原題:Agatha All Along 監督&脚本&原案&製作総指揮:ジャック・シェイファー 監督:ガンディア・モンテーロ、レイチェル・ゴールドバーグ 製作総指揮:ケヴィン・ファイギほか 原作:MARVELコミックス 製作:マーベル・テレビジョン 配信:Disney+ 製作国:アメリカ 配信時間:各話約50分、全9話 配信期間:2024.9/19~10/31 シリーズ:『ワンダ』ドラマ三部作の第2作目。Disney+制作のMCUドラマ第11作目。MCU
『ワンダビジョン』(2021)に登場したワンダのヴィランのアガサを主人公にしたドラマ。制作者のジャック氏という女性は『ワンダビジョン』(2021)も制作していたし本作は「ワンダ三部作の二作目」だと最近言ってたので、本作はワンダこそ出ないが『ワンダビジョン』(2021)の続編みたいなもの。
前作『ワンダビジョン』(2021)のは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で大団円を迎えた興奮冷めやらぬ時にお出しされたMCUドラマ一発目だったので観てる人も多く、また『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)終了直後で「MARVELスタジオは完成度高い!」という印象が強かったので「これから作られる多大なドラマ群も今まで通り詳細に結びついて一つに集約するに違いない」と多大な期待が寄せられていた。だが実際には、そんな事はなく「映画もドラマもやたらめったらバラバラに作りまくってるだけで、大して結びつかない」という事がしばらくして明らかになり、そしていっぱい作ったドラマも、その殆ど9割くらいが「最後まで観たら微妙な気持ちになる」ものばかりだったので今ではもうよほど好きな人か、後は僕みたいに「ここまで全部観てるから今更観るのやめられないので惰性で観てる」人だけになった。最初から最後まで高い完成度だったドラマは『ロキ』〈シーズン2〉全6話 (2023)一本だけだった。ちなみに前作『ワンダビジョン』(2021)もドラマの中ではトップクラスの完成度だった。だが色んな匂わせが、最後まで観ると本当にただ匂わせてるだけだったりワンダとアガサがビームを撃ち合ってるだけで終わる最終話などかなりガッカリさせられた……とはいえ中盤の面白さは凄まじく前作『ワンダビジョン』(2021)中盤は「これ世界で一番おもろいのでは!?」とまで思った。
本作の制作が決定したのは、まだまだMCUの威光が轟いていた時だったので「『ワンダビジョン』(2021)で一瞬人気出たアガサで一本いっちゃう?いっちゃえいっちゃえ!」というノリで作った感が強い(想像)。今となっては天下のMCUも動員も視聴率も死ぬほど落ちてしまったので、今だったら絶対アガサのドラマなど作らなかっただろう。
また〈アガサ〉というキャラも、原作でも「お馴染みのサブキャラ」って感じで単体作を作るほどのキャラじゃない印象がある(アガサの単体作作るくらいならメイおばさんで一作作ってほしいくらいだ)。そして原作の老婆アガサは結構好きだけど本作の妙にイキったおばさんアガサにはエコー同様、全く魅力を感じてなかったのだが「『ワンダビジョン』(2021)と同じ制作者」「最後にワンダ生き返るかも?」という二点にだけ期待していた(ちなみに原作のアガサもMCUアガサに合わせて白髪老婆から黒髪中年女性へと若返ったみたい)。
最初に『Agatha: House of Harkness』と発表された後に→『Agatha: Coven of Chaos』→『Agatha The Darkhold Diaries』→『Agatha: The Lying Witch Great Wardrobe』→そして『Agatha: All Along』……と何度もタイトルが代わった3、4回目くらいで「ああ、要らんことするアガサのキャラを反映してわざと配信までに偽のタイトルをころころ変えてた本作。
ネタバレあり
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劇中で1693年。アメリカ・マサチューセッツ州セイラムで、魔女アガサ・ハークネスが、自身を処刑しようとした母エヴァノラ・ハークネスを含む七人の魔女の命を吸収して殺害する。
劇中で2023年。サノスを倒して地球を護ったアベンジャーズのワンダ・マキシモフは政府に分解・改造されていた夫ヴィジョンの遺体を確認。極度の絶望により発狂、アメリカ・ニュージャージー州ウエストビューを”ヘックス”と呼ばれる力場で外界から隔離、現実改変能力〈カオス・マジック〉で、ヴィジョンや双子の息子ビリーとトミーを創造。自分たち家族とウエストビュー住民もろともシットコムの登場人物を半永久的に無理やり演じさせる〈マキシモフ事変〉を引き起こし、理想の世界へ逃避した。
正体を現した魔女アガサはウエストビューに侵入して暗躍しワンダのカオス・マジックの力を奪おうとするがスカーレット・ウィッチへと覚醒したワンダに敗北、人格と魔力を封印される。ワンダはウエストビューにかけたカオス・マジックを解き、カオス・マジック版ヴィジョンとビリーとトミーは死亡。
ワンダは魔導書ダークホールドを使いマルチバースのトミーとビリーを探し始める。その後のワンダ 『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)
劇中で2025年。ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチは、闇の魔導書ダークホールドの力でマルチバースのビリーとトミーを自分の変異体から奪おうとして大勢を殺すが、ドクター・ストレンジやアメリカ・チャベスやウォンによって阻止される。反省したワンダはダークホールドもろとも自決する。
『ワンダビジョン』(2021)の3年後、劇中で約2026年頃。
太古から生きている悪名高き魔女アガサ・ハークネス(演:キャスリン・ハーン)はワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチによって人格と魔力を奪われ、ニュージャージー州ウエストビューで「刑事ドラマの主人公」を演じさせられ続けていた。
ある日、アガサの前に古い因縁がある緑の魔女リオ・ヴァイダル(演:オーブリー・プラザ)や、魔女になりたがっている少年(演:ジョー・ロック)が現れ、それらの影響で記憶を取り戻したアガサだったが魔力は失われたままだった。
アガサはビリーから「魔法の試練の数々を生き抜けば望みが叶う伝説がある〈魔女の道〉へと一緒に行ってほしい」と頼まれ、アガサはこれを承諾。
〈魔女の道〉に挑戦するためには〈魔女団〉が必要。
アガサと少年は、薬の魔女ジェニファー・ケール(演:サシェア・ザマタ)、占いの魔女リリア・コルデルー(演:パティ・ルポーン)、護衛の魔女アリス・ウー・ガリバー(演:アリ・アン)、魔女でも何でもない人数合わせの近所の老女シャロン・デイヴィス(演:デブラ・ジョー・ラップ)など近所に住む「魔力を失ってしまった魔女」を集めて魔女団を結成。
リオがアガサの居場所を教えたため恐ろしい魔女団〈セイラム・セブン〉がアガサ達の命を狙って追ってくる中、アガサの魔女団は〈魔女の道〉へと進むのだった――
そんな話。
……という事で全9話のうち殆どは、アガサと魔女団が〈魔女の道〉に挑戦している現世での24時間の話となっている。
第一話は、ワンダによって魔力と人格を封印されたアガサが自分を「ハードな刑事ドラマ」の主人公だと思い込んで演じている。各年代のシットコム風に話が進む前作『ワンダビジョン』(2021)を思わせる出だしで「『ワンダビジョン』(2021)の続きだよ~」感を印象付ける。
少年(ティーン)は、最初からモロにワンダの息子ビリーなんだろうなという雰囲気、緑の魔女リオは「メフィスト?ブラックハート?それともデス?」といった感じでオカルト系の大物キャラが正体であることを匂わせていた。またハートマン夫人あらため老女シャロンも同様に、あまりに一般人すぎるので実はオカルト系大物キャラが化けているのか、もしくは記憶を失った凄い魔女なのかを匂わせていたが実際のところ何もなかった。ところで前作『ワンダビジョン』(2021)ではオタをおちょくるかのように、この手のスカしが多かった(その最大のものは「FOXのX-MEN版のピエトロが出てきてレギュラーキャラになるが、只の操られた一般人だった」というもの)、そしてそれらは本当にただおちょくってるだけで面白さが減るだけだったため単純にガッカリしただけだったが本作でのスカしは「シャロンはただのおばあさん」ということくらいで「少年やリオの正体」などといったベタなネタはど真ん中に進行してくれたので良かった(とはいえワンダがとうとう出てこないのは大きなスカしに感じたが……)。本作は『ワンダビジョン』(2021)で不評だった部分を殆ど改善していた。
魔女団の一人、護衛の魔女アリスのミュージシャンだった母がリリースして大ヒットしたという設定の曲、魔女の道の唄は最初から最後までこの作品に頻出する。本当に良い曲だし、これを軸にしてたのは上手かった。
魔力を失った4人の魔女、魔女になりたい少年、何の関係もない只の老女という6人は、異空間「魔女の道」へと進む。
アガサには、かつて「魔女の道」に挑みアガサ以外全員死んだとか、アガサは自分の息子ニコラス・スクラッチを生贄にしただとか色々と良くない噂がある。
少年には何者かの手によってシジル(封印の魔法)が掛けられており少年が自分の名前を名乗っても他人からは唇と声が認知できなくなり正体がわからない。
各話一話づつ、それぞれの魔女がメインで担当する試練に挑戦し、それぞれの魔女の過去が垣間見えたりトラウマを解消したりしながら犠牲も出しつつクリアしていく。
殆どのMCUドラマは単純に「完成度が低い」という共通点の他に「これ、映画1本分の映像素材を、普通だったらつまらんからカットすべき部分をカットせず、6分割して毎話のラストにクリフハンガーを付けて、あとアメコミ好きがニヤリとする作品の面白さとは何の関係もない小ネタを散りばめただけでは?」という共通点があった。で、実際に去年あたりに「MCUドラマ、ショーランナー付けずに作ってたけど上手くいかなかった!これからはちゃんとする」と言ってたので「本当に当たってたんだ」と思った。だけど前作『ワンダビジョン』(2021)だけは、毎話異なる世代のシットコム風に話が進むというTVドラマでしか出来ない造りで、それは良い部分だった。本作もそれを引き継いでドラマならではの構成になってたね。
アガサもサブキャラなのだが、その仲間も原作には一応出るようだがほぼモブキャラのような新キャラ、しかも中年女性と老女ばかりというフックが弱いキャラで「興味ないなぁ」と思ってたけど、単純に話が面白いしキャラが良いので割とすぐお気に入りになった。
第6話では”少年”が、ワンダのようにキレた事で強力な魔力が覚醒、少年のオリジンが描かれる。それは大方の予想通り『ワンダビジョン』(2021)でワンダが現実改変能力カオス・マジックで生み出した双子の弟ビリー・マキシモフだった。それはそうだ、『ワンダビジョン』(2021)の「ピエトロかと思ったら偽物でした」みたいに「ビリーだと思わせて、何の関係もない魔法が得意な新キャラでした」なんてやっても面白くも何ともない。偽ピエトロ同様にこの面白くも何ともないスカしをするのを恐れていたが、ちゃんとビリーで安心した。しかしビリーなのは間違いないとしても『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)で出てきたマルチバース(アース838)のビリーみたいな変異体を連れてくるのは安易だし、そういう「いともたやすく行われるえげつない行為」みたいな事をMCUでやりだすと「ほなら、キャップとかアイアンマンなどの有能ヒーローの欠員を全員マルチバースから連れてきたら?いや、何ならアイアンマンとキャップを一万人づつ連れてきて各地に一人づつ配置すれば?」などとファンが思い始めると大変なので避けたい。
本作の場合、『ワンダビジョン』(2021)ラストでヘックスと共に消滅したと思われたトミーとビリーの魂は現世(MCUメイン舞台であるアース616世界)を浮遊しており、ウエストビュー近郊に住んでて事故死したウィリアム・カプランの遺体を器として受肉した……という『呪術廻戦』めいた復活を遂げて、上手いやり方だと思った。マルチバースの変異体などという「別人」ではなく、ちゃんと『ワンダビジョン』(2021)で生まれたビリーの物語がそのまま続いているのも良い。ビリーにマキシモフ兄弟について教える存在として『ワンダビジョン』(2021)最大のガッカリポイントだったラルフ・ボーナー/偽ピエトロ・マキシモフ(演:エヴァン・ピーターズ)が再登場して教えてくれるのも嬉しかった(これによって『ワンダビジョン』(2021)のガッカリポイントが無くならないにしても軽減されるからね)。
第7話は、占いの魔女リリアのメイン回。この回は本作の中で最も評価された……というかMCUドラマ全ての中で『ロキ』〈シーズン2〉(2023)最終話の次に評価された。
リリアは地味な魔女団の中の地味な魔女の一人。占いが得意と言いつつも自分の能力を持て余して占いショップに引きこもっている老女に過ぎなかったからだ。そして各話で突然我を忘れて支離滅裂な事を言って周囲を呆れさせるキャラだった(とはいえ後で何かありそうな伏線だったことは明白だったが)。
リリアは、過去から未来へと一方通行で時間が流れているだけではなく時系列バラバラに生きている魔女だった。そのため世界と折り合いがつかず何千年も隠者として過ごしていただけだった。今、コヴン(魔女団)の一員として「魔女の道」を攻略する事によって「魔女であること」「魔女団という仲間と進む」ことが自分の全てであったと今初めて自分の全てを悟り、過去と未来を同時に生きる固有能力や予知能力を使いこなす。残った魔女団の仲間を先に進めて追手の恐ろしい魔女団セイラム・セブンをタロットカード「逆さの塔」の暗示で己もろとも皆殺しにする。MCU屈指の熱いシーンだった。
そしてラストは混乱していたはずの少女時代リリアの微笑みで終わる。
最初は普通に「リリアは己を犠牲にして仲間を助けたんだなぁ」と思って感じ入っていたが、それは「普通の考え方」で、リリアは過去も未来もない人生を生きているのでセイラム・セブンと共に「逆さの塔」の死んだリリアが「最後のリリア」とは限らない。「仲間を助けて自己実現した死」という破局の後が、全てを掴んで自身に満ち溢れた少女時代リリアでもおかしくないんだなと思った。「じゃ、リリアの時系列はどうなるんだ?混乱した時と自身に溢れて人助けする時を交互に送る人生なのか?」とか混乱するが、ややこしい事は考えず「死にながら全てを掴んだ→少女時代からやり直し」と単純でポジティブな見方でいいだろうと結論付けた。
最終話である第8、9話は2話同時配信だった。
第8話は「魔女の道」の冒険の結末。
というかMCUドラマの最終話でありがちな展開をやった感じ。つまり完全に魔術ヤングヒーロー〈ウィッカン〉の姿となったビリー、ビリーにパワーを譲渡されてようやく魔力が戻ったアガサがフルパワーになって、死神デスとしての正体を表したリオに立ち向かう……というかデスは別に死神と言っても……たとえば『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)に出てきた〈死の女神ヘラ〉を思い出すが、ヘラの場合は「ただ素手でもサノスより物理的に強いだけの”死の女神”を名乗ってるだけのお姉さん」に過ぎなかったわけだが本作のデスはの場合は本物の「死の擬人化」、そんな根源的な存在がフィクションの中でキャラクター化しただけの、基本的には倒せない存在なので、アガサがフルパワーになろうがダーク・ホールド装備スカーレット・ウィッチだろうがインフィニティ・ガントレット装備サノスだろうがデスは倒せない(原作のインフィニティ・ガントレットなら封印できる)。
デスは、既に死んでいるはずのビリーもしくはアガサの魂を持っていくことが目的だったみたいで、アガサは一旦ビリーを差し出そうとするがビリーの言葉で思いとどまって自身が犠牲となって命を落とす……この部分、何でアガサまだ生きたいのか、何でビリーの言葉で改心したのかとか、アガサが考えていることが全体的によくわからない。死んだ息子をビリーにダブらせて愛着を持っているらしいことは最初から描かれていたから助けたんだろうけど何で一回見捨てようとしたのか何でやっぱりそれやめたのかよくわからない。
そして、アガサが土に還りデスが去った後、自宅に帰ったビリーは「〈魔女の道〉なんてなかった」と気づく。ワンダがウエストビューを自分の好みの世界に無理やり変えたように、魔女に憧れるビリーが無意識に現実改変能力で作り上げた領域展開した空間だった。
『ワンダビジョン』(2021)後半のガッカリポイントは最終話での「物凄く面白かったドラマだったのに、よく考えたらこれ〈MCUのドラマ〉という制約が多くて狭いドラマだった、だから最後は結局しょうもないビームの撃ち合いしなきゃ〆られないんだ」という終盤だった。本作の場合「アガサ&ビリー vs.デス」という勝ち目のないしょうもないラストバトルは最終話一個前の短時間でチャチャッと済ませるという解決策を取った。ここもまた『ワンダビジョン』(2021)からの進化ポイントだった。
「MCU最終話でありがちなしょうもないラストバトルを先に短時間で済ませる」という方法でMCUドラマ特有のしょうもなさを回避した本作最終話は、アガサと息子ニコラス・スクラッチの回想だった。
そこで「魔女の道の唄」を作ったのはニコラスで、二人の楽しい思い出だったこと。そして「魔女の道の伝説」は、アガサ達が歌ってるのを聞いた魔女が勘違いして広まった伝承であること、アガサはそれを利用して魔女たちの魔力を吸って皆殺しにして生きてきてた事などが明らかになる。
というか僕が聞き逃したのか何なのか、そもそもアガサが魔女のパワーを吸って殺し続けてる理由が最後までよくわからなかったんですが何なんですかね。単純に「悪い魔女だから」ってこと?
デスに頼んで「ニッキーの死期」を先延ばしにしてもらうが、そもそも何でデスと恋仲だったのかなどもよくわからない。
ニッキーと暮らしながら魔女を殺してたのは、ひょっとしてデスが死神だから死者を出せば喜ばれてニッキーを連れて行かずにいてくれるから殺してたの?で、魔女殺しをやめようかなって雰囲気出したから連れて行かれたの?この辺が曖昧でよくわからない。
で、ニコラスが死んだ後に始まった「魔女の道の伝説」でますます魔女を殺していってたのも「おお、こうして魔女の道の伝説ができたのか~」という面白い気持ちにはなったが、何でこんなことしてるのかよくわからない。
『ワンダビジョン』(2021)でワンダのカオス・マジックやダークホールドを手にしようとしてたのは、そのパワーでニッキーを生き返らせようとしたのだろう。そんで本作のヴィジャ・ボードの回でニッキーの幽霊の声がしたよね。声がしたって事はカオス・マジックでまだ何とかできる範疇、だから第8話でビリーを見殺しにしようとしたけど、やっぱりニッキーを思わせるビリーに愛着を持ってしまって助けてしまった……そういうこと?
そんでラスト、ビリーは助けてくれて幽霊になったアガサを冷たい態度で追放しようとする。これもなんで?と思った。直前にアガサが魔女団のシャロン、アリス、リリアの死を屁でもないような言い方したのでビリーがいつものように癇癪起こしたってこと?そんでビリーに怒りに押されたアガサは「ニッキーに顔向けできないから幽霊になった」みたいな事を言う。ニッキーに会うため今まで散々魔女を殺してきたのに死んだ後はそう思うのが今ひとつよくわからない。ビリーを見守りたい気持ちもあったからなのかな。アガサについては満を持して最終話に回想を入れたのでもっと理解できるかと思ったが思いの外よくわからなかった。というか明確に悪人過ぎるのでアガサの死やアガサのメロドラマについて特に心が動かないというのが本当のところだ。最終話でリリアのようにぐっと掴んでくれるのを期待したが想像以上に悪かった事が判明しただけだった。
アガサはヴィランとして登場したので別に清廉潔白なキャラを期待したわけではなく「正義の心に目覚めたぜ」されても醒めるので最初から最後までろくでもない魔女のまま貫いたのはむしろ良い部分ではあったが、それにしても掴みどころのないまま終わってしまい「このドラマは面白かったがアガサはやっぱサブキャラ止まりだな」という印象は拭えなかった。初登場のビリーの方が主人公の役割だったし完全な脇役のリリア回が一番ウケたしね。アガサは主人公というよりも真の主人公ビリーの正体を隠しながら、狂言回し的に話を進めていくとりあえずの主人公感があった。というかワンダも、ろくでもないことばかりしているのだが……アガサの場合ほとんどの時間、息子とビリー以外の他人を気にもとめない態度だったので、単純にその態度が気に食わないだけかもしれない。最終話の「魔女の道」によって「全部アガサのせい」というタイトル回収したのは見事だった……が、しかし第7話のリリア回を超えられなかった感もある。
とりあえずビリーと幽霊アガサは二人だけの魔女団となり「イジメで溺死した少年」に受肉したトミー・マキシモフを探す旅に出る。
それにしてもシャロン、アリス、リリアと異常に死者の多い恐ろしい作品だった。
大満足したリリアは良いとして、シャロンは本当に無関係でアガサが連れてきてそのまま死んだ憐れな老婦人、アリスはデスに連れて行かれる時に「これで終わり!?今からは悩まずに人生を歩んでいけると思ったのに……」と言ってたのが居た堪れない。だが妙にカッコいい死だけを描くよりは、こういった無念の死を描く方が誠実とも言えるか。そういった理不尽さ混沌さは非常に魔女的な部分でもあるし。
シャロンは本当に「実はメフィスト、実は凄い魔女」みたいな隠された正体があると思ってたら普通の気の毒な一般人で、これは少しガッカリしたポイントだった。
「シャロン何もない」「ワンダ出てこず」はガッカリしたなぁ。最終話のポストクレジットとかも無かったしね。でも作品自体が良かったので、それらのオマケ要素はまぁ無くてもいいです。
この「ワンダ・サーガ」の続きが観れるのは来年のドラマ『ワンダーマン』(2025)、あと制作中の『ビジョンクエスト』などでトミーが出るのではないか?本作が割と好評だったみたいだからウィッカン&幽霊アガサのドラマ『ウィッカン』を作っても良いし最終的にはワンダの単体作『スカーレット・ウィッチ』が作られるのを期待。
個人的にはMCUの魔法系とかオカルト系は全般的に好きなので幾ら作られてもOKです。
『ワンダビジョン』(2021)や本作を作ってるジャック・シェイファー氏は、凄くアメコミ部分以外のオリジナル要素が面白いので、もうMCUドラマなんていう制約の多い泥舟は抜けてオリジナル作品を作った方が良い気がする。
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2025年のMCU
MCU全体の次回作は来月2024年12月22日にDisney+アニメ『ホワット・イフ?』〈シーズン3〉(2024)、映画は2月に『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)、Disney+ドラマは僕が期待してる『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2025)が3月にあります。
ついでに来年のスケジュールが先日発表されたから来年までのを全部言うと
【2024年MCU】
12/22配信 アニメ『ホワット・イフ?』〈シーズン3〉(2024)【2025年MCU】
01/25配信 アニメ 『ユア・フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン』(2025)
02/14公開 映画 『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)03/04配信予定 ドラマ 『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2025) ★★★
05/05全米公開 映画 『サンダーボルツ*』(2025) ★
07/25全米公開 映画 『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』(2025) ★★
08/06配信予定 アニメ 『アイズ・オブ・ワカンダ』(2025)
09/03配信予定 ドラマ 『アイアンハート』(2025)
10/25配信予定 アニメ 『マーベル・ゾンビーズ』(2025)
12月頃に配信予定 ドラマ 『ワンダーマン』(2025)
こうなっとる。
『キャップBN』以降は日本での公開日まだ決まってないけど映画以外のDisney+作品は全世界同時公開だし、映画もここ数年はSONY配給のスパイダーマン以外ほぼアメリカと同日公開が多いので多分このままだろう。
僕の期待としてはNetflix版もキャラも大好きな大本命の『デアデビル:ボーン・アゲイン』(2025)。マットだけでなくフォギーやカレンやパニッシャーもNetflix版で復帰ついでに他のジェシカ・ジョーンズを始めとした他のディフェンダーズも復帰の噂あり(唯一しょっぱかったアイアンフィストの人は新アイアンフィストの師匠役という噂を聞いて本当ならナイスすぎる)。キングピンはMCUデアデビルに出る前に既に二代目ホークアイ(ヒーローになって数日の女子大生)に一回、エコー(片足の養女)に2回と、既に女の子に3回負けてるのでもう正直どうでもいいです。なんでどうでもいい負け方させてNetflix版で「地球のサノス」くらい高まってた格をわざわざ落としたのか……。デアデビルさんも『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022)で意味なくシー・ハルクとSEXしてたけど、マットはプレイボーイキャラでもあるから別にいい。
映画は『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップ』(2025)が期待。MARVEL全体もケヴィン・ファイギも「ファンタスティック・フォー」「デアデビル」「ブレイド」「X-MEN」「アベンジャーズ」これらはめちゃくちゃ大事にしてるタイトルだから絶対外さないと思う。デアデビルとか3、4回くらい「こんなしょうもないデアデビル出せるか!」つって作り直してるから面白いのを期待してます。映画『ブレイド』も来年公開だったけど延期になってしまったのは残念だがデアデビル同様に3回くらい作り直して「やっぱアカン!」と公開辞めたというのは逆に言うと「しょっぱいブレイド公開するくらいなら辞める!」というMARVELスタジオのブレイド愛を感じたのでそこまで残念じゃない感じはあります。スー役のヴァネッサ・カーヴィー好きなので楽しみですが、シルバーサーファーも好きだったんですが女性版になったのが地味に残念でした。ノリン・ラッドが好きなのに……でもノリン・ラッドも続編で出るだろう多分。ダウニーJrのドクター・ドゥームが出たらF4全体が食われそうでそれが心配です。
『サンダーボルツ*』(2025)も、よくわからんけど軽いキャラや元ヴィランばかりの楽しいキャラ多めでフットワーク軽めで「タイトルの" * "に秘密があるよ」というのも「『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)がドラマ終了の瞬間に『キャプテン・アメリカ&ウィンター・ソルジャー』とタイトルが変わった時のように、これも映画ラストで『ダーク・アベンジャーズ』とかの真のタイトルが出るんちゃうか?」と期待が高まるので少しだけ楽しみ。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)は公開2ヶ月前なのに試写で「凡作」とか言われてて、もう取り直す時間もないから観終わったら「まぁ普通に最後まで楽しめはしたけど……」という感想でアメコミ好きがニヤッとする小ネタが数個あって観終わった翌日には忘れてる感じの、フェイズ5でよくあった凡作……『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)、『マーベルズ』(2023)などの凡作を予感させる。
その他のDisney+のドラマとアニメは正直どうでもいいですね……。ここまで全作観てる経験上、放映中はそれなりに面白いけど終了して感想書いた瞬間に忘れる予感がしますね(「娯楽としては、それで充分」という考え方もあるが)。
『マーベル・ゾンビーズ』(2025)にミズ・マーベルとシャン・チーが主人公っぽい感じで出て、演じてた俳優がそのまま声優してるみたいなんでカマラとシャン・チーの活躍が楽しみ、それくらいですかね……。
アメコミ関係なら、それよりU-NEXTでやってる『PENGUIN ペンギン』(2024)が観たいですね。最終話まで行ったらU-NEXT入って観てすぐ抜けたいです。
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そんな感じでした
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