gock221B

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)/ロケットの慟哭、コミックを映像化したかのような鮮やかなアクション、クイルや2014年ガモーラのガーディアンズ達の結末どれも良く今回も安定の力作。友達っていいね🦝


原題:Guardians of the Galaxy Vol. 3 監督&脚本:ジェームズ・ガン 製作:ケヴィン・ファイギ
原作:ダン・アブネット、アンディ・ランニング 『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』
製作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:150分 シリーズ:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第3作目(完結作?)、マーベル・シネマティック・ユニバース第32作目

 

 

ジェームズ・ガン監督による『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第3作目(たぶん完結作)。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはMARVELコミック好きな人ですら知らん人が多かった無名ヒーローだったが、ジェームズ・ガンによって大人気のタイトルになった(ちなみにジェームズ・ガンガーディアンズ以前からファンだった)。僕も一番好き。ヒーローとしてのネームバリューがない代わりに映画制作での自由度が高く、そこでガンはガーディアンズ一作目以降得意となる「はぐれ者チームの団結」「スペースオペラで宇宙に懐メロを流しまくる」などで大ウケした。
アベンジャーズと違いガーディアンズは最初からいきなりチームだった。
『アベンジャーズ』(2012)は段階追って集まったのに、全然知らん奴らがいきなりチーム組んで大丈夫か?」と公開前はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを心配した。「ピンでもやっていけるヒーローの単体作を複数作ってアッセンブルする」という慎重な工程を経て寄せ集めチームとなった『アベンジャーズ』(2012)ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは違う。むしろ逆だ。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは全員揃って初めて一つのキャラクターだったのだ。

一時はガンがMARVEL解雇されて制作が危ぶまれたが色々あって(後述)完成した。
今回の前置きだが、年表形式の方が書きやすいので、作品『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズやMCUキャラクターとしてのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのこれまでの歩み。同時に2014年以降のジェームズ・ガンに起こったことも同時に語ることにする(コミックやアニメやゲームは除外)。
本作の感想だけ読みたい人は、広告……を通り過ぎたところから読めばいい。
赤字がMARVEL、青字がDC、紫字はガン個人のこと。

 

これまでのガーディアンズ・オブ・ギャラクシージェームズ・ガン監督の10年間

2012年7月14日ジェームズ・ガン2014年に公開予定の知名度の低いMARVELのコズミック系ヒーローチームのMCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督に決まる。MARVELファンでも知らん人が多いくらい知名度が低いチームだったので「MCU初の失敗作になるな……」と多くの人が心配した。僕はと言うとガンの『スーパー!』(2010)に尋常じゃないくらい感動したので「ガーディアンズとやらはよく知らんが大作に抜擢された!」とガンに期待した。


2014年7月21日、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
公開

劇中で1988年、ピーター・クイルの母メレディス病死。ピーター・クイルは宇宙海賊ヨンドゥに拉致されラヴェジャーズに加入させられる。
劇中で2014年、成長しラヴェジャーズを抜けたピーター・クイル/スターロードはインフィニティストーンの一つ〈パワーストーン〉を奪取。
流れで、サノスの養女である暗殺者ガモーラ、遺伝子改良されたアライグマのロケットと樹木型ヒューマノイドグルートによる賞金稼ぎコンビ、家族の仇サノスを追う大男ドラックスらと銀河のはぐれ者チームを結成。

クイル達は、サノスの部下のクリー人ロナンや、ガモーラを憎む義妹ネビュラらと戦い、グルートという尊い犠牲を出しつつも勝利し〈ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー〉と呼ばれるようになる。
グルートの遺体から二代目のベビーグルートが誕生。
MCU全作で一番好き。本作の予習で久々に観返したが何回観ても面白い。
母の死という現実に対峙できず逃げ出したクイルが、大人になって母の幻想の手を取るのと新しく出来た仲間ガモーラの手を取るのがシンクロするシーンはMCU映画&ドラマ&アニメ全42作中でニ番目に好きなシーン。
……と今では思ってるが公開当日に観に行った時、暗くて大好きだった『スーパー!』(2010)に比べて前向きすぎて自分の期待と違いすぎてラストは感動したが数年間くらい?好きになれなかった。監督のファンの観客の俺の感覚が『スーパー!』(2010)どまりで、人生を先に進めたガンについて行けてなかったのかもしれない。あと後述する「乗り物アクションが大事なスター・ウォーズ」的な要素も当時はピンときてなかったし。だが何度か観てるうちに“気づき”を得て他の人に随分遅れたが理解して今では一番好きになった。アクションも上下左右、乗り物、コズミックパワー、クイルのトンチ、仲間を想うグルートの根性……良い感じ。


2017年5月5日、
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
公開
同じく劇中で2014年、一作目ラストから2~3ヶ月後のストーリー。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは、ソヴリンの女王アイーシャラヴェジャーズとトラブルを起こす。
クイルは超常的な力を持つ実の父エゴとエンパシー能力者マンティスと出会う。しかしエゴは利己的な理由で母メレディスを病死させた事を知ったクイルは怒り、マンティスとラヴェジャーズから合流した養父ヨンドゥ&兄貴分のクラグリンらをガーディアンズに迎え、ガモーラと和解したネビュラも加わったガーディアンズは共にエゴを倒すが、ヨンドゥは命を落としてしまう。
本作は「MCUで一番好き!泣ける」という絶賛派と「登場人物たちがウェットすぎて恥ずかしい!」というチョイ否定派とに大きく分かれる。僕は後者の「ウェットすぎて恥ずかしい」派なんだが、そこ以外の本編の構成は面白すぎる。またクイルが父エゴの誘いを断るシーンはMCU映画&ドラマ&アニメ全42作中で一番好きなシーン!ガン作品は、面白くても個人的に合わない作品があったりするがこういった異常に胸を打つシーンの割合が異常に多いから好きな監督。ガンの13年前の監督作『スーパー!』(2010)のラストとか映画館で号泣した唯一の映画かもしれん。アクションも一作目同様、ありとあらゆる種類や画作りで何度見ても飽きない(ウィンターソルジャー級)。
つい先日のインタビューで「ヨンドゥ役のルーカーは親友だから殺したくない」という甘えた理由でガモーラ殺す予定だったらしい。ここでは毒親エゴとの対比でヨンドゥが死ぬ方が絶対に良いですよね。それにしてもガモーラはつくづく死の運命から逃れられないキャラだね。


2018年4月25日
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公開
※ガンではなくルッソ兄弟監督作

劇中で2018年3月20日ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーアベンジャーズと共にサノスと闘う。サノスはソウル・ストーンを得るため養女ガモーラを殺害。怒りのガーディアンズは惑星タイタンやワカンダの荒野でサノスと闘うが、ヒーロー達はアッセンブルしてなかった為にサノスに完全敗北。インフィニティ・ガントレットを完成させたサノスは全宇宙の半分の生命を消去。ガーディアンズロケットネビュラだけを残して全員チリとなった。
つい最近のインタビューでガンは「あと少しでサノスを倒せてたのに、サノスのガモーラ殺害を知ったクイルがキレたせいで作戦失敗」について「僕が思うクイルの性格ならサノスを冷静に倒すはず」と微妙に解釈違いだったことを語った。
その件はクイルが戦犯だと叩かれる一因になったが「クイルによるガモーラへの止められない愛情」とも捉えられるので嫌いではない。そして自ら台無しにしてしまうとはいえアイアンマンら他のヒーローを大きく上回る〈戦い慣れた戦術家〉としてのスターロードを描写したところも魅力だ。ドラックス&マンティスのギャグも本作でのものが一番好きかも。


2018年7月20日
ジェームズ・ガン監督、2008年~2012年頃に行った悪趣味ギャグのツイートがアメリカ右派トランプ信者に掘り起こされて叩かれ、これに見事に乗せられたディズニーは数日後、反射的にジェームズ・ガンMARVELスタジオから解雇。ずっとDCEUに満足していなかった僕はこの日「ガンのMARVEL復帰よりもDCワーナーがガンを拾ってくれないかな?」と思った。


2018年7月30日
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー役の俳優陣が「昔のジェームズ・ガンの悪趣味ツイートには同意しないが、ガンが監督しないならガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』3作目には出演しない。ジェームズ・ガンMCU復帰を求める!」と表明した公開書簡に署名。また「ジェームズ・ガンの再雇用を求めるオンライン請願サイト」には約35万人の署名が集まった。


2019年4月24日
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公開
※ガンではなくルッソ兄弟監督作

劇中で2018年4月10日頃ロケットネビュラは生き残ったアベンジャーズと共に宇宙の半数を消したサノスを殺害するがインフィニティ・ストーンは破壊されていた。
劇中で2023年、ヒーロー達は〈タイム泥棒〉作戦を成功させて消された人々は帰還するが2014年の世界からサノスの軍が攻めて来る。2014年から来たガモーラは現在のネビュラに説得されてヒーローに加わる。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーアベンジャーズは今度こそアッセンブルしてサノス軍を殲滅する。
ソーが加入したガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは地球を後にする。
本作ではアベンジャーズの最初のメンバー達が真の主人公で、生き残ったロケットやネビュラも、他の者を精神的サポートしている印象が強い。画面には殆ど映ってないがクラグリンとかハワード・ザ・ダックも加勢していたらしい。


2018年10月
、ワーナーはMARVELスタジオを解雇されたジェームズ・ガンに速攻で交渉して「DCEU作品『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)の監督」として2019年1月に契約を交わした。
僕は「DCワーナーがガンを迎える」「ガンといえばはぐれ者チーム……つまりとんでもない駄作だった『スーサイド・スクワッド』(2016)をリブートしてほしい」という2つの希望的予想が的中し歓喜


2019年3月15日
ジェームズ・ガンガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』第3作目の監督として復帰することが決定。
僕的には「将来的にはDC仕事するがガーディアンズ完結作は作ってからMCU卒業」という個人的にベストな願いが叶って嬉しかった。


2019年5月21日
ジェームズ・ガンが2017年から制作していた「スーパーマンが少年期に邪悪に育ったら?」的な内容のホラー映画『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019)が公開される。興行収入としてはコケたし評価も平凡なものに終わった。
僕的にはまぁまぁだったがジェームズ・ガンの大好きな監督作だった『スーパー!』(2010)と繋がってたのが嬉しかった。本作ラストで『スーパー!』(2010)の世界と繋がっており、クリムゾンボルトや悪のワンダーウーマンや悪のアクアマンが出るであろう続編……は凄く観たかったが、
Brightburn Post Credits Scene - Injustice League Teaser - YouTube

本作の興行収入も評価もイマイチだったしガンがDC総監督というデカい仕事を始めたので、この企画はガンがDC総監督を辞める近未来にでもならん限り作られる事はないだろう。薄っすら期待して忘れとこう。


2021年8月5日
ジェームズ・ガンDCEU監督作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)が公開される。コロナ禍真っ只中だったためかDCEUの人気が下がっていた事もあり興行収入はイマイチだったが評価は高かった。確かにハーレイ・クインを始めとする魅力的な使い捨てヴィラン達の活躍や死にっぷりは楽しかった。
しかし「Twitterのツイート=鳥のさえずりによってMARVELを解雇された」せいか、ヴィランが罪のない小鳥を撃ち殺す場面から始まったり、メインキャラ二人が誤解とはいえ悪に立ち向かうレジスタンスを虐殺競争するギャグシーンがあったりと笑えない悪趣味ギャグが多く、また後半は得意の友情!展開になるが、そんな命がけで連帯するようなキャラクター達と思えるほどの積み重ねをしてなかったので不自然で「面白いけど歪な作品だな」と思い、2回くらいしか観てない。
だがジョン・シナ演じるサブキャラクター〈ピースメイカ〉の魅力が凄かった(こいつは本作ではサイコパスでしかないが、彼のバックストーリーに魅力がある予感を感じた)。スーサイド・スクワッドの他の全員や本作そのものよりもピースメイカーという個人の魅力が上回っていた。


2021年8月11日
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉 (2021)
※ガン監督ではなくブライアン・アンドリュース監督作
本作に出てくるガーディアンズのキャラは全員マルチバースの別の彼らなんだけどついでに。
ヨンドゥがクイルの代わりにティ・チャラを誘拐してスターロードにした世界、ティ・チャラは持ち前の人柄でサノスやネビュラさえも仲間にしていた(本来のクイルはフリーターになっており最終話でティチャラに救われる)。インフィニティ・ストーンを揃えたアルティメット・ウルトロンに対抗するためのチーム〈ガーディアンズ・オブ・マルチバース〉にもティ・チャラロードや「サノスを倒した世界のガモーラ」が参加しアルティメット・ウルトロンを倒した。真ん中の数話はダレるがウルトロンと闘う最後の2話は面白い。ガーディアンズはちょいちょい出てくるがコメディリリーフに過ぎず大した活躍はしない。


2021年8月20日
ジェームズ・ガン『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)が公開されて間もなく、同作のスピンオフTVドラマ『ピースメイカー』を書き始め11日後にはHBO MAXはTVドラマ『ピースメイカー』を発注。


2022年1月13日
からジェームズ・ガン制作&脚本&何話か監督した『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022) 全8話が毎週配信される。
得意の「はぐれ者チームもの」なのは『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)と同じだが、このドラマは絆を上手く語れなかった『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)とは違い、バッチリ描ききっており「失敗した者……はおろか悪人にもチャンスは与えられるべきかもしれない?」という難しいテーマも描いたしガン監督作全部の中でも相当上位の名作だった。自身やクリプラが散々叩かれた事が反映されたのだろう。ストーリーだけなら本作が一番良いかも。


2022年7月8日
『ソー:ラブ&サンダー』 公開
※ガンではなくタイカ・ワイティティ監督作
劇中で2025年?、ソーを加えて銀河の悪者を倒し困っていた人達を救っていたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーだったが神殺しゴアを倒すためソーは脱隊する。
ソーが加わる〈アスガーディアンズ・オブ・ギャラクシー〉展開を考えたのは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) のルッソ監督だったが、ガーディアンズ三作目を書いてたガン、本作を書いてたタイカ監督どちらもソーが加わった〈アスガーディアンズ・オブ・ギャラクシー〉を持て余して活かせなかった。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でのソー&ロケット&グルートとか、ガーディアンズに拾われたソーの場面は楽しかったが、その後は上手く跳ねなかった。
強すぎるソーが敵を一人で全滅させて、ガーディアンズは調子狂いっぱなしなのが印象的。


2022年8月10日
『アイ・アム・グルート』
公開
※ガンではなくクリステン・レポール監督作
正直、正史なのかマルチバースの話なのかよくわからんけど、どうでもいいくらい内容が薄いのでどっちでもいい。ガーディアンズ一作目ラストで生まれたベビーグルートを描いた短編アニメ。面白い面白くないとか以前の話で完全にキッズ向けなので特筆すべきことは何もない。最終話で「ベビーグルートには大人グルートの記憶が一部引き継がれてる」事がわかった時は少し「へぇ」と思ったがそれだけ。正直MCU関連作で最も観なくていい作品がこれだろう。前述した通り幼児向けに作ってると思うので、中年なのにこれをわざわざ観て「面白くない」だの何だの言う自分の方が悪いような気がしてくる……そんなアニメ。


2022年10月25日
ジェームズ・ガンはピーター・サフランと共に、ワーナー・ブラザース傘下に新設される〈DCスタジオ〉共同会長兼CEOに就任することが発表された。今後4年のDC映画・ドラマ・アニメの製作を統括しガンは主にクリエイティブ面を担当。要するにMCU総監督ケヴィン・ファイギのDC版。ガン嫌いのDCファンにとってはバッドニュースだろうが、ガン好きの
僕にとっては願ってた以上の最高の舞台が整い大喜びした。


2022年11月25日
、Disney+の配信中編映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』配信。

劇中で2025年12月頃、コレクターから買い取った惑星ノーウェアで市民の面倒を見ているガーディアンズ。愛するガモーラを喪い2014年から来たガモーラもどっか行っちゃって落ち込んだクイルを励ますためにマンティス&ドラックスは、彼が子供の頃好きだった俳優ケビン・ベーコンを拉致してノーウェアに無理やり連れてくる。
クイルは怒るが何だかんだクリスマスパーティで盛り上がるガーディアンズ&ノーウェア市民。マンティスは自分がクイルの異母姉妹である事を彼に告げる。
ハリウッドを訪れたマンティス&ドラックスの珍道中が楽しい。
今まで調子くれてたクイルが急に鬱っぽいキャラになったのは現実世界でクイル役のクリス・プラットがLGBTQ+軽視宗教に入ってたり数々の無神経な問題発言でバッシングされたからだろう。とはいえ劇中のクイルもアホなので違和感も薄く「クリプラもかなりアホなんだろうな」と認識して、僕は「もうガーディアンズは応援できん!」とまでは気にしていない。クイル役には全力投球してるわけだし個人的にはセーフ。
クイルとガーディアンズは、惑星ノーウェアのリーダーとなっている。また一作目でコレクターの城で出てきた宇宙犬コスモも仲間入りしていた。


2023年2月1日
、新生DCスタジオのCEOとなったジェームズ・ガン、DCの新しいシネマティック・ユニバース〈DCU〉の、MCUで言うところのフェイズ1「チャプター1:Gods and Monsters」というDC映画&DCドラマ群10本を発表。その中からガンは『スーパーマン:レガシー(原題)』(2025)を監督することが現在わかっている。これまた「はぐれ者チームはもうわかったから正反対のスーパーマンを監督してほしい!」という自分の願い通りになった。こんな感じで、ここ10年、僕がガンに抱く希望は全て叶っている。


2023年5月3日
本作公開

今後ジェームズ・ガン監督は本作でMARVELスタジオを卒業、以後はDCスタジオのCEOとしてDCU作品を制作していく。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー役の何人かの俳優もMCUを卒業しDCUのガン作品に出演する模様(クリス・プラット以外)。
最近、ガンは「MARVEL映画とDC映画は敵同士ではない、互いが互いに良い相互作用をもたらす」と語った。
MCUはフェイズ3の
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)MCUは遂にDCを上回った。以降DCEUは失速、MCUは独走。いつの時代も一極集中は物事の流れを滞らせ濁る。DCの失速と迷走、独走状態のMCUライバルだったDCとの均衡が保たれなくなり、ディズニーはDisney+に視聴者を留まらせ続けようとMARVEL映画とドラマを粗悪濫造しフェイズ4以降のMCUはバランスを崩しファンが多く去った。ガンが新生DCUを立て直し「DCとMARVELとの相互作用」が取れるようになれば、MCUも全盛期(フェイズ3)の輝きを取り戻せるだろう。そう思う。

最近MCUの感想で「これまでの『○○』」を書いてる間に膨大な長さになってきているので書いてるうちに夢中になってハッと我に返ったので感想を書くの忘れてた事に気がついたから、感想を書こう。

ネタバレありです。

 

 

 

 

Story
惑星ノーウェアで平和に過ごすガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
ある日、ノーウェアは襲撃に遭いメンバーの一人、高い知能を持つアライグマのロケット(CV:ブラッドリー・クーパーモーションキャプチャー:ショーン・ガン)は致命傷を負う
瀕死で昏睡状態のロケットは科学者ハイエボリューショナリー(演 - チュクウディ・イウジ)に改造されて高い知性を獲得した実験動物89P13時代のことを回想する。
ガーディアンズはこの小さな友達を救うことが出来るか?
──

そういうわけで本作はロケットを中心に話が進む。主人公ロケットは本編の大部分で、過去の回想をしている。
それと同時に現実世界では、ガーディアンズがロケットの命を何としてでも救おうとしてロケットの故郷〈ハーフ・ワールド〉での奮闘、この2本柱で進んでいく。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの現在のメンバー……、
恋人ガモーラを失い酒浸りになっているリーダーの地球人、ピーター・クイル/スターロード(演:クリス・プラット)。
知性を持ったアライグマのロケット(CV:ブラッドリー・クーパー、演:ショーン・ガン)。
空気が読めない大男ドラックス・ザ・デストロイヤー(デイブ・バウティスタ)。
すっかり成長した樹木型ヒューマノイドグルート(CV:ヴィン・ディーゼル
敵だったが今では誰よりもガーディアンズに馴染んだサイボーグのネビュラ(演:カレン・ギラン)。
クイルの異母妹でエンパス能力者のマンティス(演:ポム・クレメンティエフ
ヨンドゥからリモコン矢を受け継いだ元ラヴェジャーズでクイルの兄貴分だったクラグリン(ショーン・ガン)。
高い知能と超能力を得たソビエトの犬コスモ(CV:マリア・バカローヴァ)。
……など。
あとメンバーではないがハワード・ザ・ダックや一作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)の惑星ザンダーで質屋やってたオッサンなどもノーウェアに住んでいる模様。
創設メンバーの一人でクイルの恋人でもあったガモーラ(演:ゾーイ・サルダナ)は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で義父のサノスに殺されてしまったが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)2014年から来たガモーラ(演:ゾーイ・サルダナ)はアベンジャーズ達と共にサノスと戦って自由を得た。しかしこの2014年のガモーラには「ガーディアンズを結成したり共に過ごした経験」が全く無いのでサノスを倒した後に離脱。本作ではスタカー(演:シルベスター・スタローン)率いるラヴェジャーズ本隊に身を寄せている。
ガモーラが2014年から来たので「またクイルとくっつくのか?」と思ったが、そう上手くはいかなかった。クイルも、ガモーラがただ死んだだけなら立ち直れたかもしれないが生前と寸分違わぬガモーラが目の前にいるのに、そのガモーラには自分たちとの経験がないため以前のようには接してくれない、むしろ嫌われてる。サノスと戦いはしたが弱き者たちを守った経験もないのでヒーローというよりは只の凶暴な宇宙海賊。姿は同じだが精神が全くの別人……という現実はクイルの精神を余計に悩ませて病む原因となった。クイルは鬱になっただけでなく、本作で2014年から来たガモーラに会っても「自分と恋人同士だった時のガモーラ」の態度を強要する。皮肉なことにクイルは、後述するロケットを自分勝手に改造して勝手に憎んだハイエボリューショナリーと同じ様な自分本意な態度でガモーラに接し続けてしまう。2014年から来たガモーラは、ありのままの自分を見てくれないクイルを拒否。しかし本作での冒険を得てラストでは、クイルは自分本意な態度を改める。2014年から来たガモーラもガーディアンズと共に冒険する事によって生まれて初めて?友情を知る。最終的には2014年から来たガモーラとクイルは遂に心が少し通じる。だがそれは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)ラストと同じ程度の心の通じ具合なので本作終了時、2014年から来たガモーラはクイルやガーディアンズとの友情を感じながらもラヴェジャーズ本隊に帰る。今のガモーラにはラヴェジャーズが”家”なのだ。また道が交わる事があれば将来的にはガモーラとクイルとの間には深い愛情が芽生えるかもしれないし、これ以上の化学反応はないかもしれない。未来は常に開かれているのだ。

映画冒頭、二作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)のラストで、ガーディアンズに敗北したソヴリン人のアイーシャ女王(演:エリザベス・デビッキ)は息子のアダム・ウォーロック(演:ウィル・ポールター)を誕生させ、ノーウェアを強襲。
アダムはガーディアンズ全員と次々と対決。本作は前半と中盤と後半……第三幕でそれぞれ良いアクションがあった。ノーウェアでの平穏を切り裂いて突然始まる「アダム vs.ガーディアンズ」戦はかなり見応えあった。またネビュラは左腕をロケットに改造してもらっており、かつて『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で共に漂流する宇宙船で過ごしたトニーをリスペクトしてかアイアンマンを思わせるナノテクによる改造を自らに施していたのが胸熱。
アダムとの死闘で致命傷を負ったロケットは二日以内に治療しないと死んでしまう。
ロケットが誕生したハーフワールドへ行かないと治療できないため、ガーディアンズははクラグリンとコスモを留守番に残してボウイ号でハーフワールドへと旅立つ。


ガーディアンズと乗り物
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズが楽しませてくれた9年間(2014-2023)……と言えば映画界で一番有名なスペースオペラ『スター・ウォーズ』本編がシークエルでクソつまらなかった時期。デイブ・フィローニのドラマ『マンダロリアン』や『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』を始めとしたアニメシリーズは面白かったけど肝心のSW映画トリロジーはつまらなかった。
その間の「面白いSWを観たい欲」を叶えてくれたのがガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズだった。
具体的にどこがSWっぽいのかというと「色んな惑星の変な文化や異星人や、ジャック・カービー風の独自の宇宙デザイン」「宇宙船に乗ったり降りたりする乗り物アクション!(これがSW的に一番重要)」などが挙げられる。特に一作目での宇宙船ミラノ号や二作目でのベネター号や削岩機風の小さいラベジャーズ宇宙船。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』(2022)では地球人ケビン・ベーコン本人を乗せてベーコンが喜んだりと色々あった。
乗り物に大して興味ないから最近まで気づかなかったけど最近『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』を一気に観てて途中で気づいた。『SW クローン・ウォーズ』は人形劇のようなアニメであるため宇宙船から降りたり地表でライトセーバーや銃で戦い再び停泊してある宇宙船に飛び乗ってかっ飛んで脱出!……時にはシスによって停泊してある宇宙船が壊されたり……などという乗り物使いがめちゃくちゃ上手。
登場人物たちは戦いの最中も帰り道の足である宇宙船は死活問題なので宇宙船に乗って帰還する動線を常に意識する必要がある。登場人物だけでなく我々視聴者も乗り物の無事を常に意識して観る、それが面白い。
ガーディアンズシリーズも、そういったSWでの乗り物が大事描写を踏襲している。
本作でも「カウンターアースに停泊したボウイ号を誰かが見張らないといけない」「ドラックスが独走してボウイ号を失ってしまう」等のハラハラ感がある。
常識的な宇宙船だけでなく、時にはハイエボリューショナリーの城が宇宙船になったり、終盤ではガーディアンズたちが住む惑星ノーウェアが超巨大戦艦となったりする。という感じでガーディアンズ3部作は、かつてのSWのように色んな乗り物を活かしたアクションが見れた。
最初の方で「ガーディアンズアベンジャーズと違ってチームひとかたまりが一つのキャラクター」と述べたが、それに加えて「宇宙船などの乗り物も合わせてガーディアンズ」と言いたい。今後もガーディアンズや似たようなコズミック系MCUがあるかどうかわからないが、その時も後任者には乗り物アクションを大事にして欲しい。

 

ロケットと動物たちとハイエボリューショナリー
瀕死のロケットによる過去回想。
ハーフ・ワールドでは4匹の可愛い動物たち(アライグマのロケット、イタチのライラ、セイウチのティーフス、ウサギのフロア)がハイエボリューショナリーによって繰り返し改造手術や教育を施されて雑に扱われていた。
動物たちは四肢が機械に置き換わっていたり実験が終わると粗末な檻に叩き込まれたりしていて痛々しい。ロケットが初めて喋った台詞も「痛いよぉ……」と可哀想すぎるもので、帰宅したら飼い猫たちがいつもの1.5倍くらい尊く感じました。このビジュアルや四人で団結する様などは「殺人マシーンに改造された犬と猫とウサギが闘う」グラント・モリソンのアメコミ『WE3』にかなり雰囲気が似ている。
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前半の狭い檻の中で四人の動物たちは、檻の中で転げ回って「友達って最高だね!」と動物達はしゃぐ場面は、後で殆ど死ぬ未来がわかっているだけに、かなりグッと来るものがあった。
動物達は実験動物としての番号で呼ばれていたので、それぞれ好きな名前を自分たちに付ける。ハイエボリューショナリーの暗い施設の中しか知らないライラはいつか青空を見ることを夢見る。生まれて初めて自分に優しくしてくれたライラのことが大好きなロケットは「いつかライラを大宇宙に連れて行ってあげたい」から自分に「ロケット」と名付けたのだろう。
しかし、その僅かな夢もハイエボリューショナリーによって打ち砕かれる。

今回のヴィラン、ハイエボリューショナリーは動物を改造して高い知能や能力を与え、自分が神として君臨する「優れた社会」を作ろうとしている。こいつの過去は語られないが地球そっくりな「カウンターアース」で自分の世界を作ろうとしてたり動物も地球のものばかりっだし恐らく地球人出身なんだろう。世界征服というよりも自分の能力で思い通りの社会を作って自己実現したがっている男。他人を意のままにしたがっており、実験がうまくいってないと実験動物は皆殺しにしてやり直す男。子供が、気に入らない砂山や玩具を壊してしまうかのように。彼は常にイライラして怒鳴りまくってるし部下に全く慕われていない(後半では彼の態度が我慢できなくなった部下がモロに裏切り、逆ギレしたハイエボリューショナリーが皆殺しになるシーンがわざわざある)。恐らくハイエボリューショナリーは自分自身のことも好きではないのだろう。何かを成し遂げて自分を神のような立場に置いて下々の者に自分を崇めて欲しがっている憐れな男。
ある日、ハイエボリューショナリーにも解決できなかった実験装置の不備を、ロケットが瞬時に改良してしまう。これにハイエボリューショナリーは激怒……といっても改良したかった機械が直ったのは良いし、改良したロケットの脳は自分が改造したのでまぁいいか……と恐らく自分を無理やり納得させているのだろうが「実験動物として見下しているアライグマが自分より賢い」という事実にプライドをズタズタにされたハイエボリューショナリーはロケットの脳に固執していく。
ロケット達4匹は、一定の実験結果が出たら処分されてしまう運命。それは元々そうだったのだろうが決定的にそうしたのはロケットが自分より賢いと知ったからだろう。
自分より賢いロケットを殺して取り出した脳を自分のものにしなければ夜ぐっすり眠れない。それだけの為に四人の動物達を殺すハイエボリューショナリー。ロケットの心の拠り所である動物達を殺してロケットに喪失感を与えたかったのもあったかもしれない。二作目のエゴに並ぶ許せないヴィランだ。
最愛のライラが眼の前でハイエボリューショナリーに殺された時のロケットの深い哀しみの慟哭は、吹き替えを務めたブラッドリー・クーパーの良い声も相まって本作で最も胸に突き刺さった。
高い知能と運動能力で脅威となりうるロケットと違い、イタチのライラ、セイウチのティーフス、ウサギのフロアらは可愛いだけで全く無害そうなので余計にハイエボリューショナリーが悪くなる。
激怒したロケットはハイエボリューショナリーの顔面をグチャグチャにして逃走……その後は恐らくどこかでグルートに会い、クイルと出会いガーディアンズに入った。その頃の我々がよく知るロケットは、心の奥底は優しいものの誰にも心を開けない男になっていた。
ガーディアンズの奮闘で蘇ったロケットは、かつて自分が囚われていたハイエボリューショナリーの城の奴隷部屋で憐れなアライグマの群れを見つける。
今までライラ達を救えなかったためか「俺はアライグマじゃねえ!」と自分自身を認められなかったロケットだったが、自分の原点を見たせいかアライグマ達を救い自分がアライグマであることを心のなかで認める。自分を殺しに現れたハイエボリューショナリーに対し「俺の名はロケット・ラクーンだ」と自称して攻撃する。
原作では「ロケット・ラクーン」名義なのに映画では「ロケット」なの何でだろう、と思ってたけどこの完結作がロケットの真の意味でのオリジンだったのね。
流れや復讐でヒーロー活動してたワンダ・マキシモフが『ワンダビジョン』(2021)ラストで初めてヴィラン〈スカーレット・ウィッチ〉として生まれ変わったのと似ている。

 

本作は全体的に良かったし書いてないガーディアンズメンバーも全員見せ場があったが、いちいち全ての場面について感想書いてたらキリないし特に印象深かったところは書いたので短めに良かったとこ列挙して終わろう。
中盤の生物の体内みたいな施設での冒険、クイルが女性職員を騙して全職員のアーマーを使用停止して逆転する場面は「そうだ、クイルの強さはMCUで一番戦術が上手いとこだった」と久々に思い出せて良かったし、2014年から来たガモーラは悪人ではないが凶暴な宇宙海賊でしかないので出会い頭にすぐ撃ち殺したりして、かつて冷酷なヴィランだったはずのネビュラがドン引きするところも「やっぱ、このガモーラはかつてのガモーラとは別人なんだ!」と思わせて良かった。
ネビュラと言えば一作目では悪いばかりで存在感の薄いヴィランだったが、姉ガモーラに心情を吐露して流れでガーディアンズ入りする二作目、姉やロケット以外のガーディアンズを失いトニーと触れ合って過去の自分を殺して2014年のガモーラを説得するという姉と立場逆転したエンドゲーム、いつの間にかクイルの懐メロに合わせてダンスするようになったホリデー・スペシャル、もはや完全に他の古参メンバーを追い越して副リーダーのようなおっかさんポジションにまで人間性を獲得した本作……といった感じで最初は印象薄かったが通して思い返すと最も面白い変化を遂げたキャラだった。
ドラックスは、中身のバウティスタがWWEレスラー時代の「バティスタ」も好きだったが一作目ではコメディリリーフだった。当時は正直「ハルクと同じくらい強いのに何で面白キャラなんだ」と二作目くらいまで少し納得行かないものがあった……がインフィニティ・ウォーで、やっとそのコメディリリーフ大男キャラの魅力に気づいて一番好きなメンバーになった。エンドゲームでのソーやハルクがコメディリリーフになった事の走りだね。これもまたガンが自分より時代を先にいってて気づかなかった。
本作では今まで見せなかった意外な長所を見せてネビュラに「知らなかった。あんた根っからのパパなんだね」と言われて照れくさそうな笑みをみせるのが凄く良かった(そう言われて今までの彼を思い返してみると「会話が通じないくらい空気が読めないって性格が子供から見た父親ってこんな雰囲気の時あるよな」と思った。「ドラックス=お馬鹿キャラ」だったんじゃなく家族の仇を討ったり仲間を護ったりという「仕事」以外のことを全く見てないのでお馬鹿に見えるだけだったってことだな。
後半、ハイエボリューショナリーの廊下でガーディアンズの周りを360度カメラが移動しながら全員が順番にアクションする流れは素晴らしかった。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)の冒頭アクションを超えた「コミックがそのまま映像になったようなアクション」だった。一番良かったかも。
ラストバトル、いつまでも醜態を晒すハイエボリューショナリーにガーディアンズが順番にトドメを刺すくだりもまた「見開きであらゆる角度からヒーローがヴィランに一斉に一撃を喰らわす」ページの映像化って感じだったね(同時に観客である我々の願望をそのまま見せられた気がして少し恥ずかしくなった)。それにしてもハイエボの素顔が見えるくだり、MCUでは異例のグロじゃない?ハイエボって確か地球人だよね?
ハイエボリューショナリーの城に丸腰で入って、体内に重火器やクイルのクアッドブラスターx2を隠し持ってたグルートと背中合わせで撃ちまくってドクター掴んで飛び降りてグルートの翼で助かるシーンも、めちゃくちゃ漫画っぽい面白さを再現した描写で最高だった。あとロケットに酷い実験したハイエボが目の前にいるから常にキレそうで、それでいてキレたら失敗するから我慢した表情のクイルも良かった。
宇宙空間でクイルが凍り始めるヨンドゥオマージュのくだりは「改心したアダムが助けに来るやろ」と安心しきってたらクイルの顔が変形し始めて「おいおい、こんな顔が膨れて助かるのか?まさか本当に死ぬわけ?」と思い始めたらアダムが助けに来た。アダムが来るのは皆予想できるから可能な限りタイミング遅らせたわけか。
どうせなら少し前にアダムがドラックスに「な、何故おれを助けた?お前たちを殺そうとしたのに……」という少年漫画っぽい台詞は無くて良かったんじゃないか?台詞にしなくてもアクションで全部伝わってるし、この台詞がなければ宇宙空間で死にかけてるクイルがもっと心配になったんじゃないのかな?まぁいい。アダムは割と早い段階から「小動物が好き」って要素で、根っからの悪じゃない要素をちょくちょく見せてたのが上手かったね。
本作ラストでロケット&グルート以外のメンバーは別の生き方を模索して散り散りになる。それぞれバラバラになる理由も納得だし。マンティスとか、エゴとガーディアンズしか知らなかったからつい最近まで身体の大きい幼女みたいだったもんね。
ガモーラもガーディアンズと心を通わせたが実はラベジャーズが先に実家になってたというのも何か良かった。ラベジャーズはどうでもいいのだが、この方が「あのガモーラとこのガモーラは限りなく同一人物だが、実は違う人間」というのがよく出ててよかった。前のガモーラ同様にガーディアンズに入ったら……別に俺はそれでもいいけど、それではこの2014年から来たガモーラが前のガモーラの代用品のように見えてしまう(登場人物にその気は無くても「そう見える」というメタ的な話)。それではハイエボリューショナリーや前半クイルのような、他人を自分勝手に思ってしまう雰囲気になってしまう。だからガモーラは出ていくのでいいんだ。グルート最後の台詞の演出も感動したし……。
ガーディアンズは多分もうMCUに出てこないと思う。俳優の殆どもガンに続いてDCUに出るっつてたし、でもリターン予告されたし「今後もMCU出たい」と言ってるクリプラは出るか。「”伝説の”スターロード」って言い方が引っかかったが、クイル一人で冒険するコミックがあったそうなのでMCUクイルもMARVELスタジオとクリプラと意見が合えばソロで冒険するのかも。ロケット&グルートや新入りガーディアンズアベンジャーズ5とか6でワンチャン出てくるかも?救出した実験少女ファイラは原作におけるフィラ・ヴェルだと後日知ったので、成長したファイラが今後出るなら合わせてドラックスの娘である相方ムーンドラゴンも出るに違いない。ガーディアンズじゃなくてもコズミックチームものは今後も続けてほしいのでガンが監督じゃなくても期待です。
ラスト、祖父に会いに実家に戻るクイル。大して祖父には想いなさそうだが祖父が問題なんじゃなくて、これは「現実に還るEND」ですよね。僕が好きな……。
クイルのことは好きだがクイルの現実逃避っぷりはずーっと気になってたので、それが解消されてよかった。
一作目でクイルは「母の死」という現実から逃げてヨンドゥに攫われて宇宙に行った。母の幻影に対峙して仲間と共に敵を倒したがラストで手に入れるのが「母の2本目のテープ」というのが「えっまだ母ちゃんがどうとか続けるの?」と少し不安になった。二作目ではエゴという実の毒父とヨンドゥという優しい育ての父やデヴィッド・ハッセルホフへの憧れ、実に良い話だったが同時に「ママの一作目に続き二作目ではパパか……」とやはり不安になった。ホリデー・スペシャルではマンティスの思いつきとはいえ「クリスマスの思い出と幼少期の憧れだったケビン・ベーコン」これも不安になった。要はアラフォーくらいの男が延々と「宇宙で愉快な仲間達」と冒険しながら心のなかでは「ママ、パパ、家族、クリスマス、幼少期に好きだったもの」の事ばかり考えてるので……恋人ガモーラのことは良いとして全体的に「身体だけ大きくなった少年感」が強すぎるから見てて不安になるものがあった、メタ的に。
だから突然、銀河のヒーローという立場を捨てて「実家に帰った中年ニートの男に戻る」という現実に還るラストも凄く良かった。クイルの職業は「銀河の守護者または中年ニート」しかないと思ってたので解釈バッチリ合いました。
漫画『幽☆遊☆白書』(1990-1994) のラストで、桑原が「次元を斬り裂く霊剣」という世界にたった一人だが社会に全く活かせない希少な才能を捨てて将来のために勉強を始めて物語から消えるくだり、ラストで幽助が「魔界のプリンス」という物凄いがやはり社会性皆無な立場を捨てて只のラーメン屋台になるのも凄い好きなんですよ。
なんで好きなのかもっと噛み砕いて書くのは面倒だからやめとくが……わかるだろ?
今後のクイルはどうするんだろ?新ガーディアンズに戻ってくるのか、X-MENのキティと付き合ったりするのか?謎だが、一回実家に帰った後のクイルがまた宇宙行っても今度は不安なく応援できそうだ。とにかく一回実家に帰るのが大事。
しかし「予告編でいかにも死にそうだったら死なない」というのが『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)に続き確信に変わりつつあるね。

このガーディアンズシリーズやジェームズ・ガン作品にモヤっとする人いるのもわかる。毎回「それ要るか?」って感じのルッキズムギャグや悪趣味ギャグや、マイルドヤンキーみたいな「仲間!絆!」的な描写や、クリプラや過去ガンの不祥事……等に疑問を覚えたり「この部分は好きになれんな」と思う時もあるが、でも同時に凄く良いところがあって、その好きな部分が他の監督では得れない種類の凄くデカいものなので今のところ凄く好きです。
この「凄く好きなところ」……の事は好きな人なら皆わかるだろうけど「良くないところがあるが何故それが許せるか」「良い部分と良くない部分の混ざり具合」って問題にもっと近づいて感想書くべきでした。前半のガーディアンズジェームズ・ガン年表で疲れた。それは次回作の時に考えて書くことにします。

 

次のMCUは6/21にDisney+の、ニック・フューリーがスクラルの侵略に立ち向かう『シークレット・インベージョン』(2023)。これは年末には完成してたのに出戻りCEOのアイガーがわざと公開を伸ばしてるでしょ。だから凄く楽しみです。何で楽しみなのかは長文で疲れたから省略です。
MCU映画は11/10に『ザ・マーベルズ』(2023)。このカマラとキャロルの組み合わせはアベンジャーズ完成以上に10年くらい楽しみにしてので凄い楽しみです。実のところ本作ガーディアンズ3より楽しみでした。
ついでにガンの次回監督作は多分、DCUの『スーパーマン:レガシー(原題)』(2025)でしょう。本作のアダム観たら期待できるよね。いやアダムくらいじゃスーパーマンにしては弱すぎるから数倍強いんだろうけど……他のDCU作品も全部楽しみです。

 

 

 

 

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『アイ・アム・グルート』(2022) 全5話/面白いとかつまらないとか以前の話で完全に幼児向けで無味無臭。それより異常に神経質なまでに「誰も死んでませんよ!」と全話で示してくる勢いが凄い!🌳 - gock221B

 

MCU以外のジェームズ・ガン監督作〉
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Guardians of the Galaxy Vol. 3 (2023) - IMDb

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