gock221B

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『イカゲーム』〈シーズン1〉全9話 (2021)/デスゲームで思いつく展開全部盛りしすぎて少しクドいが実際面白くてジーンともした。お母さんや友達を大切に……🦑


原題:오징어 게임 監督&脚本&原作&演出:ファン・ドンヒョク 美術監督:チェ・ギョンソン 配信サービス:Netflix 配信時間:32~63分、全9話 英題:Squid Game〈Season.1〉

 

 

ちょうど一年前、全世界的に死ぬほど最も超絶ヒットしたNetflixの韓国ドラマ。デスゲーム系の。「おもろいおもろい!」と欧米で大ヒット、日本でもヒットしたが一部の韓国嫌いのおじ達が「『カイジ』のパクリやん!」と反発する声も多かった。
ファン監督は、『カイジ』や漫画版『バトルロワイヤル』を始めとする日本のデスゲーム系漫画の影響で本作を書いたそうなので『カイジ』っぽいのは当然か。本当にかなり『カイジ』っぽい。だが読書と違い時間がどんどん進んでしまう映像だからか限定ジャンケンやEカードのような頭を使う競技はない、鉄骨渡りや限定ジャンケン終盤のいがみ合いなどの盤外戦の暴力をメインにした感じ。映画と漫画を比べる必要はないのだが敢えて比べるなら、さすがに『カイジ』の原作漫画の方が好きだ(邦画の方は観てない)。こういうデスゲームものは大抵似た構成(下級市民が上級市民に集められて命懸けのゲームさせられる)になるので特にパクリだどうだと言う気はない。各種ホラー映画やヒーロー映画に似た構成が多いのと同様「デスゲームも一つのジャンルになったんだな」と思ったくらいかな。
そんな感じで事前の偏見はなかったものの一年前、本作の存在に気付いたら尋常じゃないくらいヒットしてて引いてしまい観てなかった。大ヒットし始めた時に2、3歩乗り遅れたら入っていきにくくなる。一歩遅れたくらいなら取り返せるが気がついたら社会現象化してしまってはもう無理だ。ブレイクしすぎると、もう自分自身の目で見ても何だか他人の、社会の目を通して観てるような、フィルターが2、3枚挟まって作品を遠く感じる。だからヒットしすぎると世間の熱が冷めて観たりする。それがピッタリ一年経過した今。
主演俳優イ・ジョンジェが最近Disney+のスター・ウォーズの太古シスのドラマ『アコライト』(2023)主人公に選ばれたり今年のエミー賞・主演男優賞に選ばれたニュース見て「……そういえば『イカゲーム』観てないまま忘れてたな」と思い出したこともある。この主演俳優を他の作品で観たのは『ハウスメイド』(2010)で下女と浮気する上級市民パパ役の人だったらしい。上級市民と本作での下級市民という極端な2役だけ観てるのか僕は……。あとヒロインや他の俳優陣も死ぬほど人気出て数百万、数千人単位でインスタのフォロワーが増えたらしい。
一年経ったし、ネタバレありでいいでしょう。

 

 

 

 

数々の仕事に失敗して無職になり妻に逃げられ娘の親権も奪われ、老母(キム・ヨンオク)のスネをかじる無気力な中年ニートになってしまったギフンイ・ジョンジェ)。
負け犬の彼は、ある日街で「大金を手にし得る秘密のゲーム」への勧誘を受ける。
老母の糖尿病の治療費、娘の親権を勝ち取るため、自身の借金返済……等のため人生逆転ゲームに参加するギフン。
ゲームの他の参加者は、出世した幼馴染の秀才サンウ(パク・ヘス)、脱北者の女性セビョク(チョン・ホヨン)、脳腫瘍を患ったおじいさん(オ・ヨンス)、凶暴ゆえ組を追われた半グレドクス(ホ・ソンテ)、善良な出稼ぎパキスタン人(アブドゥル)、強者に取り入る詐欺師の女ミニョ(キム・ジュリョン)、虚無感漂う女子ジヨン(イ・ユミ)、秘密を持った医者(ユ・ソンジュ)……など。
そしてゲームに参加したと思われる行方不明の兄(?)を探している刑事(ウィ・ハジュン)もエスポワール号……じゃないけど船に兄を探すため乗り込む――

まぁ、そんな感じで構成は『カイジ』のまんま。
ゲームの管理人や運営スタッフは仮面やボイスチェンジャーで誰が誰だかわかない。
……と聞いて君が想像した通り、「下級市民の債務者が、人里離れた僻地に集められて一攫千金を巡って殺し合いさせられる。それは上級市民の娯楽となる」そんな感じ。
参加者は韓国の子供の遊びを中心にゲームさせられる。
彼ら彼女らが挑戦するゲームは、

第1ゲーム「だるまさんが転んだ
※多数決過半数が「棄権」を選べばゲームは中止される

第2ゲーム「カタヌキ
※乱闘:就寝時間でのシンプルな殺し合い
第3ゲーム「綱引き

第4ゲーム「ビー玉遊び
第5ゲーム「飛び石ゲーム
第6ゲーム「イカゲーム」(最終ゲーム)

の6種。
負けた者や時間切れの者、不正を行った事がバレた参加者やスタッフは、その場で射殺される。
参加者が死亡したら、その分だけ賞金が加算され最終的な賞金は、456億ウォン(現在の日本円に置き換えると約45億6千万円)になる。自分や周囲の人生をも充分に変えうる賞金。
参加者の過半数が棄権を表明したらゲームはその場で中止になる。しかし中止になった場合、莫大な賞金は手にできず元の地獄のような日常に戻される。そして数日後に再びゲームに誘われる。結果的に8割以上の者はゲームに復帰する。主催者は、参加者がゲームせざるを得ないので復帰する事をわかってて敢えて棄権や参加を選択させている。偽りの自由だ。
そして生死を分かつのはゲームだけではなく、就寝時間には参加者同士の殺し合いの危険がある。主催者は生命力の弱い者が死ぬのは構わないと思っており、ゲーム中の殺しや妨害は許さないが、就寝時間に殺しても失格にはならない。
食事の量も少なく、ろくに睡眠も取れないので一日また一日と参加者は衰弱していき精神もすり減っていく。正に現実の格差社会をディフォルメされた過酷なデスゲームが展開される。
参加者は、時には仲間を作って護り合い、時には敵同士となって殺し合う。
言うなれば運命共同体……互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う……一人が皆の為に、皆が一人の為に。だからこそ戦場で生きられる……参加者は兄弟、参加者は家族。……嘘を言うな!猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う。無能、怯懦(きょうだ)、虚偽、杜撰(ずさん)、どれ一つ取っても戦場では命取りとなる。それらを纏めて無謀で括る。誰が仕組んだ地獄やら、兄弟家族が嗤わせる。お前も、お前も、お前も!だからこそ……俺の為に死ね!……俺達は、何のために集められたのか……?
そんな感じのむせる話。

 

 

種デスゲームや盤外戦は練られている。

第1ゲームは「だるまさんが転んだ」ではゲームで敗北した者やゲームを放棄した者は速攻で射殺される事が明確に可視化される。制限時間があり、あまりにゆっくり進みすぎても殺される。参加者の半数以上がここで死ぬ。しかし同時に優勝賞金がドンと積まれる。わかりやすいし「だるまさんが転んだ」人形のインパクトも充分なので一個目のゲームにしたのはよくわかる。

棄権投票ゲーム再開を経ての、第2ゲームは「カタヌキ」。日本のお祭りにもあるね。カタヌキの種類は【△、▢、○、☆、☔】。当然一番簡単なのは三角で一番難しいのは傘。制限時間があり、型抜きの途中でパキッと割れたらその場で射殺される。
スタッフと結託して次に行われるゲームを知っている医者、そして医者はその情報で強い参加者ドクスに取り入る。また通気孔に侵入して偵察したセビョクが得た情報を聞いたサンウは「カタヌキ」だと気付き簡単な三角を選択、しかしギフンたち仲間には教えない。ギフンは最も難易度の高い「傘」を選んでしまう。サンウは「ゲームの優勝直前まではチーム戦のためには仲間グループが必要」しかし「優勝のためにはライバルが脱落してほしい」この相反する期待を同時に叶えるのが、この「自分だけ次の有利な方法を知るが仲間には教えない」というものだった。そんな感じで第2ゲームは遊戯だけしてれば生き残れるわけではなくゲーム外での盤外戦が重要だと視聴者に知らせている。最難易度のカタヌキを選んだギフンだが偶然に必勝法を発見してギリギリでクリア。
運営はわざと少ない食事を与えて参加者をイライラさせる。乱闘が起こりやられた痩せた男が死んでもペナルティはなかった。これで「ゲーム外で殺しがあっても罰せられない」という裏ルールが参加者全体に知らされてしまった。この時から参加者は「就寝時間での殺し合い」にも注意しなくてはならなくなった。最初から殺人も厭わない半グレのドクスはともかくドクスの悪いグループがあまりに躊躇なく他の参加者をブッ殺しまくるので少し違和感を感じた。監督が思いついた要素を全部入れたかったのはわかるのだが盤外の情報戦は面白いけど、ゲームのインパクトが薄れるのでゲーム外での直接の殺し合いは要らなかったな。就寝時間じゃなくてもゲーム終わって待機部屋に帰る途中でドクス軍団がガラス片で残りの全員刺し殺して皆殺しにすれば終わるやん。
またゲーム再開からは、過去にゲームに参加して失踪した兄を探して潜入した刑事も加わる。刑事はスタッフを一人殺して入れ替わる。デスゲーム運営の秘密というミステリーを外側から探るのが刑事のキャラクターの役目。ギフン達参加者は命の全てを運営に握られてるからね。組織を探るキャラはスタッフ側に置かないとね。これで本作はギフンら参加者がゲームで生き残るメインストーリー、刑事によるデスゲーム運営の全容解明というサブストーリーの2本柱で進む。

第3ゲームは「綱引き」。双方の中心に足場がない高所での綱引きなので引っ張られたら落ちて硬い床に叩きつけられて死ぬ。ギフンたち主人公チームには女子が二人おじいさん一人おり他チームより圧倒的に不利。しかし綱引きの必勝法を知っているおじいさんは「綱引きは戦略があれば力はいらない」と語り軍師となって主人公チームを勝利に導く。ここで最も役に立たないと思われていたおじいさんが最も役に立つ人材だったのが面白いところ。ここでヒロインのセビョクと仲良くなる虚無的な女子ジヨンが登場、この子の狐の能面みたいなグレイエイリアンみたいな顔めちゃくちゃ好き。
綱引きの後、医者がスタッフの一部がしていた参加者の死体の臓器や眼球を売買して小銭を稼ぐ片棒を担がされていた事がわかる。やがて仲間割れがあり最終的にはフロントマンに全員殺される。死体の臓器売買は構わないが参加者に不正があるのは許せないフロントマン。非人道的で運営側が参加者を陥れることはあっても、参加者全員に与えられる条件はあくまでも平等でなくてはならない、それがこのデスゲーム運営者の思想らしい事がわかる。

第4ゲームは「ビー玉遊び」。参加者は10個のビー玉を与えられ二人一組になり互いのビー玉を奪い合う。20個Getすればクリア、全て奪われた者は射殺される。ビー玉を使ってどんなルールの遊戯を行うかは参加者たちが決めていい。遊戯の邪魔したりビー玉を力付くで奪ったりすれば監視しているスタッフに制裁されるので生き残るにはゲームを決めてプレイしてビー玉を奪い合うしかない。制限時間内に20個Getできなくても射殺される。勝ってる方も負けてる方も20個Getする事以外に生き残る方法がないので途中で遊戯を放棄する事はあり得ない。ゲームが始まる前に「二人一組になれ」と言われた時は、参加者全員「タッグマッチのように二人で協力して戦う」ものだと思いこんでいたので「一番信頼していた相手と殺し合う」という遊戯に絶望する。身体的には何も辛くないが全ゲーム中、最も精神が殺される勝っても負けても、ただ辛いだけのゲーム。善良な正義の心を持つ主人公が、仲良しのおじいさんの認知症に付け込んで自分が負けてるのにビー玉を奪うという卑劣極まりない行為を行う(認知症とはいえおじいさんが納得してビー玉を渡すのでルール違反ではない)、最も善良で最終話ラストまで他者の善性を信じていた主人公なのに、この場面だけ、ここまで追い詰められたら仲良しの優しくて認知症のおじいさんを騙してしまう……綺麗事を捨てて、ここまで描いたことが本当に素晴らしい。
ここまで善良さを装っていたサンウも「ここが仲間の切り時だ」と悟って他人を蹴落として社長になれた本領を発揮する。作中、主人公サンウ同様に最も善良だったパキスタン人青年を陥れて殺す。パキスタン人青年を騙す理屈はちょっと……あまりにも嘘臭すぎたけど。パキスタン人青年は最初にゲーム中断した時にバス代を貸してくれて以降のゲームでも知略を発揮していたサンウを尊敬して慕ってたからこそ騙された……そう思うしかないね。これはちょっと信じ過ぎだと思って苦しかった。それにしてもこのパキスタン人青年は最も『カイジ』などの福本漫画に出てきそうなキャラだった。彼だけはずっと福本の絵柄で見てたわ。
セビョクとジヨンの女子二人は遊戯をせず時間いっぱいまで互いの悲惨な過去を語り合う、遊戯は残り3分で決着できる一発勝負、あくまで会話するのがこのカップルのテーマ。人生そのものに絶望して投げているジヨンは、弟を助けて母親を脱北させるという目標を持った大好きなセビョクを優勝させるためにわざと負ける。トークしつつも心を開いた事を態度を示さなかったセビョクは泣いて激昂しジヨンに掴みかかり、セビョクと最後に出会えた事以外に何一つ良いことのなかったジヨンの短い人生は終わる……。
数多くの名場面があった哀しいゲームだった。ちなみにimdbで各話をチェックしたら、この回が最高得点だった(二番目に人気あったのは第一話)。

第5ゲームは「飛び石」、「綱引き」同様に高所にある間隔の空いたガラスの橋、左右二つのガラスどちらかに飛び乗って飛び石のように進む。片方は強化ガラスで乗れるが、もう片方は脆弱なガラスなので飛び乗ると割れて落下死する。前の者がガラスを割ると後の者は二択の正解がわかる。事前に数字が書かれたゼッケンを選ぶ時にゲームはほぼ決している。だから当然、優柔不断ゆえに最後尾を選んだ主人公ギフンが最も有利なゲームだった。全てのガラスの二択の正解を選んで橋を渡り切る可能性は万に一つ……天文学的な低確率なので最初の数人は既に死んだも同然。それでも生き残る可能性は、最後までに絶対割れる事間違いなしのガラス板に飛び乗らねばならぬ……という残酷なゲーム。そういう奴は居なかったけど「ガラスではなく橋の枠をつかんで『うんてい』のように進む」……なんて事をしたらきっと『カイジ』の鉄骨渡りみたいに電流が流されて落ちるんだと思った(そういう場面も欲しかった)。あまりにも前の者が進まず16分の時間切れが来てしまうと橋が崩壊して全員死亡してしまう、だから前の者があまりに動かなければ後ろから押して落とすこともできる。しかし前の者を落とすと次は自分が危険な二択しなければならない落としたくはない。そういう駆け引きがある。そのため最後尾のギフンが渡り切るまで時間いっぱいまでかかる。そういう意味ではギフンも有利なだけではない。前の前の者がグズるとどうしようもできない。
ちなみに、ここから世界各国の上流たちVIPが生観戦してる。愉悦……っ!
色んな意味で『カイジ』の「鉄骨渡り」と似通った競技。色々工夫して面白かったけど、これはさすがに『カイジ』の鉄骨渡りの方が良かった。というか全『カイジ』の中で鉄骨渡りが一番好きだからね。

豪華な最後の晩餐、最後の「就寝時間の殺し合い」を経て、残り二人の最終第6ゲームは「イカゲーム」。陣地を取る鬼ごっこみたいな韓国の遊戯だ。未だにルールよくわかってないけど二人だけだし妨害は何してもいいのでイカゲームというより単純に二人が殺し合いしてるだけなのでルールわかんなくても問題なし。一言で言うとシンプルな殺し合い。豪華な最後の晩餐は、生き残りにナイフを手渡すことが目的なのでナイフも使用される。この決着も良かった。
ここまで来るとイ・ジョンジェ演ずるロン毛の中年男性主人公ギフンが黒沢清の『回路』(2001)ラストや『叫』(2006)の役所広司みたいな気高い荘厳さを発しててめちゃくちゃカッコよかったので「こりゃアジア人初のエミー賞撮ったり、いきなりスター・ウォーズのドラマの主人公になってもおかしくないわ」と思った。最終話で、主人公と自分は同い年だとわかったのも親近感わきました。
最終ゲームと同時に、潜入して今まででゲームの真相を知った刑事とのフロントマンrとの一応の決着も描かれる(しかし二人の行く末はシーズン2に持ち越しだろう)。
ゲームが決した最終話。盛りだくさんの本作だけに最終話はめっちゃ過剰だった。「ゲームを終えた優勝者のその後」というエピローグが延々と描かれる。興味あるので凝視し続けたが映像フィクションとしては少し長い……『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』(2003)のクソ長い延々と続くエピローグを思い出した。この長ーいエピローグは好みじゃないけど、前述の「盛りすぎ」同様に、好みじゃないけど面白かったのでOK。
モロにネタバレの一つ言わせてもらうけど「この展開なら主人公が、さすがに糖尿病の老母は最低でも助けるだろう」と思ってたら母親がひっそり死んでて「え、えええっ……!」と凄い衝撃でした。「無職でデスゲーム参加中で留守にしてた中年ニート主人公を案じて絶望の中、冷たい部屋で優しい老母が一人ぼっちで死んだ」という哀しすぎる結末は衝撃でした……。思わず最終話を観終えた直後に母に連絡してしまいました。監督も、映画撮れない時にお母さんの世話になったみたいだし最後の「親孝行しよう」というメッセージが強烈に胸に刺さりました。デスゲーム主催者の秘密は割とどうでもよかった。老母の死の後には衝撃でもないし、ラスボスあるあるな真意なので、これは要らんかったな。とにかく戦いの決着の後はなるべく短い方がいいからね。

 

 

 

そんな感じで全体的に面白かった。
日本のデスゲーム漫画を読み漁った監督だけあって、デスゲームで思いついたであろう全ての要素を全部盛りにした印象。
カイジ』などのゲームで全てが決まるデスゲームと『バトルロワイヤル』みたいなシンプルになんでもアリなデスゲームを一緒にしてるので少しクドかったね。全体的に『カイジ』系なので、『バトルロワイヤル』的な要素は、刑事に全部任せて参加者はゲームに集中させてほしかった。
凄く面白かったしジーンとするところもあったが少しクドかったので「最高!」とまではいかなかった。まぁ、そう言いつつも一晩で全話一気観したくらい面白かったのだが……。
「『カイジ』的なゲーム要素と『バトルロワイヤル』的な要素は分けてほしかった」とは書いたばかりだが、後者をカットしたらいよいよもって『カイジ』のパクリみたいになってしまうので混ぜたのは正解だったかもしれない。本作を見ながら『カイジ』だな~と思いつつも、『カイジ』にはないエログロやゲームの枠組み自体を揺さぶる刑事がミステリーを体現してたのも面白さの一部だからね。だからまぁ結果的にこれで良かったのかも?
とはいえ、色んな遊戯はどれも、ゲーム中も結果も全て面白かった。それに加えて盤外戦もあるので、食べ物で言うと欲張りバイキングみたいに一つの大きな皿に寿司とかステーキとかパスタとか揚げ物とか色んな雰囲気違う喰い物がどっさり無秩序に盛られているプレートみたいな感じ。だから自分みたいな映画ファンは「喰い物は国別に分けろよっ……‼」と思いがちだが、しかしこれでいいのかもしれん。
色々考慮したが色んな考えの人に対応できてるし全世界で人気出たのも納得できた。
あとはアカデミー賞に輝いた『パラサイト 半地下の家族』(2019)同様に韓国の格差社会を描いたところも大きいのだろう。差はあれど格差や貧困は世界中にある、ゲームや「綺麗事言っても自分だけ生き残りたい」というむき出しの感情、そして「そうは言いつつ、愛する者も大事だし思想的に生きたい生き方もある」という気持ちもある。それらは世界中にあるし人間として普遍的な事ばかりだ。それでいて先も気になるしヒットしたのもわかりました。
「この際だから、この監督に『カイジ』を監督してもらったら?」と一瞬思ったが、今となっては『カイジ』より、この『イカゲーム』の方が有名になってしまったので、もう遅いんだなと気がついて悲しくなりました。

先週あたりに?シーズン2も決まって、まぁカッコいい覚醒ギフンさんが再び観れるから観るだろうけどもシーズン1で充分だと思ったし続かなくても良い気はした。残った謎も「フロントマンと主催者の間であったこと」「生きてるであろう刑事の弟とフロントマンの会話」くらいしか期待する事ないよね。それもどうでもいいし。次の良いキャラ達が出てもどうせ全員死ぬわけだし。個人的にシーズン2よりは主演のジョンジェ氏や女の子たちを演じた女性の俳優さん達の今後の出演が楽しみだわ。

 

 

 

 

そんな感じでした

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イカゲーム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
Ojing-eo geim (TV Series 2021– ) - IMDb
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