの、若干「ホブスが主人公でショウは良き相棒」って感じがした。ホブス6:ショウ4って感じの塩梅だ。この辺を見るとやはりドウェイン・ジョンソンが座長で、彼が自分中心の感じにしたかった感じが伺える。だから、分裂したのはヴィン・ディーゼルとのイニシアチブの奪い合いによって両雄並び立たず状態になったんだろうなと思った。
ドウェイン・ジョンソン本人は好きなので彼の主演映画はよく観るのだが、どうも満足した事がない。ちょっと自分の趣味嗜好に照らし合わせると、彼は明るすぎ健康的すぎて大味に感じてしまい、どの映画もフワッとして終わってしまう印象。「メインキャラが少ないからステイサムの活躍も増える!」と期待してたが本作のステイサムは出番こそ多いが「ホブスの相棒」って感じが強く、むしろ本編シリーズより活躍が少なかった気がした。中盤までの都会を舞台にした闘いは面白かったのだが、サモアでの牧歌的なラストバトルでは大味な感じが強調されたのか結構飽きてきてしまった。
サモアでのラストバトルは、ホブスのオカンが「銃が嫌い」という理由で実家に銃がないため、サモア伝来の打撃系武器やクルマ、色々なトラップも駆使して親戚達と共にブリクストン達を迎え撃つ。
「重火器持ってても勝てなかったのにこれじゃ勝てんだろ」と思ってたが、ブリクストン達の銃は認証コードによって使用可能になるため「ブリクストン達の銃をハッキングして使用不可にする」という荒業でもって「ビーバップ・ハイスクール」的しばき合い対決に持ち込んだ(ワイスピシリーズと言えば無茶なハッキングで「ハッキングした!」と言いさえすればどんな事も実現できてしまう、殆ど魔法の領域に片足を踏み込んでいる)。
何だかんだでホブス&ショウはブリクストンをしばき回して勝利する。ブリクストンは滝壺に落ちるという最期だったが、本作で人気出たら次回作でホブス&ショウの味方として復活させる気満々じゃないかな。そういったサムシングを感じた。
そういった感じで最後まで普通に楽しめはしたものの観る前に楽しみにしてたほどではなく‥これでは何だか本編シリーズの方が面白い気がした。本編シリーズのキャラ特に好きじゃないのに何が違うんだろ?クルマを使って展開する大規模な作戦が少なかったからかな?連結しまくってヘリと綱引きするっていうのがあったけど、かなり力任せなものだったな。。怪力でもってピンチを打開するホブスのキャラがそのまま映画になったって感じで、本編シリーズと比べるとやっぱ大味だったからかも。。

 

 

 

そんな感じでした。

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「ジョン・ウィック (2014)」奇妙なゼロ距離射撃祭りを経て後半、幻想的な映画に変化していった🐶 - gock221B
「アトミック・ブロンド (2017)」誰も信じるなって事と、自分が触れることのできる現実感が大事👓 - gock221B
「デッドプール2 (2018)」面白かったし、メタなギャグはギャグのためのギャグではなく本編を円滑に進めるための整地なのが良かった❌ - gock221B
『ブレット・トレイン』(2022)/映画自体は面白かったし真田広之は活躍したけどホワイトウォッシュをごまかすための日本要素に複雑な気持ちになった🚝 - gock221B

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Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw (2019) - IMDb

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