
原題:Companion 監督&脚本:ドリュー・ハンコック 製作ザック・クレッガーほか 撮影:イーライ・ボーン 編集:ブレット・W・バックマン。ジョシュ・イーザー 音楽:フリシケシュ・ヒルウェイ 制作 会社:ニュー・ライン・シネマ/ボルダーライト・ピクチャーズ 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:97分 公開日:2025年1月31日(日本は2025年5月28日に配信スルー)
『バーバリアン』(2022)で一発当てて、明日公開の『ウェポンズ』(2025)で全米大ヒットして一躍有名監督になったザック・クレッガー制作のAIサスペンス。
主演は『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022)でチビッコ暴走族みたいな訳わからん役してたソフィー・サッチャー(というか今になってみればボバのドラマ自体が一体なんだったのか……)。その恋人役はどんな役にも合う一生食いっぱぐれがなさそうなメグ・ライアンの息子ジャック・クエイド。
ネタバレあり
🤖
アイリス(演:ソフィー・サッチャー)は、男性ジョシュ(演:ジャック・クエイド)と運命的な出会いをして恋人となった従順な女性。
2人は友人キャット(演:ミーガン・スリ)の金持ちの愛人が人里離れた別荘で行うホームパーティに出かける。
アイリスはキャットを愛人にしている男に乱暴されそうになり刺殺してしまう。
パニックになっているアイリスにジョシュは「眠れ」と言うとアイリスは眠る。アイリスは恋人ロボットだったのだ。
性格や知能も全てユーザーが自由に設定できてSEXもできる。
ジョシュはキャットと結託し、「人間に危害を及ぼさない」というプロテクトを除去しておいたアイリスがキャットの金持ちの愛人を殺さざるを得ない状況に追い込み、「恋人ロボットが暴走した」というシナリオで財産を奪う計画だったのだ。
ジョシュは、ロボット会社にアイリスを引き渡す前に、最後の別れの会話をしようとする、アイリスは隙を見て自分を操ることができるジョシュのスマホを盗んで逃げ出すが企みが明るみになれば困るジョシュ達は逃亡したアイリスを追う――
みたいな話。
他の女性ロボットもので例えると『エクス・マキナ』(2015)と『M3GAN/ミーガン』(2022)の中間くらいをイメージすると丁度いい。
アイリスが自分の設定を見てみるとジョシュは彼女の知能を40%に設定していたので100%に上げて何とか逃げようとする(とはいえ考えていることを全部口に出して独り言いったりしてあまり賢そうに見えない)。
自分の設定を駆使して逃げるアイリスと、愚かな行動で状況を悪化させるジョシュのコンボでどんどん人が死んでいく。
ジョシュは愚かで卑小それでいて分不相応に欲深く支配的なのに自分のことを「善人だ」と思いたがっている……という近年稀に見るムカつくキャラクター。何でもできるジャック・クエイドが嬉々として演じている。
しかしムカつくと同時にヤバい……!という危機感を覚える。ジョシュは「我々」だからだ。「我々はこれほどムカつくやつなんだなぁ……」と思う。だからムカつくし焦燥感を覚える(逆に言うとジョシュを見て自分だと思わず他人事に思うやつがいるとしたらそいつは真にジョシュレベルの人間だろう)。
ジョシュはアイリスの賢さを40%にしており、それを見たアイリスは「ジョシュったら」と笑う。100が「大学を首席で卒業したくらいの賢さ」なので、ジョシュがアイリスを「少しバカ」に設定したのがキツい。「可愛くて自分を何でも肯定してくれてSEX好きで、おまけに自分より少しバカの女」を求めるジョシュ……。まるで「お前も本当はそんな女がいいんだろう」と言われているようで厳しいものがある。
後で回収に来るロボット会社の人もジョシュの嘘丸出しの言い分を聞いて「ありゃ嘘だな。よくいる、ロボットを拷問するような客の一人だろう」と慣れた様子で、ロボット(というか女性)を自分の思い通りにしたい愚かなジョシュと、それを容認している社会を説教臭くなく描いていた。
事態はどんどんエスカレートし被害が拡大し続け(アイリスというより主にジョシュが悪化させる)、ジョシュへのムカつきとアイリスを応援する気持ちが増大する。
構図は、山で行われる追いかけっこの繰り返しだがマンネリにならないよう次々と色んな出来事が起こり、最後まで飽きさせずフレッシュで面白い。
最後にもう一人のロボットを説得したら、そいつは自殺してしまうのが「そうはしないだろ」とは思ったが、アイリス vs.ジョシュの構図に持ち込みたかったからそうしたんだろうなと思った。
また何の能力もない(というかむしろ他の人物より劣る)ジョシュがあまりにもしぶといので「ジョシュなんか幾らでも何度でも殺せるだろ……」と多少イライラするが、「自分が依存していた男の支配から自発的に抜けるにはこれくらい大変なんだ」ということを表現してるから、なかなかジョシュが倒せないんだろうなと思った。
いわゆる「AIの反乱もの」映画だが、「AI」というところに着目すると粗が見えるが(AIなのにあまり賢くないとか情がありすぎるとか)この映画は「AI映画」というよりも「女性が男の支配から脱する映画」という面の方が圧倒的に大きく、「AI」はその舞台装置に過ぎない感じがある。
ロボットのアイリスが一番人間っぽいというのもロボット映画にありがち。
なんか記事が凄く短いので、あまり面白くなさそうに見えるかもしれないが最後まで面白く観れたし主演の2人も良くて、これといった欠点もない。
ただ普通に観てれば、面白さや伝えたいことが明快すぎて特に書くことないので短いだけ。「面白くて書くこといっぱいある作品」「面白いが書くこと少ない作品」「面白くなくて文句一杯書きたい作品」「面白くなくて書くことない作品」この4つあるうちの2番目の「面白いが書くこと少ない作品」ですね。4番目の「面白くなくて書くことない作品」は感想も書かずFilmaeks送りにするのだが……面白いのにブログに搭載しないのはおかしいので無理やり書いておいた。
あまりにムカつく卑小さを持った「ジョシュ=俺たち」を見せられ胸焼けしてるのかも。
キャット役は『ポーカー・フェイス』〈シーズン1〉(2023)第2話に出てきたゴス系インド人コンビニ女性店員役の可愛いインド系女優の人で、やはり可愛かった。
そんな感じでした
Companion (2025) | Rotten Tomatoes
https://letterboxd.com/film/companion-2025/
