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『トップガン』(1986)/現代の目で観ると厳しいので小学生当時に観とけばよかった🛩️


原題:Top Gun 監督:トニー・スコット 製作:ジェリー・ブラッカイマー、ドン・シンプソン 音楽:ジョルジオ・モロダー、ハロルド・フォルターメイヤー 主題歌:ケニー・ロギンス『デンジャー・ゾーン〜TOP GUN THEME』 製作国:アメリカ 上映時間:110分 シリーズ:『トップガン』シリーズ

 

 

 

初めて観た感触は「悟空じゃなくて初期の天津飯や初期のベジータが主人公の『ドラゴンボール』みたいだな……」という印象でした。
小学生の時に公開されたので直撃世代ではあるものの何となく観る気が起きず観ないまま時が過ぎ、2000年くらいからトム・クルーズが好きになり始め、やがて「トップガンの続編が作られるらしい」と言われ始めた10年くらい前から「トップガン観なきゃな」という義務感があったのだが、観たのでやっと解き放たれたし『トップガン マーヴェリック』(2022)もやっと観に行けるわ、という感じで大掃除が済んだ大晦日の様にスッキリした。

【改めてトム・クルーズについて
トム・クルーズは、陽キャじゃなかった自分みたいな男は正直1999年くらいまでは「汗まみれの半裸で可愛いキラキラした瞳のサイコ笑顔でイキり散らしてSEXしまくる陽キャ感」やサイエントロジー広告塔や偽装結婚疑惑や子供が出来て出演したバラエティ番組で歓喜のあまりソファの上で飛び跳ねて全世界の人をドン引きさせた印象が強く、好いてる人が少なかった。ただ悪い人でもないし嫌ってたわけではなく「悪い人ではないしハンサムだが奇人すぎる」と、トムをどう思っていいかわからない感じ?
陽キャ以外も好きになりだしたのは『アイズ・ワイド・シャット』(1999)や『マグノリア(1999)で、トムが自分のイメージを逆手に取った作品選びをし始めた1999年以降という認識。
それ以降はジャッキー・チェン以上とも言える無茶苦茶なスタントするがトム本人が制作費出してるから誰も止められない感じ(とはいえ、そのうち死にそうだから辞めて欲しい気持ちもある)。映画好きで未だに旬のエンタメ映画を観まくってる映画好きの一面。映画業界を愛して尽くしてる感じ……などが周知され、いつしか映画好きはトムを愛するようになって20年以上が経過した。サイエントロジー信者である事も「ステップアップのために若い時に入って、色んなしがらみで抜けられないんだろ?」という感じで気にならなくなった(仮にガチ信者だったとしても他人に害をもたらしてないしね)。
ネタバレあり。

 

 

 

 

1980年代の半ば、アメリカ海軍艦上戦闘機F-14の天才パイロット、〈マーヴェリック〉大尉(トム・クルーズ)が主人公。
マーヴェリックのデュークもまた戦闘機パイロットだったが謎の死を遂げ、その死はマーヴェリックの心に影を落とし、そのせいでマーヴェリックは無茶な行動ばかりして同僚とも衝突していた。
マーヴェリックは相棒のグース中尉(アンソニー・エドワーズ)と共に功績が認められ、戦闘機パイロットのトップ中のトップ、アメリカ海軍戦闘機兵器学校(通称:トップガン)に進む。
同じトップガンのライバル、アイスマンヴァル・キルマー)との競い合い。教官チャーリー(ケリー・マクギリス)との恋愛など順調なマーヴェリックだったが――

まぁそんな感じですわ。

第一幕:自信に溢れた主人公のイキり倒しパイロット生活。
第二幕:初の挫折で凹む
第三幕:挫折からの復活

……というアメリカ映画や香港映画のエンタメ作品の多くで基本となってる三段階の王道展開。それによってトム・クルーズ演じるマーヴェリックを描いた映画ですわ。
CMディレクター出身のトニー・スコット監督作なので本編は全てシズル感(広告業界で言う瑞々しさを表す言葉)ある、美男美女ばかりの殆ど白人の絵になる汗だくの俳優陣、絵になるロケーション、絵になるカット割り……など、見ての通り映画全体がMVやCMのような美しい画面で、全体的に黄土色がかった映画(80~90年代は画面が夕陽などでやたら黄土色なのが流行った)。
全体的に「米軍の白人+ハリウッド大作…という上級・陽キャ白人天国映画」という側面もあってか第一幕の主人公達のイキり人生が興味持てなかった。……といっても別に主人公達は自信に満ち溢れすぎてるとはいえ悪人ではなく善人なので腹が立つわけでもない、あまりに自分とかけ離れて感じるせいか非常に目が滑り(一定時間観てると何故か興味を削がれて注意散漫となる事)。
休日だった今日、酒飲みながら観てて、本編でカッコいい映像を始め、良いところも多いのだが数分置きに興味が切れて、つい普段はやりたくない玄関や風呂やトイレの掃除まで始めてしまったりして110分の本作を観終えるのに11時間かかった。
何度も言うように別に嫌いではなく良いとこもあるが、自分は直撃世代だが当時観てなくて今初めて観た「現代人」であるため「主人公とケリー・マクギリスの恋愛いらんなぁ」とか「白人しか出てこないなぁ」とか「ドッグファイトのカット割り多すぎる、どの戦闘機に誰が乗ってるか把握した瞬間にカットが細かく変わるので誰が今何してるのか最後までわかりにくすぎる」とか「調子良かった主人公と付き合いだして、主人公が一番辛い時に冷たい言葉と共に去って、主人公が復活したら戻ってくるヒロイン何なの」など、どうしても現代の目で見てしまう側面もあった。そのせいで凄く目が滑る映画という印象だった。
主人公の親友かつ相棒のグースが事故死するのだが、そこでやっと興味を持てた。しかし「主人公やストーリーに変化をもたらすために死んだな」という、やはり現代人の穿った見方をしてしまうところもあった。
だが前述の通りトニー・スコットのカッコいい映像やマーヴェリックのカッコいいファッションやカッコいい音楽……など単純に映画全体がカッコいいので「何で俺は、この亀仙人の家みたいな白い木の家に住んでなくてバイク持ってなくて家の前に高いヤシの木みたいなのが植えられてないんだ?」という気分になった、当時見てたらめちゃくちゃ影響受けてただろうし、やはり80年代の子供時代に観ておくべきだった感じ。
同じ感想はスタローンの『コブラ』(1986)でも思ったが。
あと「グースの人って誰だろ?」と検索して「あっ!『ER』のグリーン先生役で90年代にブレイクした、あの俳優だった!」とか、「グースの妻役、ケリー・マクギリスより可愛くない?」と調べたら「あっ!後に恋愛映画の覇権だったメグ・ライアンだった!」などと、氷河期映画ファンなら常識であるはずの事を今気づいた自分自身を眺めるのが面白かった。
とにかく、これでやっとマーヴェリック観に行ける。

 

 

 

 

そんな感じでした

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Top Gun (1986) - IMDb

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