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『プロメテウス』(2012)/面白いが細部が全部すごく変。でも不思議な魅力


原題:Prometheus 監督&制作:リドリー・スコット 脚本:デイモン・リンデロフ、ジョン・スペイツ 製作:トニー・スコット、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル 音楽:マルク・ストライテンフェルト 撮影:ダリウス・ウォルスキー 編集:ピエトロ・スカリア 制作会社:スコット・フリー・プロダクションズ、ブランディーワイン・プロダクションズほか 配給:20世紀フォックス 製作国:アメリカ、イギリス 上映時間:124分 公開日:2012.06/08(日本は2012.08/24) シリーズ:『エイリアン』シリーズ第5作目

 

 

ピーター・ウェイランドCEO「す、全ては無に帰した……
デヴィッド「そうですね。よい旅を。ウェイランドさん。」 (本編より)

『エイリアン』(1979)に登場するゼノモーフ(エイリアン)やスペース・ジョッキー(エンジニア)の起源を描いた『エイリアン』シリーズの前日譚SF超大作。
観客が観たかったものとの微妙なズレによって、作中で起きてることは全て具体的かつ明快だったが観た人の多くが観終わった後に首をかしげてしまう結果となった作品。
リドリー・スコットは自身のポストヒューマン的思想を描きたかったであろうことはそういった要素を拡大させて不評で3部作が打ち切りになってしまった続編『エイリアン:コヴェナント』(2017)を観ても明らかだった。壮大な映像でもって「人類の進化」といった感じのものを描きたかったリドリー・スコットだが観客たちが「謎の宇宙生物に襲われるパニック」を観たいのもわかってるので作中にちゃんと入れたのだがそれもまた「これじゃないんだよなぁ……」といったボンヤリした評価になってしまった。
僕もまた困惑した観客の一人だったが、しかし「観たいものとは違うが同時に全編凄く面白くもある!間抜けだし」といった感じで本作を逆張り的に愛好する者も一定数いる。
でも最近ポストヒューマン的なテーマに凄く関心あるので「『プロメテウス』(2012)~『エイリアン:コヴェナント』(2017)を再見してみよう。間抜けな映画としてだけじゃなくそのテーマを」という機運が高まってきた。
去年の楽しかった『エイリアン:ロムルス』(2024)公開時に『エイリアン』シリーズ1~4観返しはやった(久々に全部通して観た結果1以外はもうなくてもいいかなと思った)。
そして先日、Hulu(日本ではDisney+)で『エイリアン:アース』(2025)が第1、2話が配信された。まだ2話だけだが「 エイリアンによる人間惨殺パニック」や「ユタニ社のカッコいい宇宙船内部や古めかしいUI」などの、ファンが好きな要素が満載だった、これは『エイリアン:ロムルス』(2024)でもやってたね。だが『エイリアン:アース』(2025)は人類の他に、サイボーグ(機械で増強した人間)、シンセ(機械の身体とAI)、ハイブリッド(機械の身体とAIに人間の子どもの意識を入れた者)と「3種の不老不死者」を登場させ「生き残るヒューマンはどれか?」というテーマも盛り込んでいた。「これって『プロメテウス』(2012)~『エイリアン:コヴェナント』(2017)リドリー・スコットがやりたがってたっぽいポストヒューマン的な展開?」と凄く興奮した。それもあって再見しることにしたわけ。

ネタバレあり

 

 

🦑

 

 


西暦2089年、考古学者エリザベス・ショウ(演:ノオミ・ラパス)が古代遺跡を発見した。それまでに見つけた数々の遺跡のものと共通点があり、外宇宙から送られてくる信号を発している惑星LV-223に「人類の種の起源となる創造主〈エンジニア〉がいる」と確信したウェイランド社のピーター・ウェイランドによって、ショウや各分野の科学者、エンジニアとのコミュニケーションを担当するアンドロイドデヴィッド(演:マイケル・ファスベンダー)らも含めた探索チームが結成され、彼らは宇宙探査船プロメテウスで出発し4年後の2093年にLV-223に到着。
彼らはエンジニアに会い、地球に生命を誕生させた理由を訊く事ができるのか――

そんな話。
なのだが、本作はエイリアン・シリーズ第1作目『エイリアン』(1979)に色々と似ている。「冬眠から目覚めたクルーで話が始まり」「怪しい動きをするウェイランド社アンドロイド」「遠い惑星のエンジニアの宇宙船を探索」「壺のような物がいっぱいある」「乗組員が寄生される」「乗組員の腹から宇宙生物が出る」「エイリアン(ゼノモーフ)が誕生する」「女性とプラスアルファだけ脱出して、航海日誌を読み上げて終わる」
といった感じで、本作は『エイリアン』(1979)の前日譚ではあるが『エイリアン』(1979)をなぞっている。「『死霊のはらわたII』(1987)は『死霊のはらわた』(1981)の続編だが、展開をなぞっており実質的に『死霊のはらわた』(1981)のリメイク」とか、そういうことは映画でよくあるが、確か本作公開時のリドリー・スコット監督が「エイリアンはもう限界だから新たに描き直す」みたいなことを言ってたような記憶がある。だから本作から始まる3部作が上手くいけば「この新しいプロメテウスから始まる3部作が真エイリアン・サーガ」みたいな感じにするつもりだった気がするが続編『エイリアン:コヴェナント』(2017)が不人気で上手くいかず途中で頓挫したので最初に言ってた通り前日譚に収まった感ある。
僕はといえば当時「なんだか色んな間抜けシーンが多くて楽しいけど一体これは何なんだろう……」と困惑した記憶がある。割と本作に対してそういう困惑した人は多かったが僕は肯定派だった。ただし「いや、『プロメテウス』は逆に面白いよ」といった感じの、要するに逆張りで数々の間抜けなシーンを愛好しているだけだった。
だが久しぶりに観てみると普通に面白かった。リドリー・スコットの神に挑む思想と豪華な映像、それらと相反するように存在する凄く間抜けな描写の数々が絶妙の味わいを生み出していて、唯一無二の作品になっていた。当時見た時より確実に2倍くらい面白い。

 

 


映画の冒頭は遥か太古の地球(生命が誕生してないくらい昔)、巨大な白ハゲ……エンジニア黒い液体Chemical A0-3959X.91–1通称ブラック・グーを飲む。エンジニアの身体はどんどんと黒い液体に侵食され彼の身体が崩れ滝壺に落ちる。そしてそのDNAは地球に散らばり……これが地球の生命の、ひいては人類を誕生させることとなった。
つまり異星人エンジニアは人類のとっては「神」。
という事で本作は、人類が神に挑む作品だという事がわかる。
本作の映画タイトル、また宇宙船の名付けられた「プロメテウス」は人間に火を与えて神々の怒りを買ったギリシャ神話の英雄。この「火」はエンジニアが黒い液体で人類に与えた生命なのか、人類がアンドロイド……AIに与えた動機なのか、はたまた……色んな事に当てはめられて楽しい。
目的の惑星LV-223に近づき冬眠装置から目覚めたクルーたち。
ウェイランド社から監視役でリーダー的な立場のメレディス・ヴィッカーズ(演:シャーリーズ・セロン)は鬼気迫る勢いで白い下着で汗だくでプッシュアップして身体を目覚めさせている。なんかリドリー・スコットの映画でたまに出てくるスポーティ美女の健康的セクシーシーンだ。この頃のアラフォーのシャーリーズ・セロンは最も美しかった(と僕が思ってる)頃で、そんな彼女が厳しい超キャリア女性を演じてるので凄い迫力……なのだが、本作はそんな彼女に全編間抜けな事しかさせないのでギャップでめちゃくちゃ可愛いキャラになっている。
プロメテウス操縦の指揮を取ってるのはイドリス・ヤネック船長(演:イドリス・エルバ)。どういうわけか俳優の名前そのまま付けてる。とにかく男気あるカッコいい役。

惑星LV-223に到着した一行は早速、遺跡を発見して探索。
ショウの夫が「ここは有害な物質もないし大気があるぞ」とか言ってヘルメットを外して深呼吸してみせ、皆も後に続く。
結果から言うと全然大丈夫なんだけど地球の技術じゃわかんない有害物質とかあったらヤバいし絶対に良くないよね。
一行は大量のエンジニアの死後相当時間経ってる死体を発見。金属片を含む凄まじい嵐が来たので皆プロメテウス号に戻る。
ショウはエンジニアの首、デヴィッドはもう色んな物をこっそり持ち帰る。
エンジニアに会って話すことを楽しみにしていたショウの夫は落胆するがデヴィッドが慰める。エンジニアの黒い液体を入れたウイスキーで……。その夜ショウと夫は慰めSEX。
翌日、迷子になって帰れなかった乗組員が2名おり、ショウ達は再度遺跡へ。
しかし2名は遺跡の黒い液体によって巨大な化け物ハンマーピード(Hammerpede)に変貌したワームに既に殺されていた。
この科学者達は、エンジニアの古い死体を見ただけでビビって帰ろうとしてたのに巨大でシャー!とか言ってる恐ろしいハンマーピードに対しては「かわいい」とか言って近づくなど不自然な事が多い
すると体調不良になっていたショウの夫も黒い液体で汚染されきっており、ショウは治療しようとするが、どんな危険な保菌者者かわからないということで夫は自らヴィッカーズは火炎放射機で燃やされにいく。
皆はすぐ帰ったがデヴィッドは一人残って色々調査して「生き残っていたエンジニア」を一人発見する。彼はポッドで冬眠していた。
その後、遺跡でハンマーピードに殺された科学者が黒い液体ブラック・グーの影響でゾンビ化し、プロメテウス号を襲ってきたのでちょっとしたゾンビパニックが起こるが割とイドリス・エルバにサクッと焼却される。「このくだり要らなくない?」と「黒液でゾンビパニック描写は要るだろう」とどっちも思った。やはり本当はもっと長いシーンだったけど短くしたので凄い速さでゾンビがやってきて速やかに退治したので「何だったろう」感が増したのだろうと思った。
ショウも汚染された夫との性交で人間ではないものを身ごもっていた。そこでヴィッカーズの部屋にあった高級外科マシーンを使ってセルフ堕胎手術を行う、腹の中からはタコのような生物トリロバイト(The Trilobite)が出てきた。麻酔を何度も打ちながら手術してるとはいえ痛そう……エイリアンといえば「望まない妊娠」をぶちかましてくる性的暴行のメタファーという印象だった。胚を植え付けられたらもう終わりって印象だったが今回はそれを力技で取り出す、暴力的なセルフ堕胎が描かれる。まぁ今回はまだゼノモーフが誕生してないのでブラック・グーとかいう曖昧な液体の仕業なんだがエンジニアの生物兵器という大きな括りに入ってるので似たようなもの。
そもそもデヴィッドが何故ショウの夫にこれを飲ませたのかよくわからない。「エンジニアのブラック・グーを人に飲ませたらどうなるか見たかった」「ブラック・グーで汚染された男女の性交で妊娠したらどうなるか見たかった」という好奇心なのか?説明はないが、続編のことも考えるとデヴィッドの好奇心だろうなと思った。
ショウはこの部屋でセルフ堕胎する前に冷凍睡眠させてこようとする社員を2人消化器で殴って来たわけだが誰も乱入してこないし部屋の外に出ても誰も来てない。なんか変だなと思うがこの映画の細部は大体変なのでもう慣れてきて何とも思わなくなってくる。
ショウが次に入った部屋には、何と彼らを送り出した後に死んだと思われていたピーター・ウェイランド(演:ガイ・ピアース)がデヴィッドらと居た。
ショウがセルフ堕胎手術してタコの化け物みたいなトリロバイトを取り出して開腹した傷もホッチキスで止めて走り回り次の部屋には死んだはずのウェイランドCEOが居た……なんで死を偽装してこっそり乗り込んでたのかイマイチわからないし、老人俳優が演じてるのでなくガイ・ピアースにわざわざ老けメイクしてウェイランドを演じさせてる意味もわからない。この一連のくだりで「一体なにを見てるんだろう……なんだか……おれは夢でも見てるかのようだ……」と、いった気持ちになって少し頭が「ぼんやり」してきた。この感覚もまた本作『プロメテウス』の醍醐味だ。
「科学的にも脚本がガバガバすぎる!駄作!」という人も多くいる。まぁその意見もわかるが、まずしい心でいるより楽しんだほうが得だろう、人生において。
そもそもガイ・ピアースに何時間もかけて老けメイクして老ウェイランド役させてる意味がわからない。どうやら若きウェイランドがVTR出演してる映像のために若いガイ・ピアースを起用して、そんで老いたウェイランドが後から出てくるからガイ・ピアースにした……そして若い場面ほとんどカットした結果、不思議な感じになったんだろう。
どうやらウェイランドは余命数日の状態で冷凍睡眠していた、そしてエンジニアに会って「生命の起源がどうこう」といった哲学的な問い以前に単純に寿命を伸ばしてほしかった、という即物的な目的があった。
またこの後で「ヴィッカーズは実はウェイランドの娘だった!」という事がすごく衝撃の事実として描かれるが、色んなシーンをカットしすぎたせいかヴィッカーズもウェイランド2人とも映画冒頭からずっと「自分のことしか考えてない、しょうもない人物」としてしか描かれていないので、そんな事実を教えられても別に何にも感じないのが悲しい。ヴィッカーズは「栄えてやがて滅びるのが王よ」と情感たっぷりに父に言ってる、その演技をしてるシャーリーズ・セロンが少しかわいそうになった。

 

 


一行は3たび遺跡へ行く――ちなみに、この当たりで「今まで遺跡だと思っていたのは、実はエンジニアの宇宙船(ジャガーノート」という事がスキャンによって判明している。
エンジニアを起こしたデヴィッドは同行しているウェイランドの言葉を告げる。その内容は不明だが何か偉そうな挨拶だったり永遠の命がほしいとかそんなことか?
するとエンジニアはいきなりデヴィッドの首をもぎ取る!そして同行していたウェイランドや他の幹部を撲殺!
こんなに暴力的な奴だと思ってなかったので驚き。爆笑した。
台詞忘れたけど死亡寸前のウェイランドは「もう丸っきり台無し」みたいな事をいってデヴィッドの生首は「そうっすね。おやすみウェイランド」と真顔で言う。
めちゃくちゃ面白い!しかしリドリー・スコットが何を考えてこんなシーンにしたのかわからないことも可笑しみを増している。
エンジニアは『エイリアン』(1979)にも出てきたエンジニアの遺体が座っていた機械に乗り、ヘルメットのような『エイリアン』(1979)の時は「スペースジョッキー」と呼ばれていた姿になる。どうやら、この座は操縦席で、あのヘルメットは操縦するためのものだったらしい。
それにしても本作を初めて観た時は『エイリアン』(1979)のスペースジョッキーがめちゃくちゃカッコいいギーガーのデザインだったのに、あれは実は装甲で中身は白ハゲのエンジニアでした、と明かされてマジでガッカリした……いいじゃん、スペースジョッキーのあの姿をしてる異星人ってことで……白ハゲ状態はマジで凡庸だ。恐らく「神は自分の姿に似せて人間を作った」という聖書的なノリがしたくてスペースジョッキーの素晴らしいデザインを捨てて白ハゲにしたのだろう。マジで勿体ない。絶対にスペースジョッキーの方がいいのに。
先程のウェイランド一行皆殺し、そしてこの間に黒い液体が入った壺が大量に置かれていることから「エンジニアは人類抹殺しようとして、ここを中継地点にしていたが何らかの事故があって壊滅し一人だけ残ってた。目覚めた今地球人を滅亡させるために動き出した」と察したショウは、プロメテウスに残ったイドリス船長に通信。
イドリスと数名のパイロットはエンジニアの宇宙船ジャガーノートに特攻!エンジニアの凶行を防いだ。
ヴィッカーズは死ぬのは嫌だと救命艇で脱出……したと思ったら何故か地表に居た。何かにぶつかったのかマシントラブルなのかよくわからない。ここもカットシーンがあったのだろうか。墜落したジャガーノートジャガーノートは馬の蹄のような丸い形をしてるので転がり始めた。追いかけられる形になったヴィッカーズは哀れつぶされてしまう。見ている誰もが「横に走れば助かるのに」と思ってしまうシーン。いつも賢そうなヴィッカーズなのに焦って気づかなかったのだろうか。ちなみに一緒に逃げてたショウは横にゴロゴロ転がるだけで助かった。ヴィッカーズは一人だけ逃げようとした罰で死んだ雰囲気だった。別にプロメテウスを運転するのは船長だからヴィッカーズが逃げても問題はない、だけどまぁ気持ちの問題って感じか。「助手席だから着いたら起こしてね」と言う女みたいなもんか。
それにしてもヴィッカーズの活躍は目覚めての汗だくプッシュアップ、船長をベッドに誘う、ショウの夫を早い判断で焼却、ウェイランドの娘だと大げさに言うが誰も何とも思わないシーン、一人だけ逃げる、横じゃなく縦に逃げて死亡……など、全体通して張り切ってるが何も成せなかったお嬢様みたいな印象で可愛い。
最初はショウ役だったが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)の撮影が忙しくてヴィッカーズになったらしい。どう考えてもショウ役の方が良かったが、あまりに役に立たないヴィッカーズに世界一美しいという無駄な要素が加わって独特の味わいが出た。

一人逃走したショウはヴィッカーズが逃げようとして上手くいかなかった脱出艇?に入るが、墜落したジャガーノートから怪我したエンジニアが追いかけてきた。
ショウは切り札とばかりにドアを開けて、成長したトリロバイトをエンジニアにけしかけて逃げる。
ここですぐトリロバイト(ショウがセルフ堕胎手術で取り出したタコみたいな生物)だとわかったのは、10数年前の映画だし何度か観たことあるからであって、初見時は「えっ!いきなり知らんタコみたいなやつが出てきてエンジニアと戦いはじめた!……え?しかもエンジニア普通に負けた?」と本気で困惑した。
まずショウのセルフ堕胎手術自体が衝撃的すぎたので「何か怖い生物を取り上げた」という事はわかったがタコみたいな形してる事に脳が追いついていなかった、ショウの腹痛そうだな~とかそういう事に脳のリソースが取られてるから。だから後でデカくなりすぎたタコ(トリロバイト)が出た時に困惑したのだろう。
いや、何だかわかっていても「何が起きてるんだ……」とやはり困惑したけど。
というかさ、『エイリアン』(1979)の前日譚って触れ込みなんだし「ショウがセルフ堕胎したクリーチャーがゼノモーフ(エイリアン)」これでいいやん。この方が綺麗だろ。
しかし実際には、ここでタコ(トリロバイト)に胚を植え付けられたエンジニアが妊娠して、そこを破って誕生したのがポスト・ゼノモーフ(エイリアン)というべき生物ディーコン。まだゼノモーフじゃないというね、何か構想があったのかもしれないけど本作の黒い液体ブラック・グーによるメカニズムは無駄にややこしい。

まず最初にエンジニアが黒い液体ブラック・グーを飲んで自己犠牲で生命が誕生。
ブラック・グーが地面に染み込んで地中のワームが進化して化け物ワームのハンマーピードに。近くで死んだ科学者はブラック・グーでゾンビ化。
デヴィッドがショウの夫にブラック・グーを飲ませ死亡、その前に性交して変異した精子でショウを妊娠させ誕生したのはタコのような生物トリロバイト。
エンジニアが創造主エンジニアに胚を産み付けてゼノモーフのような生物ディーコンが誕生……。
といった感じで、ブラックグーの効果が使う度に少しづつ違う。だから最初観た時はエンジニアが地球の生命を誕生させたブラック・グーと後にでてくるブラック・グーは違うのか……というか出てくる度に効果が違うブラック・グーなのか?など無駄にわかりにくい。
だが僕はこれは本作のマイナスだとは思ってない。むしろ効果がランダムな方が「神の御業」っぽくて良いかもと思った。
それは、まるで「脚本めちゃくちゃ」と言われがちな本作自体にも言えて、まぁ実際めちゃくちゃではあるし、絶対に現在の僕が良いように捉えてるように狙いではないだろうが期せずして、本当は四時間くらいある本編を無理やり半分にして説明を省いてヘンテコな細部のシーンだらけになったせいか、本作の全体が神話っぽい混沌さを称えてていいじゃんと思うのは僕だけだろうか。
割と「大御所監督が晩年に撮る変な大作」を好きというのもある。普通だったら制作させてくれないようなものでも大御所なら通るじゃん。結果ヘンテコなものができる。結局映画好きな人は見たことないものが観たいわけで、「なんだこの『エイリアン』(1979)の構成をなぞりつつ少しづつ変な映画は……」という味わいが楽しめた。
それと細かいこと言わなければ最初から最後までちゃんと面白いし。
リドリー・スコットがバンバン切って、細部は確かに変だが全体図は面白いのがさすがリドスコだなって感じ。
残念ながら『エイリアン』(1979)は名作だと他人に勧められるし、それでおもろないと言われたら馬鹿だなこいつとしか思わないが、本作は割と珍品としか紹介できないものはある。
だが当時の2倍面白かった。だから当時苦手だった『エイリアン:コヴェナント』(2017)も今なら楽しめそう。

……あ、トリロバイトの話から黒い液体の話になって、話の流れで映画の感想のまとめに入ってしまったが、ショウとデヴィッドの生首は他にもあった宇宙船ジャガーノートの乗り、地球に帰ろうと思えば出来たのだがショウが「何で人類滅ぼすことにしたのか訊いてみたい」と、エンジニアの母星に向かう……というリプリーよりカッコいいラストで終わる。ただ残念ながらエンジニア母星には行かないしショウも知らん間に死んでるので、このラストで期待しても無駄だが、本作の時点ではカッコいいラストだった。

 

 

そんな感じでした

〈『エイリアン』シリーズ〉

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『エイリアン:ロムルス』(2024)/フェデ監督が持ち札全部使って全力を尽くした感。善良アンドロイド・アンディとケイリー・スピーニーのラストバトルの演技最高🥚 - gock221B

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『エイリアン2』(1986)/今観ると画面に出てこない”エイリアンの大群”をあの手この手で居るように見せかける、その工夫に感動した。ただ数字が減っていくだけのセントリーガンの魅力🥚 - gock221B

『エイリアン3』(1992)/30年ぶりくらいに観たがやはりつまらなかった。90年代っぽい映像と眼鏡レイプマンだけ良かった👩🏻‍🦲 - gock221B

『エイリアン:アース』(2025) 全8話/第1話から最後まで色んな要素を楽しんでたのだが最終話がS2を見据えたおとなしいものだったのでもっと暴れろよと - gock221B

 

リドリー・スコット監督作〉
『エクソダス:神と王』(2014)/十の災いライド、そして哀れなアホのラムセス👨🏻 - gock221B

『オデッセイ』(2015)/クセがないが万人が面白がれそうな映画。リドリー・スコット女性キャラの機能美的なエロさ🍠 - gock221B

 『ハウス・オブ・グッチ』(2021)/俳優も事件も面白いのだが本編が「奇跡体験!アンビリバボー」の再現ドラマみたいに性急だったね👩🏻 - gock221B

 


 

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Prometheus (2012) - IMDb

Prometheus (2012) | Rotten Tomatoes

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