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『木曜殺人クラブ』(2025)/老人たちが殺人事件を捜査。だが”老人の若者化”はせず死や認知症も隣にあるものとして扱ってる良い老人映画


原題:Thursday Muder Club 監督&制作:クリス・コロンバス 脚本:ケイティ・ブランド、スザンヌ・ヒースコート 制作:スティーヴン・スピルバーグ、ジェニファー・トッド 原作:リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ』(2020) 撮影:ドン・バージェス 編集:ダン・ジマーマン プロダクション・デザイン:ジェームズ・メリフィールド 衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン 音楽:トーマス・ニューマン 制作会社:アンブリン・エンターテインメント 配信サービス:Netflix 製作国:アメリカ 上映時間:118分 配信開始日:2025年8月22日

 


イギリスのTVプロデューサー、MC、小説家のリチャード・オスマンの『木曜殺人クラブ』シリーズ(2020~)第1作目のNetflixで配信映画化。
なんか凄くベストセラーになってシリーズ化して4冊発売され、今年早くも5冊目が出るらしい。一年一冊の早いペース。日本では2冊目『木曜殺人クラブ 2度死んだ男』(2021)、3冊目『木曜殺人クラブ 逸れた銃弾』(2022)と3冊目まで翻訳されてるみたい。この映画も再生数が多ければ毎年新作が公開されるかもね?
Thursday Murder Club (series) - Wikipedia

監督は、スティーヴン・スピルバーグに見出され『グレムリン』(1984)や『グーニーズ』(1985)の脚本書いたり、『ホーム・アローン』最初の2作や『ハリーポッター』最初の2作など、スピルバーグの弟子っぽい印象の人。彼はスピルバーグノーマン・ロックウェル感ある「友や家族を大切にする温かく優しい印象の人たち(ただし殆どユダヤ系白人のみ)」が活躍する映画でお馴染みのクロス・コロンバス監督。本作もスピルバーグが制作してる。
僕はと言うと彼が監督してブレイクした、『ホーム・アローン』シリーズや『ハリーポッター』シリーズなどの時期は尖り中の映画ファンだったため殆ど観てない。

本作は原作知らんしコロンバス監督も興味あった時ないが、最近僕は自身の加齢によって「新作とか好きな監督だけじゃなく、今まで観てなかった過去のスパイものやミステリーやフィルムノワールなどクラシックな名作に意図的にハマっていこう」とし始めたので楽しみにしてた(それらは年取ったらハマろうと思ってたもので、それらもあらかた観てしまったら他にもまだスタートレック全部とか座頭市全部とか1960年代以前の邦画とかヨーロッパの旧作とか三国志とか歴史もの……とか幾つも控えている、最新作品や元々好きなもの以外にそういう観てなかったものを無理やり自分に受け入れさせることによって映画鑑賞を死ぬまでマンネリ化させまいという工夫)。
本作は更に、中年の自分が観ても親世代が主人公で活躍してるので自分がまだまだ生きる気がするのもいい。
ミステリーのフーダニット作品なので今回は珍しくネタバレなしで印象だけ感想書いて終わりにします。

 

 

🍰

 

 

イギリスケント州の架空の海辺の村〈フェアヘイブン〉の豪華な老人ホーム〈クーパーズ・チェイス〉で暮らす年金受給者たち。
思い思いのアクティビティを楽しむ老人たちの中に風変わりな三人組が居た。
元スパイのエリザベス・ベスト(演:ヘレン・ミレン)。
労働組合リーダー、ロン・リッチー(演:ピアース・ブロスナン)。
精神科医イブラヒム・アリフ(演:ベン・キングズレー)。
彼らは意識不明で寝たきりになってしまった創設者である元婦人警官ペニーの意志を引き継いでクラブを継続させており、現在彼らはペニーが残した資料の中から「ペニーが執着していたらしき1970年代の殺人事件」を扱って真相を探ろうとしていた。
そこに、夫を亡くして新たに入居してきた元看護師ジョイス・メドウクロフト(演:セリア・イムリー)。エリザベスは「怪我などに詳しい看護師の意見が重要!」と言ってジョイスもクラブに協力し、楽しい仲間が増えた。

そんなクーパーズ・チェイスの老人たちだったが、町の有力者イアン・ヴェンサム(演:デイヴィッド・テナント)がホームを潰して宅地開発を進めようとしていた。
もちろんお金を貰って別の場所に住むことはできる、しかし殺人クラブや他の老人たちは「ここが好きなんだ!」と抵抗。
強面の共同オーナーのトニー・カラン(演:ジェフ・ベル)は「俺に任せておけ、ここは大丈夫だ!」と言うが、自宅で何者かに襲われ遺体となって発見される。
ここで新メンバーのジョイスは「本物の殺人だ!」と興奮してクラブの皆を招集するのが心強い。
そういうことで、過去の未解決事件を探っているだけだった木曜殺人クラブは本物の殺人事件、しかも、殺したのが立ち退きを迫るヴェンサムだったら?それを解き明かすことは自分たちの居場所の去就にも繋がる。

 

 

そういう事で木曜殺人クラブは、トニー・カラン殺しを追い始める。
そこから二転三転して犯人に辿り着き解決するわけだが、まぁ書かんとこう。
老人ホームの老人だけだと捜査にも限界がある。
そこでクーパーズ・チェイスを訪れた人柄の良い警官ドナ・デ・フレイタス巡査(演:ナオミ・アッキー)、ロンドンから転勤になったドナはお茶汲みばかりやらされてストレスが溜まっていた。エリザベスはそんなドナの心情を読み捜査に協力させる、殺人クラブは捜査ができるしドナはお茶汲みから開放されて殺人事件を捜査できる。
またクラブは、ヴェンサムの不審な金の動きを探るため、大企業の財務部門だったか法務部門だったか税理士だったか……忘れたけどそーいう仕事をしているジョイスの娘に調べてもらう。
……と、こういった感じで本作の一番良いところは、木曜殺人クラブを映画でよくある「老人の若者化」してないところ。突然クラブが銃を撃ったりハッキングしたりカンフーを使ったりしない。家族やコネを使ったり、歳を重ねて得た他人の顔を見て心を読んだり揺さぶりをかけたり弱い老人を装ったりと、老人ならではの力で捜査を進めていくところだろう。
ドナという存在で、警察のシステムに直結できてるし。
そして殺人事件やクーパーズ・チェイス立ち退き騒動は解決して、映画冒頭の1970年代の殺人事件のエピソードに繋がって終わる。

クラブの創設者ペニーは映画が始まって最後まで意識がないし、エリザベスの夫ティーブン・ベスト(演:ジョナサン・プライス)も認知症を患っていて正気になったり忘れたりする。年寄りなので死ぬ者も出てくる。だが本作は全体的に、死や認知症といった老人が避け得ないものも、過剰にメソメソ泣いたり忌避するわけでもなくポケットに入れた最後の友達のように風のように扱っており、それもまた良いところだった。
というか、老人ホームって寂しい印象だけどクーパーズ・チェイスは多分かなり高級な老人ホームなんだろうが、めちゃくちゃ良いところなんだよね。自然豊かなイギリスってめちゃくちゃ良いし建物も素敵で「ドアを閉じれば一人、ドアを開ければ友だちが何十人もいる」って夢みたいな場所に思える。絵画教室とか殺人クラブなどのアクティビティもあるし……普通に入りたいよね。死んでもすぐ発見してくれるから腐敗する心配もないし。
それにしてもクラブは殆どヘレン・ミレン演じるエリザベスが主人公って感じだった。
「エリザベス>>ジョイス>ロンとイブラヒム」って感じで「エリザベスと仲間達」って感じ。今回はエリザベス回で2冊目、3冊目などでは他のメンバーの中心回なのかも。
ところでロンを演じるピアース・ブロスナン72歳は幾らなんでもイケメンすぎる老人だった。そもそもジジイになっても髪がフサフサってだけでイケメンと見なされる老人界において腹も平らで筋肉もありピッタリしたシャツ着て背も高いしちょっとイケメンすぎる。いや、イケメンという言葉は雰囲気だけでごまかしてる男にも当てはまる、ブロスナンのような真のイケメンは昔ながらの言い方で「ハンサム」と呼びたい。若い頃はハンサムも多いだろうが老人になったから余計にそれが目立つというか「こんなハンサムな老人いる?w」と笑いが出るほどだ。

そういえばNetflix公式サイトにおまけ動画があって、多分それは本編がちょっと長くなると思ってカットした8分だった。
本編で言うと、エリザベスの家に「手を引け」と書かれた花束が置かれていた辺り、クーパーズ・チェイスのマッキー神父(演:ジョセフ・マーセル)が容疑者となりエリザベスとジョイスが捜査するくだり、これはカットするには惜しいエピソードだったので公式サイトにおまけとして置いといたのだろう。本編が気に入った人はそちらもどうぞ。

 

 

そんな感じでした

 


 

www.netflix.com

The Thursday Murder Club (2025) - IMDb

The Thursday Murder Club | Rotten Tomatoes

The Thursday Murder Club (2025) directed by Chris Columbus • Reviews, film + cast • Letterboxd

木曜殺人クラブ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

www.youtube.com

木曜殺人クラブ 二度死んだ男 (ハヤカワ・ミステリ)

木曜殺人クラブ 逸れた銃弾 (ハヤカワ・ミステリ)

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