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『ポーカー・フェイス』〈シーズン2〉(2025) 全12話/前後編のスペクタルサスペンスで締めたが実のところ通常回が一番面白い


原題:Poker Face〈Season.2〉 原案&製作総指揮&監督(第1話):ライアン・ジョンソン 主演&製作総指揮&監督(第2、12話)&脚本(第2話):ナターシャ・リオン ※他の監督&脚本&原案は各話の箇所に記載 製作総指揮:ラム・バーグマン。ラーヤ・ルドルフ。トニー・トストほか 撮影:スティーヴ・イェドリンほか 音楽:ネイサン・ジョンソン、ジャドソン・クレーン 制作スタジオ:Tストリート・プロダクションズほか 配信サービス:Peacock(日本ではU-NEXT) 製作国:アメリカ 上映時間:全話約50分前後、全12話 放送期間:2025年5月8日~7月10日(日本では2025年8月8日)

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上の記事の続きです。
最初は他のドラマの記事と同じ様に「シーズン1~2の全22話」という形で一つの記事にしようとしてたんだけど、全話レビューし始めたせいでシーズン1だけで2万2千字超えたので仕方なく分けた(最初は「チャーリーの口調」と「チャーリーが言いそうな事」で感想記事全文書こうとしたが、そうなると文量が更に1.5倍くらいに増えそうだからやめた)。
でも「作品全体」や「主人公チャーリーの特徴」はシーズン1の記事で書いたばっかりで似たようなことまた書くのは面倒なので割愛する。だからシーズン1の記事のすぐ続きって感じの記事ね。
一言で言うと「他人が嘘をつくと100%わかってしまう」という人間嘘発見器能力を持つ女性チャーリー・ケイル(演:ナターシャ・リオン、吹き替え:小林ゆう)が各地を転々としながら殺人事件を解決していく倒叙ミステリー(最初に犯行が描かれて後から探偵が解決するミステリー)。

シーズン1では元雇い主だった犯罪組織のボスに追われていたので「警察に相談できない、スマホやATMも使えない」という縛りがあった。その犯罪組織との関係性はシーズン1最終話で解決したのだが、その結果、損害を受けた別の犯罪組織のボスがチャーリーを追う。つまり「犯罪組織に追われてるから各地を転々とする」という設定を継続したことになる。しかし指名手配的なものは解けてるので警察から逃げなくてもよくなった。
シーズン1と違うのは「チャーリーの才能や人柄をよく知るFBI捜査官ルカ」「無線でよく話す知らないおじさんグッドバディ」「NYで知り合った友人アレックス」など、一話限りじゃない登場人物が増えたこと。ただしルカはヒラの捜査官なのでチャーリーの無実を証明したり保護したりする力はない、アレックスと無線のおじさんも一般人。つまりルカは他の二人よりは力があるが「チャーリーの日常を変える」ほどの力はない。だがチャーリーがあまりにデカすぎる事件に巻き込まれた時にまた元の逃亡生活に戻してくれるための舞台装置としてルカはいるんだと思う。
今回、チャーリーはシーズン1同様に逃亡しながら事件を解決して追ってきている犯罪組織のボスとの問題を解決、一旦は自由の身になってNYの一つの場所に留まりつつも最後は謎の暗殺者イグアナと対峙するという「イグアナ編」とでも呼びたいストーリーが展開される。
そういうことなのでアメリカの田舎を中心に逃亡生活していたシーズン1と違ってシーズン2は都会が多い。中盤以降、身軽になって都会に定住したチャーリーは以前と違うノリで色んな展開が起きる。ここは、ちょっと本作の可能性を試してみようと制作者が色々試してのだろうと思う、シーズン1でも「チャーリーは簡単な名称をど忘れする癖がある」などの設定があったけど大して広がりがないし面白くないせいかすぐやめた。そういう感じで本作はちょっと新しいことを試して、駄目だなと思ったら数話で引き返すのが良いところだなと思う。シーズン2でそれに当たるのが「都会に定住してスマホも持てる普通の人にする」という要素だろう。

第1話(通算第13話)冒頭で「これまでのポーカー・フェイスは」と、シーズン1のダイジェスト映像が流れる。チャーリーの人柄、能力、最初の事件やルカ捜査官との出会いや再び逃亡を始めたことなどを短時間に詰め込んでて凄くいいね。
その後、チャーリーは駐車場やお化け屋敷などでバイトしてる度に、ベアトリクスの刺客に襲撃されて逃げ出す、後の第3話(通算第13話)で「シーズン1と2の間には一年間あいてる」事がわかる。シーズン1の長さが劇中で一年間だったので丁度シーズン1本分チャーリーはいつものようにバイトして事件を解決してはベアトリクスの殺し屋に嗅ぎつけられて逃亡……を一年間繰り返してたんだとわかる。通常回のチャーリーはいつも通りだが時の経過とともにチャーリー・ケイルの能力と存在は最終的に犯罪組織どころかアメリカ政府のトップにまで上ってしまった。最終話で何とか元の逃亡者に戻したが少しづつ「取り返しがつかないチートキャラ」にあがって来ている。チャーリー本人は変わってないが周囲が変わってきているパターンね。だが、これ(周囲)は一度変わるともう元に戻すことはできない。制作側もそれをわかっているので「少し変えてはもとに戻す」を繰り返している。いつか「作品自体が取り返しがつかない事になったが人気は持続している」状態になった時は、このシーズン1と2の間の空白の期間を使って「シーズン1の時のようなポーカーフェイス」を出来るね。
しかし色んなことを試す気持ちはわかるのだが前述した通り、一度変えると元に戻らない。そういった大きな変化は一つの大きな流れやシーズンの最後に起こる。だが『刑事コロンボ』とか『古畑任三郎』全43話 (1994-2008)で「各シーズンのボス」とか居なかったじゃん。というか本作もシーズン最後の大きな展開より通常回の方が面白いし。だからシーズン3以降も続くのであれば、あまり無茶な変化は入れなくていいよと言いたい。「最終話の犯人はいつもより有名な映画スター」この程度で良いと思う。ギャラのことは知らんので無責任に言うと『ナイブズ・アウト』シリーズの出演者を順に出してってもいいしね(最終的にはダニエル・クレイグが本作のラスボスになる予感)。

ネタバレあり

 

 

第1話(通算第11話)『ゲーム再開』 🚙🚙

原題:The Game is a Foot 監督:ライアン・ジョンソン 脚本:ローラ・ディーリー
五つ子回。ライアン・ジョンソンS2唯一の監督回でもある。
シンシア・エリヴォが犯人&被害者&その他を一人5役で演じるド派手な第一話。
ニューハンプシャー州コンウェイ。才能のない芸術家アンバー(演:シンシア・エリヴォ)は全く同じ顔を持つかつて人気の子役だった四つ子の一人。彼女は遺産目当てで介護していた強欲な母ノーマの遺言が「遺産は娘たち4人には与えず、実は五つ子の5人目の娘である隠し子フェリシティに全て与える」というものだった事を弁護士ポール(演:ジン・ハ)から聞き出す。
アンバーは自分と全く同じ顔をしたフェリシティを見つけ出し彼女と全く同じ髪型や格好へとイメチェンする。そして母が死ぬと葬式にやってきたフェリシティを高所から突き落として殺害する。もちろんフェリシティに成り代わって遺産総取りするためだが、しかしフェリシティは片足が義足だったとその時初めて気がついた……。

死んだフェリシティや、母の葬式で集まったアンバーの姉妹、りんご摘み労働者デリア、DJビービー比較文学教授シーシー……五つ子はシンシア・エリヴォが一人で演じ分けている。『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)の主人公の緑肌の魔女のあの人。
この人は「気さくなデリア」「ドジな犯人アンバー」「クールな被害者フェリシティ」「軽薄DJビービー」「フランスかぶれのシーシー」など5人を演じ分け、ついでに「フェリシティに成りすますアンバー」「デリアに成りすますアンバー」などもあるので演じるのはかなり難しそう……といっても演技したことないから、その難解さはわからないんだけどさ、きっと難しいでしょ。
チャーリーは、りんご農場で知り合ったデリアが幼少期観ていた、四つ子が交代で主人公を演じていた少女警官ドラマの子役だった事を知り意気投合してアシがないデリアを葬式に送って着いてきた。
アンバーは芸術だけでなくあらゆる事が不器用で、全く同じ顔のフェリシティに化けてはいるものの最初からボロが出まくりで、賢い上に人間嘘発見機であるチャーリーに詰められまくる。こういう倒叙ミステリーでたまにある「犯人の主観で進んで、探偵に全編追い詰められまくる」回だ。

別に犯人アンバーと被害者フェリシティとチャーリーの友人デリアの三人居れば話は成立するので5人もいらなくない?という気がするが、まぁ普通に面白かったので良いです。
やはり「自分が今から入れ替わる姉妹を突き落としたら彼女は義足だった」という出だしがめちゃくちゃ面白い。あとはシンシア・エリヴォの一人五役や、アンバーがチャーリーに対峙して冷や汗をかき続けるのを楽しむ第一話。

 

 

第2話(通算第12話)『死者の館』 🚙

原題:Last Looks 監督&脚本:ナターシャ・リオン 脚本:アリス・ジュ

火葬場回。チャーリー役ナターシャ・リオンが監督&脚本してる回でもある。
なんか今どの作品にも出てる感のあるジャンカルロ・エスポジートと懐かしのケイティ・ホームズがゲスト。
フロリダ州ユリー。遺体安置所で働くことに誇りを持っているフレッド(演:ジャンカルロ・エスポジート)、その若妻グレタ(演:ケイティ・ホームズ)。
遺体安置所での結婚生活に息苦しさを感じており都会に出て働きたいと離婚を申し出るグレタをフレッドが殺害する。
遺体安置所なので遺体の処理はお手の物で、更に遺族への品物として遺灰を物品にするサービスも行っているため妻の遺灰でレコードを作る。

チャーリーは、フレッドの遺体安置所でB級サスペンス映画を撮影する映画クルーから死体役のエキストラを頼まれてやってきた。
また前半では「仕事熱心なフレッドと不真面目な妻」のように描かれていたグレタだったが、チャーリーパートでは不幸な結婚生活に苛まされ自立する夢があることがわかる。
それでいつものように捜査して「『ファスター・プッシーキャット!キル!キル!』っぽい女性の御遺骨が遺族とともにハイウェイを飛ばしに行った」「先日の撮影」などがヒントとなりフレッドの殺人を看破したチャーリーだったが色々あって捕まって火葬用の棺桶の中に入れられ蓋も閉められ焼かれそうになる。絶体絶命「ここからどうやって抜け出す?」と思ってたら、暴れて普通に寝かされてた棺桶ごとひっくり返って脱出。正直がっかりした。棺桶に入れられたまま揺れてひっくり返すとか無理だろ。
他の回と同じ様に普通に面白い回だったのだが、このシーンでかなり平凡ゾーンに落ちてしまった感がある。力技じゃなくて「さっき一緒に捜査を手伝ってくれた撮影クルーのおじさん(演:ケヴィン・コリガン)をどうにかして呼んでた」など、頭脳で解決しなきゃ……。
とはいえ映画やドラマが「炎上した屋敷」で終わると凄く良い終わり方……と感じてしまうのは映画のマジックだね。
トム・クルーズと離婚してサイエントロジー教会との関係を断ち切って以降、大作では見られなくなったケイティ・ホームズも久々に観た。こういう最近見てないなぁって人が出てくるのも本作の良いところ。そして物凄い勢いで話題作に全部出てくるがジャンカルロ・エスポジート

 

第3話(通算第13話)『モグラたたき』 🚙🚙

原題:Whack-A-Mole 監督:ミゲル・アルテタ 脚本:ワイアット・ケイン

vs.ベアトリクス
この話の冒頭で今は「シーズン1最終話から1年後」ということがわかった。
前回のラストでチャーリーは、シーズン1最終話から追ってきていた犯罪5大組織のボスベアトリクス・ハスプ(演:リア・パールマン)に捕まった。
ベアトリクスの組織は抗争により弱体化し、一般人である愛する夫ジェフリー(演:リチャード・カインド)と数人の部下と逃亡中。チャーリーが拉致されたのは、その人間嘘発見機能力で部下に裏切り者がいないかどうか判定する役割で連れてこられた。
シーズン2のボスなんだろうかと思わせて第3話でもう決着してしまうという捻り。
チャーリーはベアトリクス一行の逃亡に協力するが、ベアトリクスを追っていたFBIと乱戦となり、チャーリーにいつも味方してくれていたFBIのルカ・クラーク捜査官(サイモン・ヘルバーグ)がジェフリーを撃ち、ベアトリクスがルカ捜査官を銃撃――。

数時間前、ベアトリクスはFBI内にモグラ(内通者)がいた。ルカと同期で仲が良いが実はルカを出し抜いて出世したいダニー捜査官(演:ジョン・ムラニー)、彼はベアトリクスと長年繋がって甘い汁を吸っていたのだ。
そしてベアトリクス一行の”モグラ”は、ルカに平穏に保護して欲しがっている彼女の夫ジェフリーだった。
どうなってるかの説明は無駄に複雑で既に観た人には不要だし観てない人に言ってもわかりにくいので全部省略するが、ベアトリクス夫婦は共にFBI内に”モグラ”がいる。
良い”モグラ”は我らがチャーリーの友達ルカ、悪い”モグラ”はダニー。
ダニーは自分が内通者だとバレるとヤバいのでジェフリーに死を偽装させようとしたルカの空砲に実弾を混ぜてジェフリーを間接的に殺害。更にベアトリクスも消して自分の悪事を隠蔽しようとするが、色々乱戦となって解決。
今回は殆ど力が支配する回だったが、チャーリーの人間嘘発見機能力は「善人の嘘は黙っておいた」「悪人の嘘は申告しまくる」というやり方で状況が進み、だから火力が支配するストーリーでも問題なく面白かった。
これでシーズン1第1話から続いてた「犯罪組織に追われる」という流れは一旦終了。
今回のラストに「シーズン2の『ポーカー・フェイス』は」という予告映像が流れたので、どうやらこの第3話(通算第13話)までが一つの大きな流れ……「犯罪組織編」とでも言うべき流れだったようだ。次からは「スマホも銀行口座も持てる自由なチャーリー」編が始まった。

 

 

第4話(通算第14話)『人の血の味』 🚙🚙

原題:The Taste of Human Blood 監督:ラッキー・マッキー 脚本:ワイアット・ケイン

ワニ回。
この回はミステリー的には評判よくないっぽいけど、発端となる序盤がめちゃくちゃ笑ったので、全話の中でコメディとして一番面白かった。ミステリーとしては置いといてコメディ部門一位って感じの話だね。

2019年、フロリダの善良で住人想いで仕事熱心な女性の警察官フラン(演:ギャビー・ホフマン)、あまりに良い警官なので署長(演:ジョン・セイルズ)が、年間通して最も優秀だったフロリダの警官に与えられるという「フロリダ・パンハンドル警察賞」に選ばれるかもしれないから行ってみよう君は良い警官だから、と言う。奥ゆかしいフランは「別に誰かに褒められるためにやってるわけじゃないよ」と言うが署長が「まぁまぁ、きっと選ばれるよ」って感じで出席。だが選ばれたのは警察官ゲイター・ジョー(演:クメイル・ナンジアニ)。ギャングを壊滅させてそこに居た子供のワニデイジー保護したらしい。「僕がこのデイジーを助けたと言われますが……助けられたのは僕の方です」と言ってデイジーにキス。皆が祝福する。フランは選ばれなかったが良い人なので本気でジョーとデイジーを笑顔で祝福する。
2025年、なんとジョーは6年連続で「フロリダ・パンハンドル警察賞」を受賞したとテロップが出る。
本当に地方の優しい中年女性って感じだったフランが鬼気迫る表情でTikTokを見ている。素朴な男だったジョーは6年連続受賞してすっかり人気警官となり、金髪になりコマンドーのような特殊制服にジョー制作のエナジードリンクを銃弾のように身体に巻き、決めセリフが「お前(犯罪者)はパンツに漏らす権利がある!」「ゲイター完了!(字幕は「おつワニ!」)」など幾つもあり、巨大になったデイジーに犯人を捕まえる度にオレオを食わすパフォーマンスも行う、すっかりインフルエンサー警官になっていた。
同じく素朴で善良だった警官フランも、最初は「私なんていいよ、ジョーに賞あげて。おめでとうジョー」って感じだったが、6年間負け続けた結果すっかりジョーを恨んで何が何でも「フロリダ・パンハンドル警察賞」を受賞することだけが人生の目的になった人物と化していた。即落ち2コマって感じで見せられるフランとジョーの変貌ぶりがあまりに面白すぎる。特に、ジョー役のクメイル・ナンジアニは面白い男やエキセントリックな役もよくしてるので違和感ないが、フラン役の人が最初本当に地方の、美人だけど化粧してないんじゃないかって感じの素朴な女性だったのに6年後は恨みですっかり……まるで『シャイニング』のジャック・ニコルソンのような瞳孔開いた顔になってるのが最高。6年前はフランを推薦してた署長も「……もう賞には行かない方がいいんじゃないのか?君は何か大事なものを見失ってる気がするのだが……」と、至って優しく諭してるのもたまらない。
コメディ描写では今回のこの数分が一番笑ったね。
そして当然、7年目もジョーが受賞し既にイカれていたフランの心が完全に壊れてしまい、ジョーのオリジナル・エナジードリンクにワニ用の下剤を使って恥をかかせようとするが量を間違えてジョーが死んでしまう。下剤のことを他人に訊いたのでバレてしまう。そこでデイジーにコカイン喰わせてジョーの遺体を喰わせることに……。

チャーリーパート。今回から火葬場の回で取り付けられた無線によってグッド・バディ(声:スティーヴ・ブシェミ)という男性と他愛もないお喋りをしたり助言を貰ったりするようになる。グッド・バディの声はスティーブ・ブシェミなのでてっきり最終話で出てくると思ったが出てこなかった。でもきっと、いつか出てくるよね。
今回は、一話完結倒叙ミステリーでありがちな「次から次へと証拠が出てきて犯人が慌てて隠滅するのを繰り返す」系。フランは殺人じゃなく嫌がらせするつもりが死んでしまい証拠を隠滅する系の犯人。根は「良い警官」なのでチャーリーに追求されるとすぐに自供、最終的に署長は見逃してくれるがフランは改心して警官を辞職、残りの人生は動物のため生きることになる。
今回の展開や描写は凄く奇妙だったためミステリー好きには評判いまいちみたいだけど、自分は前述の通りコメディとしてお気に入りの回だった。
……とはいえチャーリーがワニのデイジーのため動き出したり、フランが改心する切っ掛けが「ワニのデイジーの目を見たらデイジーと”繋がる”」という妙にスピリチュアルなもので、しかも結局「デイジーは人の血の味を覚えた」という「チャーリーとフランが逃がしたワニに誰かが喰われるかも」と思わせるオチなので、そこに引っかかる人がいるのは少しわかる。

 


第5話(通算第15話)『地元のヒーロー』 🚙

原題:Hometown Hero 監督:ジョン・ダール 脚本:トニー・トスト

野球回。
地元のマイナーリーグのヒーロー投手ラス(演:サイモン・レックス)とチーム「チーズ・モンガーズ」は、かつては凄かったが今は速球が投げられなくなり29連敗中、ラスも引退が決められた。
ラスとチームは「ラスはクビだし俺達もメジャーに行けそうもないから、野球賭博で俺等のチーム5連敗オッズ22倍に全員で全財産賭けて大儲けしようぜ」ということになる。
そしてチームは順調に?連敗を重ねるが、なんと5試合目で速球が得意な若手投手フェリックス(演:ブランドン・ペレア)が入団してしまう。
フェリックスはこれからバリバリ投げまくって昇っていく若手なので堕落した野球賭博には巻き込まえない。そこでチームメイトは何とか負けるためフェリックスの風船ガムにLSDを仕込む。しかしLSDが効いた投手は異次元の投球をしてしまう。最後の手段で敵チームに投球を教え、無事に?負けることに成功。
しかしLSDにも野球賭博にも気づいたフェリックスに追求され侮辱もされたラスは、怒りのあまり今まで投げられなかった急速162kmのボールをフェリックスの頭部に投球して殺害してしまう。そこでオンボロのピッチング・マシーン「ランボー」のせいで死んだように見せかける。

という、殺害までのあらすじが面白すぎる回。
チャーリーは、ひょんなことからチーズ・モンガーズのボールガールとして働く。そしていつもの流れで捜査開始。
チャーリーは全て看破し、あとは証拠だけ。
その証拠は犯人の自らのエゴによって白日のもとに晒される。しかも「本当は才能があったのに堕してしまっていた犯人が破滅と共に才能を見せる」というシーズン1演劇回のエレン・バーキンを思わせる皮肉なオチで好みだった。
また逃亡生活が終わったので普通に警察を上手く使って犯人を破滅させる様子も見れた……という感じで大部分が良いと思ってるのに全体的に地味で存在感なく思ってしまうのは何故だろう。よくわからない。

 


第6話(通算第16話)『スラッピージョセフ』 🚙

原題:Sloppy Joseph 監督:アダム・アーキン 脚本:ケイト・チューリン

子供回。
私立小学校グッドホープ・アカデミーの優等生ステファニー(演:エヴァ・ジェイド・ハルフォード)はあらゆる科目で満点を取り「金の星チャート」で星をたくさん獲得していた。
しかしスペリング大会で「『ハリー・ポッター』の呪文」のスペルが答えられずステファニーに次ぐ星を獲得していた男児イライジャ(演:カラム・ヴィンソン)JB(演:デヴィッド・クラムホルツ)に敗れ、ステファニーはイライジャに恨みを持つ。そして近々、行われる特技の発表会では星が多く与えられるためイライジャが優勝すればステファニーは負けてしまう。
イライジャは「巨大ハンマーでハムスターのジョセフを潰すがジョセフは安全ゾーンに居て平気」というマジックを行うが、ステファニーの策略により哀れジョセフは潰されてしまう。
時間が少し巻き戻り、グッドホープ・アカデミーの食堂で働き始めたチャーリー。
ちなみにタイトルになってる「スラッピー・ジョセフ」というのは、給食で出している「スラッピー・ジョー」という牛ひき肉をサンドイッチにしたアメリカ料理のもじり、ハンマーと台で潰されたジョセフと掛けているわけで……やはり悪趣味なタイトルだね。
知り合った親切な用務員JB(演:デヴィッド・クルムホルツ)はイライジャの父だったが、件の発表会の悲劇で父子ともども落ち込んでいる。
例によってチャーリーは捜査を開始しステファニーが犯人だとすぐ気がつく。
しかしチャーリーが”ツインテールの小悪魔”と呼ぶステファニーはハム校長(演:マーゴ・マーティンデイル)を脅迫して操っておりチャーリーは解雇させられてしまう。ちなみに”ツインテールの小悪魔”は原語だと聞き取れないけどデーモンヘアービッチとかかなりワイルドな言葉遣いしている。
しかしチャーリーがステファニーを完全に負かせる方法「イライジャ救済と星で混乱させて金庫へ向かわせる」だが「ステファニーが絶対にそうする」ってわかるもんかなぁとは思った。まぁ、いいか。
今回と次の第7話(通算第17話)の監督は俳優のアダム・アーキンで、彼は今回のステファニーの悪どさを『スクリーム』風に演出しており、幼い子供ばかりで殺人も起きない小学校での話とギャップを持たせている。
最後まで普通に面白いとは思うが、個人的に「子供が悪いことする系の話」はあまり得意ではないかも。子供だから決定的な悪事は行わないし逆に決定的な罰……たとえば他の回のようにチャーリーによって完全に人生崩壊されないし。
あと「小さな子供が犯人と被害者」ということで殺人ではなく代わりにハムスターが被害者になったわけだが、画面に映らないとはいえ小さなハムスターが潰されるってのは残酷だし、何よりもフィクションでペットは「良心の象徴」的なところがあるので人が死ぬより却ってキツいかも。さっき言った「子供だから決定的な悪事は行わない」と矛盾した事を今は言ってるけどさ。
そういうことで「本来は面白い話な気がするが苦手な子供回ゆえあまり乗れなかった」感はある。また「子供のようなまっすぐな正義感と不良中年女性としての擦れ感」というチャーリーのキャラが個人的には子供キャラとの相性があまり合ってない気がする。
……色々乗り切れない理由を考えてみたが結局のところ、チャーリーがステファニーに「敗北感を与えて支配権を取り上げる」だけでなく決定的なおしおきしないからスッキリしないだけかも。せめて社会的にバレないと……将来の極悪人を生んだというオチだしね。

 


第7話(通算第17話)『最後の仕事』 🚙🚙

原題:One Last Job 監督:アダム・アーキン 脚本:タオフィク・コラデ

強盗映画&ラブコメ映画の回。
前回同様にアダム・アーキンが監督。
大型スーパー「スーパーセーブ」の犯罪映画大好きな従業員ケンドール(演:サム・リチャードソン、吹き替え:高木渉)は友人でもある店長のビル(演:コーリー・ホーキンズ)に突然、解雇されてしまう。
やけになったケンドールは知り合った強盗ジュース(演:ジェームズ・ランソン)と共に構造を知り尽くしている「スーパーセーブ」に強盗に入るが、いつもは居ないビル店長が居てジュースが射殺してしまい、ビルが金を持って出奔したかのように見せかける。

時間が数日前に巻き戻り、ブコメ映画大好きな店長ジェニー(演:ジェラルディン・ヴィスワナサン)のインド料理店で配達をしているチャーリー。
「スーパーセーブ」に配達に行くたび、チャーリーはビル店長と良い感じになってきて、チャーリーのバイト先の超塩対応で一言も喋らなかったラブコメ好きの店長ジェニーも「ビル店長はあんたに気があるのよ!」と、チャーリーの恋愛に対して急に女子高生のように関係性萌え女子のように仲人おばさんのように強火になり。チャーリー目当ての注文が多いだけで盛り上がってたところに、チャーリーがビルにデートに誘われた日にはもう「初デート!?決戦の時ね!」と燃え上がり観てるこちらも凄く楽しい。さっそくアドバイスしまくり「次のために忘れ物するのが効果的」「ビルの友達とも仲良くなった方がいい」と言う。
そこでケンドールに「ビルが喜ぶプレゼント」を訊く、ケンドールは「アイツと付き合うに値するかテストする。一番好きな『ミッション・インポッシブル』シリーズは?この質問は10秒で自動的に消滅する」と言いチャーリーはブライアン・デ・パルマの一作目『ミッション:インポッシブル』(1996)と回答して情報をGETする。このドラマ制作者の好みはわかってきたので確かに1だろうな!と納得したし楽しい。ちなみに、このシーンはドラマ冒頭の直前だった。
そしてビルの誕生日にデートをしてケンドールの助言で買ったガーディアンベルをプレゼントして現在店に住んでるビルの部屋で熱い夜を過ごす。
ケンドールは犯罪映画の優れた脚本も書いていたがハリウッドに行く勇気はなかったのでビルは愛のムチで解雇した事が語られ、また店を愛してることなどが語られてチャーリーと心が通じ合う。殺されるのを先に知ってるので色々お辛い。
強盗ジュースは「もう二度とあの店に行くこともないから」と、ビルの死体を店のサンタクロースのマネキンに入れ替えるという大胆な事をしていた。しかし実はケンドールは強盗で奪った金以外もこっそり自分のロッカーに隠していた、取りに行くには死体が警察にバレて騒ぎが拡大する前の今しかない。
そこで店に金を取りに行くケンドール、忍び込んで捜査を始めたチャーリー、そしてケンドールを怪しむ強盗ジュース……というクライマックス。

「映画大好き」が溢れ出してる『ポーカー・フェイス』で来た映画好きな登場人物が多く登場して事件の解決にも有名映画が決め手となる。またチャーリーがワンナイトとかじゃなく本気で恋愛する回も珍しい。吹き替えだと小林ゆうが吐息混じりのメスの声になってビルに甘える。視聴者としてはチャーリーは友達のような親戚のような気持ちで見てるので、女友達や親戚のいちゃつきを見てるかのような落ち着かない気持ちにさせられた。
ケンドールも声優が高木渉だし演じているサム・リチャードソンとかいうコメディアン兼俳優の「俺は面白いぜ?」といった彼の雰囲気に負けない面白さを出してました。
ケンドールは『ミッション:インポッシブル』シリーズのほか『マイアミ・バイス』(2006)などマイケル・マン作品や お好みらしいが事件解決の瞬間、店のモニターには『HEAT ヒート』(1995)のラストシーンが流れており実ににくい演出。
それにしても全体的に謎解きなどに集中させるためコメディっぽい作風で描かれてるので最後まで楽しい感じで観れるが、実際に起きてる事件はかなり哀しいものだね。

 


第8話(通算第18話)『墜ちたジョージア人』 🚙🚙🚙

原題:The Sleazy Georgian 監督:ミミ・ケイヴ 脚本:ミーガン・アムラム

詐欺師回。
孤児基金の金を銀行に渡しに来た平凡な中年女性ジー(演:メラニー・リンスキー)は時間を潰すため立ち寄ったバーでミステリアスな優男ジョー(演:ジョン・チョー)と知り合う。
午前中のバーで酒を飲むジョー、たまに誰かがジョーの元を訪れて金を手渡している。ジョーは物腰は柔らかいが明らかにカタギの者ではない。
ジーナは好奇心を抑えられなくなりジョーにあれやこれや質問する。
ジョーは100%儲かるという「ジョージア人との大金の取引」する直前だという。
ジーナは、これまでもそして死ぬまで平凡であろう自分が冒険できる唯一の機会が今だと思いジョーの取引に加わらせて欲しいと申し出る。その度にジョーは優しく「レジーナ、君は元の生活に戻るんだ」と優しく退ける。それによってレジーナの中の炎はますます燃え上がりジョーの取り引きに食い込んでいく。
しかし安全だった取り引きはジョーがジョージア人に撃たれ、レジーナはジョーの銃でジョージア人を撃ち、そしてジョーとジョージア人の金を持って逃げる――

自由気ままに旅しているチャーリーは、バーでジョーに出会う。
しかしチャーリーは人間嘘発見機能力でジョーの偽名や何もかもを見破り「ねぇ、ここには私とあんたの2人しかいないんだよ?何だってさっきからずっと嘘言ってるのさ、まぁ私にはどっちでもいいんだけどね」と言う。
ジョーはチャーリーの超能力に大喜びして仲間に紹介する。ジョーは詐欺師だった。
ジーナの時のように「バーで、標的の方から話しかけてきて、ジョーがやんわり断ってるにも関わらず標的の方からどんどん加わりたがる大金を持っている」そんな相手だけをターゲットにした詐欺「堕ちたジョージア人」。ジョーはそれを仕掛けるチームリーダーの詐欺師だったのだ。
チームには脚本家兼演技指導や色んな役割の者がおり、ロビンという配偶者がいるらしい巨漢のマニー(演:ジョエル・マーシュ・ガーランド)は凶暴な”ジョージア人”を演じる役。しかし普段からジョーに見下され酷い扱いをされていた。
やることもないし何となくジョーの詐欺チームに加わったチャーリーだったが後日、詐欺に気づいたレジーナが数日前に自殺したニュースでジョーを責める(レジーナが持ち去った金はすり替えられた偽物で、レジーナが加えた金はジョーたちに奪われた)。
しかしジョーは「強欲な者からしか奪わない」と豪語し、試しに見ていてくれとチャーリーも同席させ、どう見ても反社っぽい男に「堕ちたジョージア人」を仕掛けるが……。
本格的な詐欺回で、「どういう話なんだ?」って感じの前フリもチャーリーパートも凄く面白かったシーズン2でお気に入りの回。
それにしてもジョーは才能ある詐欺師なのか、それとも駄目な奴なのか最後までよくわからなかった。損切りできないあたり後者かな。
だが「礼儀正しく好奇心をくすぐる要素は見せるが自分からは取り引きに誘わない、何度も標的に引き返すサインを出したりNOと言ったりして、それでも突っ込んでくる標的をハメる」という手法は凄く面白かった。そこまでしても突っ込んでくるって事は詐欺確定演出だもんね。そこまで慎重なジョーが大金に目がくらんで引き返せなかったり、マニーに辛く当たるという詐欺に上手く働かない無駄な要素はジョーの弱点だが、こういった少し強引な弱点を作らないとジョーを倒せないということでもあるかもね。

 


第9話(通算第19話)『死の賃貸契約』 🚙

原題:A New Lease on Death 監督:アダムマ・エボ 脚本:ティー・ホー&ワイアット・ケイン

最胸糞マンション回。
ブルックリンマディ(演:オークワフィナ)は祖母アン(演:ローレン・トム)の豪華なマンションに同居している女性。
ある日、アンはアメリ(演:アリア・ショウカット)という女性と恋に落ち、アメリアもアンの部屋に転がり込み、アメリアと話が合わないマディは面白くない。
マディは何かと不審なアメリアを友人に調査してもらうと逮捕状がでている犯罪者だとわかった。アメリアはアンのこのマンションが目当てだったのだ。
「おばあちゃんには黙っててあげるから出ていって」とマディが優しい処置を取ったのが命取りとなり、マディは塩素ガスを発生させる組み合わせの洗剤、そして洗濯部屋の壊れた鍵を駆使して、事故を装い殺されてしまう。

数週間前、チャーリーは無線でだけ繋がっている男性グッド・バディ(声:スティーブ・ブシェミ)が使ってない部屋を使っていいよと言われ、アンと同じマンションのグッド・バディの部屋を又貸ししてもらい、しばらく住むことにした。
チャーリーはアン&マディと知り合い友達になる。
マディの死に哀しむアンを慰めるため訪れたチャーリーは、コンビニで代金を騙し取ろうとしていたアメリアがいることに驚き、調査を開始……。

ここからチャーリーは流れ者ではなくこの素敵なマンションに住む。
この回は、脇役にも関わらずオークワフィナの愉快なスターのオーラが凄い。上のチャーリーと並んでるカットも、一話限りの登場なのに「同系統の主人公同士揃い踏み」みたいな雰囲気が出てる、だからこの並んだ場面でバーンと数秒止まってたんだろうし。
しかしオークワフィナは残念ながら被害者役、せめて殺人犯役ならもっと長く見れたのに。
犯人役のアリア・ショウカットは憎たらしい役をした時の顔が憎たらしすぎる。
また顔だけでなく、優しい老婦人アンをたらしこみ、立ち去れば見逃すという善意を見せたマディ殺害という最も胸糞悪い犯人。しかもその被害者役がどの角度からも好感度しかないオークワフィナなので胸糞も数倍になる。マディの友人も脅すし。
こういう一話完結のフーダニッドのどドラマはある種ゲームみたいなノリだし、本作は更に軽快なコメディっぽい雰囲気が強いので、あんまり「この犯人の罪は……」「倫理的にどうのこうの」といったことをマジで考えたりはしないものだが、この回だけはマジで犯人への怒りが湧いた。
明るいドラマなのでアンは立ち直れるよう頑張る的なことを言って去るが、自分が老いらくの恋だと思ってた相手が実はマンション狙いで明るい孫娘が殺害された……って、アンは残りの人生これにどうやって折り合いをつけるの?と心配になった。
チャーリーが知り合った女性アレックス(演:パティ・ハリソン)も、ルカ捜査官のように他の回にも登場するレギュラーキャラとなる。

 


第10話(通算第20話)『筋肉の代償』 🚙🚙

原題:The Big Pump 監督:クレア・デュヴァル 脚本:ラフィー・カンター

スポーツジム回。『ポーカー・フェイス』〈シーズン1〉(2023)最終話で登場したチャーリーの姉エミリー役のクレア・デュヴァルが監督。内容は割とサラッとした感じの話……といったらまるで貶してるみたいだが、このドラマは個人的に全話面白いので「普通に面白い回」という意味。
前回からチャーリーが定住しているブルックリンが舞台。
スポーツジムを経営しているブリック(演:クリフ・"メソッド・マン"・スミス)は客の一人ロドニー(演:ジェイソン・リッター)に「一年間通ってるのに全く筋肉が増えない、君が常連に売っている謎の”いいもの”を僕にも売ってくれ」と言われる。
その”いいもの”とは、秘密のプロテインなどではなく出産センターで働くブリックの妻リリー(演:ナターシャ・レッジェロ)がこっそり拝借した母乳だった。
ロドニーは衛生管理官だったのでこれを通報するという、あとはお決まりの展開でブリックが投げたウェイトの当たりどころ悪くロドニー死亡。慌てたブリックはバーベル上げ中にロドニーが事故死したように見せかける。

その前日、チャーリーは前回知り合った女性アレックス(演:パティ・ハリソン)と仲良くなりブリックのジムに入会。
2人はブリックに「トレーニング中は必ず付けて管理するように」とスマートウォッチを貰う。
翌日、ロドニーの”事故死”が発覚し、それで色々あってチャーリーはいつものように嗅ぎつけ新しい友人アレックスとスマートウォッチを駆使して解決する楽しい回。
この回は事件そのものより、この新レギュラーアレックスを見せる回といった感じ。
アレックスはチャーリーが知り合った人の中で最も「本当のことしか言わない人物」という性格をしておりチャーリーはそれで信頼し、初の”回をまたいで登場する友人になる”(ルカ捜査官は事件絡みだしグッド・バディは声だけだからね)。つまりはアレックスはホームズにおけるワトソン役それができたわけですわな。僕は割と歓迎。

 


第11話(通算第21話)『イグアナの日』 🚙🚙

原題:The Day of the Iguana 監督:タイ・ウェスト 脚本:アンドリュー・ソドロスキー

暗殺者回。ここ数年、現役で今一番好きな映画監督タイ・ウェストが監督してる嬉しい回だった。知らなかったので「タイ・ウェスト監督回やん!」と嬉しかった。まぁドラマは……なおかつ一話完結ドラマは作家性出す余裕はあまりないけど。
タイトルだけ見るとわかりにくいけど、この第11話と第12話は前後編になっている。
そのため、この回だけではチャーリーが事件を解決せずクリフハンガーとなって次回へと続いてしまう。そのため一話完結にこだわるミステリーファンの一部に不満の人もいるようなので『イグアナの日・前編』『イグアナの日・後編』と同じ題にすればよかった気がしなくもない。
ニューヨーク。ある日、結婚式に出席予定の高校教師トッドが謎の暗殺者(演:ジャスティン・セロー)に殺される。男はトッドの死体を液状化し(このためにタイ・ウェストが選ばれた気がする)変装グッズで高校教師トッドに変装、結婚式に参加する。
暗殺者の標的は、結婚するカービー(演:ハーレイ・ジョエル・オスメント)。
そしてカービーは犯罪組織の元ボスで現在は保護観察中であるベアトリクス・ハスプ(演:リア・パールマン)の息子だった。
そのため色々事情があって面倒なので説明は省くが、お馴染みルカ・クラーク捜査官(演:サイモン・ヘルバーク)を初めとしたFBIが警備を固めていた。
暗殺者は依頼主に抗議するが依頼主はギャラを倍額にするからカービーを殺して誰かに罪をなすりつけろと指示する。
暗殺者はカービーを殺害、チャーリーを連れて牡蠣サービスとして居合わせたアレックス(演:パティ・ハリソン)に罪をなすりつけた。
カービー殺しが発端となりアレックスはFBIでも保護できないほど五大ファミリーに狙われてしまう、チャーリーはアレックスを連れ、この状況を唯一解決できそうなベアトリクスのもとに逃亡。
ルカ捜査官やFBIは「これは最初から全て伝説の世界最強の暗殺者イグアナによる、誰も知らないベアトリクスの居場所を割り出すための狙いなのでは?」と気づく。
そういう感じで続いてしまうが、まぁ前述の通り、前編だと思えばこれはこれで面白かった。

 


第12話(通算第22話)『旅の終わり』〈シーズン2最終話〉、とまとめ 🚙🚙

原題:The End of the Road 監督:ナターシャ・リオン 脚本:ローラ・ディーリー
シーズン2最終回。チャーリー役ナターシャ・リオンが監督。
チャーリーとアレックスはベアトリクスの家を目指す。
ルカ捜査官が電話かけてきてイグアナのことを報せる。そして逆探知でチャーリーの大凡の居場所がインディアナ州だと突き止めて追う。
途中で、前回の暗殺者が襲ってくるが怪我をしているので逃げおおせる。
しかしベアトリクスも彼女の警護をしていたFBIも殺されていた。
チャーリーはその直前、アレックスが「シナモンに重度のアレルギーがある」と第10話(通算第20話)で言っていたことからアレックスが伝説の暗殺者イグアナだと確信した。
アレックス/イグアナは大規模な暗殺を繰り返し虚無に囚われていた暗殺者だった。そこでベアトリクス暗殺の依頼にも心は動かなかったが目的を果たすための「唯一ベアトリクスに辿り着ける人間嘘発見機チャーリー・ケイル」という障壁に心が動きここまで来たという話。
それでアレックスは「嘘がわかってしまうチャーリーの逆の超能力者」「巧妙に自分でも本当に信じている嘘をつく」「ソシオパス」……などではなくオリンピック選手のように努力とフィジカルで、チャーリーにバレないよう嘘を吐いていた(それはそれで超能力者と大差ないが)。
チャーリーは最大のピンチを機転で切り抜け、最後の嘘発見チキンレースにも辛勝……したが愛車バラクーダにガタが来ていたため、苦楽を共にしたバラクーダは廃車。
ルカに見逃してもらえたが、もはやアメリカ政府と五大ファミリーという表と裏の権力に追われるという過去最大の逃亡者になってしまった。
それと、どんな権力者や教皇も殺せるイグアナにも追われるだろう。しかしイグアナは別にチャーリーを殺したいわけではなく「チャーリーに嘘を吐いてそれがバレない」とい彼女最大の快楽を味わった結果として殺したいだけなので、むしろ今後はチャーリーが誰かに殺されそうになったらその者を殺してくれるような気もする。

そういう感じでラスト2話はミステリーよりサスペンス要素多めだった。
アレックスがイグアナだということは、もうイグアナになりえる継続キャラがベアトリクスとルカ捜査官とアレックス、ついでに一度も姿が出てきてないグッド・バディくらいしか居らず、ルカかアレックスが候補だったものの、チャーリーに出来た「全く嘘を言わない」ワトソン役としてのアレックスが好きだったので彼女がイグアナだとは思わずに観ていた。確かに「アレックスがイグアナだったとは!?」と非常にピュアな驚きと喜びで観たが、劇中のチャーリー同様に「正直な友達アレックスは消えちゃった」という寂しい気持ちにもなった。しかし人生はそのようなものだし仕方がない。
実際のところ、特番のようなラスト2話は非常にハラハラ観て楽しんだものの、観終わってしまえば「普通に解決する通常回の方が面白いかも」と思った。これはシーズン1最終話でも思ったな。ホームズとかアガサ・クリスティ作品でも刑事コロンボでも『古畑任三郎』(1994-2008)のシーズン終わりも別に一大スペクタクルで終わったりしないじゃん。次からは通常回みたいな回をして……ちょっと犯人役がダニエル・クレイグだとか豪華にするだけでいいよ、と思った。
そういう感じでハマったので一回一気に観て、ブログに全話感想書こうとしてもう一周して、観るのは何回観ても楽しかったがさすがに全話の展開と感想書くのは飽きた。というかシーズン1感想の後半で「やばっ飽きた」と思った。一度動き出したので仕方なく続けたが、いつもみたいに全話通しての感想を書くだけにしとけばよかったかも。
そういえば感心したのは、チャーリーの設定や状況を数話ためして「これはもういいや」と、数話で切り上げる潔さがいいなと思った。シーズン1最初の2、3話まであった「簡単な単語をど忘れしてしまう」というチャーリーの癖は大して面白くないし只の遅延なのですぐ無くなったし、シーズン2開始で「ギャングに追われるのはシーズン1と同じだなぁ」と思ったら3話過ぎただけでベアトリクスと対決するし、その後も「自由になったチャーリー」「自由だし定住したチャーリー」「ワトソン役が出来たチャーリー」など大体3話づつ過ぎたら変化させてるのが良かった。これは飽きさせないためというより、チャーリーの可能性をためして「どれがしっくり来るかな」と試しているように見えた。結果、元の逃亡者に戻した。今度はバラクーダも失い、野良犬を拾った状態で。
ルカ捜査官はシーズン1からチャーリーの才能を信じてずっと味方してくれているので頼もしいし好きだが、彼はめっちゃチャーリーの格を上げていくので見ていて不安なものがあった最終話ではFBIやNSAのトップの前でチャーリーがFBIの誰よりも優れている!とまで言って、確かにそうだが作品内でそんなに上げられたらもう元には戻せないので困る。そういえばルカはチャーリーを何度もFBIに誘っていたし、そうなると潜入捜査官チャーリーみたいなドラマになってしまう。……それはそれで面白いかもしれないがドラマの種類が変わってしまうし一度作品内でアゲてしまうともう元の無職に戻せなくなる。だから何とかラストでシーズン1第1話以下の逃亡者になって何とか続けられるなと安心した。グッド・バディ(スティーブ・ブシェミ)は最後に出るかと思ったが出なかったね。しかしサプライズ的なものは要らないので普通の通常回を続けて欲しい。通常回が一番面白いので。
いろいろ実験してる感じも楽しかったがやはりシーズン1の方が面白い……といってもハズレ回はないほどには全部面白い(でも子供の回とオークワフィナ回はあまり好きではない方かも)。

次のライアン・ジョンソンのミステリーは12/12に『ウェイク・アップ・デッド・マン:ア・ナイブズ・アウト・ミステリー』(2025)がある。これでNetflixのナイブズ・アウトは一旦終わりらしいがライアン氏とダニエル・クレイグは「ナイブズ・アウトは一生続けたい!」と言っていた。僕もそうしてほしいと思う。
次はナターシャ・リオン企画&主演の『ロシアン・ドール  謎のタイムループ』〈シーズン1-2〉(2019-2022)でも観るか。

 

 

そんな感じでした

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ライアン・ジョンソン監督作〉
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見時はその焼畑農業っぷりを楽しんだ部分もあった⭐ - gock221B
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)/最後のジェダイのことがあって最初は怪訝な目で観てたが、めちゃくちゃ面白い!2回目は最初から全部面白い⚔️ - gock221B
『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』(2022)/前作の長所は更に伸ばし短所は長所に変え、前作より全て向上させられてた傑作ミステリー。暮れゆく今年のベストはこれかな🧅 - gock221B
『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』(2025)/「最後のジェダイ」で失敗したスクラップ&ビルドだが「ミステリーの枠を破壊」を成功させた感。複雑すぎるが - gock221B

 


 

Poker Face (TV Series 2023– ) - IMDb
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ポーカー・フェイス シーズン2 - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarksドラマ

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