gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『リベンジ・スワップ』(2022)/Netflix映画なのに終盤で二転三転して面白くてしっかりしたテーマが提示される珍しいNetflix青春ガールズ学園映画👩🏻👱🏼‍♀️


原題:Do Revenge 監督&脚本&制作:ジェニファー・ケイティン・ロビンソン 脚本:セレスト・バラード 配信:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:118分

 

 

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』〈シーズン3〉(2019)『ストレンジャー・シングス 未知の世界』〈シーズン4〉(2022) で僕も大好きなお気に入りのキャラ、ロビン役をしてたユマ・サーマンイーサン・ホークの娘マヤ・ホークが出てるという理由だけで観た。
Netflixオリジナル作品は「30本観て良いのがあるかないか」ってくらい打率が低いので、もうどうしても観たいものがない限り解約してる。
Netflixオリジナル作品のつまらなさの特徴は「予告編や映画の第一印象は良い。なんなら前半は普通に斬新で面白い」という感じで良い印象なんだが、後半になると凄くありきたりな展開になり、どうでもいい結末で終わり印象から消える(映画やドラマは途中がつまらなくても最後が良ければ名作として思い出に残るので最後で全て決まる。僕はね?)。Netflixオリジナル作品といえば「潤沢な制作費を出してくれるし監督の好きなように撮らせてくれる」というイメージがある。だから「予告編や映画の前半は斬新で面白い」という印象なんだろう。しかし後半から結末にかけてはクソどうでもいい展開になる事が異常に多い!作家に自由に作らせてるはずなのに何で最後そうなるのか?これは謎に包まれてるのでわかんないけど巨匠デヴィッド・クローネンバーグ……だったかな?とにかくベテラン監督の誰かが「Netflixの奴らは、一見先鋭的に見えるが作品作りにおいて異常に保守的で冒険を嫌がる」と言ってた証言が印象に残った。Netflix作品がつまらないものが多い理由の全貌は謎のままだが、金かけて自由に作らせるけど無難で保守的な感じでまとめさせたがるという事はわかった。まぁNetflixはもうどうでもいいです……。
で、そんな感じだから作品自体には期待せず、お気に入りのマヤ・ホークが頑張ってる所を観ようという気持ちで観たんだけど、Netflix作品なのに最後まで……いやむしろ最後になるにつれて面白かったのが意外でした。Netflix作品はブログに書くの面倒なんで全部Filmarks行きでちょろっと感想書いて終わりだったけどコレは良かったです。

この女性の監督知らんなぁと思ったら同じくNetflixの青春映画撮ってた……のはわかるけど「『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)の原案」という謎のクレジットがあった。タイカ・ワイティティの友達なのかな?
ネタバレあり

 

 

 

 

上流階級学園のクイーンだったドレア(カミラ・メンデス)は、彼氏の学園のキングマックスにエッチな動画を学園じゅうにばら撒かれてカースト最上位から転落してしまう。
一方、白人女子の転校生エレノア(マヤ・ホーク)、彼女はレズビアンである事を好きな女子に告白したらフラれたあげくアウティング(カミングアウトしたら暴露される事)されてしまった。
共に学園での社会生命を殺されてしまった二人の女子は、校長サラ・ミシェル・ゲラー)にバレて処分を喰らわないように、互いが復讐したい相手を交換する事にした――

という青春コメディ学園もの。
主人公ドレア(カミラ・メンデス)は、そこそこ金持ちとはいえラテン系女生徒ながら学園のキングのマックスと付き合って学園最上位まで上り詰め雑誌の「今年の100人」にも選ばれた。……何で只の女生徒が今年の100人に選ばれるんだ?wという疑問はあったら「きっとエコとかポリコレ活動してるインフルエンサーで影響力ある子なんだろう」と脳内補完した。この俳優は爽やか青春コミック『アーチー』をダークにしたNetflixドラマ『リヴァーデイル』で有名になったみたいだけどそっちは最初の数話で観るのやめてしまったのでよく知らない。

もう一人の主人公エレノア(マヤ・ホーク)。そこそこ金持ちの金髪白人だが(というか本作には金持ちしか出てこない)爬虫類が好きな目立たないレズビアンいわゆる陰キャに属していた。エレノアは、学園カーストで一気に落ちてきたドレアと手を組み互いの憎い生徒たちに復讐する(それにしてもレズビアン役じゃないマヤホークって未だ見たことない)。

……というあらすじを知って「なんかよくある学園コメディだな。Netflixだしきっとゆるい出来だろうけどマヤ・ホークだけチェックしとくか」と激低いハードル地点から観始めたら思いのほか面白かった。
主人公ドレアは非白人であるという要素を除けば、ルックスも強めで性格も終盤まで意地悪なまま進む。これがおっ……!と期待が高まった。普通の学園コメディで、こういう堕とされた学園クイーンならば序盤の堕ちた時点で反省し、観てる人が応援できるよう良い子に生まれ変わって話が進むのだがドレアはカーストが落ちて復讐のため、普段なら仲良くならないであろうエレノアと協力し、意地悪な性格のまま進む。
共闘してるエレノアと暗躍したり二人ではしゃいだり慰め合ったりする、しかし「仲良くなったが、それはあくまで復讐のためのもの」という事が終盤まで一貫してる。ここが「どうなるんだろう?」と先が読めず面白いところだった。
そしてまず最初にエレノアを貶めた女子への復讐がさらっと完了。次はドレアのエロ動画をばら撒いた学園キングのマックスだ。
ドレアによってミステリアスな美少女に変身させられたエレノアが、マックス達の上級生徒のグループ入りする。そしてマックスのスマホをハッキングして彼の弱みを白日のもとに晒して貶めてやろうというわけだ。
マックスは、ただでさえ学園NO1の人気者なのに、ドレアを貶めた後に「誰が僕のスマホを乗っ取ったのか知らんがドレアみたいな悲劇を繰り返したらいかん」と皆の前で言ったり「ヘテロ男性による女性を護る会」みたいな会を作ったりするポリコレシールドを張り巡らし誰も手出しができないしぶとい相手。
まずはエレノアがハッキングしてマックスが学園の女生徒の半分とSEXしてる事を皆に暴露。しかしマックスは「旧態依然とした恋愛を打ち破りたい。誰でも決められたパートナー以外と寝てもいいはずだ」という路線を打ち出す。これによってマックスが好きだが相手にされてなかったモテない女生徒たちも「じゃ私もマックスとヤレるかも!?」と色めき立ってしまった。ドレアは「女性が彼氏に送ったエッチな動画」一発で地位が落ちたのに「男が、恋人ではない不特定多数の女とやりまくってる動画」では男の地位を落とす事ができない……という男女格差がつまびらかになる。

 

ドレアはアーティスト志望の自由な青年、エレノアはマックスの妹(タリア・ライダー)と、それぞれ新しい恋の相手もできる(この男女どちらも最高)。
そしてドレアはマックスへの復讐を諦めず、エレノアにマックスの弱みを探させる。
ここから徐々に展開が二転三転してくる。
このドレアとエレノアその他の子たちの二転三転する状況。これが面白かった。
これはただただ、どんでん返しを繰り返してるだけじゃなく「天使だった少女が次の瞬間には悪魔になってとんでもなく酷い事もできてしまう」という感情に支配された思春期の揺れ動きを上手く表現していた。
それでいてポジティブな結末に辿り着く。校長役のサラ・ミシェル・ゲラーがわかりやすいように一言で改めて教えてくれるし(久しぶりに見たサラ・ミシェル・ゲラーは割と年齢が近いので「自分が若い時に、同じく女生徒役してたのに校長役してるとは……」と自分の加齢を感じた)。
最初に言ったようにNetflix作品なのに、こんなに後半に変化があって盛り上がってちゃんとしたテーマを提示して終わるのは珍しいので余計におっ!と感心した。
色んな生徒もただやっつけられるだけの意地悪な生徒ではなく多面的な表情を見せたり、見せる時間がなくても裏に違う面があるんだろうなという事を感じさせるのもよくある学園ものと違って誠実さを感じた(一番悪いマックスでさえエンドロールで、前向きな変化を見せる)。
ドレアや他のカースト上位のイケてる生徒達は皆「注目を集めてトップの人気者でい続ける。そのまま有名大学に行ってアメリカ社会の頂点に居続ける」という事のために仮面を被っている。そして、その事に心底疲弊している(悪役であるマックスでさえそれに疲れているのが面白い)。カースト上位のイケてる生徒達は、自分がそうしたいよりも周囲の目や同調圧力によってイケてる生徒を演じているだけだと提示される。
そこに変化をもたらすのが変わり者だったエレノアであったり、ドレアが知り合った性格の良いアーティスト希望のバイク好き褐色男子生徒だったりする(こいつ同じ男の俺から見てもイケすぎてるだろ……)。

まぁ二言でざっくり言うと「他人ではなく自分の生きたいように生きよう」そして「いま自分が生きてる、こう有りたかった自分は本当に自分がなりたい自分か?」という自分への疑問?それを見せる話だったようだ。結論が一言ではなく二言必要なのは「思春期の君の判断力……それ合ってるか?」という強力な問いのためだろう。事実、意思が強そうなドレアも終わり間際まで自分の心のうちに気づいてなかった。

全然関係ないけど未だにアメリカの若(わか)の間ではスナップチャットが使われてるんだな。ドレアがマックスとチャットしてエロ動画を送ってしまったのもこのスナップチャット。一言で言うと……色んな状況に応じたユーザーのアバターが描かれた膨大なスタンプとかGif動画とかで会話するLINEというか……他のユーザーが土地の色んなポイントに画像や動画をポイントできて楽しい。僕は若(わか)ではない老(ろう)だがスナップチャット毎日してる(gock5945)。全員LINEとかやめてスナチャすればいいのに……何でしないんやと思ってます。

 

 

 

 

そんな感じでした

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リベンジ・スワップ | Netflix 公式サイト
Do Revenge (2022) - IMDb

youtu.be

『イカゲーム』〈シーズン1〉全9話 (2021)/デスゲームで思いつく展開全部盛りしすぎて少しクドいが実際面白くてジーンともした。お母さんや友達を大切に……🦑


原題:오징어 게임 監督&脚本&原作&演出:ファン・ドンヒョク 美術監督:チェ・ギョンソン 配信サービス:Netflix 配信時間:32~63分、全9話 英題:Squid Game〈Season.1〉

 

 

ちょうど一年前、全世界的に死ぬほど最も超絶ヒットしたNetflixの韓国ドラマ。デスゲーム系の。「おもろいおもろい!」と欧米で大ヒット、日本でもヒットしたが一部の韓国嫌いのおじ達が「『カイジ』のパクリやん!」と反発する声も多かった。
ファン監督は、『カイジ』や漫画版『バトルロワイヤル』を始めとする日本のデスゲーム系漫画の影響で本作を書いたそうなので『カイジ』っぽいのは当然か。本当にかなり『カイジ』っぽい。だが読書と違い時間がどんどん進んでしまう映像だからか限定ジャンケンやEカードのような頭を使う競技はない、鉄骨渡りや限定ジャンケン終盤のいがみ合いなどの盤外戦の暴力をメインにした感じ。映画と漫画を比べる必要はないのだが敢えて比べるなら、さすがに『カイジ』の原作漫画の方が好きだ(邦画の方は観てない)。こういうデスゲームものは大抵似た構成(下級市民が上級市民に集められて命懸けのゲームさせられる)になるので特にパクリだどうだと言う気はない。各種ホラー映画やヒーロー映画に似た構成が多いのと同様「デスゲームも一つのジャンルになったんだな」と思ったくらいかな。
そんな感じで事前の偏見はなかったものの一年前、本作の存在に気付いたら尋常じゃないくらいヒットしてて引いてしまい観てなかった。大ヒットし始めた時に2、3歩乗り遅れたら入っていきにくくなる。一歩遅れたくらいなら取り返せるが気がついたら社会現象化してしまってはもう無理だ。ブレイクしすぎると、もう自分自身の目で見ても何だか他人の、社会の目を通して観てるような、フィルターが2、3枚挟まって作品を遠く感じる。だからヒットしすぎると世間の熱が冷めて観たりする。それがピッタリ一年経過した今。
主演俳優イ・ジョンジェが最近Disney+のスター・ウォーズの太古シスのドラマ『アコライト』(2023)主人公に選ばれたり今年のエミー賞・主演男優賞に選ばれたニュース見て「……そういえば『イカゲーム』観てないまま忘れてたな」と思い出したこともある。この主演俳優を他の作品で観たのは『ハウスメイド』(2010)で下女と浮気する上級市民パパ役の人だったらしい。上級市民と本作での下級市民という極端な2役だけ観てるのか僕は……。あとヒロインや他の俳優陣も死ぬほど人気出て数百万、数千人単位でインスタのフォロワーが増えたらしい。
一年経ったし、ネタバレありでいいでしょう。

 

 

 

 

数々の仕事に失敗して無職になり妻に逃げられ娘の親権も奪われ、老母(キム・ヨンオク)のスネをかじる無気力な中年ニートになってしまったギフンイ・ジョンジェ)。
負け犬の彼は、ある日街で「大金を手にし得る秘密のゲーム」への勧誘を受ける。
老母の糖尿病の治療費、娘の親権を勝ち取るため、自身の借金返済……等のため人生逆転ゲームに参加するギフン。
ゲームの他の参加者は、出世した幼馴染の秀才サンウ(パク・ヘス)、脱北者の女性セビョク(チョン・ホヨン)、脳腫瘍を患ったおじいさん(オ・ヨンス)、凶暴ゆえ組を追われた半グレドクス(ホ・ソンテ)、善良な出稼ぎパキスタン人(アブドゥル)、強者に取り入る詐欺師の女ミニョ(キム・ジュリョン)、虚無感漂う女子ジヨン(イ・ユミ)、秘密を持った医者(ユ・ソンジュ)……など。
そしてゲームに参加したと思われる行方不明の兄(?)を探している刑事(ウィ・ハジュン)もエスポワール号……じゃないけど船に兄を探すため乗り込む――

まぁ、そんな感じで構成は『カイジ』のまんま。
ゲームの管理人や運営スタッフは仮面やボイスチェンジャーで誰が誰だかわかない。
……と聞いて君が想像した通り、「下級市民の債務者が、人里離れた僻地に集められて一攫千金を巡って殺し合いさせられる。それは上級市民の娯楽となる」そんな感じ。
参加者は韓国の子供の遊びを中心にゲームさせられる。
彼ら彼女らが挑戦するゲームは、

第1ゲーム「だるまさんが転んだ
※多数決過半数が「棄権」を選べばゲームは中止される

第2ゲーム「カタヌキ
※乱闘:就寝時間でのシンプルな殺し合い
第3ゲーム「綱引き

第4ゲーム「ビー玉遊び
第5ゲーム「飛び石ゲーム
第6ゲーム「イカゲーム」(最終ゲーム)

の6種。
負けた者や時間切れの者、不正を行った事がバレた参加者やスタッフは、その場で射殺される。
参加者が死亡したら、その分だけ賞金が加算され最終的な賞金は、456億ウォン(現在の日本円に置き換えると約45億6千万円)になる。自分や周囲の人生をも充分に変えうる賞金。
参加者の過半数が棄権を表明したらゲームはその場で中止になる。しかし中止になった場合、莫大な賞金は手にできず元の地獄のような日常に戻される。そして数日後に再びゲームに誘われる。結果的に8割以上の者はゲームに復帰する。主催者は、参加者がゲームせざるを得ないので復帰する事をわかってて敢えて棄権や参加を選択させている。偽りの自由だ。
そして生死を分かつのはゲームだけではなく、就寝時間には参加者同士の殺し合いの危険がある。主催者は生命力の弱い者が死ぬのは構わないと思っており、ゲーム中の殺しや妨害は許さないが、就寝時間に殺しても失格にはならない。
食事の量も少なく、ろくに睡眠も取れないので一日また一日と参加者は衰弱していき精神もすり減っていく。正に現実の格差社会をディフォルメされた過酷なデスゲームが展開される。
参加者は、時には仲間を作って護り合い、時には敵同士となって殺し合う。
言うなれば運命共同体……互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う……一人が皆の為に、皆が一人の為に。だからこそ戦場で生きられる……参加者は兄弟、参加者は家族。……嘘を言うな!猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う。無能、怯懦(きょうだ)、虚偽、杜撰(ずさん)、どれ一つ取っても戦場では命取りとなる。それらを纏めて無謀で括る。誰が仕組んだ地獄やら、兄弟家族が嗤わせる。お前も、お前も、お前も!だからこそ……俺の為に死ね!……俺達は、何のために集められたのか……?
そんな感じのむせる話。

 

 

種デスゲームや盤外戦は練られている。

第1ゲームは「だるまさんが転んだ」ではゲームで敗北した者やゲームを放棄した者は速攻で射殺される事が明確に可視化される。制限時間があり、あまりにゆっくり進みすぎても殺される。参加者の半数以上がここで死ぬ。しかし同時に優勝賞金がドンと積まれる。わかりやすいし「だるまさんが転んだ」人形のインパクトも充分なので一個目のゲームにしたのはよくわかる。

棄権投票ゲーム再開を経ての、第2ゲームは「カタヌキ」。日本のお祭りにもあるね。カタヌキの種類は【△、▢、○、☆、☔】。当然一番簡単なのは三角で一番難しいのは傘。制限時間があり、型抜きの途中でパキッと割れたらその場で射殺される。
スタッフと結託して次に行われるゲームを知っている医者、そして医者はその情報で強い参加者ドクスに取り入る。また通気孔に侵入して偵察したセビョクが得た情報を聞いたサンウは「カタヌキ」だと気付き簡単な三角を選択、しかしギフンたち仲間には教えない。ギフンは最も難易度の高い「傘」を選んでしまう。サンウは「ゲームの優勝直前まではチーム戦のためには仲間グループが必要」しかし「優勝のためにはライバルが脱落してほしい」この相反する期待を同時に叶えるのが、この「自分だけ次の有利な方法を知るが仲間には教えない」というものだった。そんな感じで第2ゲームは遊戯だけしてれば生き残れるわけではなくゲーム外での盤外戦が重要だと視聴者に知らせている。最難易度のカタヌキを選んだギフンだが偶然に必勝法を発見してギリギリでクリア。
運営はわざと少ない食事を与えて参加者をイライラさせる。乱闘が起こりやられた痩せた男が死んでもペナルティはなかった。これで「ゲーム外で殺しがあっても罰せられない」という裏ルールが参加者全体に知らされてしまった。この時から参加者は「就寝時間での殺し合い」にも注意しなくてはならなくなった。最初から殺人も厭わない半グレのドクスはともかくドクスの悪いグループがあまりに躊躇なく他の参加者をブッ殺しまくるので少し違和感を感じた。監督が思いついた要素を全部入れたかったのはわかるのだが盤外の情報戦は面白いけど、ゲームのインパクトが薄れるのでゲーム外での直接の殺し合いは要らなかったな。就寝時間じゃなくてもゲーム終わって待機部屋に帰る途中でドクス軍団がガラス片で残りの全員刺し殺して皆殺しにすれば終わるやん。
またゲーム再開からは、過去にゲームに参加して失踪した兄を探して潜入した刑事も加わる。刑事はスタッフを一人殺して入れ替わる。デスゲーム運営の秘密というミステリーを外側から探るのが刑事のキャラクターの役目。ギフン達参加者は命の全てを運営に握られてるからね。組織を探るキャラはスタッフ側に置かないとね。これで本作はギフンら参加者がゲームで生き残るメインストーリー、刑事によるデスゲーム運営の全容解明というサブストーリーの2本柱で進む。

第3ゲームは「綱引き」。双方の中心に足場がない高所での綱引きなので引っ張られたら落ちて硬い床に叩きつけられて死ぬ。ギフンたち主人公チームには女子が二人おじいさん一人おり他チームより圧倒的に不利。しかし綱引きの必勝法を知っているおじいさんは「綱引きは戦略があれば力はいらない」と語り軍師となって主人公チームを勝利に導く。ここで最も役に立たないと思われていたおじいさんが最も役に立つ人材だったのが面白いところ。ここでヒロインのセビョクと仲良くなる虚無的な女子ジヨンが登場、この子の狐の能面みたいなグレイエイリアンみたいな顔めちゃくちゃ好き。
綱引きの後、医者がスタッフの一部がしていた参加者の死体の臓器や眼球を売買して小銭を稼ぐ片棒を担がされていた事がわかる。やがて仲間割れがあり最終的にはフロントマンに全員殺される。死体の臓器売買は構わないが参加者に不正があるのは許せないフロントマン。非人道的で運営側が参加者を陥れることはあっても、参加者全員に与えられる条件はあくまでも平等でなくてはならない、それがこのデスゲーム運営者の思想らしい事がわかる。

第4ゲームは「ビー玉遊び」。参加者は10個のビー玉を与えられ二人一組になり互いのビー玉を奪い合う。20個Getすればクリア、全て奪われた者は射殺される。ビー玉を使ってどんなルールの遊戯を行うかは参加者たちが決めていい。遊戯の邪魔したりビー玉を力付くで奪ったりすれば監視しているスタッフに制裁されるので生き残るにはゲームを決めてプレイしてビー玉を奪い合うしかない。制限時間内に20個Getできなくても射殺される。勝ってる方も負けてる方も20個Getする事以外に生き残る方法がないので途中で遊戯を放棄する事はあり得ない。ゲームが始まる前に「二人一組になれ」と言われた時は、参加者全員「タッグマッチのように二人で協力して戦う」ものだと思いこんでいたので「一番信頼していた相手と殺し合う」という遊戯に絶望する。身体的には何も辛くないが全ゲーム中、最も精神が殺される勝っても負けても、ただ辛いだけのゲーム。善良な正義の心を持つ主人公が、仲良しのおじいさんの認知症に付け込んで自分が負けてるのにビー玉を奪うという卑劣極まりない行為を行う(認知症とはいえおじいさんが納得してビー玉を渡すのでルール違反ではない)、最も善良で最終話ラストまで他者の善性を信じていた主人公なのに、この場面だけ、ここまで追い詰められたら仲良しの優しくて認知症のおじいさんを騙してしまう……綺麗事を捨てて、ここまで描いたことが本当に素晴らしい。
ここまで善良さを装っていたサンウも「ここが仲間の切り時だ」と悟って他人を蹴落として社長になれた本領を発揮する。作中、主人公サンウ同様に最も善良だったパキスタン人青年を陥れて殺す。パキスタン人青年を騙す理屈はちょっと……あまりにも嘘臭すぎたけど。パキスタン人青年は最初にゲーム中断した時にバス代を貸してくれて以降のゲームでも知略を発揮していたサンウを尊敬して慕ってたからこそ騙された……そう思うしかないね。これはちょっと信じ過ぎだと思って苦しかった。それにしてもこのパキスタン人青年は最も『カイジ』などの福本漫画に出てきそうなキャラだった。彼だけはずっと福本の絵柄で見てたわ。
セビョクとジヨンの女子二人は遊戯をせず時間いっぱいまで互いの悲惨な過去を語り合う、遊戯は残り3分で決着できる一発勝負、あくまで会話するのがこのカップルのテーマ。人生そのものに絶望して投げているジヨンは、弟を助けて母親を脱北させるという目標を持った大好きなセビョクを優勝させるためにわざと負ける。トークしつつも心を開いた事を態度を示さなかったセビョクは泣いて激昂しジヨンに掴みかかり、セビョクと最後に出会えた事以外に何一つ良いことのなかったジヨンの短い人生は終わる……。
数多くの名場面があった哀しいゲームだった。ちなみにimdbで各話をチェックしたら、この回が最高得点だった(二番目に人気あったのは第一話)。

第5ゲームは「飛び石」、「綱引き」同様に高所にある間隔の空いたガラスの橋、左右二つのガラスどちらかに飛び乗って飛び石のように進む。片方は強化ガラスで乗れるが、もう片方は脆弱なガラスなので飛び乗ると割れて落下死する。前の者がガラスを割ると後の者は二択の正解がわかる。事前に数字が書かれたゼッケンを選ぶ時にゲームはほぼ決している。だから当然、優柔不断ゆえに最後尾を選んだ主人公ギフンが最も有利なゲームだった。全てのガラスの二択の正解を選んで橋を渡り切る可能性は万に一つ……天文学的な低確率なので最初の数人は既に死んだも同然。それでも生き残る可能性は、最後までに絶対割れる事間違いなしのガラス板に飛び乗らねばならぬ……という残酷なゲーム。そういう奴は居なかったけど「ガラスではなく橋の枠をつかんで『うんてい』のように進む」……なんて事をしたらきっと『カイジ』の鉄骨渡りみたいに電流が流されて落ちるんだと思った(そういう場面も欲しかった)。あまりにも前の者が進まず16分の時間切れが来てしまうと橋が崩壊して全員死亡してしまう、だから前の者があまりに動かなければ後ろから押して落とすこともできる。しかし前の者を落とすと次は自分が危険な二択しなければならない落としたくはない。そういう駆け引きがある。そのため最後尾のギフンが渡り切るまで時間いっぱいまでかかる。そういう意味ではギフンも有利なだけではない。前の前の者がグズるとどうしようもできない。
ちなみに、ここから世界各国の上流たちVIPが生観戦してる。愉悦……っ!
色んな意味で『カイジ』の「鉄骨渡り」と似通った競技。色々工夫して面白かったけど、これはさすがに『カイジ』の鉄骨渡りの方が良かった。というか全『カイジ』の中で鉄骨渡りが一番好きだからね。

豪華な最後の晩餐、最後の「就寝時間の殺し合い」を経て、残り二人の最終第6ゲームは「イカゲーム」。陣地を取る鬼ごっこみたいな韓国の遊戯だ。未だにルールよくわかってないけど二人だけだし妨害は何してもいいのでイカゲームというより単純に二人が殺し合いしてるだけなのでルールわかんなくても問題なし。一言で言うとシンプルな殺し合い。豪華な最後の晩餐は、生き残りにナイフを手渡すことが目的なのでナイフも使用される。この決着も良かった。
ここまで来るとイ・ジョンジェ演ずるロン毛の中年男性主人公ギフンが黒沢清の『回路』(2001)ラストや『叫』(2006)の役所広司みたいな気高い荘厳さを発しててめちゃくちゃカッコよかったので「こりゃアジア人初のエミー賞撮ったり、いきなりスター・ウォーズのドラマの主人公になってもおかしくないわ」と思った。最終話で、主人公と自分は同い年だとわかったのも親近感わきました。
最終ゲームと同時に、潜入して今まででゲームの真相を知った刑事とのフロントマンrとの一応の決着も描かれる(しかし二人の行く末はシーズン2に持ち越しだろう)。
ゲームが決した最終話。盛りだくさんの本作だけに最終話はめっちゃ過剰だった。「ゲームを終えた優勝者のその後」というエピローグが延々と描かれる。興味あるので凝視し続けたが映像フィクションとしては少し長い……『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』(2003)のクソ長い延々と続くエピローグを思い出した。この長ーいエピローグは好みじゃないけど、前述の「盛りすぎ」同様に、好みじゃないけど面白かったのでOK。
モロにネタバレの一つ言わせてもらうけど「この展開なら主人公が、さすがに糖尿病の老母は最低でも助けるだろう」と思ってたら母親がひっそり死んでて「え、えええっ……!」と凄い衝撃でした。「無職でデスゲーム参加中で留守にしてた中年ニート主人公を案じて絶望の中、冷たい部屋で優しい老母が一人ぼっちで死んだ」という哀しすぎる結末は衝撃でした……。思わず最終話を観終えた直後に母に連絡してしまいました。監督も、映画撮れない時にお母さんの世話になったみたいだし最後の「親孝行しよう」というメッセージが強烈に胸に刺さりました。デスゲーム主催者の秘密は割とどうでもよかった。老母の死の後には衝撃でもないし、ラスボスあるあるな真意なので、これは要らんかったな。とにかく戦いの決着の後はなるべく短い方がいいからね。

 

 

 

そんな感じで全体的に面白かった。
日本のデスゲーム漫画を読み漁った監督だけあって、デスゲームで思いついたであろう全ての要素を全部盛りにした印象。
カイジ』などのゲームで全てが決まるデスゲームと『バトルロワイヤル』みたいなシンプルになんでもアリなデスゲームを一緒にしてるので少しクドかったね。全体的に『カイジ』系なので、『バトルロワイヤル』的な要素は、刑事に全部任せて参加者はゲームに集中させてほしかった。
凄く面白かったしジーンとするところもあったが少しクドかったので「最高!」とまではいかなかった。まぁ、そう言いつつも一晩で全話一気観したくらい面白かったのだが……。
「『カイジ』的なゲーム要素と『バトルロワイヤル』的な要素は分けてほしかった」とは書いたばかりだが、後者をカットしたらいよいよもって『カイジ』のパクリみたいになってしまうので混ぜたのは正解だったかもしれない。本作を見ながら『カイジ』だな~と思いつつも、『カイジ』にはないエログロやゲームの枠組み自体を揺さぶる刑事がミステリーを体現してたのも面白さの一部だからね。だからまぁ結果的にこれで良かったのかも?
とはいえ、色んな遊戯はどれも、ゲーム中も結果も全て面白かった。それに加えて盤外戦もあるので、食べ物で言うと欲張りバイキングみたいに一つの大きな皿に寿司とかステーキとかパスタとか揚げ物とか色んな雰囲気違う喰い物がどっさり無秩序に盛られているプレートみたいな感じ。だから自分みたいな映画ファンは「喰い物は国別に分けろよっ……‼」と思いがちだが、しかしこれでいいのかもしれん。
色々考慮したが色んな考えの人に対応できてるし全世界で人気出たのも納得できた。
あとはアカデミー賞に輝いた『パラサイト 半地下の家族』(2019)同様に韓国の格差社会を描いたところも大きいのだろう。差はあれど格差や貧困は世界中にある、ゲームや「綺麗事言っても自分だけ生き残りたい」というむき出しの感情、そして「そうは言いつつ、愛する者も大事だし思想的に生きたい生き方もある」という気持ちもある。それらは世界中にあるし人間として普遍的な事ばかりだ。それでいて先も気になるしヒットしたのもわかりました。
「この際だから、この監督に『カイジ』を監督してもらったら?」と一瞬思ったが、今となっては『カイジ』より、この『イカゲーム』の方が有名になってしまったので、もう遅いんだなと気がついて悲しくなりました。

先週あたりに?シーズン2も決まって、まぁカッコいい覚醒ギフンさんが再び観れるから観るだろうけどもシーズン1で充分だと思ったし続かなくても良い気はした。残った謎も「フロントマンと主催者の間であったこと」「生きてるであろう刑事の弟とフロントマンの会話」くらいしか期待する事ないよね。それもどうでもいいし。次の良いキャラ達が出てもどうせ全員死ぬわけだし。個人的にシーズン2よりは主演のジョンジェ氏や女の子たちを演じた女性の俳優さん達の今後の出演が楽しみだわ。

 

 

 

 

そんな感じでした

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イカゲーム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
Ojing-eo geim (TV Series 2021– ) - IMDb
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『TENET テネット』(2020)/今どき珍しい純粋悪を倒す正義の味方という勧善懲悪アクション……そこに「逆行」をひとつまみ……🕛


原題:Tenet 監督&脚本&制作:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス 製作国:アメリカ 上映時間:150分

 

 

公開時に凄い大ヒットして引いてしまい、テネットの気温がようやく下がって誰も語らなくなったので今頃やっと観ました。面白かったです。
本作のウリ「逆行」は煎じ詰めて考えると凄く難解なのだが敢えて全く検索せず感想書くことにした。
ネタバレなし

 

 

 

 

Story
ウクライナのオペラハウスでテロが発生。大勢の観客を救うべく突入した特殊部隊の名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)。この男が主人公。
テロリストに捕獲された主人公だが、実はテロは適性試験だった。
主人公は謎の存在〈TENET〉にスカウトされた。
主人公がスカウトされた「TENETの組織」は、第三次世界大戦を起こして世界の滅亡を画策する敵組織の野望を食い止めるたい。
敵も味方も「人や物体の時間逆行を可能とする装置」を駆使する。
主人公は、謎の協力者ニールロバート・パティンソン)と共に、第三次世界大戦を防いで世界を救う巨大なミッションに巻き込まれる――

みたいな話。

最初に一言で言うと「時間逆行」を使った良い組織と悪い組織という分かり易い善と悪が「時間を逆行させる装置の大元『アルゴリズム』というマクガフィン」を奪い合う映画。時間逆行の描写や仕組みこそ分かり難いものの、映画の構図自体はSW並に分かりやすくしてある。
本作の敵組織は「世界滅亡」が目的。ただただ悪いだけで同情の余地のないピュアイービル(純粋悪)だ。出会い頭にブッ殺しても誰にも怒られない敵。近年では珍しいね、「悪魔」「ナチス」くらいしかおらんぞ。しかも敵のボスは妻にDVしている、今のアメリカ映画で「女を殴る男」は、「世界滅亡」や「犬を殺す」のと同じくらい悪い。
それをアメリカ映画の主人公は絶対に許さない。一度たりとも許したことがない……「世界滅亡を企むDV夫」「犬殺し」それはアメリカ映画で一番重い実刑……情状酌量の余地なし――

 

本作のウリである「時間逆行」。
回転ドアが付いてて対面に強化ガラスで仕切られた廊下……片方は普通の廊下だが対面の廊下では時間逆行した兵士が出てきて時間逆行したアクションをして逆に喋る。
……このギミックは見た目のハッタリ感強いし、逆光戦士を排出する機械は見た目「只の重い金属の回転ドア」ってだけなところが良い。普通の映画だったらピカピカ光る近未来的な装飾が付いてたりと如何にも「未来のハイテク!」って感じの装置を出しそうだが、本作は「普通の重い金属の回転ドア」。ここが一番いい。本作が『コワすぎ!』シリーズなどの低予算作品ならともかく大作映画で「時間逆行装置」という一番のガジェットをこんなにさりげない機械にする事は制作スタジオや配給会社が許さないと思う。やはりノーランというヒットメーカーのカリスマ監督だからこそ許されたギミックだろう。『インターステラー』(2014)で、遠い宇宙と主人公宅の本棚が繋がっていた……あれと同じテイスト、凄く好みのテイスト。

 

過去に送られた「逆行戦士」は逆回転の不思議な動きで格闘する。
「逆行」してるので、そのままでは大気の酸素を吸って肺の中を循環させられないので酸素ボンベで呼吸する。
しかし時間が「逆行」してるにも関わらず、普通の人と同じベクトルで動けるし、そもそも「大気の酸素が吸えないのに酸素ボンベ内の酸素は吸えるの?」という疑問がある。ひょっとして酸素ボンベも持ち込んだからボンベ内の酸素も「逆行」してるから吸えるのか?「逆行」してるのに脳内の電気信号は普通通りに走って、普通通りに思考して普通通りに動けるのも不思議だが、「逆行装置で装備ごと全身が逆行してるから普通通りに動けるのかな?」とボンヤリ納得した。
逆行戦士が持つ銃の「逆行弾」は「『未来で撃ち込まれた』人体や壁から銃口に逆回転のように戻る」。普通の戦士は誰もいない場所で「壁に撃ち込まれた弾」や「床に落ちてる分解された銃」などを見て「直後にここで銃を持った奴に襲われて、何が起こるのか知らんが銃が分解されるらしい。血痕がないから俺は撃たれないらしい」とわかる。そして直後に回転ドアから逆行戦士が襲いかかってくる……。
だが推測した通り、弾は主人公に命中せず壁に撃ち込まれ銃は分解されて無傷……。
「攻撃が全て予知されるのなら『逆行弾』って、ただ不利になるだけじゃないの?」と思った。前述の逆行酸素ボンベ同様に、持ち込んだ銃は「逆行」する運命なのか?「逆行弾」は有利な武器ではなく「持ち込まないと使えないから持ち込むけど、ただ不利になるだけの、強いのでなく弱い武器」なのかもしれない。
実際のところは、よくわからない。

 

「逆の動き」や「逆呼吸」や「逆行弾」どころではなくクライマックスでは、敵味方ともに「普通の時間で闘う部隊」「逆行部隊」が相まみえる。
一人でもややこしい逆行要素が、敵味方の2部隊により「四つグループ」に分かれてしまう。
逆行部隊は崩れた建物から逆行弾を逆行バズーカに巻き戻したりして暴れる。……これに一体何の意味があるのかは全くの謎。
一人でもよくわからん逆行が複雑化の一途を辿った……こうなるともう、ややこしすぎて「これはどういう事なんだろう」と考える気持ちも起きない。
要するに、このややこしいラストバトルは
「主人公を含む『世界を救う部隊』 vs.『世界滅亡を企む純粋悪』との撃ち合い」
ただそれだけ。それに「逆行」というよくわからんSF行動が装飾されてるだけ。はっきり言って厳密にはよくわからんが「とりあえず今は味方が優勢みたいだな……」等と、「野球のルールよく知らんけど野球好きの友達について球場にきてビール飲みながら観戦。よくわからんが球場の雰囲気って楽しいね」みたいなボンヤリした鑑賞態度。
その様に単純な構図でラストバトルを観てた。後は主人公の近くで死んでるよくわからん奴の死体という『ソウ』(2004)みたいなサプライズがあるだけ。
藤子F不二雄のSF短編や『大長編ドラえもん』、もしくは『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンドバトルみたいな味わいだ。
よくわからなくても、美しい映像や「逆行」アクションは楽しめた。
「このラーメンのダシやスープが何で取られてるのか、食ってもよくわからんが一蘭のラーメンおいしいね」そんな感じで楽しんだ。
後で「逆行」についてプロの量子さん(量子に詳しい人)の解説を検索して読んでみようと思う。だが正直、そういった解説を読んでも読まなくても良い気もする。何となくだが「DIOの時止め」や「キングクリムゾンの時間ふっとばし」などを世界全体と合わせて考えると辻褄合わなくなるのと同様に何もかも説明付かない予感がギュンギュンする。低学歴定収入の俺としては「主人公たち逆行戦士は『スゴ味』で逆行攻撃して頑張った」そう解釈しました。
……いや、でも低学歴の俺にとって量子の話はオカルトみたいで面白いからね。やっぱり科学者の解説は読んでみよう。
大勢が言ってるけど、このノーランの「真面目なルックでアホみたいな事を真剣にする」姿勢……どう考えても新しいジェームズ・ボンドのシリーズを撮って欲しい!

 

 

 

 

そんな感じでした

『インターステラー』(2014)/今まで、この監督あまり好きじゃなかったがこれは文句なく面白かった🌌
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Tenet (2020) - IMDb
www.youtube.com

『NOPE/ノープ』(2022)/超常現象や細部の婉曲表現は好みだが、基本の日常描写までも全部わかりにくいのがノイズに感じました🛸


原題:Nope 監督&脚本&制作:ジョーダン・ピール 上映国:アメリカ 上映時間:131分

 

 

コメディアンだが今では黒人にフューチャーしたホラー映画の有名監督にもなったジョーダン・ピール
デビュー作『ゲット・アウト』(2017)は黒人にとっての最恐のモンスター「白人」を描いて文句ない面白映画だった。続く『アス』(2019)ドッペルゲンガーの映画で、前半は素晴らしかったけど後半明かされる秘密の真相があまりにも荒唐無稽すぎて『世にも奇妙な物語』を2時間にした感じがして乗れませんでした。その『アス』(2019)でかなり興味薄れてしまったので製作総指揮を手掛けた映画『キャンディマン』(2020)とかドラマ『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』(2020)は観てない。
そんな感じで本作もレンタル出るまで観る気が起きなかったけど話題になってたし飲んだ後に観る機会あったので観ました。
予告編を一回観ただけで内容は全く知らなかったがUFOの映画っぽいことはわかってたので「M・ナイト・シャマランの『サイン』(2002)みたいな映画かな?」と思ってた。ちなみに『サイン』(2002)は今も昔も、好きな人と嫌いな人とに二分されるすぎる映画だが、僕は大好きな側。
ネタバレあり

 

 

 

 

映像制作に、を貸し出す仕事をしているOJ・ヘイウッドダニエル・カルーヤ)、その妹のエメラルド・ヘイウッド(キキ・パーマー)のヘイウッド兄妹が主人公。
ある日、牧場で奇妙な音がしたと思ったら空からガラクタが降り注ぎ、空を見上げたヘイウッド兄妹の父の頭部に降ってきたコインが突き刺さり脳を損傷して死亡。
撮影現場で、鏡を見せられた愛馬が驚いて暴れ、兄妹は撮影現場もクビになってしまう。
牧場の上空でUAP(未確認航空現象)の存在を感じたヘイウッド兄妹は、UAPを撮影してYOUTUBEで儲けようと、家電屋のエンジェル(ブランドン・ペレア)から監視カメラを複数、購入して牧場に設置。超常現象に興味あるエンジェル、そして高名な撮影監督ホルストマイケル・ウィンコット)も協力してくれるが――

一方、1990年代、ホームドラマチンパンジーが大暴れして死傷者が出た事件があった。その時の生き残りである元アジア系子役で現在はカウボーイ系テーマパークを経営しているジュープ(スティーヴン・ユァン)、彼もまたUAPを追っていた――

という話。
……なんだけど映画が始まって、かなりの時間、全体的に「こいつは一体なんなのか」「今、自分が観てる画面上で何が起きてるのかよくわからない……」という時間が長かったのが辛かった。
勿論、観てたら大体はわかるのだが、主人公家族が映画撮影に馬を貸し出してる事とか、兄妹がクビになったのとか、テーマパークをしているジュープと一体何を話してるのかなどが一々わからなかった。UAPからの落下物で父が死ぬ場面も超常現象を凄く控えめに撮ってる(ヒュンヒュン……とガラクタが降ってるのだが観てるその時にはよくわからない)。一応、具体的な事象や台詞で進むので本当ならわかるはずなんだが不思議とわかりにくい。興味のない専門的な本を読んでる時に「目が滑る」感じに似てた。
全体的に全部かなり時間が経ってから「あぁ、なんか降ってきて父が死んだのか」「映像制作に馬を貸す仕事なのかな?」「あぁ、クビになったのか」と、その後の結果を見て、直前のシーンで何が起きてるかわかる感じで、なかなかわかりにくかった。そのせいか自分から非常に遠い掴みどころのわかりにくい映画のように感じて作品に入っていけるまで時間がかなりかかった。中盤、エンジェルからカメラを買う辺りで「UAP撮影」という主軸が掴めて観れるようになった。「あれ?映画いっぱい観てるはずだが俺ってアホなのか?」と不安になった。酔ってたせいもあるのかな。だから個人的には、カメラ買うまでのくだりはもっとわかりやすくして欲しかった。
UAPなどの超常現象も、すごーくチラ見せする感じ、前半は画面も凄く暗いしUAPが馬を吸い込む場面も見逃してしまった。
だが、日常描写と逆で、超常現象はわかりにくいのは好みなので(その方がリアリティあるから)これはよかった。
「牧場に忍び込んだ複数の人影」の場面なと非常にワクワクした。まさに観る前に期待したシャマランの『サイン』(2002)っぽかったし。
ここでOJがカメラを構えて侵入者を撮影しようとする場面など、あまりにもカメラを構える長過ぎる、だが従来のエンタメSF映画やホラー映画よりも間(ま)が長すぎる事が、かえって本作の特別さや「本当に何かが起きてるリアル感」を高めていて良かった。「凡百の映画よりも違う感じを出そうとわざとテンポをズラしてるんだな」と好意的に感じた。

 

 

アバン(冒頭)、ジュープの語り、中盤での90年代の回想シーンで「90年代の楽しいファミリードラマのセットでチンパンジーが大暴れして死傷者が出た」エピソードが、頻繁に丁寧に語られる。
UAPとチンパンジーは劇中では直接関係ない、たとえば20数年前のチンパンジーとUAPの動きが連動してるとかそんな事はない。だが、こんなにも丁寧に描かれるのでチンパンジーとUAPが作品的に関係してることはわかる。
TVカメラで撮られて全米の視聴者に笑われていたチンパンジー、大勢の人間に撮影されて正体を暴かれようとしているUAP……。チンパンジーは共演者の人間を撲殺し、UAPは地上から自分を見上げる人間たちを落下物や吸い込みで殺害する。だから「立場が上だと思って対象物をジロジロ見てた人間が、下だと思ってた対象物に復讐されるってコト?」と思った。
といってもUAPは上空に居て巨大で強力なので、人間より下級の存在には思えない。UFOといえば「高度な科学力を持った異星人が操縦している」っていう刷り込みもあるしね。だがチンパンジーと並べて「どう思う?」と提示されるので「立場が上だと思って対象物をジロジロ見てた人間が、下だと思ってた対象物に復讐されるってコト?」と解釈するしかないってだけだ。そうでないとチンパンジーが無意味になってしまうのでそう思うしかない。
とりあえずの結論は思いついたのだが、やはりUAPは人類より高次の存在に見えるので納得いかない。ひょっとして「ジロジロ見られてる下級だが復讐する」はOJ達、人類サイドってこと?いや、そうなると「見上げると察知されて攻撃してくる」っていうUAPが、目を合わせると襲ってきたチンパンジーとの類似性があるからそれもよくわからない。
「超常現象の描写が控えめでわかりにくいのがリアルで良い」と前述で褒めたけど、後半は、真っ昼間の雲と雲の間をヌッと黒いUAPが飛行するのがモロ見えになったりOJの目前にまで急降下してくる、これは「こんな風なUFOを見たい」って感じのものが観れたので良かった。光ってるのは見飽きたからね。
でもUAPが終盤で変形してエヴァンゲリオン使徒みたいな正体を現すんだけど、それも気付かず何か飛んでるゴミかと思ったし、バルーンによるUAPの倒し方も観ててよくわかんなかったですね。というか未だに何で死んだのか、そもそもUAPが死んだかどうかもよくわからない。エメラルドが喜んでるから死んだんだろうと思うだけだ。
もう少しわかるように描写してほしかった。なんか終盤のバトルもまた前半のように「俺がアホなのか?」と不安になりました。
※追記:後で友達から「UAPが無機物を食ったらダメージになるから巨大バルーン食わせて倒したんだろう」と言われて「ああ、そうか」と思った。無機物を地上に吐き出してたのが伏線だったんだね。しかしエメラルドがいつそれに気づいたんだろう?また観たら何時気がついたのかわかるのかな。

逆にUAPの正体だけは、OJが「コイツは宇宙人の乗り物なんかじゃない!コイツ自体が生き物なんだ!」と、大声でわかりやすく教えてくれるんですが、これは逆にUAPの正体とか教えてくれなくてよかった。その方がミステリアスで良かった。「UAPが吸い込んで……肉壁がある?乗り物じゃないのか!?」と、説明無しで観てる観客が推測するしかない方が個人的には好みだった。
前半の超常現象の奥ゆかしさを始めとして細部は好みな要素が多かったんですけどね。      ジュープがトラウマになってもおかしくないチンパンジー事件記念部屋を作って神の啓示(実は只の偶然)のシューズを展示してたり、チンパンジーに顔面をグチャグチャにされた元子役の女性がベールで顔を覆って応援しに来て再び酷い目に遭う無慈悲さとか、片目だけヘルメットに穴が空いてるバイカーなども「UAP撮影しに来たんだろうけど、UAP見たら攻撃されるのわかって、こんな反射して極力、目を隠した変なヘルメット被ってるのか!?」などと面白くてミステリアスで奥行きある要素は良かった。
そして主人公のOJ、彼の氷のような瞳がめっちゃカッコよかった。『ゲット・アウト』(2017)の主人公もそっくりな目つきしてたけど、OJも『ゲット・アウト』主人公も、この目つきのめちゃくちゃ好きですね。外界(黒人以外)を信じてない目をしてますよね。この目つきの男を監督が主人公に選んでるのは凄く良い。カッコいいし好き。中年男性である自分は同性をカッコいいと思うことは少ないんだが、この目つきしてる男は好きです。あと有名撮影監督の大物ぶった振る舞いも良かったね。
とにかく超常現象や細部のミステリアスさ等は後から色々考えられて面白いと思うけど、さっさと具体的にわからせてくれたらいい基本設定とか終盤の戦闘シーンすらわかりにくいのが個人的にはマイナスでした。何やってるのかわかんない時間が多かったんですよね。
今はこうして感想書いてるから「あんた、わかってるんじゃないの?」と思うかもしれないけど今は「あぁ、あの場面はこういう事かな?」と推測しながらだから、こうして書けてるだけで観てる間は「え?これ何なの?」「ちょっと、この人、何されてる方なの?」などと和田アキ子みたいなハテナがずっと頭にありましたね。考察させるテーマや細部はわかりにくくていいんだけど、基本設定とかにはこのハテナ要らんだろ。鑑賞中のノイズでしかなくない?
観る前はシャマランで言うと『サイン』(2002)かな?と思ってたけど実際のところは『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006)だった感じかな……。『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006)にも極一部の熱狂的ファンが居たように人によっては、本作の無駄に(と俺は思う)わかりにくい描写すらも「最高!」と思う人も多い気がする。でも僕からしたら「きっと本当は面白くて良い感じの映画なんだろうけど、ストレスが多いな」と感じた映画でした。
2001年宇宙の旅』(1968)と同じで、わざとわかりにくくして考察させてバズろうとした感じ。『ゲット・アウト』(2017)『アス』(2019)は明快でヒットしたけどもっと深さを出したかったのか。前2作より「考察勢」に話題にされてるから成功なんだろう。

 

 

 

 

そんな感じでした

『ゲット・アウト』(2017)/なんだこりゃ。めちゃくちゃ面白いんですが。。👨🏾‍🦲 - gock221B
『アス』(2019)/冒頭見てオチがわかっちゃうのは良いとしても荒唐無稽すぎる気がしました👩🏾‍🦱👨🏾‍🦲👧🏾👦🏾 - gock221B

🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎🛸👨🏾‍🦱👩🏾‍🦱🐎
Nope (2022) - IMDb
www.youtube.com

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