gock221B

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『マウス・オブ・マッドネス』(1994) ジョン・カーペンター/ラストのポップコーンの衝撃📘

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原題:In the Mouth of Madness 監督&音楽:ジョン・カーペンター
製作国:アメリカ 上映時間:96分

 

 

 

久々に観たくなって観た。
この映画をまだ観てない人は読むのをやめて、本編を観た後で読んでいただきたい

やはり前述した理由で、このラヴクラフト風の巨大な何かに抵抗するも、死ぬか発狂するかのどちらかしかできない本作は昔より楽しめるようになっていた。
とりあえずOPが既にカッコよすぎる。
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保険調査員(サム・ニール)が、失踪したホラー作家の行方を追っていくうちに狂気に囚われていき(もしくは正気になっていき)、まるでお父さんが休日にササッと作ってくれた手料理の様な気軽さで世界が破滅する。。
‥しかし、この映画のあらすじとか起きる出来事を書くと、観てない人が観た時に面白くないので本編で起こる出来事を羅列するのはやめておく(というか別にあらすじを順に追って面白おかしく書いたところで、書く方も読む方も楽しくない気がする。さっきも言ったが本作を観てない人は本編を観て欲しい)
とりあえずノーランとかがこの映画撮ったら無駄に壮大げな映画にしてしまうんだろうけど、カーペンターだから異常にB級臭い軽い仕上がりになっているところが好きだ。
世界の終わり表現も新聞紙が転がってるだけなのが最高だと思った。
黒沢清映画の世界の終り表現も紙屑が転がってるだけなのはこっから来てるのかな。

書いておきたい小ネタを二つだけ書いておく。
作家が失踪した先の町で泊まる宿の、ピックマン夫人が『ツインピークスで「孫は‥マジックの‥勉強‥」でお馴染みの、ブラックロッジの住人でもあるトレモンド婦人の御婦人だった。この人のルックスはかなり好きだ。この御婦人の真顔は怖い。
亡くなってしまったので新しい『ツインピークス』(2017)では観れないのが残念だ。
新たに観て衝撃を受けたのはラスト。主人公が映画館である映像を観る、その映像が衝撃なんだが、僕的にはその大オチよりも、主人公がわざわざポップコーン持って座席に着く場面に度肝を抜かれた!
何故か今まで気付かなかった。何度か観て気付いた。この大変な状況、そして本作で一番重要なシーンなのに……ポップコーン持っとる!
わざわざポップコーンの小道具を用意して「監督おかしいですよ」と言われてもロクな説明もせず「いや、映画観るシーンだからこれでいいんだ。誰でもポップコーン食うだろ」とか言って俳優にわざわざ持たせるカーペンターが容易に想像できる。
これには衝撃を受け、脳内物質がガッ!と出て身体の細胞が分裂し始め己の肉体が新たに更新されるのを感じた。
映画館で映画を観るならポップコーンなんだろう。世界が破滅する時も。
それに、ここでのサム・ニールの演技が最高すぎて、ここだけ何度も繰り返し観た。
カーペンター映画はいつも終わり方が異常にカッコいいが(特に『ゴースト・オブ・マーズ』『エスケープ・フロム・LA』『遊星からの物体X』『ゼイリブ』)、本作の終わり方も非常にカッコいい。

‥いや、それよりもポップコーンが。。
本編が全てポップコーンの前フリに思えてきた。


とにかく今まで「まぁまぁ面白いな」程度にしか好きじゃなかった本作も自分の中のカーペンター傑作の一本になったことが嬉しかった。

 

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ジョン・カーペンターは好きな監督トップ3に必ず入る監督。
一番好きと言っても過言ではないが、最近映画撮らないので二位や三位に下がったりすることもあるが三位以内には必ず入れておきたい感じ。そうしてると安心する。
映画撮って欲しいが、最近は音楽のアルバム出したりコミック原作をしてる。

 

自分が求めるジョン・カーペンターの魅力は

★位置関係が異常に明快でテキパキしていてあっさり終わるアクション
(中原さんの本で指摘されてたが「ゴースト・オブ・マーズ」の通路で、二人が撃って弾が切れたら後ろの二人と入れ替わって順ぐりに撃つだけなのに面白い‥という場面を始めとして銃撃シーンはどれもいい。俺が嫌いなスローモーションがないところ)


★彼独特のとぼけた態度
(「ダークスター」「ゴーストハンターズ」全編。あと彼本人が作るベンベンBGM。「エスケープ・フロム・LA」のサーフィン。「ゴースト・オブ・マーズ」でエクスタシーにしか見えないドラッグをきめて悪霊を退散させるところ。そして同作品のコメンタリーで主演女優にマリファナの魅力を訊いたり語り続ける監督。「ゼイリブ」のグラサンとプロレス。後述する「マウス・オブ・マッドネス」のポップコーン)

一番大きい魅力は、どうしても勝てないくらい巨大な運命や権力に反抗する態度で、ここは誰でも描けそうで描けない彼独特のノリというものがある
(「要塞警察」「ゼイリブ」全編。「ダークスター」「物体X」「エスケープ・フロム・LA」「ゴースト・オブ・マーズ」等のラスト。
「スターマン」で科学者が軍に取る態度)90年代までのイーストウッドもそんなノリがあったような気がする。というか昔のイーストウッドとカーペンターはB級映画監督同士似てる気がする

‥などで、あと一つは漠然としたことだが
ジョン・カーペンターは自分や自分の映画の事を「俺はこの程度でいい。お前もいいだろ、こんなんで」とでも言いたげな、まるで冷蔵庫の中のものだけで
ササッと作って出て来た父親の手料理みたいな程度の壮大さしかない映画本編。
黒沢清監督が彼を指して「映画界の中心にジョン・カーペンターを据えればスッキリおさまる」と言うのがわかるあの丁度よさ。
他には物体XなどのSFXもあるが、それは自分の中ではディティールみたいなもんなので省いた。

それでジョン・カーペンターのじわじわ系のホラーは、これらの要素とはまた別のもので、特に自分が一番好きな反抗性とは真逆なので、当然何度も観てはいるが、いまいちハマりきらないものがあった。
更に自分が若い時(10代~30代半ば)は、少年ジャンプみたいな漫画が好きで、映画も当然自分の力で状況を打破するものが好きだったので(もしくは物体Xやゴーストオブマーズみたいに死ぬことがわかっていてもスーンとしてる態度を取っていれば俺にとっては勝ち)、巨大な敵や世界そのものに潰される、カーペンターのホラーはカタルシスを感じられない事がままあった。幼稚な感性だったことを書くのは恥ずかしいが‥
そして自分が年取ってきたら(30代半ばを過ぎたあたり)完全に加齢のせいだと思うが、それまでは全然好きじゃなかった自分の力ではなすすべもなく滅ぼされてしまうようなものが好きになってきた。
昔は好きじゃなかった絶対に勝てない完全生物エイリアンの事が異常に好きになったり、同じリドリー・スコット作品でも現実に存在する巨大な物になすすべもなく押し潰される「悪の法則」も異常に感動した。
もちろん自分が潰されたいのではなく、世の中にそういうものがあると認識すると何故か恐ろしさと共に安心感を覚えるようになった
「マウス・オブ・マッドネス」と凄く似てる「世界の終わり(マスターズ・オブ・ホラーの一篇)」を観た時におおっと思ったので「あ、俺こっちもいけるようになったんだな」とわかった

 

 


そんな感じでした。

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In the Mouth of Madness (1995) - IMDb

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