gock221B

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『バーバリアン』(2022)/謎の隠し方と語る順番とミスリーディングが巧みすぎる!超最高🏠


原題:Barbarian 監督&脚本:ザック・クレッガー 配信:Disney+ 製作国:アメリカ 配信時間:103分

 

 

なんか最近Twitterでちょいちょい評判を聞くホラー。
観た人は皆「ダブルブッキングで一軒家の宿泊施設で知らない男女が一晩過ごす」という設定だけ言って後はネタバレしないようにしてる。よほど面白いらしい、と期待が上がった。「『バーバリアン』っていうぐらいだから野蛮な奴が出てくるホラーか?」という予想しか立たない。ずっと気になってたので観た。
監督のザック・クレーガーって誰?と思ったらアラフォーの俳優。あまり知らないコメディ2本とドラマをいくつか監督したり出演してる人だった。日本では無名に近い。それで殆ど宣伝されなかったのか(こんなに面白いのに……)。

ネタバレ殆どなし。前半のことだけ書く事にする。

 

 

 

 

Story
仕事のためデトロイトの荒廃した町ブライトモアを訪れた女性テス(演:ジョージナ・キャンベル)。
宿泊のために借りた一軒家に到着するが、ダブルブッキングにより見知らぬ青年キース(演:ビル・スカルスガルド)が滞在していた。
嵐の深夜のため、他に行く当てがなかったテスは、仕方なくキースとそこに宿泊することにする。
その夜、自部屋で眠っていたテスは、部屋のドアが開けられ家中を動き回る大きな音で目がさめる。翌日、地下室にトイレットペーパーを探しに下りたテスだが、地下へのドアの鍵が閉まり閉じ込められる。そこで謎の扉を見つけるが――

映像は、始まって数分で好みの映像だと思った。言葉で説明するのが難しいが……A24映画とかクリント・イーストウッド映画みたいな、ガチャガチャとカットが変わらない大人っぽくて現実的な映像(これ以上わかりやすく映像を言葉で説明できん)。

テスはAirbnb(別荘やコンドミニアムをレンタルできるネットサービス)で小さくて小綺麗な家を借りた。
ダブルブッキングで一緒に泊まる事になった青年は、非常に紳士的で優しいイケメン。
キースを警戒していたテスだったが、ワインを飲んで少し話すだけで仲良くなる。キースはテスが面接を受けるドキュメンタリー監督のマイナーなドキュメンタリーも観ていたし実業家だった。何よりも常に感じが良い(だがホラーのパターンだとこういう好青年は豹変するのでまだ信用できない)。テスは恋バナまでして「ダメ男とわかっていても私ってついズルズルと流されてしまう」と嘆く(これも伏線、というか全部が伏線)。
ずっとテスに親切だが、演じてるのが『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)の殺人道化師ペニーワイズ役でお馴染みの、イケメンだが悪そうな印象のビル・スカルスガルドなので「ひょっとして連続殺人鬼じゃ……」という疑惑が拭いきれない。この気持ちが「知らない若い男性と一晩泊まらなければならなくなった若い女性テス」と完全にシンクロする事になる、その緊張感はずっと続く。キースはテスにベッドがある鍵付きの部屋を譲り自分はソファで寝る。
深夜、歩き回る物音がしてテスは目を覚ますと自部屋のドアが開いていた。やはりキースは殺人鬼なのか?しかしキースはソファで寝てうなされていた(彼がここでうなされてた意味、最後まで観ても謎。何者かに物色されていた影響か?)。テスがキースを起こすとキースの方がビビっている。どうやらキースは殺人鬼ではない?いや、まだわからない。話してる間、テスが寝ていたドアが背後で動いている。幽霊系のホラー映画なのか?テス、再び寝ると次の朝。キースは先に出かけていた。
普通だったら一夜のうちに恐ろしいことが起きて、朝に映画が終わるものだが何も起きなかった。キースは、とりあえずこの夜は悪人ではなかった。
キラキラした都会の面接先に向かうテス。朝になると自分たちが宿泊していた家だけ綺麗で、後はボロ屋……というレベルを遥かに越えて殆ど廃墟みたいな家ばかりで、はっきり言って治安的な意味でめちゃくちゃ怖い。
追記:このデトロイトのブライトモアという地域は本当にこんなに荒廃しているらしい。同じく自動車産業が廃れたデトロイトが舞台の『グラン・トリノ』(2008)も治安が悪かったね。
街に出て面接するテス。まだ何も起きてないうちに危険っぽい地から完全に安全地帯に出てしまう展開も珍しい。
面接してくれたドキュメンタリー監督に、宿泊してる所がブライトモアだと言うと監督は「え?冗談でしょ」と真顔になる。テスは心配無用と言う。
こういった感じで映画が始まってから謎や興味がずっと持続し続けるよう全てに工夫を凝らして作られてる。

 


面接を終え、相変わらず治安的にヤバそうなブライトモアの例の家に帰ってきたテス(テスとキースは何日か宿泊するみたいだ)。
恐ろしげな町だが、テスは面接先でキースの写真を見て微笑んでいたし、キースと恋の予感を感じているのかも。
家に入る前、ホームレスの男が「おい!そこの女!待て!その家に入るな!」と絶叫しながら走ってきた。めちゃくちゃ怖い!万事休す、急いで家に入り鍵を閉めるテス。(でもホラー映画よく見てたらわかるよね?このパターンだと、このホームレスは実は良い人ってことが)。
トイレットペーパーがないので地下に取りに行くとドアが締まり鍵がかかってしまう(このドア、この後も放っとくと必ずこうなる。こういう仕掛けなんだろうか)。
スマホは上の部屋に置いてきたし、キースが帰ってくるまで地下で待つしかない。地下室の壁に不自然なロープがある。引っ張ると地下室の壁の隠し扉が開いた。
扉の向こうが不気味すぎてテスは入るのを一旦やめる。だが気になるし他にやる事もないので扉の向こうに行く(この一回、躊躇してやめるのも良い)奥には部屋があり、電灯を点けるとボロボロのベッドに向いた撮影用カメラ、バケツ、壁に血の手形……監禁部屋だ。どう考えてもヤバい。
他には誰も居ないが忌まわしい監禁部屋にビビりまくり地下に戻るテス。帰宅したキースの足音が聞こえたので、『パラサイト 半地下の家族』(2019)でも出てきた庭が見える半地下の窓を叩きまくって家に近づくキースに助けを求める。
この時点ではまだ「昨夜は何も危害を加えてこなかったが、やっぱりキースがタイトルにもなってるサイコパスの殺人鬼……バーバリアン(野蛮人)という可能性もゼロではない……」と再び身を固くして見守る、が……普通に助けてくれた。昨夜も何もせず、閉じ込められた地下からもテスを開放。そろそろ「キースはバーバリアンではない」と見ていいだろう。
これで、怪しいサイコパスにしか見えなかったビル・スカルスガルドをキース役に起用してたのは「犯人かもしれない……」と、常に視聴者が身を固くして集中して映画を観続けさせるように配置されたキャラだとわかった。『ツイン・ピークス』風に言うなら「フクロウはフクロウではない」(人は見た目通りではない)。
テスはビビって荷物をまとめて家から出ていこうとするが、キースは「自分も見てくるからちょっと待ってて!」と言う。しかしキースは地下から帰って来ないし呼んでも返事がない。
テスは仕方なく地下室に様子を見に行く。
……いや絶対、町の外に出てから警察に通報だろ!というかキースが地下に行くのすら止めて通報すべきだろ。どこかに変態が潜んでるかもしれんし乗り込んでくるかもしれん!昨夜もドア開いてただろ。
まぁテスは正義感強すぎるみたいなので良い奴のキースが見捨てられなかったのだろう。キースは「君を信じてるが僕は監禁部屋を見てないから、見て信じさせてくれ」という感じだったし「少し良いな」と思ってそうなキースを置いていくと縁も切れてしまう……という気持ちもあったのかも。
しかし、どういうわけか地下室にも、地下室の隠し扉の奥の忌まわしい監禁部屋にもキースは居ない。キースがどこに行ったのかマジでわからん!?異界にでも行ったのか?
しかし、よく見ると監禁部屋を通り過ぎた通路の行き止まりに金属製の扉があった。
それを開けると、なんと……地下室の隠し扉の奥の監禁部屋……の奥から更に地下二階に降りる階段がある!地下の地下だ!
隠し扉の監禁部屋だけでも怖いのに更に地下!?
異常の上に重なる異常。
まだ何も怖いものは出てきてないが既に怖すぎる空間!
一体、地下には何が……?そして誰が、何のために作ったのか!?
っていうかキースは?まsか地下二階に?
すると地下の地下から助けを求めるキースの声がする。テスは当然ビビり散らかしているが、仕方なく地下へ……(武器もないんだから今度こそ絶対に通報だろ)。

 

 

……という辺りが前半までの展開。
こんな感じで気がついたら劇中で起こる出来事をラストまで全部書いて逐一その時の自分がリアタイでどう思ったか全て書きたくなる映画だった、が……やめとこう!
これは自分で観て感じてこそ面白い映画なので、観てない人がたまたまこのページ観て全部知ってしまうとつまらないのでやめよう。ネタバレ知りたい人はYOUTUBEや違うサイトで読むだけだろうし、自分も観るつもり無い映画のネタバレ読んだりするから別に、それに否定的な事も思っていない、だが本作はめちゃくちゃ面白かったから自分のブログがネタバレの加担になりたくないだけ。以降の展開こそ全て念入りに書いて褒めたい気持ちを抑えて記事をここで止める気持ちを汲んで、これを読んでる未見の人は観てほしい。既に観た人が全くネタバレしてなかった理由がわかった気がするわ。
とにかく謎の隠し方、その謎を明かしていく順番。ビル・スカルスガルドの件もそうだが上手なミスリーディング。一回クライマックスが来たら突然全く関係ない知らないキャラを出して何か関係ない事してて「いや、誰だよ?家の状況は?」とか思ってたら、そいつもあの家に結びつく……という展開x2。次々と出てくる異常にムカつく人間やシステム……など、とにかく最後まで興味や面白さが途切れない。後から出てくるジャスティン・ロングの使い方も良いし(余裕のある時は善人ぶるがピンチになると本性を表すクソ野郎っぷり。テスが心配な時に訴えられてるくだりを延々見せるのも最高)、とにかく危なっかしいテスを応援せずにはいられない。これは評判通り面白いホラーでした。
この監督、ミスリーディングやストーリーの進め方が上手すぎるし、MCUにうってつけの人材。Disney+だし当然MARVELスタジオの人も見てるだろうし是非、起用されてほしい。
特に文句言いたくなるような欠点はない。
が、個人的なワガママ言わせてもらうなら、終盤に何でも知ってるホームレスが全部教えてくれるのだが、教えてくれるとスッキリするが自分で考える謎がなくなってつまらないので教えてくれない方がよかった(これは文句じゃなく、あくまで無理やりケチつけるならね)。
ホラーのお約束を少しづつズラして飽きさせず集中させる……それでいて要所要所は外さない!最高でしょう。

 

 

 

 

そんな感じでした
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Barbarian (2022) - IMDb

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