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gock221B

映画その他の感想用ブログ(2015年開設) http://gock.flavors.me/

「姿なき脅迫(1978)」ジョン・カーペンター/サイコパス知能犯に見せかけた単なる荒いオッサンの犯行だったとはな‥

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原題:Someone's Watching Me!<TVM> 監督:ジョン・カーペンター
制作国:アメリカ 上映時間:99分 旧邦題:「
狙われた密室の女

これは興味なかったが、ファンなら観てないやつも一応全部観とこうと思って、すげー昔に人に貰って10年くらい寝かしてたこれをやっと観た。
カーペンター氏は映画撮る気ないのか「ザ・ウォード/監禁病棟 (2010)」がいまいちヒットしなかったからなのかよくわからんが最近はミュージシャンとしてCD出してツアーしたりコミック原作したりで全然映画撮ってくれない。
これは39年前のTVの長編ドラマ。アメリカの土曜サスペンス劇場みたいなもんか?
主演の女優は70~80年代に活躍してた人らしいがよく知らん。
出演作で観た事ある映画ないかなと検索したら、この人がアラフォーの時に熟女ヴァンパイアの役で若手時代のジム・キャリーの血を吸う「ワンス・ビトゥン/恋のチューチューバンパイア (1985)」を観た‥気がするが内容全然覚えてない。
本作のAD役で出てるエイドリアン・バーボーは本作でカーペンターと知り合って付き合い始めて結婚して「ザ・フォッグ(1980)」で映画デビュー。「ニューヨーク1997(1981)」の作品内で殺されて3年後に離婚‥という感じ。
ジョン・カーペンターの好みのタイプって、痩せてる美人だけどオーラが薄くてシャツをズボンにinしそうな優しそうで肌が乾燥してそうな女性が多いね。カーペンターの女性の趣味は結構好き
古すぎるし興味ないな‥と思ってたけど、既に「ダーク・スター (1974)」「要塞警察(1976)」「ハロウィン(1978)」を撮った後なんだから既にカーペンター色は出ていた。めちゃくちゃテキパキしたテンポと無駄のないサッと動いてパキッと止まる構図とかがそうだが、映画の専門的知識ないせいで抽象的なカーペンターらしさしか話せない自分が何だかアホみたいだが構わず話を続けよう

トーカー登場!ストーキングに挑戦して百万円をGETせよ!
主人公の女性は29歳のTVプロデューサーのリー。
LAの高層マンション"アーカム・タワー"に引っ越してくる。
しかし初日から何者かの双眼鏡が彼女を観ていたり、車で尾行されている。
ちなみにこの時はまだ”ストーカー”という言葉が生まれる10数年前の時代だ。
TV局での仕事が見つかり、レズビアンのADソフィー(エイドリアン・バーボー)と共に料理番組を担当する事になったリー。
仕事初日に帰宅すると部屋の鍵が開いている。
「閉め忘れたのかしら?」って感じでリーは電話する。
電話してるリーに焦点があったままの彼女の背後で、部屋の中から黒い男がバッ‥!と外へ出る
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バカこええ!こんなもんスーパーこえーわ
このシーンは怖い音が鳴ったりも殆どしないしカメラが寄ったりとかもしないというゴダールっぽい感じで怖かった。「エクソシスト3」のハサミ男的な怖さ
何でそうした方が怖いのかというとその方が現実に近いからだ。
現代的な映画テクニックを使えば使うほど映画をあまり観ない人は良い映画を観ている気分になれて楽しめてる気分にされるものだが、それだと「俺が今観てるこの映画の中で今映画的テクニックが使われて犯人が出ていったぞ‥」と思わされて、どんどん犯人の犯行が記号的になってしまい怖くなくなってしまう。。‥わかりますか言ってること?
ニュース番組ではエイドリアンという女性が飛び降り自殺したニュースが流れる。
このエイドリアンは映画冒頭で犯人がストーキングしていた女性だ。
それから毎日、無言電話がかかってくるようになったがリーはまだストーキングされてる事に気付いていない。
そしてリーの自宅の机には盗聴器が仕掛けられていた。
さっき男が出てったのはコレだったのね。ずいぶん原始的なストーカーだな‥。
もしこのストーカーが「フリースタイル・ダンジョン」にチャレンジャーとして出たらチャレンジャー紹介Vで「原始的な豪腕ストーカー!STALKER!エコー〉」というナレーションで紹介されそうだ
何となく何者かの気配を感じたのか不安を覚えたリーは何もない部屋の隅やキッチンを見たりする
誰もいない。

地獄だぞおじさん
夜、帰ろうとして車のキーを落として拾って頭を上げると、車のすぐ外に不気味な男が立っていた。
ホラー映画によく出て来る、ストーリーに絡むわけではない無害だが世界の秘密を知っているキチガイ系おじさんじゃないか。俗に言う地獄だぞおじさん。
有名な地獄だぞおじさんは「ヘルレイザー」の虫食うおじさんとか「パラダイム」のアリス・クーパーとか「オカルト」の地獄だぞおじさんとかがいる。
まあ虫食うおじさんは人じゃないのだが、他のおじさんは真実を知ってしまったがゆえに狂ってサイコウォーリアーになってしまった感じで作品の雰囲気作りに一役買う。
とか思っていると男は言った「人生は地獄だよな?」
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地獄だぞおじさんやん!
モロに。
純度百%の地獄だぞおじさんじゃないか。
純度百%の?ピッカピカの?おッとこ前の?‥ストーカー?(高田延彦
おじさんは帰っていく。地獄だぞおじさんは忠告して良い雰囲気を作るためだけのキャラなのでさっさと帰っていった(キチガイ田舎ホラーで忠告してくれるガソリンスタンドのおっさんみたいなもの)。
ここまでの前半の不安煽り演出、結構怖い。
やり口がまるっきり近年のJホラーの怖がらせ方と似てるし。
不審な電話はたまにかかってきているし不穏な瘴気がリーの周辺に立ちこめている。
しかしリーはまだそれをボンヤリとしかわかっていない。
わかっていないが何となくの不安をボンヤリと感じている。
それが第一幕。すげー地味だがなかなかいいぞ

中盤
トーカーから贈り物が届く。それは望遠鏡だった。次にビキニの水着。
水着は変態的発想だとして望遠鏡は「自分を探せ」のメッセージか?
と、誰もが思うはずだがこの映画のキャラは皆バカなので誰もそう思わない。
「贈り物は届いた?」と不気味な電話がかかってくるので、さすがに怖くなってきたヒロインはボーイフレンドに相談する。
やばいぞ。定石通りならボーイフレンドがストーカーに殺される流れ。。
もしくはこのボーイフレンドが犯人?
リーは一日に何度もかかってくる悪戯電話や、自分の職場や自宅を把握されてる系の脅しを何度もされてさすがに気が滅入ってきて睡眠不足になる。
その後、地下駐車場で犯人とニアミスするが、高架下に隠れて上を通る怪しい男を下から見たりするのが立体的で面白いシーンだった。
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向かいの高層ビルにいるらしい事はわかるが、犯人の贈り物の望遠鏡を覗いても向かいのビルの部屋が多すぎてとても探し出せない。
また、犯人はプレゼント送ったり電話してるだけで脅迫も何もしてないし証拠もないので警察に相談しても警察は手が出せない。
という正体も目的も分からないストーカーに悩まされるのが不気味な第二幕。
このストーカーは別に襲ってこようとしたらいつでも出来るが何もしてしない。
「いつでもやってやるぞ、お前は俺の手の中だ」というメッセージを発信し続けて、看護師のように自殺に追い込むのが目的なのか?

後半
※本作は流通してないから最後までネタバレ書くことにします
ボーイフレンド、そしてADソフィーと犯人を探すリー。
犯人から電話があり「望遠鏡を覗いてみろ」と言う。
言われるとおりに覗くと、駐車場でニアミスしたオッサンが望遠鏡でこちらを見ていたので警官に踏み込ませて逮捕。
しかし当然、こいつが犯人なわけない。
後日、犯人の気配を感じたリーは向かいのビルを望遠鏡で覗くと、怪しげな男が望遠鏡でこちらを見ている。こいつが真犯人か?
リーは包丁を持って向かいのビルに侵入する事にした。
自部屋にはソフィーを待機させ望遠鏡で真犯人らしき男の部屋を監視し続けてもらう。
そしてリーとソフィーはトランシーバーで通信しながらだ。

遂に犯人の部屋に入るリー。通信しながらそれを覗いているソフィー。
リー「望遠鏡とテープレコーダーはあったけど、ここには誰も居ないわ」
犯人の部屋から犯人の望遠鏡で、ソフィーがいる自分の部屋を見るリー。
するとソフィーがいるリーの部屋を開けて何者かが入ってくる!
犯人に襲われるのを見たリーは急いで自部屋に帰るが犯人とソフィーは消えていた‥。

警部を呼んで犯人の部屋を調べるが、その部屋は留守にしている金持ちの部屋だった。
警部は、リーがノイローゼになったと思っているようで一切リーの言う事を信じない。
ソフィーは急に旅行に行ったんだろうとか訳のわからん処理される。
何が何でも信じようとしない警部。
というかリーの部屋に犯人の痕跡が少しはあるだろうから調べればいいのに。
失意の中、自部屋に帰ったリー。浴室には泡で書いた「誰も君を信じない」の文字があった。泡だからすぐ消えて証拠にならない。
完全に心が折れてしまったリー。
というか、それ以前に望遠鏡贈って自分を探させたのも犯人だし偽の犯人を捕まえるよう指示したのも犯人だし、全てが罠丸出しなのだが誰もその事を気に留めないのが変だな。
「ソフィーは殺したぞ」と電話をかけてくる犯人。
盗聴器をやっと見つけたリーとボーイフレンドは、あれよあれよという間に犯人の職業に気がついて、会社に問い合わせてあっという間に犯人の素性がわかる。
知能が高い犯人が死のゲームを仕掛けていると思い込んでいたが、どうやら只の行き当たりばったりのアホだったとは。。
まるで、アホなのがバレたくない一心で極端に丁寧な言葉で喋るアホを見ているような‥気分にさせられる犯人だ。
勝手に知能犯だと思いこんで楽しんでたがこの辺の終盤になるとどうでも良くなってきた。そして本作の展開もどんどん荒くなってきてどんどん犯人の事がわかっていく。
まるでこの話をする事に飽きたカーペンターが話を終わらせようと適当に巻いているかのようだ。
ヒロインはボーイフレンドがいるのにわざわざ単身で犯人の家に乗り込んで証拠を探したり、最後はアメリカ映画恒例の高所での殴り合いに発展という形で犯人と決闘する。
というか証拠を見つけた時点で警察に行けよ。
ヒロインを一人で動かしたいのなら、警察にもボーイフレンドにも「ヒロインはノイローゼになった」と思わせるとかすればいいのに面倒くさくなったのか、そういう事は何もしない

そんな感じで終わるが後半まではかなりワクワクして楽しめた(犯人が賢いと思ってたからね‥)
犯人の正体も目的もわからないまま最後まで行くのでその間は漠然とした不安がマジックになって楽しめたというところか。
そしてドラマ全編1時間37分のうち、犯人の正体がわかるのが残り10分のところ、そして犯人の顔がやっと見れるのは残り三分!のところというのもなかなか渋かった。
リーが不安になってリーの主観映像で自部屋の隅っことかキッチンを見るのが凄く怖い。
なぜかというと前半、犯人が突然部屋を横切ってるところを見せたせいで「次にカメラが部屋を映したら犯人が顔を出すかも」というお化け屋敷的恐怖感とでもいうかJホラーとかジェームズ・ワン制作ホラー観てるモードにさせられたからだ。
だけど犯人が何の考えも持ってないことがわかり、更に登場人物がストーリーを円滑に進めるために皆バカなのもガッカリした。全然DVDにならないのも頷ける。
やはりカーペンターは、サスペンスじゃなくてオカルト方面の方が向いてるわ。
オカルトっぽい前半は面白かったわけだしね。
中盤までのこのドラマはストーカーっていうテーマも早いし、演出もキレキレだし怖いし、後半や辻褄合わせさえしてればイケたのではないか?と思った。
だけど内心、全然面白くないだろうと思いながら観たので、中盤までは面白かったことで良しとしとこう。

そんな感じでした

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