gock221B

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『シャドウ・イン・クラウド』(2021)/有能な女性主人公アゲ&有害な男性サゲは良いのだが終盤では極端すぎて若干醒めた。でも久々のクロエ主演の良作✈


原題:Shadow in the Cloud 監督&脚本:ロザンヌ・リャン
製作国:アメリカ&ニュージーランド 上映時間:83分

 

 

第2次世界大戦中の米軍爆撃機の狭い銃座内に押し込められたクロエ・グレース・モレッツが、女を馬鹿にする男性兵士や爆撃機を破壊するグレムリンや撃ってくる日本軍を同時に相手にする映画。
キック・アス』(2010)のヒットガール役でお馴染みのクロエ・グレース・モレッツ。クロエ本人のことは好きなんだが事務所の脚本選びが下手なのか出る映画どれもつまらない……という状態が10年くらい続いてるクロエ・グレース・モレッツ主演で「今度こそ面白くあれ」という気持ちでチェックしててレンタル始まったから観た。
ネタバレあり。

 

 

 

 

第二次世界大戦中の1943年。空軍の女性大尉モード・ギャレットクロエ・グレース・モレッツ)がB-17爆撃機に乗り込んだ。
上官からの密命を帯びた彼女の任務は鞄に入った”最高機密”をニュージーランドからサモアへ運ぶこと。
女性兵士であるモードは、他の男性乗組員たちから卑猥な言葉や中傷を浴びせられ、意地悪で爆撃機銃座に押し込められる。
モードは銃座の窓から、爆撃機の翼に取り付いた怪物”グレムリン”を目撃。
爆撃機グレムリンの破壊行動、日本軍の零戦の奇襲を同時に受けパニックに陥っていく――

そんな話。
グレムリンって第一次世界大戦でイギリス空軍が報告したと言われる妖精ね。「爆撃機の翼に小鬼が取り付いて破壊行動したりガソリン飲んだりする」と言われていた。
グレムリンは、リチャード・マシスンの短編小説『二万フィートの戦慄』(1961)とその映像化『ミステリー・ゾーン』(1963)とか『トワイライトゾーン/超次元の体験』(1983)、あと『グレムリン』(1984)、『グレムリン2 新・種・誕・生』(1990)……などの映像作品で観た。……というか、これら以外で観たことない。ゲーム『女神転生』シリーズには出てたかも。基本的に「飛行中の航空機を壊してくる」っていう特殊な状況でのみ驚異になるので平場では大して強くないからあまり出てこないのかも。
その特性からして「狭い爆撃機内で錯乱したパイロットが見た幻」というのが発祥なんだろう。本作でも最初、銃座内の女性主人公モードしか観てないので「男に侮辱され狭い銃座に押し込められて情緒不安定になったモードが見た幻か?」という雰囲気はある。
モードはグレムリン強襲には多少はビックリした顔は見せるものの割と気を取り直して銃撃したり、グレムリンより機内の最高機密の方を気にかけている感じがある。だから「錯乱して見た幻」じゃなく「本作のグレムリンは本物なんだな」と早い段階でわかる。
そして爆撃機内の男達から「何だ!?今の銃声!?」と無線が入ってもモードは「何でもないわ、鳥がぶつかっただけ」と言う。ここで彼女が「グレムリン出たから銃撃した!」と言ったら「どっ!」と爆笑する男達に再び侮辱されるだけなので「怪物グレムリンの目撃報告」という無駄な時間がなくてホッとした(映画で「怪物見た!」と言って笑われるシーンのストレスは凄いので本作のように出来るだけしないでほしい)。

 

 

モードが持ち込んだ鞄に入った”最高機密”……モードが「絶対に開けないで!」と言ったり、モードが割と冷静にグレムリンに対処したりするので”鞄の中身”というミステリーへの期待度は高まっている。
「軍でグレムリンの研究してて、その標本とかグレムリンの赤ちゃん、もしくはグレムリンが全員死ぬ何かのアイテムが入ってて、開けたら奪おうとするグレムリン成体が襲ってくる。モードは上層部からそれを聞かされてるからグレムリン見ても大してビビらなかった?それとも、もっと凄い秘密があるのか?」とか思ってた。
鞄の中身は『エイリアン2』(1986)的な事で「そっちか~」と思い少しガッカリした。「女性が男より活躍できる!」という説得力は確かにあるけど、この展開何回も見たからね。だから個人的にはこの中身じゃなく、ただ「モードが自分の仕事したかっただけ」という理由で男達を圧倒した方が良かったかな?
モードは、日本軍の零戦を銃座で撃ち落としたりグレムリンを銃撃したりと活躍してたが、いよいよ爆撃機本体がグレムリンに襲撃されて犠牲者が出てくる。
そしてグレムリンは大事な”最高機密”を抱えて機外から飛び立とうとしている!
モードは”最高機密”を持ち去られたくない。なんと、彼女は銃座をブチ破り外に出る!
爆撃機は小鬼グレムリンと日本軍、双方の襲撃を受けている。
爆撃機は旋回して天地が逆になったりしてるのだがモードは爆撃機外の装甲をつたって”最高機密”をグレムリンの手から奪い返そうとする。
自分は高所恐怖症なので泡吹きそうなほど怖い。……いや高所すぎて逆に怖くないかもしれないほど怖い。
この中盤ラストの空中戦が、本作で一番好きな部分だったかな?ここは面白い。
モードは”最高機密”を取り戻し、何とかして爆撃機内に帰還、驚く男達。
グレムリンと日本軍、両方と闘い死んでいく男達。
序盤でモードにセクハラしたり侮辱していた男達は、”最高機密”の中身を知った辺りからモードを侮辱しなくなったが、彼女を最も侮辱してたオッサンは”最高機密”を庇って戦死。更に日本軍の機銃で死ぬ機長はモードに序盤での侮辱を謝罪して死ぬ。
確かに序盤、観てて男達にムカついてたから「さっさとグレムリンに殺されろ」と思ってたが、こんな改心して死なれたら複雑な気持ちになってくる。だが嫌な男達のまま死なれたら「ざまぁ」と思って気持ちにケリがついてしまう。だから男達の嫌な面と良い面、両方見せた事は現代の映画っぽくて良いと思った。
そしてモードはその後も自ら闘い、指示も出して大活躍。男達は最初から最後まで何も出来ない(いや、モードの次に侮辱されてた黒人男性の兵士は少し活躍する)。
それは良い、それは良いのだが女性モードの無双っぷり、男達のダメっぷり、この差がありすぎるのは良いので途中までは良かったのだが、ラストに行くに連れ、その差がどんどん開いていきすぎて終わり間際はモードの妄想みたいに思えてしまった。こうなってくると序盤で男性兵士がモードを侮辱したり卑猥な言葉を浴びせるシーンのムカつき具合、そこから男全員の反省っぷりとか極端すぎる気がしてくる。この展開でいいんだけどもう少し自然とそうしてほしかった。
確かに序盤はモードを侮辱する男がムカつくので、この展開を望んでたのだが、その差があまりにありすぎると「これはこうあって欲しい製作者が考えたフィクションだな」というのが浮かび上がってきてしまう。監督は女性だし、エンドクレジットでは大戦に兵士として参加した実在した女性兵士の映像が流れる。女性讃歌の気持ちには同調したい気持ちなんだが、ちょっとわざとらしかったかな?という気持ちになった。
終いにはモード最後には素手グレムリン撲殺するしね。男達はそれをアワアワして見てるだけ。最後まで男はカスのままならこれでもいいが反省した後の男なんだからもう少し普通に動いて欲しかった。
エイリアン2』(1986)観てもそんな気分にはならないので何事もバランスや描写が大事なんだなと思った。
とはいえイマイチだと思うことが多いクロエ主演作にしては最後まで面白かった。
特に銃座から出ての空中戦はかなり良かった。

 

 

 

 

そんな感じでした

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Shadow in the Cloud (2020) - IMDb

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