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『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)/ウィンター・ソルジャーとかジョン・ウィックとかアトミック・ブロンド好きな人なら絶対楽しめそうなアクション映画💧

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原題:Extraction  監督:サム・ハーグレイヴ 脚本&製作:ジョー・ルッソ
主演&制作:クリス・ヘムズワース 原作:アンディ・パークス『Ciudad』
制作局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:117分

 

 

 

ルッソ兄弟が制作&脚本を務め、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以降のMCUルッソ兄弟監督作にスタントマンで出ていたサム・ハーグレイヴ氏が監督。
そしてそんな座組から予想した通り本作は凄く『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』とか『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』……とかにアクションがとてもよく似てる。
『Ciudad』というグラフィックノベル(コミック)が原作で、本作はNetflixの「一週間の間で最も再生されたタイトル」という記録を打ち立てたらしい。MARVEL原作じゃないMCU作品みたいなアクション映画で主演がマイティ・ソーなのでそりゃ皆観るだろう。
ネタバレもあるけど、ネタバレどうこうって映画じゃないのであまり気にしても仕方ないだろう。

 

 

 

裏社会の傭兵タイラー・レイク(クリス・ヘムズワース)は、愛する息子を喪ってから妻と別離し、命がけの任務にばかり出かけていた。オフの日も水底にダイブして瞑想したりしているし遠回りの自殺願望だろう。
そんなある日、同僚らしき女性の傭兵(ゴルシフテ・ファラハニ)が訪ねてきて「バングラデシュ麻薬王に誘拐された、インドの麻薬王の息子を救出する」という新しい依頼を受ける。
タイラーは難なくインド麻薬王の息子オヴィを奪還するが、インド麻薬王は収監中のためか傭兵チームに礼金を支払わず、またインド麻薬王の配下やバングラディシュの軍や裏社会も全てバングラディシュ麻薬王と繋がっており、傭兵チームは半壊してタイラーとオヴィは街じゅう敵だらけのバングラディシュ首都で孤立。チームのヘリが来れるところまで生還目指して逃亡を続ける。
そんな感じでストーリーは単純明快。息子を喪ったタイラーと、愛情なき父に育てられた麻薬王の息子……長いから以降「少年」と書く……少年が命がけの逃亡を続けるうちに固い結びつきが出来てくるというもの。
前半、タイラーと、まるでキャップ vs.ウィンターソルジャー、バッキー vs.ブラックパンサーかのような対決を繰り広げる特殊部隊出身のインド麻薬王の配下。少年とも顔見知りの彼はバングラディシュ麻薬王の息がかかっており、オヴィを奪おうとタイラーと対決する。
2人は確実なエイムで周囲のバングラディシュ軍を路傍の石みたいにヘッドショットや超至近距離での連射などで排除しながら対決しバングラディシュを戦場へと変貌させていく。
……やっぱ、この監督も『アトミック・ブロンド』に出てたしスタント繋がりで『ジョン・ウィック』一派と繋がりあって、タイラーの戦闘もジョン・ウィックに非常に似てていい感じ。
タイラーvs.麻薬王の息がかかった特殊部隊上がりの彼……呼び名が難しいから以降は「刺客」と呼ぶことにする……刺客は、愛する妻子の安全を麻薬王に人質に取られており操られている。2人はワンカットで周囲の麻薬王配下のソルジャーを瞬殺して死体の山を築きながら上下左右、立体的に殺し合い、やがてはもつれ合い2、3階から落下。そしてそれを撮影しているカメラも一緒に落下し以降ずっと戦闘を追い続ける。「一体どうやって撮ったんだ?」と考えながら何度も観れそうだ。
YOUTUBEに上がってるメイキングとか観ると「実はコンクリっぽい床が全部クッション」とか「すごい勢いでぶつけたかのように見える家具はピアノ線で、ある一定以上は飛ばないようになっており目の錯覚で敵の顔面にぶち当たったように見える」などの創意工夫で戦闘をリアルに見せている。さっき落下した2人、いったん刺客の方を映してタイラーの方に向き直るとタイラーは落下ダメージで「ううう……」と下を向いている。そこへバングラディシュ軍車両が突っ込んできてタイラーを吹っ飛ばす!カーアタックのダメージでうつ伏せに倒れるタイラー……というシーンは「カメラが横向いて向き直った後のタイラーは最後まで顔見えないからスタントマンかな」などと想像すると楽しい。
そういえば前半の戦闘しながらのワンカット風カーチェイスも「どうやって撮ったんだ?」って感じだけどTwitterに上がってたメイキングでは、スタントマンでもある監督自らカメラを担いで自らを車のボンネットに括り付けてカーチェイスを撮っていた(バケモノ!)

 

 


そんな感じで、タイラーと少年がお互いの胸にぽっかり空いた父と息子を補完するかのように疑似父子としての結びつきを増していく。遠回りの自殺として命がけである「死」のミッションをこなしてたタイラーだが、今回ばかりは少年の「生」のため戦い始める。「ふだんは暗殺とかもしてる傭兵がさっき会ったばかりの知らない少年に随分やさしいな」って感じだが演じてるのがポリティカル・コレクトネスが今ほど騒がれる前に『ゴーストバスターズ』で頭空っぽのセクシー女性の男版を、そして『アベンジャーズ エンドゲーム』でも喜び勇んで美しい石像のようなボディを大柄肉襦袢で隠して大柄ソーに、カッコいい役よりそんな役ばかりを嬉々として演じる、優しくてカッコいいクリヘムなので、傭兵としてはあり得ない優しい説得力あっても気にならない。それどころか少年に「強いおじさん子供は?」と訊かれたら「お、おれは強くなどない、むしろその逆だ……息子は死んだ」と、さめざめと泣き出したりもする。こんな泣き虫傭兵も演じてるのがクリヘムじゃないと成立しないだろう。そんな本作の本編は殆どアクションなので、そういったドラマは「人間ドラマ」というより「設定」という方が合ってそうな希薄ものだけど、まぁそれはこっちが想像すればいいのでOKです。
途中、タイラーは昔、命を助けた傭兵(デヴィッド・ハーバー)との絡みを経て、バングラディシュの孤児たちの襲撃も一蹴する。……この不良孤児との絡みも、ゲームで言うサイドクエストみたいな感じで最後まで描かれるが、この場面では素人の少年たちより遥かに強い大男タイラーが、不良少年とはいえ子供たちを仕方なく全員ボコボコにして半殺しにするのが「うわ~子供たちのヒーローであるクリヘムが貧しい子供たちを全力でボッコボコにしとる!」という画が単純に面白すぎて笑った。
そして一人では麻薬王の包囲網を突破できないと思ったタイラーは前半、殺し合いを繰り広げた「刺客」に協力を要請。刺客もまた前半の死闘の後で、妻と息子を愛する父親だったと判明する血の通った人間だった。妻子が死ななかったけど人質に取られたバージョンのタイラーみたいなもんか。悪い奴でも何でもないので主人公の鏡像としては弱いが、まぁそこはあまり重要じゃないみたいなのでこれはこれでよし。
そして命がけで傭兵を何人も失いつつ少年を救出したのにタダ働きだったタイラーの仲間の傭兵チームも怒りの参戦する(以降うつくしい彼女のことは「リーダー」と表記)。
冒頭で出てきた、タイラーと仲良さそうな女性の傭兵。彼女はカネを取れない少年はどうでもよくて信頼する仲間タイラーを救出するのが目的だ。リーダーは「もう礼金貰えないから少年を置いて私たちのヘリに乗れ」と言う。だがこんな地獄に置いてったらどんな酷い目に合うかわからない。もはや息子の時は死に目にも遭えず死んだように生きていたタイラー氏だが、今日だけは少年の「生」のため鬼神の如く闘い続ける。
彼女を演じてるイラン人女優は、ハリウッド映画ほかにも幾つか出てるが本当にやばいほど美人だ。「あっ本物だ。本物の美人をひさしぶりに見た……」と自分の脳細胞が俺に語りかけてくる「本物の美人感」が凄かった。何か「たくさんのブドウやフルーツや海産物、いや綺麗な形の貝殻や薔薇の花束とかを渡したい、そよ風の中で」そんなことを思わせる美しさが凄い。人の美しさとか普段どうでもいいと思ってるが久々に美について考えさせられて忘れていた何かを思い出したかのようだ。褐色の肌の女性の方が美白より好きかもしれん。
そんなどうでもいい事は置いといて傭兵リーダーとして作戦を仕切る彼女はスナイパーでもある彼女はタイラーを何とか助けようと、麻薬王配下のバングラディシュ軍の大佐と芋掘り合戦……スナイパー対決を繰り広げる。
まぁそんな感じで色々あって彼ら彼女らにふさわしい結末が訪れる。
クリヘム演じる優しい傭兵タイラーへの理解あると思ってた自分も最後の、身を挺した自己犠牲をスローモーション+扇情的な音楽で演じるクリヘムはさすがにちょっとくさいものがあった。ここはドライに決めて欲しかった。
ここは是非、続編でタイラーと少年、タイラーと美人リーダー、タイラーと不良孤児などの関係性の続きを観たいところ。
本編ほとんどアクションで、正直、字で感想なんか書いても仕方ないし書くことないと思ってたけど「面白かったから記念に何か一定量の感想書いとかなきゃ」と書いたら結構、白紙を埋められるもんですね。
それにしても原題は『Extraction』なのに邦題の『タイラー・レイク -命の奪還-』ってダサくないですか?少年にも突っ込まれてたけど名前の「タイラー」も「レイク」どっちも、何だか日用品売り場とかで働いてそうな平凡な名前で「ランボー」みたいな噛みつきそうで興味を引く人名ではないし「-命の奪還-」も何だかそそられない……要は全部そそられないわ。これなら、もう原題そのままの『エクストラクション』のままで良かったんちゃうか。公開されて他の人が盛り上がって随分経ってやっと観たが、この邦題には、あまり食指が伸びなかった……というのは観るのが遅かった言い訳か?まぁいいんですいいんです、どっちでもいいんです、そんな事は……。
同じ様に二の足を踏んでいる人に対しては、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』や『ジョン・ウィック』シリーズや『アトミック・ブロンド』などが好きな人にはおすすめできます。あと石ばっかりの茶色い町中で次々と敵を撃ち殺すTPSゲームが好きな人やクリヘムのファンや褐色イラン美女が好きな人にもおすすめできる痛快作。もう皆観てるだろうから俺がおすすめできる人はもういないか?だがたった今、産まれたばかりの赤ちゃんが数年後これ読んで「観てみるか」と思うかも知れない。出遅れてしまったた感想も時間が過去から未来へと流れてる宇宙のルールが健在なうちは価値あるかもしれない。たとえあなたが信じようと信じまいと……。それにしてもほぼ中身がない内容を結構書けたね。充分な長さになったのでここで終わりにしよう。

 

 

 

そんな感じでした
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Extraction (2020) - IMDb

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