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『アビゲイル』(2024)/アビゲイルや主演メリッサ・バレラやテンポの良さで楽しめはしたが、『スクリーム』リブート2作の時ほどの最高さは足りなかった🩰


原題:Abigail 監督:マット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット 脚本:ガイ・ビューシック、スティーヴン・シールズ 制作:ジェームズ・ヴァンダービルトほか 音楽:ブライアン・タイラー 製作国:アメリカ 上映時間:100分 公開日:2024.4/19(日本は2024.9/13)

 

 

「誘拐した幼女がヴァンパイアだった」と説明が簡単な、この映画。
先週くらいに観たが、未だに『ツイン・ピークス:リミテッド・シリーズ』再見&再研究を続けてたからブログ更新も滞っていた。
監督のマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット、脚本のガイ・ビューシック、主演のメリッサ・バレラ、彼らは90年代に人気を博したスラッシャーホラー『スクリーム』シリーズの続編兼リブートとして『スクリーム』(2022)(※第5作目)続く『スクリーム6』(2023)が大ヒットして、シリーズは見事復活した。あとこの監督&脚本は、サマラ・ウィービング主演のホラー『レディ・オア・ノット』(2019)の布陣でもある(これはブログに感想書くの忘れてたから近く再見して書く)。
主人公は前述のメリッサ・バレラ、そしてその妹役は現在大ブレイク中のジェナ・オルテガが演じたカーペンター姉妹を新たに主人公として盛り上がった。
残念ながら日本ではビデオスルーになってしまったがめちゃくちゃ面白かった(というかもはや90年代の時より面白い)。
5、6と大ヒット、ジェナ・オルテガは大ブレイク……ということで第7作目も楽しみにしていたのだが、メリッサ・バレラがSNSで「西側諸国はイスラエル側の情報しか出さない」とパレスチナ支持を表明した事で『スクリーム』シリーズを制作していたスパイグラスはメリッサ・バレラを一発解雇。同日ジェナ・オルテガも辞退。数日後に次に監督するはずだった『ハッピー・デス・デイ』(2017)&『ハッピー・デス・デイ 2U』(2019)のクリストファー・B・ランドンも辞退。という事で『スクリーム7(仮)』は半壊した。昨年は大ベテランのスーザン・サランドンパレスチナ支持して事務所を解雇されたりと、こういった事が多かった。
そんな中、『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)の監督&脚本&主演が作ったのが本作なので「もうこれが『スクリーム7(仮)』みたいなもんだ」という気持ちの高ぶりと共に観た。

ネタバレあり

 

 

 



主人公ジョーイ(演:メリッサ・バレラ)を含む6人の男女の犯罪者集団が大富豪の12歳の娘アビゲイル(演:アリーシャ・ウィアー)を誘拐する。
チームを雇った首謀者(演:ジャンカルロ・エスポジート)は「身代金を受け取る明日まで、この屋敷で娘を見張れ」と廃屋となった豪邸で一夜を明かすジョーイ達と囚われたアビゲイル
するとチームの一人が首を刎ねられて死んでおり、次々と犠牲者が増えていく――

みたいな話

 

……というか「アビゲイルが吸血鬼」であることは予告編で既に報されてるので「途中で映画のジャンルが変わった!?」といった新鮮な驚きはない。
作ってる方もそれ(アビゲイルが吸血鬼だと観客が知っているということ)はわかってるので割と早い段階で正体を現す。

その前に、まず映画はアビゲイル睡眠薬で眠らせて誘拐するところから始まる。
誘拐チームは互いの素性も知らない。
主人公ジョーイはシャーロック・ホームズ的な分析でメンバーの過去を次々と言い当てていく謎の特技を披露。まぁキャラ紹介。このジョーイ役が前述の『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)イスラエル批判して一発解雇になったメリッサ・バレラね。
そうこうしてると元刑事のメンバー、フランク(演:ダン・スティーヴンス)が「アビゲイルの父が裏社会の大物」だということをアビゲイルから聞いてしまい、報復に怯えるチーム。
怯えつつも身代金を貰えるまでは粘って逃亡しようと監視に気合を入れる誘拐チーム。
しかし運転手役のメンバー(演:アンガス・クラウド)が何者かに首を刎ねられて死んでいた(このアンガス・クラウドは本作の完成前にオーバードーズかなんかで?亡くなってしまったそうだ。まだ若いのに)。
アビゲイルの父の組織が放った殺し屋が既に屋敷内に!?」などと怯えるチーム。
そしてチームで一番まともそうだった元狙撃兵の黒人男性メンバー(演:ウィリアム・キャトレット)も知らないうちに殺されており捕食者の姿も見えぬまま、またたくまに四人にまで減らされてしまった誘拐チーム。
一行はアビゲイルに訊きに行くが、アビゲイルはヴァンパイアとしての正体を現し襲いかかってきた。ビビったチームはアビゲイルを再び部屋に閉じ込めて一旦、逃げる。
もうこの誘拐計画はめちゃくちゃだ!と逃げようとするが、屋敷の窓には分厚い鋼鉄製シャッターが降りており誰も屋外に出られない。
どうやら、自分たちはアビゲイルを誘拐したのではなく、アビゲイルが狩って吸血するための獲物だったと気づく誘拐チーム……。

 

 


中盤は、彼ら誘拐チーム vs.アビゲイルの戦いを中心に描かれる。
吸血鬼に対抗すべく、ヴァンパイアの弱点となる十字架、ニンニク、杭……など色々用意する。しかし吸血鬼であるアビゲイルには上手く杭を刺すことができず、他の弱点も全て……千年もの間に克服されていたか又は最初から効かなかったのか通用せず逆にボコられてしまい一行は再びアビゲイルを部屋に閉じ込めて逃げ帰る。
しかしアビゲイルは部屋の外に出ており、一行に襲いかかる。
そういえば、この辺で誘拐チームの筋肉担当(演:ケヴィン・デュランド)の背後の暗闇からアビゲイルがおずおずと歩み寄るショットは本作で一番カッコよかった。
あと単純にバレエのユニフォームに着替えたアビゲイルがバレエを踊りながら襲いかかってくるのが楽しかった。
アビゲイルの狩り場だし、部屋に抜け道があって閉じ込められたフリしつつ誘拐チームを一人づつ惨殺してたんやろね。
ちなみにアビゲイルの強さは……屈強な鍛えられた人間の男性より少し強いくらいの微妙な強さ。キャプテン・アメリカよりは余裕で弱い……熊より弱いかも?。他の映画に出てくるヴァンパイア映画のそれのように人間の手足を引っこ抜くほどの剛力はない。物理的な強さよりも「噛んだ相手を自在に操る」というヴァンパイア固有能力の方が強い。しかし弱点の陽光もまたヴァンパイアゆえの弱点(というかヴァンパイアって今思えば弱点多すぎね)。
そういえば、悪くはないがかといって良くもなく記憶に全く残っていない『M3GAN/ミーガン』(2022)も殺人幼女ロボット・ミーガンが踊る10秒間くらいだけ凄く面白かった。幼女モンスターがダンスを踊るというのは無条件に楽しいものかもしれない。
ハッカー担当の女性メンバー(演:キャスリン・ニュートン)は、どっかで観たと思ったら『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)でのスコット・ラング/アントマンの愛娘キャシー・ラング役の、いじめっ子顔の女優さんだった。本作でもシャープかつ丸顔でポップな魅力が凄い出てて「lkおれはディズニーが獲得したい顔だわ」と思った。
誘拐チームは何度も敗れつつも再びアビゲイルを牢(古いエレベーター)に閉じ込めることに成功。
……しつつもアビゲイルは牢もブチ破り、また誘拐チームを狩りつつ主人公ジョーイ達に迫る。
で、後半は更に幾つかツイストを加えつつラストバトルを迎える。

 

キャラ紹介を素早く済ませて、いきなり本題に入り、予告編から想像する展開も中盤で終わって意外な後半に投入するのは、さすがの『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)制作陣による現代エンタメ映画、と感心した。
……だけど『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)は生身の人間オンリーで異常な展開(か弱い女性が何度も腹を刺されても元気に戦ったり)が繰り広げられる『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)と違って、本作の場合ヴァンパイアものなので「ヴァンパイアが大暴れするにしてはおとなしいな……」と思ってしまった(まだ幼女のヴァンパイアだから、そこまで強くないというのもあるかも)。
同じ監督&脚本の『レディ・オア・ノット』(2019)や『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)同様に、2人の女性キャラはやたら血塗れになったり汚れたりする。この監督は、この女性メッシー描写にこだわりありそうだね。

そんな感じで、出演者やアビゲイルのキャラや作品設定など、全体的に最後まで楽しめはしたけど、『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)ほど最高じゃなかったなぁというのが正直なところ。
だけど、この監督&脚本やハリウッド干されかけてる主演メリッサ・バレラは今後も応援していきたい。

 

 



そんな感じでした

〈マット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット監督作〉
『スクリーム』(2022)/もともと特殊なスラッシャーホラーを更に特殊なメタホラーにして同じキャラと町で無理矢理続けた結果もはや何もしてない日常シーンも全部おかしい異様な映画になってて可笑しい。あと”エレベイテッド・ホラー”なる新しい言葉🎭🔪 - gock221B
『スクリーム6』(2023)/前作同様にラストバトルが爽快で面白い新シリーズ。登場人物の身体がランボー並に頑丈🎭🔪 - gock221B

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Abigail (2024) - IMDb
Abigail (2024) | Rotten Tomatoes
アビゲイル - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

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