gock221B

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『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)/最初の40分を過ぎて以降はめちゃくちゃ面白い!2回目は最初から全部面白い⚔️


原題:Knives Out 監督&脚本&制作:ライアン・ジョンソン 制作:ラム・バーグマン 製作国:アメリカ 上映時間:130分 シリーズ:『ナイブズ・アウト』シリーズ

 

 

 

この映画はミステリーなので久々に殆どネタバレ無しの感じで書こう。
……まぁネタバレ無しと言ってもミステリ好きや映画好きが、感想読んだら推測できるだろうから、なるべく最初に映画見たほうがいい。最初に言うとめちゃくちゃ面白かったったのでオススメです。
だから感想短くなる代わりに前置きと本作を観るまでの話が長いので、感想だけ読みたい人は3行の改行が挟まるまで、このブロックを飛ばしてもOK。
「ちょっと昨年末から忙しかったりゲームしたりで映画観る本数が激減して更新頻度が遅くなってるな」と気にしてたので、このコロナGWは映画いっぱい観ようと観てますが、全部ブログに書こうと思ったら大変だし、よほど「ブログに書き残したい!」と思わない程度のものはFilmarks(映画感想アプリ&サイト)に書いてます。
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感想書く事自体は、そんなん観てさえいれば幾らでも書けるんですがサムネ画像とかトップ画像とか監督がどうのとか予告編のリンク貼ったりする〈映画ブログっぽい体裁〉を整える作業自体が面倒なんですよね。それらは「必要な情報だから読む人がわかりやすいように……」と貼ってるわけではなく「この映画の感想がたくさん書かれている映画ブログ、何だかまるで映画ブログみたいだなぁ」と訪れる人に思わせる〈映画ブログっぽい体裁〉が、感想の内容と同じくらいに大事なので怠るわけにはいかないというわけです。ちなみに、当ブログは「映画の感想ブログ」であって考察やレビューではありません。

……で、今回の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)、公開時は「なかなか面白い」とか「キャップ役でお馴染みのクリエヴァがチャラい役で出てる!」とか評判だった記憶ある、続編の権利争奪戦もあって早くも2&3作目が決まったようだし。だが監督のライアン・ジョンソン『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)で印象があまり良くない感じだし、過去に唯一観た別の監督作だと『LOOPER/ルーパー』(2012)もあまり好きじゃなかったのでスルーして、最近Netflixで配信始まってもスルーしてました。
だけどフォロワーの方が本作を薦めてくれました。それで、あまり気が乗らないがモニターも右半分でネットしながらモニターの左半分で再生して、ながら観するという不真面目な態度で観始めましたが前半、正直かなり長い時間、興味が持てませんでした(この部分については後で改めて書きます)。30分くらい観ても、あまり物語に入っていけず観るのやめて、しばらく経って、再び同じ方から「そういえばナイブズアウト観ました?」と訊かれ「ごめん、入ってこなくて中断しました。また観とくよ」と言い、彼は「そうですか……」という感じになりました。そして更に時が経った最近「このGWはやることないから映画観てブログ更新するぞ!」と決心して何作か観てる時に本作の事を思い出し、前半なかなか物語に入れないのは知ってるのでもう自宅が映画館のつもりで何があっても停止せずに観るぞ!と観てみて、やはり序盤が頭に入ってこなかったものの、映画開始から40分後に事件の真相が語られる場面で一気に引き込まれ最後までとても楽しく観れました。……というか去年の映画のベスト3に入るくらい凄く面白かった。2回薦めてくれたフォロワーの方のおかげですね。
ちなみにライアン・ジョンソンは2010年に「アガサ・クリスティ推理小説みたいなミステリ映画を撮りたい」と思い本作が出来上がったみたい。そして実際にアガサ・クリスティ推理小説みたいな本作が面白かったので「どうせなら本作の原作も読みたいな……」と思ったのだが当然ながら原作はない、この映画自体が原作だ。

 

 

 

世界的ミステリー作家にして大富豪ハーラン・スロンビークリストファー・プラマー)の85歳の誕生日会が、NY郊外にある彼の豪邸で家族が集いパーティが開かれた。
豪邸には大量の剥き出しのナイフを使った『ゲーム・オブ・スローンズ』の鉄の玉座のようなナイフの玉座が置かれている。
ところが翌朝、ハーランは自ら首を切り裂いた遺体で発見される。
どう見てもハーランの自殺に見えるので警察は自殺で済ませようとしたが、匿名の人物から依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランダニエル・クレイグ)が他殺を確信して調査を開始する。
容疑者家族9人家政婦ハーランの看護師マルタ(アナ・デ・アルマス)……といった屋敷にいた全員。
探偵の調査が進み、家族の秘密や嘘が次々と暴かれていく……。

……みたいな話。
とにかく大金持ちの作家が自殺のような遺体で発見される。家族は皆、欲深く全員が怪しく見える。まぁ割とミステリでよくある導入部だ。
コロンボとか古畑任三郎みたいに最初に被害者が死ぬor殺される描写が映されるわけではなく遺体で発見され、探偵が容疑者達を面接していく……、これが30分以上続くのだが、まだ被害者にも容疑者にも誰一人、興味を持ってない状態で10人くらい知らないキャラが次々と出てきて「こいつら容疑者の名前と性格と家族関係ととアリバイを覚えろ!」と突きつけられる。僕がミステリものをあまり観ないせいかもしれないが、これが結構しんどい。初見では全く面白くなかった。
前置きで「最初の30分で何度か挫折した」というのは、この部分だ。
ミステリ映画なら、探偵が小規模な事件を解決するアバンだったり、犠牲者が謎の人物に殺されるアバンが冒頭に描かれるといった所謂ツカミが描かれて引き込まれたりする。もしくは容疑者となる多くの人物たちの人間ドラマを魅力的に描いた後で殺しが行われたりする。本作の場合、探偵のキャラは静かなまま(ちなみにダニエル・クレイグ演じる探偵ブノワは終盤の終盤、魅力が爆発する、最後の最後に爆発させるため本編ではずっと金田一的な静かなキャラにしたんだろう)。そして既に殺しは行われた後。容疑者達はというと、演じてる俳優は有名な人ばかりなのだが正直、キャラクターがあまり面白くない。ただ嫌な奴らってだけなので、そんな彼らと面接してるだけの前半は面白くない。強いて言うならクリス・エヴァンス演じる〈バカ息子〉は面白いのだが、彼は面白くなる中盤以降にならないと出てこない。しかし実のところ一回最後まで観て二回目観たら凄く面白かった(だから、ひょっとして僕の見方が良くなかったのかもしれない)。それと美術や衣装は素晴らしいのでもう少し前のめりで観れば初見でも面白かったかも?
僕の経験上、面白い映画は前半から既に面白かったり、凄いのになると開始数秒の風景で既に面白かったりする(イーストウッド映画の面白いやつとか、風景だけでなぜ面白いのかはよくわからん)。だから「30分面白くないって事はこれはもう面白くないだろ」と思ってしまったのだろう。
だが実際のところ、映画が始まって40分くらい経った頃、事件の真相が描かれる。
ここが凄く面白い!変わっていて先がどうなるか全くわからない展開。しかも凄い緊張感!時間を急ぐ被害者ハーラン氏と焦るもう一人の人物が言いたいことが被ってハーラン氏が相手の口を塞いで離す場面の緊迫感!もう全く目が離せない。それまでと同じ映画だとはとても思えない。そこから先はもうずっと面白い。前半が全く興味持てず面白くなかった事とかどうでもいい。というかむしろ40分以降が面白すぎて「あれ?前半も面白かったのでは?」と思い始める。実際に翌日、最初から観たら普通に面白かった。
やっぱり俺が悪かったのか……どうかよくわからない。
だが大勢のキャラクターがあまり面白くない事は確かだし、面白いキャラといえば……探偵ブノワ、死んだハーラン氏、看護師マルタ、クリエヴァ演じるバカ息子、この四人だけ。前半、映画を観る人の興味を惹き付けるため、この四人の誰かを活躍させればよかったのでは?と思った。
まずブノワ探偵は前述した通り、最後に爆発するまでキャラを隠したかったんだろうから終盤までの彼は冬のナマズのように静かなキャラで居なければいけない、次にハーラン氏は40分から始まる事件の真相の回想まで秘匿しておかなくてはならんからダメ、あとは看護師マルタとバカ息子か。マルタは嘔吐の伏線を張りはしたがアレ以上目立たせると都合が良くないと思ったのかもしれない。やっぱり、クリエヴァはパーティを抜け出すのではなく家に残って面白い茶々を入れるキャラとして屋敷に残して前半から「バカ息子だが実は良い奴?」みたいな感じで引っ張るキャラにしとくべきだったのではないか?と思った。もしくは探偵の面白いキャラクターを最初から出すべきだったかも?
それにしてもダニエル・クレイグの主人公探偵は良いキャラだった。ホームズ的な、観察眼と推理力に優れた感じの探偵。独自性があるとすると終盤、人情家だとわかるところか。とてもそんな感じに見えなかったので凄く意外だった(だからこそ終盤まで彼のキャラを秘匿していたのだろう)。彼が感情を爆発させてナイフの玉座に座り一気呵成に捲し立てるシーンはクライマックスに相応しいカッコいいシーンだった。玉座に飾り付けてあるナイフが放射線状になっているため、玉座に座って捲し立てるブノワ探偵がまるで、漫画の集中線みたいでとてもカッコいい。玉座自体もカッコいいし、その玉座も物理的にも後で使われる。玉座や仕掛けはハーラン氏の人柄や性格を示している。そして、それにしてやられた犯人は「ハーラン氏の近くに居たのに彼のことを全く理解していなかった」事を、この玉座で表現される。玉座だけでなく開始40分目の回想でもハーラン氏の面白いキャラが短い時間で充分に描かれてる。
アナ・デ・アルマス演じる看護師マルタは善良な善人。アナ・デ・アルマスといえば『ノック・ノック』でキアヌ氏をいたぶる美女役『ブレード・ランナー2049』で主人公が恋するAI役でしか知らないけど凄い美人なので印象に残っている。美人は勿論好きだが僕は比較的、美人にうるさくないと思うのだが映画に出てくるラテン系の美人はヤバいくらい印象に残る。少し前ならサルマ・ハエックとかモニカ・ベルッチとか?とにかく「凄い美人だ……!」と思わされた。彼女は嘘をつくと嘔吐してしまうという体質の持ち主だから、これでもかと嘔吐し、ゲロとか苦手なんだが(あまり得意な人も少ないだろう)看護師マルタが、あまりに美人かつ良い娘なせいか全く汚いと思わなかった。……ひょっとして吐瀉物が汚く見えないようにアナを配役したのかも?彼女の嘔吐癖や数々の伏線や結末の全てがマルタというキャラを表現している。また不思議な経緯で容疑者の一人であるにも関わらずブノワ探偵の助手のような役でずっと出ずっぱる。誰が観ても好きになるキャラだと思った。
本作のキャスティングで一番、評判だったのはキャップとは180℃違うバカ息子役のクリエヴァだろう。だがクリエヴァ本人は割と明るい性格だし、キャップ以前のクリエヴァが演じていたのは『ファンタスティック・フォー』のジョニー、『スコット・ピルグリムと邪悪な元カレ軍団』のチャラい元カレ、『セルラー』の犯人、タイトル忘れたけどラブコメに出てきたチャラい男など、チャラかったりクズの役が多かった。だから10年近く前、クリエヴァがキャップ役に決まった時「え~、あのチャラい奴がキャップ役かよ」と不満に思ったのを覚えている。実際にはクリエヴァのキャップ役は最高だった(可愛げが強い分、原作キャップより好きかもしれん)。そして今となっては「クリエヴァがバカ息子役!?」と驚かれたりするんだから、そういう時の流れを追ってると面白いですよね。
まぁ、そんな感じで映画開始から40分目から最後まで一気に惹き込まれてめちゃくちゃ面白かった。昨年2020年の日本公開映画でベスト3に入るくらい好きかも?そして、これまた前述した事だが一回最後まで観て、再び最初から観返すと今度は最初から面白かった。……まぁミステリものでよくありがちな事だけど。
前半がイマイチだったのは、40分経ちさえすれば面白いのだから「Netflixじゃなく一時停止できない映画館なら問題ないのでは?」と思った。だけど配信サービスなら、頭から観返すのも容易なので、どっちも良いのか。まぁいいや。
極力ネタバレを限界までしないようにしたら内容にあまり触れない感想になったが、とにかく面白かった。あまりに面白かったのでSWのep8がつまらなかったのは「オリジナルの企画が得意で突飛なことをしたがるライアンを、基本が大事なSWの監督に据えたキャスリーン・ケネディが悪い」と思うようになった。
とりあえず続編も、そのまた続編も今から早く観たいし今後の楽しみができた。
マルタは、変則的なワトソンみたいな役割を演じてたのでブノワ探偵に「ワトソン」とか言われてたし、今回同様にブノワ探偵のサイドキックとして続投して欲しいなぁ、ちょっと無理かな?いや出来ないことはないはず。

 

 

そんな感じでした

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見はその焼畑農業っぷりを楽しんでしまった⭐ - gock221B

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Knives Out (2019) - IMDb

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