
原題:Weapons 監督&脚本&制作&音楽:ザック・クレッガー 制作:ロイ・リー。JD・リフシッツほか 撮影:ラーキン・セイプル 編集:ジョー・マーフィー 音楽:ライアン・ホラデイ。ヘイズ・ホラデイ 制作会社:ヴァーティゴ・エンターテインメント。ボルダーライト・ピクチャーズ。ニュー・ライン・シネマ 配給会社:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 製作国:アメリカ 上映時間:128分 公開日:2025年8月8日(日本は2025年11月28日)
元コメディアン兼俳優だったらしいが大作には出ておらず世界的には全く無名だったザック・クレッガーは監督2作目『バーバリアン』(2022)を監督してヒット&高評価で一作で一躍有名監督入りした(自分もめちゃくちゃ好きだった)。日本では未公開だったがめちゃくちゃ面白くて一作だけで名前を覚えた。次に撮った本作は制作費の7倍近い大ヒット。たった2作で大物監督。バイオハザードの新作映画監督にも決まって「バイオの有名キャラじゃなく無名のオリキャラの映画にしたい」と言っててゲームのファンは不満だろうが―というか僕もゲームのファンだが―バイオが面白いのはゲームプレイであってストーリーは別に全くもって面白いものではないのでそれで良いと思う。クレッガーは「DCUでも、ヒーローじゃなくDCU市民の映画を撮りたい」と言ってて一貫して有名IPで「自分の映画」をやりたい志向(5年前ならMCUでそうしてただろう)。
公開したばかりなのでネタバレ少なめ。ちょっとはネタバレしてるけども。
🚸
Story
ペンシルベニア州の小さな町。ある日、小学校のあるクラスの子供たちが深夜2:17に走って失踪した。ただ一人の男児アレックス(演:キャリー・クリストファー)を除いて。
保護者たちは担任教師ジャスティン(演:ジュリア・ガーナー)を糾弾。
休職させられたジャスティンは捜査を開始するが――
そういう感じで、子供たちが失踪して行方がわからなくなる。
しかし「小学生全員」であるとか「ランダムな子供たちがいなくなった」わけではなく一つのクラスの子だけ全員消えた、しかも一人の子を除いて。
何か人為的なものを感じるがどういうものなのかサッパリわからずドキドキする。
物語は章ごとに主観を変え、時に時系列を前後させながら徐々に真相に近づく形式。
保護者に糾弾されて休職させられたジャスティンは、元恋人の警官と寝たり、一人無事だったアレックスから何かを聞き出したいが接触を禁じられているためアレックスの家の前で車中で寝てしまう。すると家から人影が近づきジャスティンの髪の毛を採取して消える。
次に子供が失踪した保護者アーチャー(演:ジョシュ・ブローリン)の章に移る。
ジャスティンを大声で糾弾していたのもアーチャーだった。
彼も子供の失踪の原因を探しており、自分の子供も他の失踪した子供もみんな深夜2:17に、玄関から出て両手を後ろに伸ばした『NARUTO』の忍者のような入り方でどこかへと走り去っていく。
夢の中でアーチャーは、町のある家に近づく。その家の上空には超巨大なライフルがありその銃身には「2:17」と書かれてある。
個人的にはこの辺が『バーバリアン』(2022)の監督に期待する「状況がよくわからないまま話を進めてほしい」という自分の期待に沿ったピークだった。
翌日、ジャスティンを見つけたアーチャーは再び彼女に詰め寄る。
すると血まみれのマーカス校長(演:ベネディクト・ウォン)が失踪した子供たち同様のNARUTO走りで突撃してくる。
その後も、3人?くらいの章が続き、無事だった男子生徒アレックスの章で全てが集束されて結末を迎える。
だがアーチャーの章の後半で、ジャスティンの章でのおかしな点と合わせて「どうやら魔女由来の怪異らしい」とわかる。だからアーチャーの章以降アレックスの章以前までの中盤は、最後の「アレックスの章」で描かれる展開の部品となる人物が描かれるだけで、ちゃんと面白くはあるものの個人的には中だるみした感じがあった。
というのも勝手な期待ではあるが『バーバリアン』(2022)のように、かなり後半までよくわからず、しかも「何だこの人物?なんでこいつを描く必要がある?」と思わせ続けて欲しかったのだが「アーチャーの章」以降の章は「校長のように、クライマックスで使う”ウェポン”を描いてるんだな」と完全にわかってしまった、だから中だるみしてしまったわけ。
だが、それは『バーバリアン』(2022)があまりに面白すぎたため印象付けられ、クレッガー監督のこの方程式を知ってしまった、そしてそれ以上の期待を込めて注視していたため、残りの展開が読めてしまい。「読めてしまうんかい」という感じで落胆してしまったというわけだ。
とはいえ、この方程式は新鮮だし、文句言ってるが本作も別に普通に凄く面白い。
だから観る人が少なかったし、あまりに観る前が謎すぎた……そして、いざ観てもかなりの時間が謎のまま……それがゆえに観る前のキャッチーさが「とにかく凄く面白い!」とホラー好きが騒いでたことしかヒキがなかった『バーバリアン』(2022)よりも「クラスの子供たちが全員NARUTO走りで失踪!」というキャッチーなヒキと大々的に公開されたことでこっちの方が大ヒットしたのはわかる。
ただ、さっきも言ったように『バーバリアン』(2022)を先に観て、なおかつ凄く楽しめて期待のハードルがガン上がりした状態で観てしまったがために「あぁ、同じパターンね。しかも更にわかりやすくした感じの」と、そういう種類の落胆してしまったわけ。
だが『バーバリアン』(2022)を未見のまま、こっちを先に観てたら「めちゃくちゃ面白い!新星あらわる!」などと興奮していただろうし、さっきも言ったが本作は普通に凄く面白い。
ただ自分が勝手に、期待を異常なまでに上げすぎてしまっていただけだ。
だから次からは、この「章ごとに登場人物を変えて描いてクライマックスに向かうパターン」はもういいかな……。
もっと色んな面白シーンやババアについて書くべきだろうがそれは本作を気に入った人に任せる事にして、僕はこの自分の気分を伝えるドライな感想に留めておこう。
くどいようだが別に普通には面白い。ただ僕が期待しすぎていただけだ。
そんな感じでした
〈ザック・クレッガー監督作〉
『バーバリアン』(2022)/謎の隠し方と語る順番とミスリーディングが巧みすぎる!超超超超超最高 - gock221B
Weapons (2025) - IMDb
Weapons | Rotten Tomatoes
Weapons (2025) directed by Zach Cregger • Reviews, film + cast • Letterboxd
WEAPONS/ウェポンズ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
