gock221B

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『トップガン マーヴェリック』(2022)/限界までわかりやすくして敵や死の香りを完全に消して気持ちいいシーンを増やした爽やかな映画🛩️


原題:Top Gun: Maverick 監督:ジョセフ・コシンスキー 脚本:アーレン・クルーガーエリック・ウォーレン・シンガークリストファー・マッカリー 主演&制作:トム・クルーズ 製作:ジェリー・ブラッカイマーほか 主題歌:レディー・ガガ「Hold My Hand」 製作国:アメリカ 上映時間:131分 シリーズ:『トップガン』シリーズ第2作目

 

 

『トップガン』(1986)の36年振りの続編。監督は『トロン: レガシー』(2010)とか『オブリビオン』(2013)という不安な監督……だがトム・クルーズ作品は半分トム・クルーズが半分監督みたいなもんだしブラッカイマーもまた絶大な力がある。そんで死ぬほど大ヒットした。前作は観てなかったから公開前に観たが全然面白くなかったですね……でも映像とか音楽や雰囲気は最高でした。

ネタバレあり

 

 

 

 

Story
アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”。かつてない世界の危機を回避する絶対不可能な極秘ミッションに直面する。ミッション達成のため チームに加わったのはトップガン史上最高のパイロットでありながら型破りな性格で組織から追いやられたマーヴェリック海軍大佐(演:トム・クルーズ)。組織が嫌う彼を呼んだのはかつてのライバル、アイスマン海軍大将(演:ヴァル・キルマー)だった。若き精鋭パイロット達の中には、マーヴェリックの戦死した相棒グースの息子、ルースター海軍大尉(マイルズ・テラー)の姿も。タイムリミットは迫っていた——

本来、将官になってもおかしくない戦歴だが現場主義を貫いてマーヴェリック、音速テスト機のテストパイロットをしていた。アイスマンに呼ばれて若き精鋭パイロットたちの教官となる(ちなみに若き精鋭パイロットたち全員よりもマーヴェリックの方が操縦が上手い)。
ならず者国家NATO条約に違反するウラン濃縮プラントを建設し稼働させようとしていたため、それをぶっ潰すチームの教官になったというわけ。
この作戦は、編隊を組んで地形に沿って飛来し先鋒がプラントの入り口を射撃、後続がそこに爆撃!するとプラント全体が完全に死亡!という『スター・ウォーズ ep4/新たなる希望』(1977)デス・スター破壊を始めとしてハリウッド映画でお馴染みの、一点突破方式。『アベンジャーズ』(2012)とか大作映画のトドメは全てこれ(『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)はインフィニティ・ガントレットをGetして指パッチンするのがコレにあたる)。「本当に2発撃つだけでプラントを全破壊できるのかい!?」「それを調べるまでも色んな苦労があったんだろうな」とか色々思わせるが本作は爆撃2発でOK!と限界まで単純明快にしてるのが本作の大ヒットに繋がってるんだろう。
で、プラント破壊も難しいがチームが、このエリアを敵の攻撃を躱して離脱するのが最難関!という作戦。マジで小学生でもわかる明快な作戦。ハリウッド大作映画は、もう20年くらい一点突破全解決クライマックスが続いてる。そうしないと映画一本の間に作戦が終わらんだろうし代わりの展開も思いつかないのでしばらく続くのだろうし別に悪いとは思わない。
本作はこの実戦以外のありとあらゆる要素が、凄くわかりやく爽快。
作戦を一堂に説明する時に偉い人が……台詞はうろ覚えだけど「チームの中の優秀な者が」的な事を言うと自信家のベジータ的なハングマンの笑みがアップになり「チームの中の後れを取る者がいれば……」的な事を言うと「ハングマンがルースターを見る」カットが入る。物凄く全編、分かり易いサービスが行き届いている。
この爽やかな単純明快さが大ヒットした理由なのかも。
今の大作って社会問題を考えさせる要素やMCUみたいにオタク知識がないと完全には楽しめないものが多すぎる。僕は好きだが「映画なんて年に一回しか観ない」……という世の中の殆どの人にとっては本作のほうがいいだろう。関連作を観る必要もないし。
正に、この映画そのものが劇中のプラント破壊作戦同様にシンプル。他の観る前に考慮する前提が必要な大作映画の風潮の間隙を縫った映画。本作一本だけ観れば老若男女誰でもいける本作の爽やかさが際立ったんだろう。
……というのが一番に頭に浮かんだ感想。


マーヴェリックは作戦成功させるためチームを特訓する、それと並行して仲良くないチームを一つにまとめるという精神的な役割をこなす。といっても皆、立派なパイロットなので割と早い段階で自然と仲良くなるのだが、グースがマーヴェリックを恨んでいるので、この疑似父子の和解がテーマの一つとなっている。
で、おまけとしてマーヴェリックが、元カノであるジェニファー・コネリーと仲良くなるラブストーリーもある。彼女の娘が留守中にベッドインしてたら娘が帰宅してきたからベランダから落下して帰宅しようとしたら娘に見られててトホホみたいなシーンは「中年になったのにトム・クルーズ、高校生みたいな朝帰りしてるやん」という微笑ましい笑いが生まれる。
「マーヴェリックの元カノ」と言えば前作での女性教官だが演じてたケリー・マクギリスが年相応の老け方してる上に肥満になったせいかオファーが来なかった。別に年相応に老けることも太ることも良くないとは思ってないが現在のケリー・マクギリスに比べてトム・クルーズがあまりに若々しすぎるので、確かに今のトム・クルーズが今のケリー・マクギリスとラブストーリーを展開したら観客が「えっ……」となってしまい映画鑑賞のノイズになってしまう、だからジェニファー・コネリーにしたんだろうと思った。あと前作を改めて観てもあの女性教官、全く良いキャラじゃないんですよね。「ロッキーとエイドリアン」みたいに愛し合いすぎてる関係なら「エイドリアン出さんとダメだろ!」となるけど女性教官なら全くそんな事はない。
ちなみにジェニファー・コネリー、今の今まで新規キャラだと思ってたが、検索したところ前作でマーヴェリックが付き合ってた大勢の女の子の一人として名前だけ出てた「司令官のお嬢さん」らしい、知らなかった。
それを知ると前半、この地に戻ってきて「あの笑顔」で接近してきたマーヴェリックを、店のベルでやり込めて叩き出してたのも遊ばれた上に違う女を選んだ過去があったからだったのね。
グースの妻で当時無名だがその後超絶ブレイクして超絶映画に出れなくなったメグ・ライアンアーカイブ映像で出た。だが「『ルースターをパイロットにしないでくれ』とメーヴェリックに頼んだ。だからマーヴェリックはルースターがパイロットになる道を遅らせて死ぬほど恨まれた。だがメグ・ライアンが言ったと言えば母子が気まずくなるからマーヴェリックは秘密を抱えている……」という設定。出演してないメグ・ライアンがあんまり良くない形になっててトム・クルーズだけ良い役すぎて、あんまり感じよくないのでメグ・ライアンも出して「私がマーヴェリックに言ったのよ!」とルースターに言ってルースターが「母さんは心配してくれたからだろ、でもマーヴェリックは自分が父さんを死なせた負い目があるから俺を邪魔したんだ!」みたいな形で、メグ・ライアンを消化してルースターxマーヴェリック2人の問題にした方がスマートだったかもしれん。

 

ほぼ全編、全体的に気持ちいいシーンで構成されてる。
冒頭の”ブラックスター”のテスト飛行。怒った上司(エド・ハリス)が止めに来るがマーヴェリックは強行してテスト開始→成功!→気持ちいい!
夕方、例のジャンパー着てノーヘルでバイク爆走!
ジェニファー・コネリーに接近したトム・クルーズ、店にはまだ面通ししてない精鋭チーム。店から叩き出されるマーヴェリック、でも皆笑顔。ルースがピアノ演奏、それを聴いて店の前で哀しむマーヴェリック、心配するジェニファー・コネリー
皆でビーチフットボール、軽薄な曲が流れる中、異常に濡れたムキムキボディの一堂がフットボール!軽薄な曲の中の最も軽薄な部分でルースがスローモーションで身体をくねらせる!(映画公開時この場面がTikTokの海外女性の間で「クソエロい」とバズってた)

youtu.be
久々に会ったアイスマンと友情を確かめ合うマーヴェリック。
教官をクビになりそうになったマーヴェリック、またお得意の無許可強行発進で、プラント破壊作戦が可能な事を証明→マーヴェリックを疎んじてたアイスマン尊敬しまくり上司も認めざるを得ない→気持ちいい!

でクライマックスの実戦。「フレアは大事なんだな」という小学生みたいな事を思わされる空中戦。撃墜されたマーヴェリックとルースターの共闘、懐かしのF-14に2人が乗り込む!→時代遅れのF-14で二機撃墜→でも弾切れ→ハングマンが助けにきてくれた→マーヴェリックとルースター和解のハグ→マーヴェリックを疎んじてたアイスマン尊敬上司もさすがにニッコリ→気持ちいい

という感じで全体的に、わかりやすくて気持ちいいシーンの連続で出来ていた。
敵対国を伏せ敵兵の顔すら出さず「死」や「血」を極限まで消し、観終えた時には『スラムダンク』を読んだ後のような清涼感があった。監督は「意図的に敵国を伏せてスポーツ映画を作る感じで作った」そうなので監督の狙い通り楽しんだ。

そんな本作に具体的な文句はなく、出演者自ら操縦してる飛行シーンは勿論、最初から最後まで楽しんだものの、なんかいまひとつ物足りない気持ちなのは何なんでしょうかね。自分でもよくわからない。映画公開時も観に行ったんですけど正直そういう気分……良すぎず悪すぎずって感じでしたが観に行った人が超絶絶賛してて、それがよくわかんなかったんですけど、かといってこれといって悪い部分もない……だから劇場から帰っても感想書かなかったんですよね。レンタルしてまた観たので書いときました。それでも理由よくわからんけど明快かつ爽やかすぎたかも。やっぱ敵がどこなのかとかマーヴェリック達によって絶命する敵の顔とかが無いのが好みじゃなかったのかもね。でもそういうのは本作の狙いじゃないから文句を言いたいまでじゃないって感じか。
好きなキャラは……ハングマンかな!

 

 

 

 

そんな感じでした

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Top Gun: Maverick (2022) - IMDb

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