gock221B

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『グレイマン』(2022)/素敵過ぎるゴズリングとアナ・デ・アルマスが「シンプソンズ」の邪悪なフランダースみたいなクリエヴァを何度もシバく痛快作👤


原題:The Gray Man 監督&制作:アンソニー・ルッソジョー・ルッソ 脚本:ジョー・ルッソ、クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー 原作:マーク・グリーニー『グレイマン』シリーズ 製作会社:AGBOほか 配給:Netflix 製作国:アメリカ 上映時間:122分

 

 

MCU『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)で鮮烈にデビューして、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)など着実に大ヒットさせ、11年に渡るサーガのクライマックス『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を世界で最も超絶ヒットした映画にしたルッソ兄弟Netflix映画。
Netflix作品はもうすっかり「期待して再生させる力はあるが作品の後半になると殆ど保守的でつまらない作品ばかりそれが普通」って印象になってしまったが本作は『ストレンジャー・シングス 未知の世界』『アイリッシュマン』(2019)など同様に特別待遇作品なので当然面白い。配信の数日前に劇場でも上映してるし。観ながら「面白い……Netflix作品じゃないみたい」と思ってしまった。

マーク・グルーニーのポリティカル・アクション小説『グレイマン』シリーズの映画化。公開数日で既にシリーズ化やスピンオフ制作が決定した。

ネタバレあり

 

 

 

 

CIAエージェント、コードネーム"シエラ・シックス"ことコート・ジェントリー (ライアン・ゴズリング) 。連邦刑務所で服役していたところを当時のCIA本部長ドナルド・フィッツロイ (ビリー・ボブ・ソーントン) にスカウトされ、18年経った今では強力な戦闘力を持ったレイマン(誰でもない男)へと成長したエージェント。
フィッツロイは身寄りのない犯罪者をエージェントに育てる”シエラ”という部隊を作っていた。
ある日、シックスは新CIA本部長デニー・カーマイケル(レゲ=ジャン・ペイジ)の指令で暗殺任務をこなすも標的は自らを”シエラ・フォー”と名乗りカーマイケルの企みが記録されたマイクロチップをシックスに手渡して死亡。
チップを持ったシックスも、カーマイケルに不信を抱いた女性エージェント、ダニ・ミラン (アナ・デ・アルマス)もCIAから逃走、追われる身となる。
シックスを殺してチップを奪うため、カーマイケルは凶暴すぎてシエラを以前クビになったフリーのエージェント、ロイド・ハンセン (クリス・エヴァンス)に、直属の部下スザンヌ・ブリューワージェシカ・ヘンウィック)を見張りに付けジェントリーに差し向ける――

そんな話。
「男性エージェントと女性エージェントが毒された自分たちの上層部に反感を抱いて逃亡し、敵の暗殺者と街中で派手に闘いながら上層部の悪事を暴く……」という、ルッソ兄弟出世作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)と殆ど同じ映画と言っても過言ではない。ルッソのMCU作品はどれも好きだが『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)は一番好きなので嬉しいぞ。武術の達人が出てくるところなども似た要素だね。
どちらもポリティカル要素とド派手な戦闘シーンがウリだが、ポリティカル要素は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)の方が高く、ド派手な戦闘シーンは僅かに本作の方が高いかも?名作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)はスーパーヒーローコミックの映画化だし「戦闘機を素手で墜落させるキャップ」「敵は冷凍睡眠の超人兵士」「インサイト計画」「組織が悪の組織に乗っ取られていた」「磁気テープになって生きながらえた敵の科学者」……など、一つ一つは荒唐無稽でコミック的なのだが作品全体を観ると妙にリアリティがある作品だった。本作の場合、主人公だけにシックスが強すぎるもののシックスは人間らしい怪我を負って治療したり現実世界を舞台にしているのだが不思議と『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)よりも荒唐無稽な印象が強かった。『ジェームズ・ボンド』シリーズや『ミッション:インポッシブル』シリーズ『ジョン・ウィック』シリーズなどもそうか。なまじスーパーヒーローじゃない人間が主人公なのに、スーパーヒーローみたいな活躍された方がスーパーヒーロー映画よりも荒唐無稽に思えるのかも?
まぁ、いい、それと荒唐無稽というのは別に貶してるわけじゃない。
本作の場合、世界で最も素敵な男ライアン・ゴズリングがシックスを演じていて劇中で色んな素敵な活躍を見せる。
相棒を演じるアナ・デ・アルマスも世界で最も美しいし、敵のロイドを演じてるのはキャップ役だったクリエヴァだ。ロイドの見張りを演じるジェシカ・ヘンウィックも非常に美しい(好きなので大作が多くて嬉しい)。年配の協力者も非常に自己犠牲的な協力を見せる(2人も同じ死に方を……この役一人でよくない?)。シックスの恩人とその難病の美少女の姪も人質になっている。シックスは少女を救う。ちなみに敵のカーマイケル本部長は性格も悪い悪人だしロイドも幼稚なサイコパス……と「ただ悪いだけの悪」といってもいいくらいシンプルな悪。あ、あとインド人の高潔な精神の最強のエージェントも出た。
そんなこんなで作品全体の要素が非常に良くも悪くも荒唐無稽なんですよね、「一昔前の大学生向けの骨太アニメっぽい」と言ってもいい。それで主人公シックスが甘い魅力ありすぎるゴズリングで、素敵な活躍をしてはウインクしたり少女を命懸けで救ったりするから、めちゃくちゃ面白い良い映画だったけど、終わり頃ちょっとだけ恥ずかしくなった。「ちょっと綺麗な要素いれすぎやろ」って。難病美少女との『カリオストロの城』みたいな触れ合いとか……この美少女の存在は無かった方がよかったかも。

 

 

そんなこんなでゴズリングが素敵なのは観る前から想像した通りだしダニ(アナ・デ・アルマス)のコンビも『ブレードランナー 2049』(2017)のあの2人が『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)のキャップ&ナターシャを思わせるコンビっぷりで、想像通りの良さだったが、前述した通り本作は面白いのだが綺麗な要素が多すぎたせいか意外と本作のクリエヴァ演じる小悪党ロイドが良かった。クリエヴァ『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)の時と同じく卑劣なキャラ。キャップを思い出すので良い奴の役は今後もなかなかやれんだろう。クリエヴァの場合、真面目なキャップ役が例外で、元々こういうチンピラみたいな役のイメージが強かったので違和感もない。
このロイドは拷問大好きでCIAのお墨付きでもう無茶苦茶やる。用が済んだら殺すつもりで難病の少女を人質にするし、シックスを狙う作戦中に市民が居ても街中で銃乱射したり警官隊ごと皆殺しにして街が壊滅状態になる……というちょっと映画でもさすがに観れないレベルの無茶苦茶さだ。
中盤の街中でのシックス&ダニとのチェイスが本作で一番面白いところだったが、本当に有り得ない荒唐無稽さ、でもこれは前述の荒唐無稽さとは違って良い意味での荒唐無稽だ。

 


それでいて敵ロイドは凄く幼稚で癇癪持ち。いじめっ子の幼児がそのままデカくなった感じ。それらが相まってロイドの悪事が妙に痛快なんですよね。ゴジラが街を破壊する時の快感か?
で、そう書くとロイドが強そうなのだがロイドは全てにおいてシックスより弱い。というかダニにもやられるし。そもそもCIA半年でクビになった奴だからね。手段を選ばん無茶苦茶な奴だから今回起用されただけという。あと政治の影響か、黒幕の権力者が幼稚で感情的で杜撰であればあるほど「リアルな映画だ…」と思う逆転現象が起きてるな。
ロイドが後先考えない無茶な作戦して、お目付け役のジェシカ・ヘンウィックが美しい顔で生徒会長的に小言を言う。そしてロイドの作戦を素敵で強すぎるシックスが難なく制圧する……くやしがるロイド、といった事の繰り返しもまた良い意味での荒唐無稽さだった。でも癇癪を起こしたロイドがガミガミ叱るジェシカ・ヘンウィックのキャラを発作的に殺してしまうのをビクビクしてた。
悪役なので観てる間は「早く死ね!それに引き換えシックスは素敵……」と思ってたのだが観終えてしばらく経つとロイドの魅力ばかり思い浮かぶ。他の高潔なキャラ達と比べて人間味があるせいだろうね。白いピチピチパンツにポロシャツにチョビ髭という休日のお父さんみたいなスタイル……それでいてムキムキなので独特のダサさが良い。

 

 

なんだか全く褒めてないかのような感想になったが最初から最後まで飽きずに面白いままだったよ。カッコいいアクションもいっぱいだし(ちょっと夜間のアクションが見えにくすぎるが)。ただ観終わって「あぁ面白かった~欠点ないんちゃう?」と思うが、何十分か時間が経つと、ちょっと綺麗過ぎる感じが若干照れくさくなった。ゴズリングも素敵だ好き~と思って観てたがラストまで来ると「あまりに素敵すぎて逆にダサい」という見たことない領域に突入してしまった感がある。そうなるとクリエヴァのチンケなろくでもない敵の方がよく思えてくる。
今後も楽しみだ。スピンオフはアナ・デ・アルマスなのかインド人俳優ダヌーシュ演じる高潔なキャラか?わからんが楽しみだ。順当に考えるとアナ・デ・アルマスか。

 

あっ思い出した。シックスとロイドの素手のラストバトルで、遠くからスナイパーライフルで狙ったダニが「話を引き伸ばして、撃ち抜く」と言ったまま、2人が殴り合い始めても、途中で2人が離れても一向に撃たずそのままバトルが終わってエピローグになるまで二度と出てこなかったのは何だったの?ライフル構えたまま寝たのか?
あとアナが、シックスを襲うロイドのケツ撃って気絶させた時なんでロイドを殺さなかったのかも全く意味がわからない。別にロイドを尋問するわけでもないし。ロイドを殺さなかったせいで一体どれだけの人が死んだのか。

 

 

 

 

そんな感じでした

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グレイマン | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
The Gray Man (2022) - IMDb

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