gock221B

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「ライフ イズ ストレンジ™ (2015)」時を駆ける文化系カメラ女子のツインピークス的アメリカン百合ライフ📷

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原題:Life is Strange 開発:DONTNOD Entertainment 製作国:フランス

 

アメリカ・オレゴン州の架空の田舎町を舞台に、時間を少しだけ巻き戻せる能力が発現した写真を学んでいる女子学生マックスの青春アドベンチャー
毎週1話づつゆっくりやろうと思ってたけど面白すぎて2日で全部やってしまった。
ストーリーは全5話、劇中時間で5日間の話。

 

Story
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5年ぶりに故郷オレゴン州アルカディア・ベイに戻ったマックス・コールフィールドは、ブラックウェル高校写真学科に通う女子学生
ある日の授業中に「超巨大竜巻がこの街を壊滅させる」という白昼夢を見る。
授業終了後、マックスは女子トイレで青い蝶の写真を撮っていると、青い髪をした不良少女が街の権力者の息子ネイサンと口論して射殺されてしまう瞬間を目撃する。
しかし次の瞬間には先刻の授業を再び受けており全く同じ展開の時間を過ごした。
マックスは自身に「時間を少しだけ巻き戻す能力」が発現したことに気づく。
マックスは再び女子トイレに向かい、青い髪の女の子の死を防ぐことに成功する。
その青い髪の不良少女は、5年間連絡を取っていなかった大親クロエ・プライスであることが判明する。
マックスとクロエは、学園や家庭の問題、行方不明中のクロエの親友レイチェル、そしてアルカディア・ベイに迫る運命の大渦などに対峙していくことになる――


 

時間巻き戻し能力とタイムリープ
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主人公マックスの時間巻き戻し能力は最大1分間くらいの小規模なもの。
ジョジョで言うとリンゴォのスタンド「マンダム」みたいなもんか。
時間巻き戻し能力とは別に、自分が写っている写真を見ながら写真が撮られていた時のその場所その時にタイムリープする能力も後で発現する。タイムリープを解除すると、写真の中での行動が現実に反映されている。
「あの時ああしてれば‥」という小規模な人生やり直し能力が、思春期の感情と上手く噛み合っていて良い雰囲気を作っている。

全5話あって、一話が劇中での一日に相当するので五日間のお話。
・再会した幼馴染クロエとの友情
・マックスの学園生活
・行方不明になったクロエの親友かつ学園の人気者レイチェルの捜索
・町で起こる異常気象
みたいな事がストーリーの主な柱で、やがて集束していく。
ゲームが出た時は、数か月に一本というペースで発表されてたらしい。
だからファンの間でケイト(SNSいじめを受けてる生徒)の人気が高いとわかると、後のエピソードをリリースする時にケイトをお見舞いするシーンを付け加えたりしたらしい。
ゲームの内容もそうだが凄く連続ドラマっぽい。各話にはOPとEDが付いてるし
主人公マックスは何かを見かけて「調べる」をする度に「心の声」でその感想を言ってくれたるのでゲーム中は延々とマックスの独り言を聞き続ける事になる。
付いてたメイキングを見たところ、マックスの声優は1万くらいの膨大な台詞を吹き込んだという。
マックスの独り言もそうだが、爽やかな弾き語りBGMや画面のぶれなど、どれをとっても繊細な文科系学生の内面っぽい。
個人的には、本作やってて一番面白かったのはこのマックスの「心の声」だった

キャラクター
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★主人公マックスは写真の勉強をしている18歳。
顔は美少女だが絶妙にダサくて子供っぽい格好をしている。
ゲーム開始時点では友達も少ない、いわゆる陰キャと呼ばれそうな存在。
パワーを得た事をきっかけに成長する。要するにピーター・パーカー。
ゲームだから仕方ないがおせっかいを通り超えて、同級生はおろか町にいる漁師やトラックの運ちゃんや果てはホームレスにも話しかけ、そのまま話し込んだりする変わった子(まあ俺がそのように操作してるんだけど‥)。
一見、純粋な少女っぽいが、よく見ると微妙にじめっとした良い意味でも悪い意味でも女らしい雰囲気があって毎日着てるパーカーを嗅いだらめっちゃ女臭い匂いがしそうなタイプ。手や口周りが常に湿ってそう。
販売元のスクエニが、日本版にするにあたって何か所か替えてるらしいが(チンコの落書きをウンコに変えたり)マックスが「映画版ファイナル・ファンタジーは素晴らしいSF映画」というのも変えた箇所だと思った(趣味のいいマックスがファイナルファンタジーの映画なんか好きなわけない)
パワーを使うたびに鼻血を出すので最後に死にかけるのかと思ったらそんな事はなかった(それならば続編で死にかけそう)。
親友クロエは悪すぎて退学になったガチ不良。久々に会ったマックスの幼馴染
マックスがパワーを使ってクロエの命を救ったところからこの話が始まる。
髪を青く染めタトゥーもバリバリ入ってるし喫煙者。あとマリファナもたまに吸ってるしコンドームも常備してちょいちょいSEXしてるっぽい。銃も持ってる。
かなりの不良。日本なら大不良(おおふりょう)だ。でも情に厚い。
最近の日本のゲームやアニメだと出てこないタイプの不良ヒロイン。
言動や表情や仕草を見ていてわかるのは、このクロエは全キャラの中で異常に純粋で思った事をすぐ態度や行動に出してしまう不器用なタイプ、それで不良になってしまったのがよくわかるし普段の生活も大変そうだ。
クロエは「いい奴だけど、この子とずっと付き合ってると結構やべー事になりそうだな‥」というポイントがめちゃくちゃ多い。
冒険出来て成長できる。だが自分も死にかけたり退学になりかねん。
割と、いいところよりも悪いところの方が多いんじゃないか?というキャラ設計なのだが、それが却ってクロエを「実在する自分のちょっと悪い友達」って感じでリアルに感じられるのかなと思った。
キャラに、長所だけじゃなく長所を凌駕するくらい短所をわざと設定していて、それによってリアルな人物に見せてるのが凄いなと思った。
本作はほぼマックスとクロエの二人の話なんだからクロエがプレイヤーに嫌われたらゲームにならないわけで、それでこういうキャラ作るのは勇気ある。
元気いいので忘れがちだが、よく見ると凄く不幸なキャラで(世界全体が彼女を滅ぼそうとしているようにしか見えない)最後までプレイすると、主人公マックスが今までないがしろにしていた既に死んでしまった幼馴染の魂と過ごしてたように感じられる。
あと主人公の事が好きで色々と協力してくれるオタク男子ウォーレンを始めとして色んな生徒やキャラがいてそれぞれ魅力がある(いじめられて自殺しようとするケイトは、海外のいじめられっ子たちの共感を生んだのか妙に人気が出て出番が増えたらしい)
個人的に好きな脇役は、ウォーレンの事を好きなのでマックスにいつもそっけない態度を取っている眼鏡オタク女子ブルックが好き。
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服装が可愛いし、そもそも「ドローンとウォーレンが好き」という設定しかなく、いつ見ても常にタブレットでドローンを操作しているかスマホでゲームしている。
後半のクラブイベントで話しかけると「ドローンがないとつまんない!」とか言う。
クラブに来てまでドローンの事だけ考えてるとか可愛いすぎる。
あとファッションも可愛いし。
男子はウォーレンも好きだがスケボーやってるお調子者の奴も好きだった(吹き替え声優が上手かった)。
キャラは直接話すだけじゃなくて、色んな動向や落書きとかからどういう奴か伝わって来てそれが面白かった。どの生徒も面白い、もっと絡みたかった。
「そういえばマルホランド・ドライブではダイナーの裏に怖ろしいホームレスが住んでたな」と思ってダイナーの裏に行ったら本当にホームレスがいた(ただし賢者系の)。
アメリカンポップカルチャーにありがちな話だが、オタクや陰キャやマイルドヤンキーなどのはみ出し者達は純粋で、ウェイ系リア充や権力者は邪悪な奴ばっかり‥というのはステレオタイプすぎる気がした。そのやり方、古くないか?(その予想を裏切るキャラもいるが)
で学校の用務員やホームレスなどの、社会立場が高くない人は大抵賢者だった。
★終盤、自分が縛られた状態でオッサンに指示を出して変態と闘わせるイベントがある
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マックス「そこ!机を蹴って!」机をあっさり処理されてオッサン撃たれる
オッサン「ウワアアアアアァァーッ!(即死)」
マックス「持ってるものを投げつけて!」普通にオッサン撃たれる
オッサン「ウワアアアアアァァーッ!(即死)」
オッサンが即死するたびに時間を巻き戻して違う選択肢を試すがまた殺されて‥を繰り返し続けて正解を探す。
オッサンは屈強な元軍人なのに何を選んでも変態に即死させられ続ける。
それを定点カメラで観てると‥、オッサンがリアルかつスピーディに永遠に即死し続けるのがめちゃくちゃ可笑しくて笑いが止まらなくなった。
いざクリアしてしまうと他の色んなキャラの事がもっともっと知りたくなった。
ウォーレンやブルックの部屋にも入りたかったし。

背景めっちゃいい
「学校の消火栓が配置されるのは大体ここらへん」とか「駐車場の広さ」はこれくらいとか細かく作ったらしい。オープンワールドゲームとかだとアクション優先なので実は広さや家具の大きさがめちゃくちゃだったりするがこれはアドベンチャーゲームなのでかなり現実に忠実に作れたんだろう。
それで色んな物や人を「調べる」するとほぼその全部にマックスが感想を言ってくれるので新しい場所に行くたびに調べてるだけで飽きない。
特に女子寮にあるマックスの自部屋はめちゃくちゃいい部屋。
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あと、クロエの部屋も。他の子の部屋に入る場面もあるが、この二人の部屋は主人公だけに作り込みが半端なくて全然飽きない。
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他のキャラの部屋も行ける。わかったのはどの生徒もFacebookを常時開きっぱなしで同級生の動向をずっと見てる にしてるという事。
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あと行きたくても入る機会のないアメリカのどこにでもあるダイナーとか科学室
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あとアートギャラリーや夜の学校で冒険する様とかかなり楽しい。
いやアートギャラリーは日本にも普通にあるか、、ただゲームの中で美術館内を歩き回る事自体が珍しかった。
後半で学生がやってるクラブに行く場面もある。
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このクラブもかなり作り込みが良かった。学校のプールをクラブにしたものなので真ん中にプールがあるし、会話がギリ出来るくらい音がデカくて、エントランス、VIPルーム、ソファーで寝落ちしてる女子、物陰でペッティングしてるカップル、女子だけ凄い行列ができてるトイレ‥など、クラブの雰囲気が物凄く作り込まれてた。
このクラブイベントは物語内では悪のイベントなのだが、実際はいい雰囲気のクラブだなと思った。


ツインピークスっぽさ
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このゲームは、色んなTVドラマや映画や音楽などのポップカルチャーから影響を受けており、色んなイースターエッグが隠されているが、やはり「ツインピークス」っぽさを一番感じた
「美しい田舎町の裏でおぞましい事が起こっていて、超常的な力で事件を暴く」というメインストーリーの半分くらいはかなりツインピークスっぽいし、停まってる車のナンバーにモロにツインピークスと書かれてたり、

ダイナーのトイレにある「火よ、我と共に歩め」落書きだったり、登場人物にメールを出した精神科医の名前がジャコビーだったり
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動物の精霊が導いてくれたり、人が逆回転で喋る悪夢だったり、本人に会う事は出来ないのに色々な人の口から聞かされて形成される「皆に好かれていたレイチェルという女の子」はローラっぽいし、他の作品からの要素もいっぱいあるんだがツインピークスっぽさを最も感じた。

このゲームのいいとこは細部
メインストーリーが面白くてちゃんとしてる事が前提だが、僕は正直言ってメインストーリーよりも細部の方ばかり夢中だった。
というか最高と言ってもいい。
キャンパスの中や、学生寮の各部屋、深夜の校長室、深夜のプール、ダイナー、裏山、友達の家とか、どれもただ歩いてるだけで雰囲気が最高。
「こうなってるんだ」と珍しくてしょうがない。
そして凄くたくさんの物や張り紙や人物にカーソルを合わせると、マックスがハイティーンのサブカル女子的な自嘲気味の皮肉交じりの少しだけ可愛い独り言を思う。
もうそれが一々ツボに入ってたまらない気分になる。
逆に言うと、そういう細部に興味ない人にとっては本作は全く面白くないだろう。
ネットの評価は殆ど好評だけどたまに「これ何が面白いの?」という人も一定数いる。
あと自分はマックス好きだけど、マックスのような子や彼女の独り言が気に食わない人はそれほど楽しめないかもしれない。
ケイトの事件を解決したように他の生徒の問題も解決したかった。
ラストは辛い二択を迫られる。どちらを選んでもハッピーエンドじゃないという厳しくも誠実な終わり方するんだが、ゲームでそういう終わり方されると異常に寂しくなるのは何故だろう。自分が操作して感情移入が激しいからかな?

世界の秘密
全然関係ないんだが時間操作してる時にバグる事がたまにあるんだが、灯台でのラストの感動の選択をしてる時にバグって固まってしまった。
感動の台詞を言って最後の選択を迫っていたクロエは泣いたまま、時間停止AVのように同じ体勢で固まっていた。
こうなると歩く以外に何も出来ず、リセットするしかない。
だけどリセットする前にちょっと歩き回ってみようかなと崖に向かって歩くと
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灯台のある崖からスポッと下の海まで落ちた。
竜巻に向かって海の上をキリストみたいに徒歩で歩いて行った。
竜巻の目に入ったが、当然飛ばされるわけでも何が起こるわけでもなく。
そこで自分がさっきまで立ってた灯台がある崖の方を振り返ってみると、さっきまで自分とクロエが感動のラストシーンを演じていた灯台がある崖は、ラピュタの様に空中にプカプカと浮かんでいた
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自分達が立っていた僅かな土以外の地面はなく、灯台と木と岩が浮いているだけだった。
それがたまに稲光によって光っている。
この世界の 秘密を見た気がした。


噂では前日譚と続編の2本が開発中らしい。楽しみだな~。
時間巻き戻しとか壮大なメインストーリーとかは適当でいいから、半分「BULLY」みたいなオープンワールドゲームっぽいメインよりサブクエストてんこもりの学園ゲーム「ワールド・イズ・ストレンジ」とかを作って欲しい。
だけど、その場合オブジェクトが多すぎてマックスの独り言は無理か
いやオープンワールドじゃなくてもいい、殺人鬼がいない普通の学園ものの続編とかしてみたい(ケイト救出みたいな小さな事件を解決し続けるみたいな)
※追記:前日譚と続編の2本が開発中



そんな感じでした

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