gock221B

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『キングスマン:ファースト・エージェント』(2021)/期待せずスルーしてたが何となく観たら過去作やアーガイルより面白かった。観ないとわかんないもんですね🕴


原題: The King's Man 監督&脚本&制作:マシュー・ヴォーン 脚本:カール・ガイダシェク 制作:デヴィッド・リード、アダム・ボーリング 原作:マーク・ミラー&デイヴ・ギボンズ 製作国:イギリス、アメリカ 上映時間:131分 公開日:イギリスorアメリカは2021年12月22日(日本は2021年12月24日) シリーズ:『キングスマン』シリーズ、マシュー・ヴォーンのスパイ映画ユニバース(仮)第3作目

 

 

『キングスマン』(2014)『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)の前日譚。
独立スパイ組織キングスマン結成秘話。
『ARGYLLE/アーガイル』(2024)を観て、そういえば前日譚のやつ観てないなと思い、アマプラ見放題にあったので観た。
公開時はコロナ禍の緊急事態宣言の時……だったかな?コロナが無くても何か地味そうだな……と思って物凄く興味なかったのだが実際観たら一番面白かった。観ないとわかんないもんですね。

ネタバレあり

 

 

 

 

国家に属さない秘密のスパイ組織〈キングスマン〉誕生秘話。
1914年〈羊飼い〉と呼ばれる怪人のもとに世界各国から集まった怪人達〈闇の狂団〉は世界各国の中枢に潜り込み、従兄弟同士であるイギリス、ドイツ、ロシアの各最高指導者を裏から操り破滅的な第一次世界大戦を起こそうと企んでいた。

何者かが暗躍している事を察知した英国貴族オーランド・オックスフォード公(演:レイフ・ファインズ)、その息子コンラッド(演:ハリス・ディキンソン)、執事ショーラ(演:ジャイモン・フンスー)とポリー・ワトキンズ(演:ジェマ・アータートン)達は秘密結社に立ち向かう。
彼らは世界大戦を止めることができるか――

みたいな話。
観る前は「なんか地味だな……主人公もレイフ・ファインズだし」とか思ってたが、第一次世界大戦当時の実在した政治家や怪人物たちがわんさか出てくる。
……という内容が、同じくイギリスの怪人アラン・ムーア(『ウォッチメン』書いた人)のアメコミの中で僕が一番好きな『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』シリーズ(1999-2012)に似てるなと思いどんどん惹き込まれていった(『リーグ……』はイギリスの童話や小説や映画など、ありとあらゆるイギリスの架空のキャラクターが一堂に会して秘密結社と戦う内容)。

主人公のオーランド・オックスフォード公は、英国軍人だったが戦いに嫌気が差し、退役してからは不殺の誓いを立てて赤十字の活動を行っていたが、やがて国家に頼らない独立した諜報機関設立を目指す。
ロシアの怪僧グリゴリー・ラスプーチン(演:リス・エヴァンス)が世界大戦の引き金になる情報を諜報員から聞いたオーランド達はラスプーチンをブッ殺すためにロシアに飛んだ。また、成人直前で戦争に行きたくてたまらない息子コンラッドもオーランドの諜報機関キングスマンの前身)に加わり共にロシアへ。
そこで、脚が悪かったオーランドはラスプーチンに脚をベロベロ舐めまわして治してもらったり、ラスプーチンラスプーチンで怪しいと思っていたオーランドの脚をわざわざ治した後で殺そうとする。オーランドは息子や仲間たちと力を合わせてラスプーチンを倒す。
本作を観た人が、やたらとラスプーチンが良いと言ってた通り、ここまでの時間は、主人公のオーランド達があまりに真面目すぎたためか興味が持てないまま観てたのだが、ラスプーチンの登場で一気に目が覚めて映画に惹き込まれた。
90年代の格ゲー『ワールド・ヒーローズ』シリーズもまた実在の英雄が戦うというゲームで、そこに出てきたラスプーチンはクルクル回転してスカートで敵を斬ったり男も女も秘密の花園に引きずり込み何やら怪しいことをしてダメージを与えるというインパクトの強いキャラだった。
本作のラスプーチンもまた、ロシアバレエをを踊りながらクルクル回転して攻撃したり、男も女も問わずSEXしまくるという感じで、ワーヒーとほぼ同じキャラクターだったので「やっぱラスプーチンってこういう印象なんだな」と思った。
ルックスもバッチリだし、そのキャラクターも死を全く恐れず、いやむしろ死ぬのも気持ちよさそうだから「できそうなら殺してくれ?」って感じでオーランドたち全員を相手にする、本当に「怪人」という異名がピッタリのナイスキャラクターだった。
あまりにインパクト強すぎたので、てっきりラスプーチンが〈羊飼い〉に下剋上を果たしてラスボスになるかと思ってたらあっさり死んで、中ボスだったので意外だった。

 

父と共にラスプーチン退治した息子コンラッドは、そのまま父のチーム入りするのかと思いきや、父の反対を振り切り軍に入り大戦に参加。英雄的な活躍をするもののあっさり戦死してしまう。これも又意外だった。
というか冒頭は、オーランドの妻が戦死してしまいオーランドは「息子は絶対に護るぞ」と誓うところから始まった。だから息子の従軍に反対してたのだが、息子はそれを窮屈に感じ、結局戦争に行って死んでしまった。
妻を喪い、フィクションでは「未来」を象徴すると言ってもいい息子まで喪うとはね、老兵が妻や子を見送ってまでも戦い続ける……という話は意外と少ない展開だし「そういえばマシュー・ヴォーンってツイストが効いた展開が得意だったな」と思い出し、本作への興味がどんどん湧いてきた。
オーランドは落ち込んで飲んだくれるが執事ポリーの激もあり、立ち直り闇の教団潰しへと再起する。
戦う映画では大抵、第二幕ラストで敗北して第三幕で再起して勝利する……そんな構成が多い。だが、まさか希望に溢れた若い息子が死ぬなんて……。しかも戦場での誤解が原因となった同士討ち……という避けられた死。息子コンラッドも死の直前、自分の戦争行きをずっと止めていた父オーランドを振り切って戦地入りした事を悔いていたり、思いがけず心を動かされた。
『キングスマン』シリーズを単純に拡張するためだけの前日譚だと舐めてたけど、オーランド父子のドラマが思いのほか分厚かった。正直言って『キングスマン』(2014)『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)『ARGYLLE/アーガイル』(2024)より本作の方がずっと惹き込まれた。それら三作は英国っぽいブラックジョークが強く、それもまた良いんだけどどれも少し引っかるところもあったんですよね。そこは個人差があると思うけど。本作の場合すごく丁度よかった。
で、いよいよラスボス〈羊飼い〉とのラストバトル。
〈羊飼い〉は劇中、ずっと顔が隠れていて正体は誰か?と観てる人に想像させる。
中盤でオーランドの盟友であるキッチナー指揮官(演:チャールズ・ダンス)が魚雷を喰らって死亡した。
で、そのキッチナーを演じてたチャールズ・ダンスって『ゲーム・オブ・スローンズ』〈シーズン1-8〉(2011-2019)で恐ろしく冷酷無比な領主タイウィン・ラニスター役してたイギリスの有名な俳優なんですね。そんなキッチナーも何もせず死んでしまったし〈羊飼い〉の髪型とか背格好もキッチナーを思わせるよう描いてたから「〈羊飼い〉は絶対、キッチナーだろうな~」と思ってました。
でも、ここも捻りを加えててキッチナー……だと思わせてキッチナーではなかった。
だが、ここは本当に「〈羊飼い〉の正体はキッチナーだと何度も観る人に思わせて……違う小者っぽい奴でした~!」という引っかけがやりたいだけだったので「ここは素直にキッチナーの人のラスボスが観たかったな」と思った。
だが後から思えば、〈羊飼い〉はやたらと家畜や部下に八つ当たりする小者っぽいキャラだったので最初からヒント出してたんだよね。
そして目的を果たしたオーランドはキングスマンを結成。そこには亡き息子の戦友(アーロン・テイラー・ジョンソン)の姿が……彼はランスロットの称号を得た。オーランドは勿論アーサーね。
アメリカ大統領はウイスキーのステイツマンをやたら飲んでたし諜報組織〈ステイツマン〉も出来るんでしょうな……それとももう出来てるのかな?もうステイツマンの設定も忘れちゃってよくわかんないけど。
で、〈羊飼い〉は一旦倒すが狂団には生き残りが居て、まだ健在。そして新メンバーにはレーニンヒットラーの姿が……という感じで続きが観たくなった。いや、はっきり言って現代のキングスマンより面白いと思うのは僕だけ?歴史上の人物や事件をいっぱい使えるってのが良いよね。
でも本作は確かヒットはしなかった気もするし、次の作品はキングスマン3っぽいし、本作の続きは今のところ作られるかどうかよくわからない。
観る前は地味だと思って観なかったがいざ観てみると、過去2作や『ARGYLLE/アーガイル』(2024)より面白かった。食わず嫌いして観もせず決めつけないでちゃんと観るべきだなと思った。
ラスプーチン戦もエレベーター攻防戦も〈羊飼い〉戦のアクションも良かったしね!
なんというか現代のキングスマン系は、装備などがハイテクすぎたりアクションが漫画チックすぎるところがちょっとなと思ってたけど本作は、昔の話のせいか割と普通のスパイものっぽかったんですよね(ラスプーチンなどの怪人以外)そこが良かったです。

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.comgock221b.hatenablog.com『ARGYLLE/アーガイル』(2024)/主人公エリーの秘密が明らかになる前の平凡だった時の主人公や本編の方が面白かったし、どんでん返しが5回も6回も起き続けると「もうどうでもいいから結果だけ教えろ」という気持ちになる😾 - gock221B
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The King's Man (2021) - IMDb
The King's Man | Rotten Tomatoes

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