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『死霊館 最後の儀式』(2025)/ジェームズ・ワンじゃないので新しいものは打ち出せない代わりに今までウケてた要素全部盛りで全力で置きにいった大団円。でもまだ続くのね……


原題:The Conjuring: Last Rites 監督&製作総指揮:マイケル・チャベス 原案&製作:ジェームズ・ワン 脚本&原案&製作総指揮:デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック 脚本:イアン・ゴールドバーグ、リチャード・ナイン キャラクター創造:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ 撮影:イーライ・ボーン 編集:エリオット・グリーンバーグ、グレゴリー・プロトキン プロダクション・デザイン:ジョン・フランキッシュ 衣装デザイン:グレアム・チャーチヤード 音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ 音楽監修:イアン・ブロウチェク 製作&製作総指揮:ピーター・サフラン 製作総指揮:マイケル・クリアー。ジャドソン・スコット。ハンス・リッター 製作会社:アトミック・モンスター、ニュー・ライン・シネマ 配給:ワーナー・ブラザース 製作国:アメリカ 上映時間:135分 公開日:(日本は2025年10月17日 シリーズ:『死霊館』シリーズ第4作目。『死霊館』ユニバース第10作目

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死霊館 エンフィールド事件 (洋画 / 2016) - 動画配信 | U-NEXT
死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(洋画 / 2021) - 動画配信 | U-NEXT

ジェームズ・ワン+ピーター・サフラン製作の『死霊館』シリーズ&『死霊館』ユニバース最新作。

ジェームズ・ワンが作った『死霊館』(2013)と少し後の2作目『死霊館 エンフィールド事件』(2016)を監督した。
そして『死霊館』シリーズに出てきた呪いの〈アナベル人形〉や尼僧の姿の〈悪魔ヴァラク〉などのスピンオフなども作られ、それらもヒットしてシリーズ化してシネマティック・ユニバース化した。
「シネマティック・ユニバース」は『ジェームズ・ボンド』シリーズみたいに続いてるだけの映画シリーズじゃなくて”それぞれ独立した物語が、同じ世界の中でつながっている映画シリーズ”」。MCUが成功して、DCEUが失速してDCUが始まり、SWとモンスターバースがギリギリ維持しているアレだ。成立させるだけでも一苦労だし成立しても順風満帆なものはほぼ無い、一番成功してるのはMCUだが近年は訴求力低下だし他の映画会社なら一本の失敗だけで吹っ飛ぶくらいのダメージを負っている(ディズニーなので平気だが)そんな中で『死霊館』ユニバースはシネマティック・ユニバース化で最も成功し続けている珍しいシネマティック・ユニバースだろう。何しろ低予算で済むホラーなのでダメージが少ない(しかも、ほぼ全作、屋敷で霊障が起きてるだけ)。
今回も「13年間もいっぱい作り続けてきたからそろそろ店じまいするかぁ」って感じで最終作を作ったのにこれも大ヒットしたもんで「あ、まだいけるなら……」という感じで、若いウォーレン夫妻を主人公とした前日譚『The Conjuring: First Communion(原題)』(2027)の製作が早々に決まった。若いウォーレン夫妻だから、これがヒットすれば(多分するやろ)またしばらく続ける事ができる。
ジェームズ・ワンが監督したのは2作だけだが、彼が監督しなくても一定以上のクオリティが保たれているのもこのユニバースの特徴。最初は「すごい監督を見つけたのかな」と思っていたがワン以外の死霊館ユニバース監督の、ユニバース外の作品観たら殆ど、駄作なので「これはワンのホラー製作能力が凄いだけでは?」と思った。ワンが監督しなくてもワンとピーター・サフランが製作に入ってれば全部一定以上のクオリティがある。撮影とか音響とか美術とかが統一された「ブランドの設計図」をワンとサフランが完成させたんだろうな、と結果から逆算して推測した。
他のシネマティック・ユニバースは……特にアメコミ系は別々の単体作がクロスオーバーしたりするのが売りになったりしてたが『死霊館』ユニバースの場合、『死霊館』シリーズに出てきたバケモノで新シリーズに仕立ててるだけなので他のクロスオーバーが売りのユニバースと違って「『死霊館』ユニバースの一作か、じゃあ観てみるか」と訴求力を上げるという……つまりブランド化、そのためのシネマティック・ユニバースと言える。そんでホラーはVS構造に出来ないからね、アナベルとヴァラクがクロスオーバーしたところで一緒に主人公を襲ってくるだけで、アナベルとヴァラクが喧嘩するわけじゃないからね、してもしょうがないし。
で、僕もそんな『死霊館』ユニバース、最初はワン以外のスピンオフも楽しんでたんですが割と早い段階で飽きた。だってストーリーはほぼ全部同じ「前半、一般家庭がJホラーっぽい霊障に困って、後半で『ポルターガイスト』的にアメリカンな解決してスッキリ終わる」、あとはビックリさせるアイデアが各作品に1個か2個足されてるだけですからね。さすがに飽きましたね。もうMCUとかSWもそうだけどここまで観てしまったので義務感で観てる感じですね。
そんでジェームズ・ワンは『死霊館』ユニバースだけじゃなくて、『インシディアス』シリーズも並走して5作くらい作ってましたからね……こっちも『死霊館』ユニバース同様に最後に爽快に解決する幽霊屋敷ものだけど、こっちと違うのはホラー版リミナルスペースといえる赤い異界”The Further”が最高に好き、そして主人公エリーズおばあちゃん&霊障調査の二人組もウォーレン夫妻より好き、だから『インシディアス』シリーズの方が好きなんだけど終わっちゃった。

ネタバレあり

 

 

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✚ウォーレン夫婦ヒストリー

1964年
本作の冒頭。呪いの鏡が起こしたポルターガイスト現象を調査中の若き心霊研究家ウォーレン夫婦。妊婦だったロレインは陣痛になり調査は中断。出産されたは臍の緒で首が絞まり死産だったがロレインの祈りで蘇生した。

 

1967年
「アナベル人形事件」が発生して収束。それを知らない女性がアナベル人形を購入。『アナベル 死霊館の人形』(2014)

 

1968年母が買ってきた呪われたアナベル人形に困っていた若者たちがアナベルをウォーレン夫妻に託す。
『死霊館』(2013)冒頭
その帰宅途中、ウォーレン一家アナベルが召喚した悪霊に襲われる。ゴードン神父の祝福を受けたアナベルは呪物を保管するための遺物室に収められる
『アナベル 死霊博物館』(2019)冒頭

 

1971年
ウォーレン夫妻と技術アシスタントのドリュー・トーマスは魔女の悪霊バスシーバによる「ペロン一家のポルターガイスト現象」を解決、自宅にいたウォーレン夫婦の娘ジュディもバスシーバに操られたアナベル人形に襲われた。夫婦は霊を呼ぶオルゴールを遺物室に収める
『死霊館』(2013)

 

1972年
ウォーレン夫妻の娘ジュディと友人たち、夫婦の留守中に遺物室に保管した呪物の封印を解いてしまいアナベルを始めとした呪物に襲われるが自分たちで解決する。
『アナベル 死霊博物館』(2019)

 

1976年
悪名高い「アミティビル事件」を調査していたウォーレン夫婦。ロレインは尼僧の姿をした悪魔ヴァラクを幻視する。
『死霊館 エンフィールド事件』(2016)冒頭

 

1977年
ウォーレン夫婦はエンフィールドのホジソン家に起きたポルターガイスト現象「エンフィールド事件」を調査。亡霊を操っていた悪魔ヴァラクを退治して解決。エドが描いた「悪魔ヴァラクの絵画」と「へそ曲がり男の回転のぞき絵」を遺物室に保管した。
『死霊館 エンフィールド事件』(2016)

 

1981年
悪魔憑きのデヴィッド少年の悪魔が青年に入り殺人を犯す。事情を知っているウォーレン夫婦は青年の無罪を証明しようと奔走し「悪魔が私に殺させた事件」を解決。青年は5年の有罪判決になったが死刑は免れた。呪いをかけたオカルティストの杯を遺物室に保管した。
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)

 

1986年
本作。ペンシルベニア州のスマール家呪いの鏡にまつわるポルターガイスト現象が発生。それは1964年にウォーレン夫婦が逃走し娘を殺しかけた、あの鏡の悪魔だった。ウォーレン夫妻と娘ジュディ婚約者トニーは鏡の悪魔と最後の闘いに挑む。

年表を作ってみた。
本作を観るにあたって大して意味はない、ただ年表を作るのが楽しいから作っただけで別に読まなくてもいい。

赤字を読めばわかるように、22年前、心霊研究家のロレイン・ウォーレン(演:ヴェラ・ファーミガ)とエド・ウォーレン(演:パトリック・ウィルソン)は獲物を次々と首を吊らせて殺害した特級呪物〈悪魔の鏡〉を祓いに行ったが、ロレインは恐怖したし陣痛が始まったので退却を余儀なくされた。そして出産した娘は臍の緒が首に巻き付き死産……むろん鏡の悪魔の仕業だ。しかしロレインの祈りで娘は息を吹き返した。……だが鏡の悪魔祓いを依頼してきた女性がどうなったのか描いてないからその後が心配だ(悪魔の目的はロレインと娘みたいなので持ち主は無事ってことにしておこう)。

そして現代、1981年、エドの心臓が良くないこともあってか夫婦は現場での悪魔祓いから半引退状態だった。
ジュディ・ウォーレン(演:ミア・トムリンソン)は『死霊館』(2013)『アナベル 死霊博物館』(2019)でアナベル人形に狙われた事もあったが大人へと成長し、元警官トニー・スペラ(演:ベン・ハーディ)と婚約した。

ペンシルべニアのスマール家が、例の悪魔の鏡を購入してしまいポルターガイスト現象が多発。経済的理由で引っ越しも出来ないスマール家はTVに出て救ってくれる者を探す。過去4作に出ていたウォーレン夫婦の知り合いゴードン神父(演:スティーヴ・コールター)は、もう悪魔祓いをしたくない夫婦の代わりにスマール家に出向くが悪魔に返り討ちに遭い首吊り自殺に追い込まれる。貴重な神父が!
鏡の悪魔が従える三人の悪霊の幻視をしていたジュディは、ゴードン神父の棺に触りサイコメトラー能力で悪魔のことを知りスマール家を助けに赴く、これでウォーレン夫婦と婚約者トニーも鏡の悪魔との対決せざるを得なくなり、一行の最後の闘いが始まる。

……と、そういう流れ。

前作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)は、最初の『死霊館』(2013)『死霊館 エンフィールド事件』(2016)などの定番展開から少し外してきて「悪魔憑きの裁判、どうなるんだろう」と期待してたがアナベルや死霊館のシスターなどスピンオフのシリーズみたいなションボリした内容だったので、ただでさえ飽きてた『死霊館』ユニバースに対して「とうとうナンバリングもつまんなくなったな」と、かなり興味がゼロになって更に本作はつまんなかった前作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)と監督が同じだし尚更、興味無かったのだが「ここまで全部観て、これで完結だから観とくか」と思って観た感じ。そのようにハードルがぐんと下がってたせいか本作は結構良かった。
監督は本流から大きく変えて失敗した前作のチャベス監督だが「これで完結だから絶対に外せない」と制作サイドが思ったのか再び『死霊館』(2013)『死霊館 エンフィールド事件』(2016)と全く同じ構成になっていた。
つまり、前半で被害家庭が霊障に遭いまくって怖い怖い困る困るって描写を見せて、ウォーレン夫婦が悪魔祓いにやってきて、夫婦と一家が一丸となって悪魔に挑んで解決!爽やかなラストを決める、という今までウケてきた通りの流れを踏襲する。
そして一家にやってきた夫婦はただ悪魔祓いするだけでなく、エドがパンケーキ焼いたりロレインやジュディやトニーが被害家庭に寄り添い、共に乗り越える人情的なHOT悪魔祓いする。この要素は確かに『死霊館 エンフィールド事件』(2016)で「なんか……いい雰囲気だな」と確かに良かったもんね。
心臓が悪いエドが悪魔祓いで奮闘して「エドが死んじゃう!」と心配させるのも過去作であったよね。
そして中盤のウォーレン夫婦の誕生日会とかラストの結婚式で、今まで助けた家族たち……『死霊館』(2013)の母娘とかオッサン、『死霊館 エンフィールド事件』(2016)の母娘、『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)で最初に悪魔に憑かれてた少年なども駆けつけ、ついでにジェームズ・ワン、ピーター・サフランの妻なども駆けつけ、当に「死霊館の大団円」って感じだった。
要するに「ジェームズ・ワンは監督しないから新しいものは打ち出せないけど、その代わり今までウケてた要素を全部盛り+αして全力で置きにいった!」それが本作。
それと今までウケてた要素として「1シーンは、今までにない怖いシーン入れる」ってのもあったけど、さすがに10作(『インシディアス』シリーズも足すと15作)も作ってきただけあって「ほう、これは新しい」ってシーンはあんまり無かった。
強いて言うならスマール家で奮闘してたジュディが、トラウマになっているアナベル人形の幻を見せられ、追いかけてきたアナベルの顔がめちゃくちゃデカくなりグーン!とこちらにむかってデカくなった顔が大写しになるシーンはめちゃくちゃ良かった。
「こんなにデカくなるとは」という驚きで観てる僕も思わず「うお。」とか言った。
そーいう感じで特に新しいものはなかったが、ここ8年間くらいの間、思ってた「もう飽きたな~」って感じのガッカリ感はなかった。
「とにかく、予想以外のものは出せないが今まで喜んでくれてたやつもっかい全部やるから!」という決死の保守的サービスにほだされた感じ。それは劇中でウォーレン一家が被害者家族にしてたハートウォーミングなサービスとも被るし、良かったかも、と思えた。

それにしても「ウォーレン夫婦」「ジュディとトニー夫婦」「”遺物室”と”アナベル人形”」「ペロン一家」「アミティヴィル事件」「ホジソン家」「”悪魔が私に殺させた事件”」「スマール一家」などは”真実”かどうかは置いておいて全部実在のものなわけで。
そんなウォーレン一家が4回も命がけで悪魔と対決して(奇しくもアベンジャーズと同じくらい戦っとる)しかもスタッフロールで「本物の彼らはこの人です」と実際の写真を見せてくるのは……本当に奇妙な気持ちになる。
プロスポーツ選手や政治家の実話映画と同じノリで見せてくるもんね。
”悪魔や悪霊の実在”はさておき登場人物や悪魔祓いの殆どは実在した!と写真を見せてきながら、劇中の悪魔との死闘とかゴードン神父の自殺など劇中の描写は毎回フィクション100%なので、凄く不思議な気持ちになる。わかる?言いたいこと。
ジェームズ・ワンも毎回ウォーレン夫婦を「本当に素晴らしい人達!」と描いてるし結婚式のシーンに本物のジュディとトニーも居るらしいしリスペクトしまくってる。
でも観てるこっちはウォーレン一家のこと知らないわけで「なんか被害者に寄り添った良い人たちだった」っぽい事は伝わるが、彼らのことを一体「どこまで」「どのように」思ったらいいのか不可思議な気持ちになる。
今までもそうだったが今回は更に「本物のウォーレン一家」を押し出してくるもんで、なんか「この気持ち」が無視できなくなってきた。
「この気持ち」というのは別に「幽霊や悪魔なんていないのに!」などと言いたいわけじゃなくて「どう思えばいいんだろう」っていう感じ。わかる?まぁ悪い人じゃなくて善人っぽいから別にいいんだけどさ。

これで「今度こそ終わり」だと思ってたら本作もまた大ヒットして若いウォーレン夫妻を主人公とした前日譚『The Conjuring: First Communion(原題)』(2027)が作られるというね。また観なきゃいけないじゃん……本作冒頭で「若いウォーレン夫婦」を演じてた俳優がやるのかな?そういえば過去作でロレインが「学生の頃にエドと家出した」って言ってたからティーンエイジャーからやり直すのかな?よくわかんないけど薄い期待をしておくか。
まぁヴェラ・ファーミガとかパトリック・ウィルソンが演じるウォーレン夫婦の出番は終わりだよね?お疲れ様でした(二人を遺物室に収納する映像で暗転)。

 

 

そんな感じでした

〈『死霊館』ユニバース〉

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『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ - gock221B

『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では割と凡作 - gock221B

『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感 - gock221B

『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023)/本家の死霊館やインシディアスは完全に味しなくなったけど、これはまだ少しいけるかも✚ - gock221B

 

〈マイケル・チャベス監督作〉
『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)/良作だが、もう何十回も繰り返さし観せられたテンプレにさすがに飽きてきた - gock221B

 


 

The Conjuring: Last Rites (2025) - IMDb
The Conjuring: Last Rites | Rotten Tomatoes
The Conjuring: Last Rites (2025) • Letterboxd
死霊館 最後の儀式 | Filmarks映画

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