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『ザ・ウォッチャーズ』(2024)/ストーリーや設定は面白いのに全体的に描写が凡庸で面白くないという大変惜しい感じでした🏡


原題:The Watchers 監督&脚本:イシャナ・ナイト・シャマラン 原作:A・M・シャインの小説『The Watchers』(2021) 製作:M・ナイト・シャマラン。アシュウィン・ラジャン 製作総指揮:ジョー・ホームウッドほか 撮影:イーライ・アレンソン 製作国:アメリカ 上映時間:102分 公開日:2024/06/21

 

 

M・ナイト・シャマランが制作して彼の娘がアイルランドのホラー小説を長編映画化して監督デビューした映画。今までは父の

『オールド』(2021)とか『ノック 終末の訪問者』(2023)のセカンド・ユニット監督だったらしい……というかセカンド・ユニット監督ってなんだ?と思ったが重要じゃないシーンとかを撮ることもある監督らしい(監督と助監督の中間みたいな感じ?)。
予告編とかストーリーや描写や映像など、やはり全体的に父シャマランっぽい。
昔、クリント・イーストウッドの娘アリソン・イーストウッドが唐突に『レールズ&タイズ』(2007)っていうヒューマンドラマを撮ったけどやはり父の作風そっくりだったのと似てる。あとジェームズ・ワンが制作に回って監督したことない身内に監督させてもルックはジェームズ・ワン作品そっくりなる。やはり身内だけに借りたスタッフがそれぞれ頑張ってくれたりオリジナルの人がちょっと見てくれたりして結果的にそっくりになるのだろう。

ネタバレあり

 

 

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アイルランド。幼い頃に自分が原因で起きた事故で母を亡くし、その罪悪感で世間から隠れるように暮らしている28歳の孤独な女性、ミナ(演:ダコタ・ファニング)。
を抜けて隣町に小鳥ダーウィンを届けに向かって行っていたが森でエンジンが止まり、その車もいつの間にか消えていた。
陽が暮れそうで困り果っていると白髪の老女マデリン(演:オルウェン・フエレ)が小屋に招くので入る。
中にはシアラ(演:ジョージナ・キャンベル)という既婚女性と、ダニエル(演:オリヴァー・フィネガン)という少年が居た。
ミナは見知らぬ三人に促され、マジックミラーになっていて向こう側が見えない小屋の一面に身を晒し、日常生活を送る。
壁の向こう……つまり森では何者か大勢が蠢き小屋の中を見ている。
この森と小屋は何なのか?彼ら〈ウォッチャーズ〉は何者なのか?――

……みたいな話。
すごくシャマラン(父)っぽい!
小屋のリーダー的立場ではあるマデリンは「陽の当たる場所にいること(ウォッチャーズは陽の下には出てこれない)」「森の中にある穴には入らないこと」「マジックミラーに背を向けないこと」など、森で無事に暮らすルールを決める。
日中は、罠で獣を獲って食事の準備をしたりして過ごし、夜は小屋の扉を締めて、する事もないので備え付けてあるビデオで古いリアリティ・ショーを視て過ごす。リアリティ・ショーを視ているのはウォッチャーズがミナたちを小屋の外から見ていることのわりやすい暗喩(だが、わかりやすすぎるので今こんなものを「暗喩」とか書いてる自分に赤面した)。
ここまでは予告編でも示されてて「悪趣味な金持ち達に監禁されてデスゲームを強いられるのか?」「それとも超自然的な何者かによる謎の監禁か?」それを知りたくてワクワクした。
だが割と初夜の時点で、彼らは人間とは思えない唸り声をあげているし明らかに身長3mくらいある痩身の人影が見えるし「どうやらウォッチャーズは人間ではないらしい?」と示される。だがマデリンが「森では幻覚を視る」言っていた。事実、ミナも死んだ母や幼い頃の自分の幻覚を見たりする。だから途中までは「正体不明で怖いからウォッチャーズがモンスターっぽく思えてることの表現かも」と思わされる(このグレーな時間はある程度長い方が楽しい)。
ミナはウォッチャーズの正体が知りたくて竪穴に入り中にあったビデオカメラを収集。
さっそく外にビデオを設置して小屋内のTVに映るようにする。
するとその夜ウォッチャーズが外に集まる音はせず、森の出口の探して出ていき死んだと思われていたシアラの夫・ジョン(演:アリスター・ブラマー)が帰って来る。
しかしマデリンは「ウォッチャーズがジョンに化けている。ドアを開ければ殺される」と言う。
そういえばシアラどっかで見たことあるなと思ったら「Disney+オリジナル映画」という、ディズニーはSWとMARVEL以外全く宣伝しないので殆どの人が観てない傑作ホラー映画『バーバリアン』(2022)の主演の人だった。
そんでまぁ、ちょっとした仲間割れと挟みつつ、ウォッチャーズを複数人で同時に屋外でバッチリ目撃したりするので「やっぱウォッチャーズは普通にバケモノなんだな」とわかり、映画自体があまり面白くないこともあって秘密があっさりとドラマ性もなく判明してガッカリするが、その辺りで小屋の秘密がわかって少し興味が戻る(これで全編の半分くらい?)。
ミナが鳥かごに入れた小鳥を連れているように「超自然的な存在ウォッチャーズが鳥かごのように小さいミナたちを見ている。しかし小屋が人工的すぎる。外にいるウォッチャーズは明らかに蛮族のような感じなのに、こんな精巧な小屋を作れるとは到底思えない。だから「ウォッチャーズよりも、この小屋は何なんだろう?」という興味が変わっていく。
関係ないけど映画の前半でウォッチャーズがマジックミラー殴って大きなヒビが入ったのが後から直ってたの何でだろ?

 


ちょっとした揉め事がきっかけでウォッチャーズが怒ったらしく小屋を壊して入ってこようとする。すると絨毯の下に地下室への入口を見つける(めちゃくちゃ暇なのに今まで何ヶ月も調べなかったんかい)。
地下には食料や古いマッキントッシュがある。今まで噂されていた「小屋やルールを作ったとされる人物プロフェッサー」の自撮りだった。
これを次々と再生して、ウォッチャーズの正体森や小屋の秘密脱出の方法……など殆どの謎が判明する。
そして翌朝、プロフェッサーの指示通りあっさり森を脱出……。
ミナはプロフェッサーの目的や計画を更に探り、新たな危機が迫っていることを感じて対峙し、ラストバトルに突入して映画は思わる(ここはネタバレブログなので別に全部書いてもいいのだが単純に書くのが面倒くさいので「後半は自分の目で観てね」といった配慮によって省略したかのような手つきで後半の展開を書くのは飛ばしました)。

で、終盤どんどん明らかになる「いかにもアイルランドらしいウォッチャーズの正体」「プロフェッサーの目的」「最後にミナに迫る危機と映画の結末」……など、それらのストーリーや設定は本来なら面白いと思ったのだが、残念ながら映画自体の描写があんまり面白くない。
悪いが父M・ナイト・シャマラン監督(以下パパラン)と比べさせてもらうけど、パパランならもっと映画全体が怖くて秘密への興味を引っ張られて面白いと思うんだよね。だって秘密とか物語自体は面白いし(だから小説も多分面白い)。
前半はもっと、どんなに「森を抜けることができないか」の限界を知りたかった。映画冒頭でシアラの夫ジョンがそれ見せてくれてるんだけど、もう一人オリキャラ作ってでも逃げようとしてやられるキャラが欲しかった。そして衣食住などの日常生活どうしてるか如何に面倒で早く出たいか等をもっと興味深く見せてほしかったし、中盤にある揉め事もフンワリ始まってフンワリ終わるのでつまらないし、もっと色んな喧嘩とか人間関係のしこりを見せれるだろうと思った。あれだけ恐れた屋外にいるのに木陰にいるだけで見つからないので「じゃ物陰に隠れて歩き続けたら出れるんじゃないの?」などと観てるこちらの気が緩みますしね。
ミナのトラウマ(自分のせいで母が死んだ)という要素も「ダニエルを説得するため腹を割って喋る」という事にしか使われない。読んでないけど原作だったらもっと色んな心理描写があるんだろうけど、映画はあまりない。せっかく「ウォッチャーズは誰にでも変身できる」という要素があるのに「ミナの死んだ母」に変身しないし。
秘密が明らかになる中盤とラストあたりは、設定自体が面白いのである程度は面白いのだが、その中間は非常に弛緩した感じで面白くない。ラストバトルも非常にフンワリしてたし。
お話やネタは面白いので、間さえ整えれば面白くなるのに締まらなかったのはやはり初監督だったからなんでしょうか?
そういう感じで、勿体ないなと思わされた。こういう事は言われたくないだろうが父なら面白かっただろうなと思わされてしまった。
申し訳なし

 

 

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そんな感じでした

 


 

The Watchers (2024) - IMDb
The Watchers (2024) | Rotten Tomatoes
ザ・ウォッチャーズ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

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