gock221B

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『ジョーカー』(2019)、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)/1と2どっちも大差ないまぁまぁな映画という印象。2本で1本の映画なら丁度よかったかも。ホアキンのナルシス演技は好き🃏

現在、未曾有の大爆死中『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)を観に行って、全米の評判ほど悪くはなくかといって凄く良い映画でもなかった。それにしても悪く言われ過ぎだと思った。
前作『ジョーカー』(2019)も、良い映画とは思ったがあまりにも評価されすぎて引いてしまい、感想書かなかった。映画そのものよりも、ジョーカーという存在自体が映画の枠を越えて現実世界に侵食する異様な感じがあった。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)の感想書くからついでに合わせて短く書いて記録しておくことにした。

またトッド・フィリップス監督も、なんかあんまり好きな作品がない。『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)は一応楽しんでたものの『ゾルタン★星人』(2000)と、あまりにもあらすじや描写がそっくりすぎたのに『ゾルタン★星人』(2000)に全く言及しないのも気にかかった。そんで『ゾルタン★星人』(2000)の方が面白いし……だが『ハングオーバー!』の方が作品やキャラがキャッチーだった、これもまたスコセッシ作品と『ジョーカー』の関係と何となく似てるね。

ネタバレあり。

 

 

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『ジョーカー』(2019)

原題:Joker 監督&脚本&制作:トッド・フィリップス 脚本:スコット・シルヴァー 製作:ブラッドリー・クーパー エマ・ティリンガー・コスコフ 原作:DCコミックス 撮影:ローレンス・シャー 編集:ジェフ・グロス 音楽:ヒドゥル・グドナドッティル 製作会社:DCフィルムズほか 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:122分 公開日:2019.10/04 シリーズ:『ジョーカー』シリーズ第1作目

 

 

売れないコメディアンのアーサー・フレック(演:ホアキン・フェニックス)がストレス溜めてジョーカーとして覚醒してTV生放送でそれを爆発させて全米にそれを感染させる話。

マーティン・スコセッシの『タクシー・ドライバー』(1976)、『キング・オブ・コメディ』(1982)ほぼそのまんまの話で主人公をシンボリックなジョーカーにした感じがこの映画で、だけど『タクシー・ドライバー』(1976)と『キング・オブ・コメディ』(1982)は中学生の時に深夜TVでやってて衝撃を受けて録画して何回も観てたということもあり、それを凄く薄くしたものが出てきたという印象が強かった。別に「パクリだ!」とか「スコセッシ作品があるから『ジョーカー』いらん!」とか、そんな嫌な事が言いたいわけではなく、単純に十代の時にスコセッシ映画を何度も観てたせいか薄い本作は刺さらなかっただけというか……。『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)は楽しかったが『ゾルタン★星人』(2000)とストーリーや描写がまるっきり同じだった時の気持ちと少し似てる。
だけど世界的にはめちゃくちゃ刺さる人が多くて大ヒットした(しかも殆どの普段映画あまり観ない日本の一般層や芸能関係者に大人気となった)。あんまり刺さらなかった自分と、刺さりまくった世間一般との乖離がありすぎて困惑……という感じで過ごしていました。
ただホアキン演じるアーサー/ジョーカーの自分に酔いきったナルシスティックな演技は凄くハマっていて、アーサー/ジョーカーのキャラがウケたのもわかる。僕も刺さらんかったと言いつつアーサーのスマホケース買いましたし。

また監督の思惑を超えて世界中の弱者男性がジョーカーに感情移入してジョーカーの格好で犯罪を犯す奴がいたせいで電車で通り魔事件があると「◯◯線でジョーカー発生」みたいな感じで「殺傷事件を起こす弱者男性」がそのまま「ジョーカー」と呼ばれるという、映画製作者やDCコミックにとって不本意な結果となった。ジョーカーの格好して訳わからん出馬する迷惑系立候補者とかで、とりあえずジョーカー本物はいいとして人生どん詰まりで他人に迷惑かけようとする奴が即席でジョーカーになるという事が全世界的に起きた。
と言っても今回のホアキンジョーカーが特別なのではなく以前のジョーカーの時にも銃乱射事件が起きたり、そもそもジョーカーを演じる俳優のメンタルが壊れる率も高かったりして、どういうわけか妙に現実世界の者の脳を破壊しがちな魔性のキャラであることは間違いない。

そういう感じで作品自体は「まぁ……いいんじゃない?」という感じの感触だったもののホアキン・フェニックスの陶酔演技は良くて、アーサー/ジョーカーのキャラクターは満点!……といった感じで
「作品65点、ホアキンの演技80点、アーサーのキャラ100点」
という印象、つまりキャラ良し映画!という認識。
ウェイン家などのアメコミ原作要素もサービスで少しだけあるが監督もホアキンもアメコミ映画の潮流に入っていく気はサラサラないのがハナから見えており〈アーサーによるジョーカーの単独映画それだけ〉って感じで作られてるので、来年から始まるジェームズ・ガンのDCUや『ザ・バットマン』ユニバースなどにも入っていかない。
それはわかってるのだが、単純にホアキンのジョーカーのキャラが良いから、メソメソくだらない事で悩んでないで「よくいるジョーカー」化してユニバース入りしたら?というのが僕も気持ちだった。が、そんな事したくないであろう事はわかってるので期待はしていなかったが。せっかく良いジョーカー作ったのにしょうもない人間ドラマだけやって終わりで勿体ないなぁという感じだ。

 

 

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『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024)

原題:Joker: Folie à Deux 監督&脚本&制作:トッド・フィリップス 脚本:スコット・シルヴァー 製作:ブラッドリー・クーパー エマ・ティリンガー・コスコフ 原作:DCコミックス 撮影:ローレンス・シャー 編集:ジェフ・グロス 音楽:ヒドゥル・グドナドッティル 製作会社:DCフィルムズほか 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:138分 公開日:2024.10/04(日本は2024.10/11) シリーズ:『ジョーカー』シリーズ第2作目

 

 

前作ラストで「この本編自体すべてアーサーの妄想だったのでは?」という終わり方したけど続編が決まったので、全部本当だった路線での続編となった。
地下鉄のヤッピーやら同僚やらロバート・デ・ニーロやらを殺して全米にジョーカー信者を誕生させたもののアーカム州立病院に収監され、薬の影響なのか再び死んだ目で過ごす日々に戻ってしまったアーサー。
しかしジョーカー信者の女性患者リー・クインゼル(演:レディ・ガガ)と出会い、あっさり恋に落ち、乗せられていくうちに妄想が激しくなり裁判に向けてジョーカーへと返り咲くのだが……――

という話。
先日公開され、制作費が膨れ上がっていたため歴史に残るほどの大爆死を遂げてしまった。「歌が多すぎる」とか「おもんなさすぎる」とかボコボコにされていた。現在では映画批評サイトの影響が高すぎるせいで、最初の反応が全てに波及し一日で終わってしまった印象。
そんなに酷いのかと思って観たが別にそこまで酷くはなかった。全米の評判を聞いてたら「鑑賞を続けるのが辛いくらい退屈」とか、そんな感じで言われてたがそんな事はない。ちゃんと段階を追って進むし理不尽なまでにつまらないわけではない。
まぁ、しかし、その代わり別に面白くもないけど。
一作目の面白さ「65点」と言ったが本作は「55点」くらいだ。前作後半の「ジョーカーに覚醒!そこからのジョーカー無双」というカタルシスが無いし淋しい感じで終わるのでジョーカーに過剰に入れ込んでた人達がガッカリしたのかな?と思った。
本作でのカタルシスというとリーと恋に落ちたり、何度もあるミュージカルシーンなんだろう。だが、リーは離れていく雰囲気が最初から出てるしかなり早い段階で離れてしまう。で、ミュージカルシーンは評判通り確かに「また始まったよ」という感じは確かにある。
観てると、どうやらアーサーの脳内妄想が激しくなったらミュージカルシーンになるようだった。だから終盤ジョーカーの仮面を脱いで「僕はくだらない男アーサーだ……」と認めてしまったらミュージカルシーンは始まらなくなり、リーが歌い出すと「唄をやめてくれ」と、全くミュージカルシーンに入っていけなくなった。
その演出自体は良いので、単純にミュージカルシーンを凄く心地良いものにするとか、ジョーカーに再び覚醒した後のジョーカー無双をもっと入れて観客を一時だけでも気持ちよくさせる必要があったのではないか。
なんかもうアーサーが最初から騙されて乗せられてる感満載で、ジョーカーになっての裁判シーンもジョーカーが単純にスベっており(別に演出が失敗したわけではなくアーサーはジョークが下手なので、ジョーカーも普通にスベってるだけとして撮られてる)、観てていたたまれない気持ちになる。そしてその時間が非常に長い。ジョーカーの活躍を期待した人は二時間説教された気持ちになり、それで反発したのか?とアメリカの観客の気持ちを推測しながら観てた。
前作で変なジョーカー志願者を現実世界にたくさん誕生させるという作中のアーサーと全く同じ体験をして怖かった監督は「ジョーカーとかアカン!アーサーは凄い悪党ジョーカーではなくただの憐れな弱者男性だよ」と、騒ぎを収束させたくなったのだろうか?そうとしか思えないような展開だった。
「ヒットはして欲しかったが……想定以上の事になりすぎた!」と火消しをする水量が多すぎてびしゃびしゃになってしまった……そんな印象だった。
ジョーカーでの裁判の後、看守にボコボコにされる前に例のジョーカー笑いしてるシーンが妙にカタルシスあった(やっぱホアキンジョーカーの笑い声は素直に良い)。
「全米でボコボコにされてるほどつまらなくはないが面白くもない」という感想は僕も抱いた。こんなことなら続編作らなくて良かったんじゃないか?
というか折角、ガガをハーレイ役にしたんだから中盤はもっと普通に楽しい大活躍させても良かった気がする。本作は内容が薄い割にションボリしたシーンと唄が長い、そして唄のシーンが多すぎる。その唄のシーンが良くないので水増ししてるようにしか見えないし。
結果論になるが内容が薄いのは前作もなので、前作『ジョーカー』(2019)が第二幕までで、本作は第三幕にして、それで一本の「ジョーカー」という映画で良かった気がする。もしくは本作は……まぁ要らないか。

そんな感じで、監督のワーナー&DCとの契約も終わったそうだし、あまりハマらない間に『ジョーカー』二作はよく知らん間に終わった印象。
さっきも言ったがホアキンジョーカーがDCUで普通の悪者ジョーカーしてくれたらいいのにね。しかし異常にワガママ放題になってしまったホアキンがユニバースの一ヴィランとしてやっていけるはずもなく、これでホアキンジョーカーは終わりだ。
それにしても喫煙シーンが多すぎて煙草吸いたくなった。

 

 

そんな感じでした


 

Joker (2019) - IMDb
Joker (2019) | Rotten Tomatoes
ジョーカー - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

Joker: Folie à Deux (2024) - IMDb
Joker: Folie à Deux | Rotten Tomatoes
ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

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