gock221B

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『スキャンダル』(2019)/セクハラ自体の醜悪さとセクハラの二次被害の罪👱🏻‍♀️👱🏻‍♀️👱🏻‍♀️👴🏻


原題:Bombshell 監督&制作:ジェイ・ローチ 脚本:チャールズ・ランドルフ
製作&主演:シャーリーズ・セロン 製作国:アメリカ 上映時間:108分

 

 

 

FOXニュースの創立者で元CEOのロジャー・エイルズのセクハラに対する女性職員の告発を描いた映画。主演のシャーリーズ・セロンが制作。

2016年アメリカで視聴率NO.1を誇る保守系ニュース放送局”FOXニュース”。
解雇されたベテランキャスターレッチェン・カールソンニコール・キッドマン)が”TV業界の帝王”と崇められるCEOロジャー・エイルズジョン・リスゴー)を告発し、騒然とする局内。
看板番組を背負う売れっ子キャスターメーガン・ケリーシャーリーズ・セロン)は、自身の成功までの過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。
一方、メインキャスターの座を貪欲に狙う若手キャスターケイラ・ポスピシルマーゴット・ロビー)は、昇進と引き換えにロジャーの部屋に行ったばかりだった――

みたいな話。
一言でいうと「セクハラしまくってたTV局の偉い人が女性たちの反撃に遭う話」。

 

 

 

👱🏻‍♀️👱🏻‍♀️👱🏻‍♀️👴🏻最初は三世代のキャスター3人とロジャーのキャラ紹介。
👱🏻‍♀️ベテランキャスターのグレッチェン(ニコール・キッドマン)は女性の強さを番組で表現していたがロジャーに視聴率の悪い番組に飛ばされてしまう。
👱🏻‍♀️現在、局でトップ人気のメーガン(シャーリーズ・セロン)は、ドナルド・トランプとやりあっている人気キャスター。
👱🏻‍♀️新人キャスターのケイラ(マーゴット・ロビー)はグレッチェン(ニコール・キッドマン)の下で下積みしていたが飛躍のためにグレッチェンの下から飛び出す。劇中の人物はほぼ実在の人物だけどマーゴット・ロビー演じるケイラはロジャーにセクハラを受けた複数の人物をミックスした架空のキャラクターらしい。
そして「このシャーリーズ・セロンニコール・キッドマン、特にシャーリーズ・セロン随分いつもと顔が違うなぁ」と思ったら、どうやら元の人物である有名キャスターに顔をそっくりにメイクしてるらしい。なるほどね。
この三世代の女性キャスターが主人公。

👴🏻セクハラで訴えられるロジャーは、保守的でセクハラじみたところもあるが有能で部下の仕事を後押ししてくれる良いところもある……と、前半で描いてるのがとても良いと思った。ロジャーの自らの高い地位を利用したセクハラは醜悪きわまりないものだが良い面も最初にちゃんと描いてる事で「こいつもモンスターではなく一人の人間なんだ」と感じさせてくれる、これが大事だろう。
僕は全くもって底辺の人間なのでセクハラとかしないが、もし社会的地位のある人間だったら?とよく想像する。勿論セクハラとかしたことないし仮に社会的地位の高い男だったとしてセクハラ等しないと思うが、その立場になってないので言い切れない(割合はわかんないけど最低でも80%以上の人はセクハラすると思う)。そのように「自分は悪いことしたくないけど、そんな立場ならしてしまうかも?いやきっとしてしまうだろう」と思う事が大事だと思う。悪いニュースなど見て自分のこと置いといて悪人を叩きまくる人は危ないと思う(経験上カスほぼこのムーブする)、悪人をモンスター扱いして自分とかけ離れたものとして切り離すのは危険だ。そーいう事で、この前半でロジャーを人間扱いして描いたのは有能だったと思う。

メインキャスターになる野心のため地味な番組に飛ばされたグレッチェルの元を飛び出したケイラ。彼女は出世のためロジャーの部屋を訪れセクハラを受け入れてしまう。
話は少し戻りケイラは、レズビアンである事を隠している女性社員ジェス(ケイト・マッキノン)と一夜を共にし仲良くなる。ジェスはリメイク版『ゴーストバスターズ』(2016)で一番目立ってたし現実でもレズビアンケイト・マッキノンが演じている。ジェスは保守系のFOXニュースで働いてるのでレズビアンである事は勿論ヒラリー・クリントン支持者である事も隠して働いている。彼女は仲良しのケイラと巨大なFOXニュースの間に挟まれており、ケイラがセクハラに遭っても見て見ぬふりする。ジェスは「FOXニュースのパワーの巨大さや性格」がどれほどのものか観客にわかりやすく示すためのキャラクターだ。

劇中で出てくるセクハラは大体こんなものだった。

男「君の願いを叶えよう、だが見返りは欲しい(意味:しゃぶれ)」
女「え?」(スルー)
男「それが何かわかるか?(自分から能動的に俺の男性器をしゃぶれ)」
女「誠心誠意、仕事を頑張りたいと思います!」(スルー)
男「違う、忠誠心だ。私への忠誠心を示してほしい(お前の意思で俺のをしゃぶれ)」
女「……と、言いますと……?」(スルー)
男「どう示すのかは君に任せる(自分からしゃぶれ。もう4回目だぞ)」
ここで、しびれを切らした男が無理にキスしようとする。逃げる女。すると男は言う
男「仕事が欲しくないのか!?(最後のチャンスだ、しゃぶれ)」

それを断ると職を外される、外されないこともある。

不当に理由なく解雇されたグレッチェン(ニコール・キッドマン)は戦闘開始だとばかりにロジャーをセクハラで訴える。無職の主婦になってしまったグレッチェンに比べてロジャーには巨大な権力がある。
ロジャーからセクハラを受けた女性社員は何十人もいるのだが、ロジャーや会社や好奇の目に耐えられず誰も名乗り出ない。名乗り出れば「こいつはセクハラしたら言い返してくる女だから扱いにくい」と思われてどこでも働けなくなる、それが怖い。
メーガン(シャーリーズ・セロン)も過去にロジャーからセクハラを受けていた。しかし長い時間かけて手に入れた今の地位が失われたら?そして自分のチームの、家族を養ってる者たちが解雇されたら?自分のチームの外国人職員が強制送還されたら?そう思うとメーガンはなかなかロジャーからセクハラされたと訴え出れない。そして当然ながらロジャーは男性社員にはセクハラしないので男性社員から見るとロジャーはただ口うるさいが頼りになる親父でしかない、男性社員の半数はセクハラ告発に苦い顔をする。そして保守的な女性社員も。
本作を見てて、セクハラ自体も勿論醜悪だが、それと同じかそれ以上に、このセクハラの二次被害が酷いと思った。
ロジャーはこのシステムで何十年間も何十人の女性にセクハラしても無事で居たのだ。更にロジャーは社内全てを盗聴しており社内に社員には秘密の秘密警察のような部署まで持っていた。
しかし次々とセクハラ被害に遭った女性キャスター達が名乗り出始め、メーガンも……。
アメリカのワインスタインや本作のロジャーに始まったMeToo運動は日本にも伝わり、アメリカから6年遅れくらいで進んでいる。近日は園子温映画秘宝など映画業界のセクハラ・パワハラが告発された(笑ってしまうほど全部が結びついているのが面白い)。日本の告発も徐々に進んでおり、やがては芸能界の上の方……大物カメラマンや大手事務所なども挙げられるだろう。彼らの寿命が尽きないうちに告発され失意のうちに死んで欲しい。しかし、そこまで進んでやっと次が政治家。当然ながらそれに対して自分ができる事は何もないのだがせめて応援くらいしよう。

 

 

そんな感じでした

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Bombshell (2019) - IMDb

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