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『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』(2024-2025) 全8話/中盤がめちゃくちゃ退屈で最初とラストだけ面白いという珍しいDisney+ドラマ。やはりSWは1-6とCWだけで良くない?🐘


原題:Star Wars: Skeleton Crew 監督&脚本(第5~6話以外)&製作総指揮:ジョン・ワッツ。クリストファー・フォード 脚本(第5~6話):ミョン・ジョー・ウェスナー 音楽:ミック・ジアッキーノ 製作総指揮:ジョン・ファヴロー。デイブ・フィローニほか 制作:ルーカス・フィルム 配信:Disney+ 製作国:アメリカ 上映時間:各話約48分、全8話 配信開始日:2024.12/02~2025.1/14(日本は1日遅れ) シリーズ:『スター・ウォーズ』のドラマ

 


MCU『スパイダーマン:ホーム』3部作でお馴染みのジョン・ワッツ監督によるSWドラマ……という紹介からは考えられないほど視聴者数が死ぬほど少ないらしい。めちゃくちゃ視聴者と評価が低かった『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)より更に少ないという、もはや余程のSWオタか「観たいとか観たくないとか関係なくSWとMCUはもう乗りかかった船だから仕方なく全部観る」という僕みたいな者しか観ていないと思われる。
「ちょっと待って、MCU『スパイダーマン:ホーム』3部作ジョン・ワッツ監督のSWドラマだぞ!?」と問いたくなるが実際のところ全く観られてないのもまぁわかる。
世間のディズニー制作SWへの関心度……特にDisney+ドラマへの関心度なんか「Disney+のSWやMCUのドラマ=10本中9本はつまらない、残り1本も”最後までなかなか良かった”レベル」という打率の低さなので「ジョン・ワッツ監督作だぞ!?」とHOSTっぽく書きはしたものの気持ちはわかる。僕も映画ブログやってて逐一感想書いてるからコレクション感覚で観て感想書いてるけどブログやってなかったら100%観てない(SW疲れとかアメコミ映画疲れという言葉もあるが、もう何十回もそれになって、でも次々とDisney+作品が粗製乱造されたせいで骨折した骨がくっつくかつかないかのうちにもう次の新作が来てしまうので慢性的なDisney+疲れになっていると言える)。
それと「子供たちと怪しいおっさんが宇宙船で漂流してしまう」というあらすじを数年前に聞いた時から「僕が最も興味ないキッズ冒険もの……ガチで一番興味ない……」と思った(『グーニーズ』は良いけどね)。これはさすがに観るのやめとこうかと思ったが、ジョン・ワッツ監督だし制作も、確定でつまらないキャスリーン・ケネディ派閥じゃなく、『マンダロリアン』のジョン・ファブロー&デイブ・フィローニ派閥だから……一応観とくか、という気持ちもあったので観た。
ジョン・ワッツ監督といえばデビュー作『クラウン』(2014)からMCU『スパイダーマン:ホーム』3部作とか全部「10代の子が怖いおっさんに翻弄される」という内容の作品をひたすら撮り続けてるので最初にあらすじ聞いた時に「これはSW銀河版の『COP CAR/コップ・カー』(2015)だな。そんで”まぁまぁ良かった”という感じで終わるんだろうな」と思ったが、数年前に思ったそのままだった(いや、想像してたよりも中盤かなりつまらなかったのが想定外だった)。
「スケルトン・クルー(Skeleton Crew)」とは「最小限度の人員」という意味らしい。
スティーブン・キングの短編小説『骸骨乗組員』はこれのことか。

ネタバレあり。

 

 

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銀河帝国が崩壊して5年新共和国が秩序を保っていたが、辺境ハイパースペース航路では宇宙海賊が横行して荒れていた。
宇宙の辺境。感知されない特殊なバリアで覆われてドロイドが警備している、外界から隔離されているが非常に平和な惑星アト・アティン
宇宙での冒険ジェダイに憧れる少年ウィム(演:ラヴィ・キャボット・コニャーズ)。
その親友で心優しい少年ニール(演:ロバート・ティモシー・スミス)。
学級委員長的な少女ファーン(演:ライアン・キエラ・アームストロング)。
その親友、事故で負った傷をサイボーグ的な機器で補っている賢い少女KB(演:キリアナ・クラッター)。
彼ら4人は地中に埋まった海賊の宇宙船を発見し、中にはドロイドSM-33(声:ニック・フロスト)がおり電源が入ってしまい宇宙船はアト・アティンのバリアを突破して飛び立ってしまう。

という第1話。この第1話はかなり面白かった。
主人公の少年少女が住むアト・アティンでの生活、銀河TVを観ながら銀河シリアルにブルーミルクかけて食って銀河小学校に行き……と、あまりにもアメリカの小学生すぎるので「これSWだぞ!アメリカすぎるやろ」と最初は思ったものの、どうやら我々が知る今までのSW銀河から完全に隔離された惑星だということがわかってきたので「SWの惑星っぽくない日常はわざとか」とわかってきた。
彼らの「平凡で平和な学童生活」はつまらないので、海賊の宇宙船を見つけて中で遊んでたら骸骨を思わせるドロイドが動き出し、主人公ウィムのパパの眼の前で動き出した宇宙船が一気に子供たち4人を乗せたまま外宇宙へと飛び立って終わる第1話は、退屈な日常が破られる快感があり、なかなか面白かった。
物語の時代背景だがSWの銀河系のABY-BBY暦法でいうと9 ABY頃の話らしい。
他のSWでいうと
『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019)
でマンドーがグローグーを拾ったり、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022)でボバがタトゥイーンのダイミョウになった頃までらしい。『スター・ウォーズ ep6/ジェダイの帰還』(1983)で反乱軍が帝国を滅ぼして5年後、『マンダロリアン』同様に銀河帝国による圧政はないものの海賊などの小悪党がチョロチョロと悪さしていた時。

第2話。ウィム達は、海賊に捕まってしまうが牢にいた自称ジェダイの中年男性ジョッド(演:ジュード・ロウ)のフォースで牢を破り脱出。アト・アティンへの帰り方を探すことになる。という第2話もなかなか面白い。この第1-2話が映画の三幕構成でいう第一幕的な物語の起点でここは面白い。

 

 

第3話~第6話までは映画でいうと第二幕、中盤にあたる部分で、追ってくる海賊から逃げたり色んな惑星に行ってアト・アティンの座標を探したりと冒険をする。
で、結果から言うとアト・アティンは銀河の通貨を製造する造幣局がある惑星だった。そのため海賊から隠れる必要があり、そのため視認やレーダーにも反応しない偽装バリアが施された惑星だったのだ。この設定は素直に面白いと思った。「外界から隠れた惑星」を作ったら本作の「まるで現代アメリカの住宅街そっくりの街アト・アティン」みたいに「俺だけのSW」を作るのに有効だなと思った(それをSWファンが観たいかどうかは別問題だが)。
……で、この中盤だが、個人的にはめちゃくちゃ退屈でつまらなかった。
この部分こそ楽しくしないとダメだと思うのだが全くもって全く面白くなかった。
そして観る前の予想通りジョッドはやはりジョン・ワッツ映画的な、子供も容赦なく利用する悪いおっさんである本性を見せてくる。その怖さは、残虐だったりサイコパス的なステレオタイプな悪ではなく「普通に快適に暮らせるものならそうしてるが環境によっている」といった感じで「現実にもいる闇バイトやら詐欺やらしてるおっさん」的な、リアルな小悪党のおっさんという感じでSW作品にしては妙に非常にリアルな味わいがある。対して子供たちのキャラは、割とステレオタイプなキッズで正直面白くない。ドロイドのSM-33は、船長命令に従うが子供たちが船長になってしまったため基本的には子供たちを助けてくれる。
途中で昔の海賊のアジトにあったライトセーバーを拾う。ジェダイのおとぎ話で育ったウィムは喜ぶが、小悪党であるジョッドはライトセーバーを「子供たちを脅す道具」にしか使わない。この「正義の騎士ジェダイが持っていたライトセーバーが闇バイトが持つ出刃包丁」にまで堕ちてしまった構図もなかなか面白い。
かなりつまらなかった中盤だが、主人公たちが乗ってる宇宙船が、ボロ船に偽装するためのボロ装甲をパージしてカッコいい真の船体を見せるシーンは普通にカッコよかった。

ジョッドは海賊を味方につけ、子供たちを脅し造幣局ごとアト・アティンを征服しようとする。
この第7話~第8話(最終話)は、素直に面白かった。
子供たちは、冒険で少し勇敢に成長しており知恵と勇気で、ジョッドや海賊たちを倒す。子供たちが武力で海賊たちをボコしたら興醒めだが本作は「力を合わせて海賊の魔の手をすり抜けつつ、共和国に通信を打ってXウイング隊の皆さんに来ていただく!」というもので、これなら子供たちが海賊を倒しても納得できる丁度いい塩梅だと思った。
フォースが中途半端に使えるジョッドの正体は「オーダー66ジェダイ全滅計画)を
逃れたジェダイに見出されて修業してた貧乏な少年だったが、マスターはジェダイ狩りで殺されてしまい、苦労ばかりして善意は何の役にも立たない」と思うようになった曲がったおっさんだった。フォースは、押したり引いたりができるくらい。
だが心底クズとまでは行かずKBが死んだと思った時は「あっ……」と一瞬哀しい表情したりするくらいの情は心の底にある感じ。『ジョジョの奇妙な冒険』の敵にいそうな「心の弱さによって悪になってしまった普通の人」という感じが強い。

最初は彼をジェダイだと思って目を輝かせてたウィムが最終話で「このクソ野郎~!」とか言いながら泣きながら抵抗する様は、夢が汚されてショックながらも仲間や両親や町のみんなのために戦っていて素直にハッと刺さるものがあった。
ちょい悪ジョッドに悪の刃となってしまったライトセーバーも、夢を持ったままのウィムが持つことで正義の刃になるあたりも「搭乗者によって神にも悪魔にもなるマジンガーZ」みたいな感じがあってなかなか良い(このテーマは、船長の言うことをきくドロイドのSM-33も同様)。
駆けつけたXウイング隊の空中戦も短いが「やっぱ一般市民目線での助けてくれるXウイングはカッコいいな」と思えたし敗北するジョッドも、諦めたようなどこかホッと安堵しているかのような複雑な表情がさすがジュード・ロウと思えた演技だった。

そんな感じで最初の第1-2話と第7-8話(終)という、頭とケツだけ面白い、という珍しいDisney+ドラマだった。殆どの作品は最終回前までそこそこ面白くて最後にガッカリして全て忘れる、というパターンばかりだったので中盤だけつまらない本作は今までにないパターンだった。
本作もやはり「つまらない中盤の第3-6話をギュッと凝縮して全3話にすれば……いや、映画一本分でよかったんじゃないか?」という感じだった。映画なら中盤が退屈でも最初の面白さの余韻でそこを乗り切って最後が面白ければそこが印象に残り観終わった感想が「面白かった」と思えるから、中盤のつまらなさが観てるこちらに浸透する前に面白い終盤を経て観終えれば面白い印象になるからだ。殆どのDisney+ドラマは、ショーランナーなどを入れておらず「映画の作り方で作って、映画ならカットするであろうつまらない部分をそのまま全部残して6~8分割しただけなので、つまらないドラマが逃散されてしまった」というパターンが非常に多いのだが本作もやはり、そんな印象だった。
だが殆どの作品は最後ガッカリするものが多い中で、最終話だけ凄く面白いという本作は本当に珍しかった。だが、これを映画に凝縮されてもそれでも弱いので配信専門映画でよかった気がする。
あと最初に書いたように、SW疲れ、Disney+ドラマ疲れというのも、こちらの本作への視聴態度にマイナスに働いた。「面白くない期間」が一ヶ月以上もあったので「今週もつまらなかった。面白くないなぁ……」と30日以上思い続けて観続けるのはきついものがある。
とはいえ『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)よりみたいに「シーズン2に続く!」とクリフハンガーで終わりつつ「超絶不人気で続きなどないよ」というものとは違い、「成長した子供たちの勝利!夢を諦めたおっさんジョッドの敗北!」と、ちゃんと完結させて終えたのは偉いと思った。
でも良い部分もあるので、たとえば本作が『マンダロリアン』シーズン1の後に配信してたら僕も「SW銀河の新たな広がり!」と好感触だった可能性もある。でもそうではないからね。SWとMCUのつまらないドラマを観続けて10本中1本の割合で「今回はちょっとよかった」と回復するが「悪くは、ないが……」という程度のものを延々と観続けてると精神がすり減ってきました。
最後は面白かったが、特に続きが観たいほどでもないので全く人気が出ずシーズン2など作られなさそうなのは、もう続きを観なくて済んだので良かった。なんならもうドラマを作るのは本当にやめてほしい。
『スター・ウォーズ:アソーカ』(2023)のシーズン2は作るようだが、今後はなるべく映画にしてほしい。
夢を諦めない子供たちの前向きな勇気はしっかり受け取ったが、あまりこういった末端の話をやるほどSWの世界に広がりを求めてないというか、続けてもいいけど普通の本筋の映画SWをやってほしい、こういった子供たちの冒険はその中のほんの一要素だけで充分だと思う。
というかEP7以降が不評過ぎてep9以降の作品を作ろうとしては辞め……を繰り返して、唯一好評な『マンダロリアン』の時代……ep6ep7の間のドラマを延々と続けてお茶を濁してるDisneyのSWが哀れというかなんというか……。次々と有望なクリエイターをクビにして訳わからん奴をep9以降の作品の監督に立てては延期……を繰り返したりしてるが、もうやめたら……?とは言わないが、何とかならないもんですかね。
もうさすがに加齢でSWとか観なくていいかなと思えてきたし、ベタではあるがやはり1から6までとクローン・ウォーズだけでSWはもういいかなと思えてきた。もう何にも出ないだろ。タトゥイーンばっか出すし口の中に砂まみれよ。

 


そんな感じでした。

ジョン・ワッツ監督作〉
『COP CAR/コップ・カー』(2015)/ケビン・ベーコンは思いのほか出番短かったが素晴らしい内容🚓 - gock221B
『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)/すごく良かったがピーターが私生活で約束を破り続けるのでヒヤヒヤする 🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)/冒頭からラストまで面白くないところがなく全編面白い🕷 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム エクステンデッド・エディション』(2022)/20年越しのお祭りで最高に面白いが中盤以降があまりに哀しい+後日に追加版追記🕷️ - gock221B

 


 

「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」 | Disney+(ディズニープラス)

Star Wars: Skeleton Crew (TV Series 2024–2025) - IMDb
Star Wars: Skeleton Crew | Rotten Tomatoes
スター・ウォーズ:スケルトン・クルー - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

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