
原題:Thunderbolts* 監督:ジェイク・シュライアー 脚本:エリック・ピアソン、イ・サンジン、ジョアンナ・カロ 製作:ケヴィン・ファイギ 製作総指揮:ルイス・デスポジート、スカーレット・ヨハンソン 音楽:サン・ラックス 撮影:アンドリュー・ドロス・パレルモ 編集:ハリー・ユン、アンジェラ・M・カタンツァーロ 製作会社:MARVELスタジオ 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:126分 公開日:2025.5/2 シリーズ:MARVELシネマティックユニバース第34作目
MCUは今やってるイマイチ上手くいってないマルチバース・サーガを締めくくる集大成の前編『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026)を控え、残るは本作と『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)のみ。前作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)ポスクレでも「マルチバースから敵が来る」と告げてたね。それがDr.ドゥーム(演:ロバート・ダウニーJR)なのかFOX版X-MENなのかはわからない。まぁ、どっちもかな?征服者カーンも出して上げて欲しいね(ダメならナレ死でもいいけど……)。
もはや『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)や『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)などの絶対ヒットが約束されているもの以外の作品が全て爆死するようになってしまったMCU最新作。
今回もまた大爆死した『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)にも届かないくらい苦戦中らしい(でも評判はいい)。
苦戦中のMCUが公開前に出した予告編の一つがこれ↓
www.youtube.comこれはどういうメッセージなのかと言うと
「本作はMCUだけど映画好きが大好きなA24のスタッフが多く参加してる、まるでA24みたいな新しいMCU映画なんだよ!MCUで悪いんだけど映画館に観に来てね!」
という事になる。ほんの数年前まで他社の映画が「MCUみたいに作ったぞ」って感じだった、ライバルDCが追い抜かれたMARVELを真似て既に完成していたシリアスだった本編を「今流行ってる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)みたいに作り替えろ!」と無理やり切り刻んでゴミクズになった『スーサイド・スクワッド』(2016)とか シリアス前後編が制作中だったのに「『アベンジャーズ』(2012)みたいに明るく1本にしろ!……というか今撮ってるザック・スナイダー下ろして『アベンジャーズ』(2012)の監督をつければいいじゃん」とジョス・ウェドンを新監督に据えてウェドンが現場でパワハラとか差別しまくったり画面を赤くしたり改造してゴミクズになった『ジャスティス・リーグ』(2017)とか……DCばっかだな、いやDC以外でもMCUっぽい映画というのは「登場人物が中年ばかりなのに大学生みたいなジョークを言い合いながら『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)みたいなアクションで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)みたいに懐メロがかかる」……という映画を指す、ごめん別にMCU真似てないそういう映画も多いので「あれがそう」と具体名挙げられないし今となっては認識できないけどとにかくいっぱいあった。
だから、この「MCUでごめんだけどA24みたいな映画にしたつもりだから来てぇ!」という予告を観て「目に見えて落ちぶれてきたな」と思った。慢心……(ちなみに本作の本編は、心の内的世界を多少扱っていたところ以外は別にA24風でもなくいつものディズニー映画クオリティだった)。
でも評価は近年の他のMCU作品よりは高め。
もはやMCUなんてMCU好きしか観てないのでドラマも視聴者数は死ぬほど少ないが『ロキ』〈シーズン2〉(2023)、『アガサ・オール・アロング』(2024)、『デアデビル:ボーン・アゲイン』〈シーズン1〉(2025)などは名作だったしね。
……と、ここまで書いて思ったがMCUって「ドラマがつまらない」印象だったが今はむしろ映画も下がってきたせいで「映画もドラマもつまらない、むしろドラマは面白いものがある」という感じに変わってきてるね?
先日Tierメーカーで全57作の順位つけたけど意外と最下層に映画いっぱいあったしドラマは良いにも悪いにもバラけてた。
本作は過去作の色んなキャラがサンダーボルツを結成するわけだが、凄く大雑把に言うと「映画『ブラック・ウィドウ』(2021)とドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)の続編」という色が強い。
かなり大幅にネタバレ有り
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〈これまでの『サンダーボルツ*』登場人物の歩み〉
1945年 ※劇中で
スティーブ・ロジャース/初代キャプテン・アメリカの親友バッキー・バーンズ(28歳)が生死不明となり秘密結社ヒドラに拾われ改造・洗脳される。以降50年以上、バッキーは暗殺者ウィンター・ソルジャーとしてヒドラに暗殺者として使役された。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)の回想
1992~1995年
冷戦時代からKGBで任務についていたロシアの超人兵士、アレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアンは、スパイ集団〈ウィドウ〉エージェントのメリーナ・ヴォストコフや、暗殺者養成機関レッドルームにて〈ウィドウ〉エージェントへと育成されていた孤児ナターシャ・ロマノフや孤児エレーナ・ベロワらと四人で偽装家族を形成していた。
1995年。アレクセイはアメリカ・オハイオ州で任務遂行。
しかしアレクセイは直後に上官ドレイコフに切り捨てられ20年間投獄される。
ナターシャとエレーナは引き続きレッドルームにて育成される。
『ブラック・ウィドウ』(2021)の回想
2014年
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカが所属する国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.は、実は秘密結社ヒドラに寄生されていた。ヒドラが進める恐ろしい「インサイト計画」をキャップやナターシャらは潰そうとするがヒドラに操られているバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーに狙われる。キャップはインサイト計画を潰して親友バッキーの洗脳をある程度解く。バッキーは逃亡。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
2016年
爆破テロが発生し、バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーに嫌疑がかけられる。
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカは親友バッキーを護ろうとしてソコヴィア協定反対派(キャップ派)のヒーロー達もキャップにつき、ソコヴィア協定賛成派(アイアンマン派)と対立。真犯人ジモが捕まりバッキーの嫌疑は晴れるが、この対立が原因となりアベンジャーズは解散する。
バッキーはキャップの手引きで、洗脳を解くためワカンダで処置を受ける。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)大勢の女性工作員〈ウィドウ〉を擁するロシアの秘密組織〈レッドルーム〉。
アベンジャーズの一員だったナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの義妹エレーナ・ベロワは己の洗脳を解きレッドルームを離反、同僚のウィドウ達の洗脳を解く活動をしていた。
そんなエレーナは、シビル・ウォー直後のナターシャらと再会し偽の父親アレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアンを脱獄させレッドルーム壊滅のため力を合わせて戦う。
エレーナ達はレッドルームの暗殺者として働かされていたレッドルーム総帥ドレイコフの娘アントニア・ドレイコフ/タスクマスターの洗脳も解く。
『ブラック・ウィドウ』(2021)
2018年
父親の量子実験によってあらゆる物質をすり抜ける身体となった女性エイヴァ・スター/ゴーストはS.H.I.E.L.D.で工作員として働かされていたが、S.H.I.E.L.D.崩壊後は量子力学の教授ビル・フォスターに引き取られ身体を元通りにするため〈ハンク・ピムの量子を取り扱う機械〉を狙ってスコット・ラング/アントマンらと争うが、量子世界から帰還したハンク・ピム夫人のジャネット・ヴァン・ダインの力により症状を軽減してもらいアントマン一派とは和解する。
『アントマン&ワスプ』(2018)ワカンダで洗脳を解いてもらったバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー。
親友スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ達と共に、地球に攻めてきたサノス軍をワカンダで迎え撃つが敗北。サノスの「デシメーション」(インフィニティ・ストーンによって全宇宙の生命の半数をランダムに消滅させる現象)によってバッキーは塵となって消滅。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)元同僚だったウィドウの洗脳を解く活動中だったエレーナ・ベロワ、塵となって消滅。
『ホークアイ』(2021)
2023年
サノスに敗れた5年後、生き残ったヒーロー達はタイムスリップ技術を作り出し過去に行ってインフィニティ・ストーンを集め、ハルクの〈ブリップ〉(サノスのデシメーションで塵となった全ての生命を元の場所に元通り蘇生させる現象)によってバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーやエレーナ・ベロワ復活。
バッキーらヒーロー達はアッセンブルし「2014年から来たサノス軍」と死闘を繰り広げ、犠牲を出しつつも勝利する。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)
2024年
過去の贖罪の旅を続けて心の傷を癒やしていたバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーは、戦友サム・ウィルソン/ファルコンに協力して、超人血清を用いたテロリスト集団フラッグ・スマッシャーズのテロを阻止しようと奮闘する。陸軍兵士ジョン・ウォーカー、合衆国によって二代目キャプテン・アメリカに就任してファルコン&ウィンター・ソルジャーといがみ合う。功に焦ったジョンは自らに超人血清を打って超人兵士になってしまう。ジョンの相棒レマー・ホスキンス/バトルスターがフラッグ・スマッシャーズに殺されてしまい激昂、国民が見守る中でフラッグ・スマッシャーズを「キャプテン・アメリカの盾」で撲殺してしまう失態。ジョンは「二代目キャプテン・アメリカの称号」を剥奪され軍も名誉除隊される。更に持ち逃げしたと思われる「キャプテン・アメリカの盾」もファルコン&ウィンター・ソルジャーにボコボコにされて没収される。しかし最後は2人への逆恨みとプライドも捨てて市民を救助する。
後日、無職となったジョンは謎の女性ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌにスカウトされ、新たな装備と〈U.S.エージェント〉のコードネームを貰う。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)12月25日
エレーナ・ベロワ。既にスカウトされていた謎の女性ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌに「貴女の義姉ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの戦死はクリント・バートン/ホークアイの所為だ」だと聞かされクリントの命を狙って、クリント・バートン/初代ホークアイやケイト・ビショップ/二代目ホークアイと何度か交戦するが、12月25日、誤解は解け2人のホークアイとは和解。
※ヴァルが何故ホークアイを殺そうとしたかは謎(「政府のヒーローチームに誘うエレーナへのテスト説」がある。政府のチームの邪魔になりそうだからエレーナがホークアイを本当に殺してしまってもヴァル的にはOK)
『ホークアイ』(2021)
2025年
ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌの正体はCIA長官で、ワカンダと繋がりを持つCIA捜査官エヴェレット・K・ロスの元妻だった(現在は彼の上司)。
ヴァルは、ワカンダのヴィブラニウム入手を狙っていたがワカンダにも海底国家タロカンにも出し抜かれて断念する。
『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエヴァー』(2022)
2026年
11月。サディアス・ロス大統領がサム・ウィルソン/3代目キャプテン・アメリカに新たなアベンジャーズ再編を依頼する。
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)
2027年
4月。サディアス・ロス大統領がレッド・ハルクとなって暴れるがサム・ウィルソン/3代目キャプテン・アメリカが説得して事態は収束。
バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー、三代目キャプテン・アメリカとなった戦友サム・ウィルソンを遠くから見守りつつ、現在はアメリカ下院議員選挙出馬
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)2027年後半。本作の本編
2028年
後半。本作のポストクレジットシーン
ここからやっと感想
アベンジャーズの一員として自らの命を犠牲にして世界を救ったナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ、その義妹エレーナ・ベロワ(演:フローレンス・ピュー)。
彼女は人生の目的もなく空虚(ヴォイド)のまま、通称”ヴァル”ことCIA長官ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(演:ジュリア・ルイス=ドレイファス)に依頼されるまま汚れ仕事をしていた。
ある日、ヴァルの指示に特に疑問も持たずマレーシアのO.X.E.の施設を職員ごと爆破。
その会社はヴァルがCIA長官であることと並行してやっている会社でもあり、O.X.E.はメタヒューマンを人工的に生み出すため繰り返していた人体実験が問題視され、ヴァルは議会に追求されていた。エレーナはその証拠隠滅の片棒を担がされたのだ。
次いで、とある施設に潜入させられたエレーナ。
エレーナはそこで超人兵士ジョン・ウォーカーズ/U.S.エージェント(演:ワイアット・ラッセル)、あらゆる物質を通り抜けるエイヴァ・スター/ゴースト(演:ハナ・ジョン=カーメン)、写真反射能力を持つアントニア・ドレイコフ/タスクマスター(演:オルガ・キュリレンコ)……と、3人のエージェントと鉢合わせる。
しばし戦闘が行われ、ゴーストがタスクマスターを射殺。
そして一般人ロバート・“ボブ”・レイノルズ(演:ルイス・プルマン)も居る。何かがおかしい。
どうやらマレーシアでの時のように、ヴァルによって雇われた彼ら4人と施設の証拠?などを焼却するための罠だった。
3人とボブは逃亡。しかしボブはエレーナ達を逃がすためにスーパーパワーを発言させた後、捕獲されてしまう。ボブはO.X.E.の人体実験の末に生まれた人工的なメタヒューマンだったのだ。そして施設での炎上もボブを殺すためのものだった。
3人は、娘エレーナの危機を案じたアレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアン(演:デヴィッド・ハーバー)、彼らエージェントを「ヴァルを挙げるための証拠」として捕獲しに来たバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー下院議員(演:セバスチャン・スタン)の2人も合流。
彼らはエレーナが子どもの時に入っていた弱小野球チーム「サンダーボルツ」を名乗る。うしろめたい過去を持つ裏街道の彼らに合った名前だ。
サンダーボルツは、ボブを救いヴァルを潰すためNYへ向かう。
かつてのアベンジャーズ・タワーをヴァルが買い取り、ヴァルもボブもそこに居るのだ。
ヴァルの支配下で操られたボブはO.X.E.が運営するスーパーヒーロー〈セントリー〉と化しておりボブの内部に潜む邪神の如き力〈ヴォイド〉を全開にしてサンダーボルツは完敗して逃走。自分の手に負えない事を察したヴァルはセントリーの活動を停止するがヴォイドが溢れ出てしまいNY市民を次々とヴォイドの影に飲み込まれていく。
人命救助をするサンダーボルツ。エレーナは施設でボブに触れた時にトラウマを垣間見たために「影の中は地獄ではなくボブの苦悩そのものだ」と思い飛び込んでいく。エレーナは苦しむボブの本質に寄り添い、やがて軒並みトラウマ持ちのボルツの面々も飛び込む。彼らはボブに寄り添い、ボブは自分のダークサイドであるヴォイドに立ち向かい、やがては乗り越えて封印……。
そんで「さんざん悪いことばっかしやがってヴァル許さんぞ!」という場所がたまたまヴァルがマスコミに発表するところでサンダーボルツという出来たばかりの寄せ集めチームが世界に影響を及ぼす巨大なものに代わる。
エレーナはそれでもヴァルを許さん!……とはならず、世界に影響力と大きな責任を伴うチームができる、それによって多くの人を救う今は亡き姉ナターシャのようになろうと思い、ヴァルを吊し上げるのは保留して彼女に貸しを作って乗ってやる。
というところで終わり。そして後続作品に直接影響しそうなルッソ兄弟が監督したポストクレジットが2つ……。
というのが、この『サンダーボルツ*』。
まず良い点として、登場キャラクターが、マイナーな奴ばかりなのが良い。企画されて動き出したのがMCUが大覇権だった時なので作られたが、恐らく今のMCUならこんな既に人気のあるキャラクターがバッキーだけの本作などは作られないだろう。まぁエレーナとレッドガーディアンの父子は中の人が人気か。
そして、まる『ダイ・ハード』(1988)かのように、極端に出てくる劇中の場所が少ない。「内的世界で己と戦う話」という今までで最もミニマムなストーリーと「極端に場面展開しない劇中」がシンクロしていて、これも割と好み。
それとメインキャラのエレーナとボブ、2人がメンタルヘルスに挑む内容……これも本作独自の要素で良かったです。
というか多分、ここ近年のMCU作品の中では映画全体が最初から最後まで面白かったです。
「多分」というのは、そういう人わりと一定数いるみたいですが、やはり最序盤でタスクマスターが射殺されたところが引っかかりますよね。
最初に言ったように、こういった寄せ集め映画は誰かが死にがちというのもあるし、予告やスチル写真に、極端に「タスクマスター死にそうだな」とは言われてはいた。
そんで先月の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026)のティーザーでサンダーボルツのうちタスクマスターの中のオルガ・キュリレンコだけ居ないので「観る前にタスクマスター死んだ」と皆が思ったので死ぬのはわかってたがまさかこんな犬死にを……。
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するとは思わなかった。ボツ案では少しの間しか記憶が保てない状態の混乱したタスクマスターがUSエージェントを殺そうと追い回すコメディリリーフで本編ではタスキーを射殺したゴーストが彼女に生き方を教えるという感じだったらしい。これでいいやん。
監督は「いつ誰が死ぬかわからない緊迫感を生むためにああした」と言ってたが、(これは監督のせいではないが)前述のドゥームズデイ特報の件があるから他のやつ死なないのわかってるし、意味ないですよね。劇中でもメタ的にも両方、犬死になのがキツい。死んだ後も一言触れられるだけで何にもなかったし。
爆破事故に遭い何の愛も受けられない悲惨な一生を過ごしてたけど『ブラック・ウィドウ』(2021)でナターシャが超高高度から落下しながら命がけで救ったタスクマスターがこれ?緊迫感を生むために殺して(しかも緊迫感とかこれで全く生まれないし)「何なんでしょうねこれは」という収まりの悪い気持ちが湧き上がり最後まで残りましたね。
『スーサイド・スクワッド』(2016)で「ロープで高いところに登れる」というだけのメンバーがいきなり死んだり『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)で集められたメンバーがいきなり10数人死んだりしたのは笑ったよ?さっき出てきたどうでもいい奴だから。だからタスクマスターが本作初登場なら別にいいよ?(いや、それはそれで「名キャラのタスキーをこんな無駄遣いすな!」と別の怒りが湧くだろうが)でもタスクマスターの場合、前述の悲惨な過去を持った女性というのがあるからさ。それならそれで「悲惨な過去という質量を背負ったキャラも無惨にあっけなく死んでしまう」という演出もいっぱいあるよ。それなら納得だったけど(たとえばセントリーからボルツを逃がすために犠牲になるとかさ)これは無いわ。クエンティン・タランティーノの映画で銃が暴発してチンピラが死んで可笑しい!みたいなのをやりたかったのか?
この映画開始……5分?10分?に起きたタスクマスター殺害で、なんか「この監督こういう感じなんやな」と思って心のシャッターがシャッ!と閉じてしまったんですよね。そんで前述の通り映画自体は面白かったのだが、それは閉じたシャッターの中から郵便物投函する穴から眺めてるような、映画と自分とに距離がある感じだったので、だから客観的には「面白い映画っぽいな」とは思ったんですが楽しくなかったですね。朝、家を出たところで何者かに襲われて「もうさっきのアイツは襲ってこないから普通に過ごそ?」とか言われても昼休みに好きな外食してもアフター5に飲んでも全然楽しくないですよね、朝に襲われてるんだから。
そう言うと「この人タスクマスター好きなのかな?」と思われそうですが別にMCU版タスクマスターなんか全然好きじゃないです。
『ブラック・ウィドウ』(2021)の劇中に限っては「ナターシャの逡巡のせいで生まれた怪物」として映画のキャラとしてはまぁ良いと思う。でも原作のタスクマスターって単独作作ってもデップーみたいに人気出そうな凄い魅力的なトニー・マスターズって名前のオッサンのキャラなんですよね。それが能力以外は全く別人になって出てきたので『ブラック・ウィドウ』(2021)の時もかなり文句言った気がする。「この”アントニアという名前の仮面の女性殺し屋”のキャラは別にこれはこれでいい。でもタスクマスターに受肉してタスクマスター(トニー・マスターズ)を潰すなよ」と凄く思った。「盾を投げたり弓矢を撃ったり爪を出したり……アベンジャーズの技を使うこいつは何者!?」と思わせたかったのだろうが、そんな一発で消費するようなキャラじゃないんで。だからこのMCU版のアントニアには何の思い入れもないのだが、それにしたってこれは……失敗だと思う。
映画のキャラの本当の無為の死というのは全くキャラが活きずに終わることなので良い死に方なら死ぬのは良い。別に突発的な犬死にでもそれが話に活きるなら良い、この監督はそれを狙ったそうだがそれが上手くいってないから嫌なわけで。このタスクマスターみたいに「活きずに死ぬ」っていうのは最悪だよね。一回殺した後に死体損壊してるような状態。「まったくキャラは活きなかったが最後まで生き残ったなぁ」というのなら失敗ではあるが「『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026)でワンカットでも活躍するのを期待しよう」と、希望も持てるのだが、こんなふうにわざわざマスクを外して正体丸出しにまでして殺すもんだから絶対死んだじゃん。無理を押して死んでなかったことにするほどのキャラでもないし。
ラストバトルで「セントリーが施設でタスキーに触れてて、そのタスキーの残留思念とかがヴォイドの中に出てきてエレーナやゴーストともう一度会話するかな?」とか何か第三者の能力で実は死んでなかったタスクマスターが入院してるシーンとか、なんでもいいけどフォローあるかなと思ったが最後までなかったので一度閉まったシャッターに鍵をかけた。
あと諸悪の根源のヴァルが健在のまま終わるのもな……ヴァルの幼少期も出たけど、父が殺されて「どんな手段をもってしても誰を殺しても平和を維持したい!」みたいなキャラなんでしょ?そんなグレーなやつがヒーローチームのトップに居て健在のまま、これはこれで面白いと思う。だがそれにしては悪いことしすぎでしょうという飲み込めなさがある。タスクマスターほどじゃないから、これはまぁ保留にしとこう。
あと最後に「サンダーボルツ」という名前が「ニューアベンジャーズ」になる、ケヴィン・ファイギが「これでいこう」と決めたという、このアイデア自体はいいと思う、話題になるし『アイアンマン』(2008)ラストのオマージュだろうしね。
それに本作は発表された時だっけ?既にタイトルに「*」というケツアナ確定みたいな記号が付いてた。だから「ラストで”アベンジャーズ”になるか?ヴィランが多いから”ダーク・アベンジャーズ”かな?」などと似たような予測はしてたので「タスクマスターの死」同様に心の準備はできてた。でも「サンダーボルツは幼いエレーナが入ってた弱小野球チームの名前」という良いネーミングで付けられてた。ダメな奴らのチーム名に最適。対するニューアベンジャーズは「ニューアベンジャーズの名付け親がヴァル」というのが引っかかる。この組み合わせだよね?せめてサンダーボルツの元ネタがエレーナが入ってた弱小野球チームじゃなくて、たとえばレッド・ガーディアンとかが「カッコいい英語の名前を思いついたぞ!サンダーボルツってのはどうだ!?」とかノリで付けて皆が嫌がってたとか、そんな適当に付けて欲しかった。それならニューアべにも文句なかったんだけど……。
なんかうるさいことばかり書いてしまいましたが映画見てる大半の時間はそういったヴォイドの中みたいな気持ちだったので仕方ないですね。
まぁ、もうタスクマスターは死にっぱなしだしヴァルはニューアベの長官、チーム名もニューアベ。もうやっちまったことは仕方ないので認めます。ニューアベは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026)では頑張ってほしい。
そういえばエレーナは『ホークアイ』(2021)でワンワン泣いてたので「え?どうしたん」と引いてしまったのだが本作でも大泣きしてて「幼い時に心が止まってしまったんだな」とやっと気づいた。
この監督は信用できないがエレーナやサンダーボルツのメンバーやボブは皆いい奴らなんでね。『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』(2026)での活躍を期待します(『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)冒頭のロキみたいにDrドゥームに試し割りされたりして……)
次のMCUは7月25日に期待の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(2025)。これは今年のMCU映画で一番期待してたが試写での評判が本作より良くなくて少し心配だ。でもきっと面白いだろうと期待。しかしファンタスティック・フォーは僕が大人になってこれで3回目のリブートという事を思い出すとヤバいね。スパイダーマンもそうか。
ドラマは6月24日に『アイアンハート』(2025)(※アイアンマンに無関係の黒人少女ということで世界中からめちゃくちゃバッシングされててかわいそ)。
アニメは8月6日に『アイズ・オブ・ワカンダ』(2025)とかいう昔のワカンダのアニメか?何の興味もないがとりあえずここまで全部見てるから見ないなんていう選択肢はないので観るしかない。
※追記:2025年8月27日にDisney+で配信される告知がされたがタスクマスターがわざわざ消されました
これで批判があったので最初から重要度が低いキャラだと思わせて緩和させようという狙いか。後世の人が見たら「サムネにも居ないし重要度が低いキャラなんだろう」と思ってスルーしそうだし。心無い殺され方されたタスクマスターの死体を墓から引きずり出して再度損壊した印象。
そんな感じでした
Thunderbolts* (2025) - IMDb
Thunderbolts | Rotten Tomatoes
Thunderbolts* (2025) directed by Jake Schreier • Film + cast • Letterboxd
サンダーボルツ* - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
