原題:Bill & Ted Face the Music 脚本:クリス・マシスン、エド・ソロモン
監督:ディーン・パリソット 製作国:アメリカ 上映時間:91分
シリーズ:『ビルとテッド』シリーズ第三作目
キアヌがブレイクする切っ掛けとなった『ビルとテッドの大冒険』(1989)では、未来人ルーファスの電話ボックス型のタイムマシンで時間旅行して偉人たちと会ったり画期的なタイムスリップ使いやビルとrテッドのキャラクターやエアギターで人気を博したコメディ映画、続く『ビルとテッドの地獄旅行』(1991)では死神(ウィリアム・サドラー)と手を組み悪者を倒してロックスターになった、そこから29年ぶりの新作。
ビル(アレックス・ウィンター)とテッド(キアヌ・リーブス)はロックバンド“ワイルド・スタリオンズ”として活動していたが、30年たった今は人気に陰りが出てきていて迷走気味。中世の時代から連れてきて結婚したプリンセス2人とも愛し合っているが今の生活を不安に思ったプリンセスの提案で4人はカウンセリングを受けている。
だがビルの娘ティア(サマラ・ウィーヴィング)とテッドの娘ビリー(ブリジェット・ランディ=ペイン)はパパ達と音楽が大好きで音楽を聴きまくるニート生活を満喫している。
そんなある日、ビルとテッドの前に未来人ルーファスの娘ケリーが現れ「今から77分25秒後に時空が歪み世界が滅亡する」というものだった。つまり、この時点から映画が終わる頃合いに世界が滅んでしまうというのだ。
ビルとテッドは”世界を救う音楽”を完成させて破局を防ぐため懐かしのタイムマシンで新たな冒険に出る。そしてそんなパパ達を見たティアとビリーは……?
という話。
ビルとテッドは”世界を救う曲”を自分たちはまだ作ってないから近未来の自分たちに会いに行き「世界を救う曲つくってたらくれ」とお願いするがタイムスリップすればするほど未来の自分たちは落ちぶれていた。そして老人ホームで年老いた自分たちのところに行くとやっと”世界を救う曲”を完成させていた。ここで老ビルが「がっかりさせてばかりで悪かった」と現在のビルに謝るのが感動的。
キアヌは現在でも有名で、ビル役のアレックス・ウィンターは監督業メインの活動になったのでキアヌがメインだと思いがちだがどっちかというとビルの方が僅かにリーダー格でテッド(キアヌ)の方がぼーっとしてて「ワーオそりゃすげえ」と言ってる2番手の感じなんだよね。
一方、二人の娘ティアとビリーもタイムマシンを使って”最高のバンド”を結成しようとタイムマシンを借りて時間旅行する。二人はジミ・ヘンドリックス、アームストロング、モーツァルト、2千年前の中国の笛の名手リン・ルン、動物の骨でドラミングする原始人グロムなどをスカウトしていく。つまり一作目でビルとテッドがやってたような展開を娘がする。
ジミヘンをスカウトするのが難しいとみるや、過去に行ってジミヘンが尊敬するアームストロングに撮影しておいたジミヘンの演奏を見せてスカウトする、そしてタイムスリップを信じないジミヘンにアームストロングが演奏してみせたら一発で理解してニヤリとするジミヘン……そして皆で過去に行きモーツァルトの演奏にジミヘンがエレキギターを合わせて勧誘……という感じで最高のバンドメンバーを揃えていく。
ビルとテッドも勿論いいが、この娘たちの時間旅行が最高。
このシリーズの魅力は適当でおバカな展開……ではあるがそれよりもビルとテッドの異常にあっけらかんとしたポジティブな善性にあった。
それが娘たちに受け継がれていて、いつも楽しそう。冒頭パパたちが演奏してる迷走曲で皆が呆れてても娘たちだけは一心不乱に踊っていたり、過去の伝説の音楽家を集める時も二人の異常にポジティブな雰囲気が凄い。正直、客観的にはアホなくだりなんだがこの音楽家を集めるくだりで不思議な感動があって泣きそうになった。
ビルの娘ティアを演じてるのは既に売れっ子になったサマラ・ウィービング(ヒューゴ・ウィーヴィングの姪だと今知った)。ビルっぽくしようと口開けっ放しだったり歯茎を見せて笑う、だが基本的にはいつものサマラ・ウィービング。テッドの娘役はブリジェット・ランディ=ペインという……まだ全然知らない子だったが彼女は1、2作目のキアヌ演じるテッドの喋り方や仕草を完コピしていて本当に父娘だって感じが凄い。
そうこうしつつ娘たちが地獄に落ちたのを救いに二作目でおなじみだった地獄旅行にも行き、バンドメンバーにしてたが喧嘩別れした死神とも和解するビルとテッド……。
娘たちを殺した殺人ターミネーターすらも仲間にして現世に戻る一行。
そして真の”世界を救う曲”とは何かに気づき、ビルとテッドは”一度に無限に存在するビルとテッド”となって世界を救う手助けをする……。
という感じでハッピーな終わり方するのはいいが割とゴチャゴチャっとしてる感じ、それより中盤のビルとテッドが老人の自分たちと抱き合うところ、娘たちの大冒険が良かった感じ。
キッド・カディという俳優兼ミュージシャンの人が本人役で出てて、量子論やタイムマシンでどうすればいいか全て知ってるというネタがよくわからなかった。キッド氏は博識で知られてる人なのかな?
今回もやはりビルとテッド父娘のポジティブなキャラクターが輝いていた。
4人だけでなく殆どの登場人物が良い人なんだよね。ビルとテッドとの結婚生活に疑念を抱くプリンセスたちも時間旅行するんだが「やっぱり今の貴方たちが最高だわ」と言うし、テッドの頑固な父親や死神とも愛ある和解するし。今どきの映画にしてはメインキャラが白人ばかりというのが気になりそうなもんだがビルとテッド父娘のキャラの良い奴っぷりが突き抜けていてそんな事を観てる間は気が付かなかった。
とにかく観てると「自分も他人にもっと親切にしよう」というピースフルな気持ちが湧き上がってくるのを感じた。
でも今のキアヌはやっぱヒゲあった方が良いネ。
そんな感じでした
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映画『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』オフィシャルサイト
Bill & Ted Face the Music (2020) - IMDb
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