gock221B

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『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(2018)/ニコラス・ケイジ復讐ものだが本編の3分の2はサイケデリックな映像が続くのでそれに合わせに行く必要がある👿


原題:Mandy 監督&脚本&原案:パノス・コスマトス 脚本:アーロン・スチュワート=アン 音楽:ヨハン・ヨハンソン 製作国:ベルギー 上映時間:121分

 

 

気になってた映画だが「妻が殺されてニコラス・ケイジが復讐する」という所謂、復讐もののあらすじを聞いて冒頭からラストまで全て予想ついたし、加齢のせいか「妻や娘が殺されるorレイプされる」という映画がキツくなってきた、何でかというと単純に可哀相だから。

パノス・コスマトス監督
だが、先週観た『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』(2022) が面白くて、中でもブッちぎりで一番良かった第七話「観覧」の監督が本作のパノス・コスマトス監督だった。もう今後の監督作も観たいと思うくらい気に入ったので仕方なくコレも観る事にした。ちなみに、このパノス監督の父は、まぁまぁ好きだった『ランボー/怒りの脱出』(1985) や『コブラ』(1986)ジョージ・P・コスマトス監督らしい。
ドラッギーでサイケデリックな原色を使ったドギツイ映像とバイオレンス。って感じの監督。本当に「コカインとLSDとロック、カッコいい品々が好き」というのが溢れている。『ドライヴ』(2011)でお馴染みのニコラス・ウィンディング・レフンの映像に似てる。未だに若者向けNetflix作品などで流行ってるピンクと青の照明が常に夜道に光ってるブームを作ったのはレフンだと思う(いやピンクと青い光は最近減ってきたか)。あとロブ・ゾンビが撮るサイケデリックな映像っぽくもある。大体ドラッグやロックが好きな人はこういう感じになる。

ニコラス・ケイジ
なんか知らん間に大作映画に一切出なくなり最近、色んなB級映画に出て地味に再評価されてきたニコラス・ケイジ。「そういえば何で大作に出なくなったの?干されてるの?」という事が友達と話題に上がったので検索したらMARVEL映画『ゴーストライダー2』(2012)とかが連続でコケてオファーが来なくなり、私生活で結婚・離婚の繰り返しでカネをごっそり持っていかれて浪費も激しすぎて借金がクソ増えたという自業自得な感じだった。ニコラス・ケイジ本人は好きだけど彼が出てたハリウッド大作どれも面白くない印象だから作品選びも悪かったのかも?なんか「ニコラス・ケイジ主演」と聞いても観る気起きなかったもんね、「ネットでミームになってる本人は面白いけど面白くない映画に出るおじさん」のイメージがついてた(そう考えると干されたのもわかるな)。そんでニコラス本人は借金を返すために年に3、4本くらいのB級映画に出まくってたみたい、そんで最近、借金を返し終えたらしい。
で、近年の「B級俳優ニコラス・ケイジ」時代はというと、H・P・ラブクラフト原作コズミック・ホラー小説「宇宙からの色」の実写映画化『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』(2019)や文句なく大好きな『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021)など、あと最後まで楽しめる程度には楽しかったけど、そこまで面白くもなかったのでブログに書かずFilmarks行きになった『オレの獲物はビンラディン』(2016)など明らかに、大味でつまんない大作に出てた時より楽しい。今後も愛する豚が誘拐されて助けに行く公開中だけどまだ観れてない『PIG ピッグ』(2021)とか、ニコラス・ケイジ本人役を演じる『マッシブ・タレント』(2022)など楽しみなB級映画が多くある。風変わりで楽しい映画ばかりに出るようになったおかげでニコラス・ケイジも再評価されつつある。借金も返したし大作に戻ってくるのかもね。

ネタバレあり

 

 

 



Story
1983年、レッド(演:ニコラス・ケイジ)は、愛妻マンディ(演:アンドレア・ライズボロー)と山奥で静かに暮らしていた。
しかしマンディに固執するカルト集団によって、レッドの眼の前でマンディが焼き殺されてしまう。怒り狂ったレッドはオリジナル武器を作り復讐を誓う――

ストーリーはシンプルで本当に上の通り。
カルトの教祖が、マンディを気に入り恐らく自分の女にしようとして屈強な配下のバイカー”ブラック・スカルズ”を使って主人公レッド――いや、わかりにくいからニコラス・ケイジと書く――ニコラス・ケイジを縛り上げ、ドラッグを喰わせて酩酊状態のマンディに得意の説教するもののマンディは悪魔のような顔で教祖を嘲笑しまくる。それで怒った教祖によってニコラス・ケイジの前でマンディを焼き殺してしまうってわけ。
「妻or娘が殺されるorレイプされて復讐する」系の映画が加齢と共に苦手になってきた俺。といっても所謂ジャンルもののフィクションだし「第一幕でやられて→第二幕で準備して復讐を始め→第三幕でちょっとだけ負けて捕まるけど逆転勝利!」という構成なのはわかりきってるし、実際に映画を観たら「殺されるorレイプされる」場面は割と平気なんだけど、加害者がやってくるまでの序盤、殺される予定の被害者が何も知らず平和に楽しく過ごしてる場面を観るのが辛い。可哀相で。むしろ「可哀相だから、さっさと殺されて復讐パートにいってほしい」と勝手なことを思ってしまうものがある。
オバケとかが本格的に苦手な友達、何人かいるけど勿論そーいう人は「Jホラーとか絶対に観ない!」という感じなのだがいざ観たら大して怖がらない場合が多い。僕も「怖さ」や「エロ」に対してそういうところがある。要は本番よりも自分の想像の方が怖かったりエロかったりするタイプ。「殴られるのは痛いの我慢すればいいだけだが、それよりも殴られる事が濃厚な、殴られてない時間の方が怖い」というやつ。
まぁよくわからない事を熱弁しても仕方ないので映画の話に戻る。
ネットの批評を見ると「ニコラス・ケイジ大暴れアクション」を期待した人は、観念的で抽象的なサイケデリックな映像にウンザリした人が多いみたい。「ニコラス・ケイジ大暴れアクション」はちゃんとあるのだが、それは映画が3分の2くらい進んだ後半からであって、そこまでは観念的で抽象的なサイケデリックな映像が続く。僕は前述した通り『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』(2022) 第7話「観覧」で、このパノス監督のドラッグムービー的な趣向を知って、それで好きになったので本作もそういう感じなんだろうなと最初からわかってたので自分もドラッグ……なんてあるわけないのでメイカーズマークのウイスキーをロックで嗜みつつ観てた。
……が、サイケデリックな映像が続くのは僕は嫌いじゃないけど、やっぱり復讐ものという本作にはあまり合ってない気もした。『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』(2022) 第7話「観覧」の場合は「次に何が起きるんだろう」「自分のこの場に居て楽しみたいな」等と思いながら浸れたのだが、「復讐もの」という観なくても最初から最後まで全部わかってる本作においてはドラッグムービーみたいなのは邪魔かもしれない。「後で10kmジョギングしてもらうけど、その前に温泉に浸かってよ」と言われてる感じというかね。「後で汗かくとわかってるのに湯に浸かる気になれないなぁ」という気持ちというかね。
殺されてしまうマンディは『シャイニング』(1980)のジャック・ニコルソンの妻役してたシュリー・デュバルっぽい顔で、単純に顔が怖い。
妻を殺したカルト集団が立ち去った後、一人残されたニコラス・ケイジ
変わり果てた妻の亡骸を抱くと灰になって崩れた。
ニコラス・ケイジはオシャレな部屋でTシャツと白ブリーフでウォッカ的なものを飲みながら慟哭、絶叫する。こうなってしまっては当然、復讐しないことには普通の生活に戻れるわけもない。もう元の平和なニコラス・ケイジも死んでしまったのだ。
ニコラス・ケイジは昔の仲間?らしき男のところに行き特性ボウガンを貰う。そして自分オリジナルの斧を鋳造。
さっそくカルトの後を追い、用心棒のバイカー”ブラック・スカルズ”や信者達を、ボウガン、オリジナル斧、チェーンソー、素手で血祭りにあげていく……まぁ別に特に書くこともない。想像通りの展開。
こちらがニコラス・ケイジに常に期待している、目を見開いたキメ顔や若干、大袈裟な演技も堪能できる。香川照之亡き今『半沢直樹』で香川照之役をしてほしい感じもある。
顔も全身も血まみれになる中、一番ラストでスターゆえの真っ白い歯を見せてのキチ○イスマイルが決まっていた。
まぁ、そんな感じでそれ以上でも以下でもない感じ。
やはり事前に自分も酩酊した状態で観て丁度よかった。そうじゃないとこういう映像が苦手な人は後半まで退屈するかもしれない。というか監督た本作のファン、多分きまった状態で観てると思う。それは日本では無理なので何とか工夫して違う方法で映画に自分の精神を合わせに行く必要がある。

 

 

 

 

そんな感じでした

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Mandy (2018) - IMDb

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