gock221B

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『モービウス』(2022)/何十回も擦ったアメコミ映画テンプレまんまの内容で2003年の映画みたいだったが本編もキャラも意外と良かった🦇


原題:Morbius 監督:ダニエル・エスピノーサ 原作:ルイ・トーマス&ギル・ケイン 『モービウス・ザ・リヴィング・ヴァンパイア』 配給:ソニー・ピクチャーズ リリーシング 上映時間:108分 製作国:アメリカ シリーズ:ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)第3作目

 

 

🦇SPUMC?
モービウスの映画としては一作目だが、ソニーのMARVELユニバース「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)」第3作目。
ちょっとこのユニバースの現状とか本作の背景について今から書く文量が長くなると思うが、映画本編より映画の背景の方が遥かに面白いので仕方ない。
アイアンマンとかアベンジャーズのシネマティック・ユニバースがMARVELシネマティック・ユニバース(MCU)ね?で、こっちの略称はSPUMC。
スパイダーマン」の版権はソニーピクチャーズが持っている。MCUの『スパイダーマン:ホーム』トリロジーアベンジャーズに客演するスパイダーマンは「MARVELスタジオがソニーからスパイダーマンを借りて作品に出させてもらって儲けの多くをソニーに渡す」という感じ。
このSPUMCが何なのかを一言で言うと「スパイダーマンのサブキャラがいっぱい出てくるがスパイダーマンは全く出てこないユニバース」それが現状。
SPUMC作品の第1作目『ヴェノム』(2018)が公開された後、ソニーはこのシネマティック・ユニバース名を「ソニーズ・マーベル・ユニバース(SMU)」と発表したが同社内の社員達からは「ソニーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SUMC)」と呼ばれてた(この時点で意思の統一がされてない感じする)。その後、一部改名されて「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)」になったが、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)が発表されたされたのを機に、ソニーは「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」へ改名。これは「ソニースパイダーマンのユニバース」という今までで一番強気な名称だ。裏舞台の状況は秘密で推測するしかないのだが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、ソニースパイダーマン映画の過去作からスパイダーマン(トビー・マグワイヤ)、グリーンゴブリン、ドクターオクトパス、サンドマンスパイダーマンアンドリュー・ガーフィールド)、リザード、エレクトロなどのキャラクターが大量に出演した(ソニーが作りたがってる実写版スパイダーマンを先にやられたと言える)。そして『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)のポストクレジットではヴェノムがMCUの世界に行ってしまう。だからソニーとしては「そろそろ現在のスパイダーマントム・ホランド)を自分らソニー作品に出せるよね?」と思っての強気の改名だったんだろう。
そして本作が公開された2022年、ソニーはユニバース名を一年足らずで「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SPUMC)」に戻した。
推測だがソニーの迷走ぶりを見てスパイダーマンのIPが落ちるのを恐れたMARVELスタジオが「スパイダーマン貸そうと思ってたけど、やっぱソニー制作映画にはピーター出せんわ!」と怒られてユニバース名からもスパイダーマン外したんだと思う。
あと余談だが本作『モービウス』の監督は、どう呼んでいいかわからず「ヴェノム・ユニバース(VU)」という呼び名を自作して呼んでいたらしい。
ご覧のように関係者の間でも呼び名の統一が全く徹底されておらず状況に合わせてコロコロ変えている事がわかる。こういった名前や名称といったものはとても大切で、それが何故重要なのかを短文で具体的に説明するのは難しいので避けるが、名称を変えるのは絶対に良くない、それを4年で4回以上している。これでは誰の心にも根付かない。そういえばワーナーのDC映画ユニバースも名称が未だにあやふやのままだったな(”DCEU”は正式名称ではなくファンが勝手に呼んでる名称)。

🦇スパイダーマンが全く出ないSPUMCという謎のユニバース
とにかく何があったかは知らんが「ソニーのユニバースにはスパイダーマン出せないんだろうな」という事だけは伝わってきた。
そして今後の制作予定SPUMC作品は『ヴェノム3』、スパイダーマンの強敵の一人の映画『クレイヴン・ザ・ハンター』、スパイダーマンをサポートしてくれるサブキャラのオリジン『マダム・ウェブ』、スパイダーマンの原作コミックで60年間に2回しか登場した事のないプロレスラーの映画『エル・ムエルト』。
この微妙なラインナップを観ればわかるようにソニー・ピクチャーズは自作の実写作品に「スパイダーマン」を出せないという事がわかる。出せるのであればピーター・パーカーを出すはずだし、もしくはマイルズ・モラレス、もしくはゴーストスパイダー(スパイダーグウェン)等、ピーターの次に大人気のスパイダーマン達の映画を作るはずなのに一本も作らず、マダムウェブやエル・ムエントなどの「そんなの映画の脇役で出してちょちょっと語ればよくね?」レベルのキャラの映画ばかり量産している。
特に「スパイダーマンの原作コミックで60年間に2回しか登場した事のないプロレスラーの映画『エル・ムエルト』」の実写映画化は衝撃でしたね。どんなMARVEL作品でも基本的にはほぼ称賛しがちなアメコミ考察勢やYOUTUBERがエル・ムエントを「ヤバい!エル・ムエントの映画化だぁ!」などとハイテンション歓喜……してたら怖すぎるので楽しみに待ってたが、さすがのアメコミ系YOUTUBERや考察勢は全員エル・ムエントをスルーしたので少しガッカリした。そりゃそうか、マダム・ウェブは重要なサブキャラだし今後のマルチバース展開を可能にするソニーにとっても重要なキャラなのでSPUMC好きなら、ある程度期待する人が居てもおかしくはない。だが「エル・ムエントに期待する奴」なんているか?もしそんな奴がいたらアメコミ好きとはとても思えないしソニーに良い顔したい要素しか出てこない。だからこそアメコミ考察勢はエル・ムエントを無視せざるを得ない。
それにしても「スパイダーマンの原作コミックで60年間に2回しか登場した事のないプロレスラー、エル・ムエルト」に比べたら「ピーターが住むアパートの大家の実写映画化」「デイリービューグル社員の実写映画化」などの方が何千倍もスパイダーマン映画と言える。このエル・ムエントみたいな「スパイダーマン映画」が可能なら、ソニーが作りたいSFなりホラーなりの強いキャラを作って、膨大な原作からそれに当てはまる適当なマイナーキャラを持ってきて「次の映画もスパイダーマン関係あるよ!」と公開すれば普通に映画公開するよりもヒットする。そしてポストクレジットでヴェノム2とか本作みたいに「スパイダーマンが出るかも……」という要素を匂わせればアメコミ考察勢の人達が勝手にヤバがって、おもんない映画を盛り上げてくれる、安定の集金システム。

🦇スパイダーマンを匂わせる事だけで、かっぱいでいくSPUMC
その「スパイダーマン匂わせ」は本作でも顕著で、まず予告編で既に『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)の敵バルチャーを早々に……一年前から見せていた。他にはモービウスが街を歩くシーンでサム・ライミスパイダーマンのポスターが貼ってあったのでアメコミ考察勢は「どういう事だ!?『モービウス』はサム・ライミの世界なのか?いや、サム・ライミ版の映画ポスターだからサム・ライミスパイダーマンをフィクションのキャラとして認識してる世界か!?」等と何時ものように盛り上がっていたが、いざ本作が公開されたら「サム・ライミスパイダーマンのポスターが貼ってあるシーン」などはカットされてた。他にもあった気がするし『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)でも、そういうのあった気がするが忘れた。殆ど詐欺に近いものがありますよね……。まぁこのSPUMCはそんな感じです。
なお先月、MCU総合責任者ケヴィン・ファイギが迷走を続けるソニーに「先走りすぎないようにして……」と注意した。
🦇ネットミームとなったモービウス
本作は公開されたのが、MCUの過去のスパイダーマンが勢揃い!という20年間のスパイダーマン映画を総決算したかのような実写版スパイダーバースとも言えなくない『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の後に公開されたのもあって、20年前のアメコミ映画のテンプレまんまの内容や後の事を何も考えてなさそうな、いい加減なマルチバース展開のせいかアメリカ本国ではいじりの対象となった。「『モービウス』のチケットを車に置いてたら窓を叩き割られて『モービウス』のチケットが増えてた!」「『モービウス』劇中でモービウスが”It’s Morbin’ Time!”と叫ぶシーンが最高!」などの書き込みが大バズリした。そして「『モービウス』が凄まじい高評価!」などの褒め殺しコラが作られ、大手企業のSNSアカウント(Twitter、KFC)も『モービウス』をいじりだし完全にネットミーム化した。
ネットでの異常人気を受けた一部劇場が週末の2日間、『モービウス』を再上映した。
まぁ確かに2日だけならモービウスいじりしてる奴らが面白がってネタで観に行くと考えても不思議ではない。でも普通に誰も観に行かなかった。
そしてモービウス勢は「週末は皆、風呂に入ったり忙しかっただけです」と再々上映を訴えた。モービウス勢はモービウスが好きなわけではなく、ただモービウスが死ぬまで『モービウス』をいじりたかっただけだったのだ。

ネタバレあり

 

 

 

 

🦇脚が不自由なマイケル・モービウスジャレッド・レト)は、幼い頃に医療施設で兄弟同然に育ったマイロ(マット・スミス)や自身の難病を直すため医療の道に進み、成長したモービウスは天才医師となり資産家であるマイロからの支援を受け研究に励んでいた。
モービウスはコスタリカの蝙蝠から採取した吸血器官を人間の細胞と組み合わせて血清を生成。余命いくばくかもないモービウスは自らに血清を打つ。すると人の生き血を求める吸血鬼のような蝙蝠の能力(怪力、超音波、滑空)を持つ超人となってしまった。だが同時に一定時間ごとに人の血液を飲まなければ死ぬ身体になってしまった――

そんな話。最初に生い立ちを見せて、MARVEL……特にスパイダーマン系でありがちな科学者が実験の失敗で超人化というオリジン。そしてそれをうらやんだマイロも血清を打って邪悪な吸血鬼になってしまいバトル……という今までアメコミ映画で何十回くらいくらい繰り返された「悪いバージョンの自分と戦う」というラスト。
本作を観て「2003年の映画みたいだな」「どこかで観たことあるな」と思うのは、このアメコミ・ヒーロー映画のテンプレがマジで何十回も繰り返されたせいだ。あまりに繰り返しすぎて飽きられたのでMCUとかは最近このテンプレ使わなくなってるしね。
ソニーは割と保守的なのかテンプレ通り作る傾向がある。好評だった『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)も、グラフィックがめちゃくちゃ綺麗でマルチバースと師匠のピーターBという装飾されてたもののメインストーリーは『スパイダーマン』(2002)の焼き直しだったからね(蜘蛛に刺されて叔父さんが死んで覚悟が決まるオリジン)。
そんな感じのアメコミ映画のテンプレ通りだったから20年前のアメコミ映画みたいではあったが、良い評判まったく聞かなくてハードルが下がりきってたのもあるかもしれないが本作は割と面白かった。難病のマイケルとマイロの出会い、マイケルとマイロのBLっぽい関係性(モービウスが彼女とキスしてるのを遠くのビルの屋上からマイロがねっとりした目で見てるシーンとか最高)、割とメインキャラがどんどん死んでいく思い切りの良さ、幻想的なエフェクトのアクションなど。万年中二病ジャレッド・レトもモービウスのキャラがハマってて「結構いいじゃん!」と思った。ヴェノムより好きかもしれん。正直「どうせつまんないだろう」と思って観たけどモービウスの意外な面白さ、モービウスのカッコよさに気付かされたので、観ないとわかんないもんですね。
モービウスは最初に吸血鬼になった時に、我を忘れてたという事もあるのだが襲ってきた傭兵たちを皆殺しにしてしまう罪を負ってしまう。だがその後は「こんな血清はアカン!」と処分しようとするが血清を欲したマイロが暴走して騒ぎになってしまう。モービウスは自分ごとマイロを殺して血清をこの世から無くそうとしてるし一応ヒーロー。
最初にモービウスが皆殺しにする傭兵たちも、モービウスの恋人である女性医師をめちゃくちゃ罵倒して「こんな奴らは殺されても当然」と観客に思わせる嫌な奴感を出してた。そしてその後、モービウスを逮捕しようと追う刑事が「傭兵たちを殺したのは別にいい、どうせ犯罪者同然のクズ達だしな」等と「モービウスが殺したクズっぽい傭兵は、本当に悪い奴らだったんですよ。だからモービウスが殺したのは気にするな」と凄く丁寧に説明してた。もし今後モービウスをヒーローにしていった時に「罪もない者を殺した」とか叩かれないように丁寧にやってますね。
でもモービウスは何で自殺しなくても平気になったのかよくわかんなかった。彼女の血を飲んだからOKなのか?いやまた喉が乾くはず。あと難病の少女はどうなったん?
別にもう一回観ようとかは思わないが、最後まで楽しめるほどには面白かった。
だからアメリカ本国であんなにいじられてたのは少し可哀想だと思った。モービウスがというよりソニーのいい加減な展開に対してのリアクションだったのかもね。

 

🦇ポストレジットは予告編で観た通りバルチャーが出る。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、ドクター・ストレンジマルチバースを開いた時(または閉じた時?)の作用で「スパイダーマン=ピーターを知っている」バルチャーがこのSPUMC世界に来てしまう。ストレンジはその後「スパイダーマンの正体を知っている者の記憶を消す」魔法も行ってたがバルチャーが忘れたのかどうかはよくわからん。
そしてバルチャーは、バルチャー飛行装備を装着して、モービウスを打倒スパイダーマンに誘う。
バルチャーはスパイダーマンの正体を忘れてしまったのか、バルチャーがどうやってアベンジャーズがチタウリを倒していないこの世界で地球外の技術で作った装備を入手できたのか、バルチャーが言うスパイダーマンは誰なのか、改心したはずのバルチャーや善人のモービウスが何故スパイダーマンを狙うのか、全てよくわからない。
色々、推測することは出来るが多分ソニーは「スパイダーマン vs.シニスター・シックス」をやりたくて、その準備はしたものの辻褄合わせは深く考えていないと思うので考察しても一切無駄なので考えるのをやめた。MCUで一番好きだったバルチャーが元の小悪人に戻ってSPUMCに生贄に出されて残念な気持ちになった。

 

 

 

 

そんな感じでした

〈SPUMC作品〉
『ヴェノム』(2018)/2000年代の古いアメコミ映画みたいだったがトム・ハーディと元カノカップルの魅力が高かった⚫ - gock221B
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)/前作とほぼ同じ話だったが主人公の元カノの婚約者ダンの魅力がすごい⚫🔴 - gock221B

 

MCUの関連作〉
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)/すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)/てんこ盛りで最高に面白いが、中盤の余計な曇らせで後半のお祭りの味しませんでした🕷️ - gock221B
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Morbius (2022) - IMDb
www.youtube.com

モービウス

モービウス

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