
原題:A Good Girl's Guide to Murder〈Season.2〉 脚本&企画&製作総指揮:ポピー・コーガン 原作&製作総指揮:ホリー・ジャクソン『優等生は探偵に向かない』(2020)をメインに、一瞬だけ『受験生は謎解きに向かない』(2021) 監督&製作総指揮:アシム・アッバシ(第1、6話)、ジル・ロバートソン(第2~5話) 製作国:イギリス 制作&配信:BBC(イギリス以外はNetflix配信) 配信時間:約50分、全6話 配信開始日:2026年5月27日
楽しみにしているケイン・パーソンズの『Backrooms(原題)』(2026)が、公開からわずか一日で制作費を回収したらしい。しかし、なぜか日本でのみ公開が未だ決まらず、同じく楽しみにしていたスピルバーグの『ディスクロージャー・デイ』(2026)も日本だけ4ヶ月遅れの公開……。本国の映像ソフトが出る方が早そうな、この「終わっている」日本の洋画界を憂わずにはいられません。それとも、もはや日本語字幕をつけてくれること自体をありがたがるフェイズに入ったのか?
さて、本作はホリー・ジャクソンの人気青春ミステリー小説『自由研究には向かない殺人』三部作(2019-2021)の2作目、『優等生は探偵に向かない』(2020)を原作にしたシーズン2です。今回は原作者のホリー自身も制作に名を連ねているとのこと。
シーズン1は『ウェンズデー』(2022) でブレイクした今世界で一番素敵なエマ・マイヤーズが出演してるので観たら面白かった。原作にも興味を持って購入したものの、今はまだ『三体』シリーズを読んでいる最中で、本作はまだ未読。
今回はネタバレ(あんまり)なし
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シーズン1のStory
イングランド南東部バッキンガムシャーの小さな町リトル・キルト。
推理好きの17歳の女子校生ピッパ・フィッツ=アモビ、通称ピップ(演:エマ・マイヤーズ)。
前回、「アンディ・ベル事件」を、濡れ衣を着せられて自殺したサルの無実を、サルの弟ラヴィ(演:ゼイン・イクバル)と共に捜査し、愛犬を始めとした犠牲も出しつつも真犯人を見つけ、サルの無念を晴らした。今回のStory
「アンディ・ベル事件」を解決して小さな町リトル・キルトの有名人となったピップ(演:エマ・マイヤーズ)。
しかし、まだ完全に解決したわけではない。
殺人こそしていないが諸悪の根源である御曹司マックス(演:ヘンリー・アシュトン)の裁判がある。町のためにもマックスを絶対に有罪にしたいピップ。
そんなある日、友達のコナー(演:ジュード・モーガン=コリー)の兄ジェイミー(演:イーデン・H・デイヴィーズ)が失踪してしまう。――
前回の事件を解決したプロセスをポッドキャスト「A Good Girl's Guide to Murder」を配信し、リトル・キルトの名物女子高生になったピップ。
しかし、愛犬を失うなどの不幸が重なったことで、「私が捜査に夢中になると周囲が見えなくなり、皆を不幸にしてしまう……」と、まるでスーパーヒーローやロボットアニメ主人公のような苦悩を抱えることになる。
仲良しグループでのマダミス(マーダーミステリー)に参加した際も「捜査はもう控えないと……」と暗い顔をしていたはずが、カットが変わると「犯人は◯◯〜っ!」と一瞬で推理に夢中になる。この切り替えの楽しさこそピップ。
ちなみに、この「キル・ジョイ」というマダミスをプレイするシーン。
ここは原作の番外編(前日譚)にあたる短編『受験生は謎解きに向かない』(2021)から持ってきたものと思われる。本来は第1作より前の時系列ですが、「成長していく出演者たちで後から中学生時代の前日譚を作るのは無理だから、時系列を“現在”にアレンジしてシーズン2とか3に入れたら?」と前から思ってたので、まさに我が意を得たり。
本作、まず結論から言うと、シーズン1より1.5倍くらい面白かった。
クリフハンガーの引きも先を観たくなったし、思春期の若者らしい瑞々しい悩みも魅力的。ミステリー部分も見応えあった(全く別の事件が第5話で突然、中心になる構成は少しズルい気もしたが面白かったのでオールOK)。
第1話こそ「主人公以外の登場人物をあまりにも覚えておらず」困惑したものの、第2話以降は一気にノンストップで観終えました。文句なしに面白い。
面白いが……とにかく登場人物の顔と名前がわかりにくすぎる。
洋画あんまり観ない人がよく、そう言うじゃん。俺はそんな事全然ないわけ。興味あるから。だけど、その俺でもめちゃくちゃわかりにくかった!
でも本編は面白かった。ということで毎話で一時停止して登場人物を調べる羽目になった。
ミステリだからネタバレ感想はあまりしたくない。そこで「サブキャラの覚えにくさ」について……どうしても、これだけは書いておきたい。
・登場人物が覚えにくすぎる
まず主人公ピップ、彼氏のラヴィ、ピップの両親、教師、この辺は他と被ってないので分かりやすい。
第1話、シーズン1で突き止めた「昏睡レイプしまくっていた金持ちの息子マックス」というムカつきすぎるこいつ、普通、シーズン1で突き止めたからもう収監されてると思うじゃん。まだ裁判で有罪にしなきゃいけない。マックスは金で力のある弁護士を雇い無罪に持っていこうとする。当然、マックスは反省などしておらずピップを煽り散らかす。こいつはキャラが立ちまくってるので当然覚えやすい。どうやらシリーズ通しての敵みたいだしね。
本作って、てっきりホームズとかアガサ・クリスティなどの一話完結ミステリーみたいに毎回新しい事件を解決していくのかと思ってたら(古いミステリドラマのイメージ)、これ、全然違うんですね。青春ドラマみたいにずっと続いていく。前の事件を引きずり前の事件の捕まらない犯人がいたり、捕まった殺人者や犠牲者が苦しんでいる現在も見せ、前の事件が解決しきらないうちに次の事件も重なって起こる……まるで現実のように。
だから登場人物も、昔のミステリードラマみたいに「レギュラーキャラが4人くらいいるだけ」じゃなくて、町に住んでる脇役がずっと出てくる。
それが新鮮だった。だがずっと出てくるので覚える必要がある。
今回の第1話は、マダミスやってメインキャラやサブキャラを再度お披露目したり前回の事件の余波だったりマックスの裁判の状況などを見せていく。
……のだが、ピップと彼氏のラヴィ以外のキャラの顔も名前も全部すっかり忘れており、第1話があまりにもわからないので一時停止してAIにシーズン1を要約してもらい、また英語Wikipediaやimdbでキャラの名前や顔などを「復習」し直した。
マジで全くわかんなかったから。そして捕まえたと思ってた胸糞悪いマックスが全然捕まってないこともあり非常に居心地の悪い第1話だった。事件が本格的に始まる第2話からはノンストップで面白いが第1話はかなり不安になった。
シーズン1ではエマ・マイヤーズ目当てで観てたのと、エマ・マイヤーズ以外のサブキャラがあまりに薄かった。
そして前述のように「ミステリードラマだから探偵役のピップと助手役のラヴィ知ってればいいだろ、どうせ他の奴あんま出てこないだろ」と甘く見積もっていた。
ところが出てこないどころかめちゃくちゃ脇役が何度も何度も出てくる……ひどい時は会話の中で「シーズン1で名前だけ出たやつが名前だけでまた出てきた」りして本当にわからん。
それで認識を変えて「ああ、この三部作は完結編まで一つの話みたいに観なきゃダメなんだな」とわかった。完結編を映像化すると思われるシーズン3でも色んな脇役が平気で突然出てくるのだろう(ひどい時は名前だけとかで)。
「復習」することでわかってきたが、そうやって「復習」してても「えっ!◯◯って誰だ?」とわからん奴がマジで毎回出てくる。
まず「ピップの仲良しグループ」。
まず「ラヴィ」はピップの彼氏だし中東系の男子も彼だけなので覚えやすい。
男子の「コナー」、今回は失踪したコナーの兄「ジェイミー」探しがメインの事件なのでコナーは何度も出てくる。男友達もコナーだけなのでコナーもバッチリ(シーズン1で、もう一人男友達いた気がするが……まぁ出てこないから消えたのか)。
コナーの兄ジェイミーも坊主頭は彼だけなのでこちらも大丈夫。ついでにコナーとジェイミーのママは何故かリーゼントみたいな髪型してるから覚えた。
親友のカーラは中東っぽい顔立ち。だが彼女と似た顔立ちの姉「ナオミ」がいる。「ナオミ」は「ジェイミー捜索隊」の時に出てきた。今回ここでだけでてくるので姉の存在忘れてて、カーラと混同して観ていた。「ピップとカーラは喧嘩してたのに仲良く捜索してるな……」とか思いつつ「何か変だ」と思い調べたら全然違った。
また仲良しグループに「ローレン」というチャラい女生徒がいる、憎いマックスの従兄弟と付き合う。ドラマだったらくどいくらい「ちょっとローレン!」と名前を連呼して印象づけようとしがちだが本作は「リアルな感じ」を重視しているのか、あまり名前を呼ばない。だから僕はこの「ローレン」をかなり長い間「ナオミ」だと思いこんでいた。
第5話くらいで意気消沈したピップに仲間たちが電話をかけてくる。ピップのスマホに「コナー」と表示されるので「あ、コナーから電話だ」と思う。だが次に「ローレン」と表示されたので「ろ、ローレンって誰だ!?」と思った。そこで一時停止して調べていくうちに「ああ、俺がずっと”ナオミ”だと思ってた女子は”ローレン”だったのか……」とやっとわかり脳内の人名辞典を修正した。
これってさ「ローレン」という名前があまりにも印象付けられてないからじゃないか?
あとイングランドが舞台のせいか、白人ばっかり、また英国は男子のファッションが皆似通っている。そのため中盤「ナットの兄で警官の痩身短髪白人青年ダン」「警備員の痩身短髪白人青年スタンリー」「ナットの恋人で痩身短髪白人チンピラ青年」という、凄くルックスも似てるし「ナット関係者」「服装が似てる(警官と警備員)」など微妙に役割まで被ってる青年三人が出てきて混乱した。
ここでまた一時停止して顔と名前と役割を調べて認識できた。よく見たら顔も全然違うのだがメインキャラじゃないので「痩身短髪白人青年」というざっくりした見た目が似てるので混同してしまう。わかるだろ?
シーズン1でも「悪いパパ」が2人くらい出てきたり「ドラッグしてて髪の長いいけない女生徒」が2、3人くらい出てきたし……とにかく被るキャラが妙に多い。
あと、ピップのを励ましてくれる隣人「チャーリー」。
彼は「眼鏡をかけた黒髪の青年」という他にいないキャラなので覚えやすかった。特に眼鏡かけてるキャラは彼だけだしバッチリだ。
だが、最終話で再登場した時に眼鏡を外していたので誰だかわからなかった!
恐らく「仮面を外して本当の素顔を見せる」というメタ的な演出のために眼鏡を外していたのだろうが、「眼鏡」はチャーリーをチャーリーたらしめる大事な記号なので……それを外すなよ!とはいえ「このチャーリーって隣人の人……だよな?」とボンヤリわかりつつ確証を持てないでいる。そこでまた一時停止して作品のタイトルと「チャーリー」で検索する。すると、このシリーズにはチャーリーが二人いる!どっちかわからん!仕方ないのでimdbで顔写真と見比べて2人のチャーリーを見比べてどっちがどっちかやっとわかった。「チャーリー」を2人だすなよ!どっちか変えろ。
……と、こういった感じでサブキャラを非常に覚えにくい。だがシャーロック・ホームズのように一話完結ならば「なんか……魚屋のオッサンね」みたいにざっくり覚えるだけで済むのだが、前述したように本作はちょっとした脇役が完結編まで何度も出てくる雰囲気なのだ。もちろんボンヤリ雰囲気で「ピップ落ち込んでる」「犯人捕まえた!」などと大体の概要だけ観てても楽しいのだが、今後も楽しみたいしこうやって感想を書く以上しっかり認識したくなったので、そうなるとサブキャラの異常な覚えにくさに躓いた。
これらの分かりにくさは原作者ホリー・ジャクソンが制作に入ってるの悪影響かも。
その前に、作品に愛のある原作者が入ってるのでストーリーやキャラがイキイキしてるので基本的には良いことだとまずは褒めたい。でも今話したいのは「脇役の覚えにくさ」についてだ。
なにしろホリー・ジャクソンは、書いた本人なので当然全キャラを把握しており「分かりにくい」とあまり思っていない気がする。
それにドラマや映画の制作者が本業ではない、あくまでも作家だ。
だからドラマや映画では大事な「外見上の特徴を大げさにしたり人種を変えたりしてわかりやすくする」「しつこいくらい名前を呼んで覚えさせる」「被ってる似たキャラは一人に統合する」などをしていない、だからこその分かりにくさなのではないか?
それに小説であれば……たとえばAという人物が出てきたとする、すると小説ならばちょっとしたAの紹介が挿入されたりする。
「教室にAが遅れて入ってきた――Aは中学校でも超怖いB先生の授業にも遅れて入ってきた、あの時のAの顔ったら!――あの時はあんなに怒られたのにAは未だに堂々とした遅れっぷりで登校している。」……といった感じで。これによって印象付けられる。だがドラマなのでこんなプチエピソードはない(こういうのを挿入するドラマもあるが本作にはない)。だから代わりに脇役を覚えやすくする工夫が必要なのだ。
しかし、この覚えにくさも「わざと」そうしてる部分もあるのか。たとえば本当は「事件の中心人物」である人物も、真相がわかるまでは「脇役の一人」として存在感を消しておかなければならない。だからこそ「妙に普通っぽい名前」「他のキャラと被ってるルックスや役割」なのかもしれない。
そしてさっき何度も言ったがミステリードラマの脇役って一回限りの登場が多いので、厳密に覚えておく必要はない。本作の場合、脇役が何度も出てくる。しかも後で重要な奴だったりするので、シーズン3を踏まえると覚えておく必要があったわけ。
まぁこんな事を書いてるうちに完全に覚えたけど。こんなブログを書いてないと「スタンリー」だの「チャーリー」だの100%忘れてるよね、今頃。
「キャラの分かりにくさ」についてあまりに長くなったが、凄く面白かったのは確かです。
完結編のシーズン3も楽しみだ。期間が空くとキャストが成長しちゃうからすぐやって欲しい。
そんな感じでした
A Good Girl's Guide to Murder (TV Series 2024– ) - IMDb
A Good Girl's Guide to Murder | Rotten Tomatoes
自由研究には向かない殺人 シーズン2 | Filmarksドラマ
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