gock221B

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「ジェーン・ドウの解剖(2016)」アンドレ・ウーヴレダル/解剖する中盤と独特のノリが良かった

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原題:The Autopsy of Jane Doe 監督: アンドレ・ウーヴレダ
製作国:アメリカ 上映時間:86分

本編の大部分はメイン俳優の3人、舞台はずっと遺体安置所のみ。
‥と、非常に地味だが、これは大好きな「トロール・ハンター(2013)」の監督の待望の新作なので絶対に観ようと思っていた。
ゴジラキングコングパシフィック・リムよりもトロールハンターの方が面白い。
まぁトロハンの話はまた今度‥
本作も、結論から言うとトロール・ハンターには及ばなかったが、なかなか面白いホラーだった。
全米最大のジャンル映画の祭典ファンタスティック・フェストで最優秀作品賞を獲得したそうです。
この監督はノルウェーの監督で、長編映画はこれが3作目。
一作目は「Future Murder(2000)」というサスペンス映画?らしいが観る手段なし

 

第一幕
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主人公の検視官父子や長男のガールフレンド、死体安置所や検死作業について描かれる
検死官トミー(ブライアン・コックス)と息子のオースティン(エミール・ハーシュ) 。
この初老の父親ブライアン・コックスは、ルックスがクソ渋かった。
というか顔や体型が晩年のチャールズ・ブコウスキーそっくりになので、ブコウスキーの伝記映画をやる際はブク役して欲しい。
2人の検視官父子は三体の遺体を検死し終えた。遺体安置所には猫ちゃんもいる
そこへ、顔なじみの保安官が美しい女性の死体”ジェーン・ドウ(オルウェン・ケリー)”を運んで来て「今夜中に検死してくれ」とトミーに依頼する。
ある一家が惨殺された家の地下から、この女性の全裸死体が見つかったのだ。
「ジェーン・ドウ」は日本語で言うなら「名無し子さん」って感じだろう。

彼の息子オースティンは恋人のエマ(オフィリア・ラヴィボンド)とデートする予定だったが、父トミーを心配してエマとのデートは深夜まで伸ばしてもらい父の検視作業を手伝う事にした。
ちなみにこのエマ役の可愛い女優は「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」一作目で、ヴェニチオ・デル・トロ演じるコレクターの全身真っ赤のアシスタント役してた子。

第二幕
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中盤は丸々全部"ジェーン・ドウ"の解剖シーン。
この中盤がこの映画で一番面白いところ。
彼女の検死を行うことになったが遺体にメスを入れる度に、その死体に隠された戦慄の事実が判明し、同時に次々と怪奇現象が発生する。
そして外では嵐が吹き荒れ、遺体安置所の入り口が大木で塞がれてしまい外に出れなくなり遺体安置所は閉ざされた空間となり、検視官父子とジェーン・ドゥ更に遺体三体は閉じ込められる。
ところで、ジェーン・ドウは顔も身体もCGで描いてるのか?ってほど美しい。
どうやら子供の時からモデルをやってるベテランのスーパーモデルらしい
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めちゃくちゃ美しいが、美しすぎてエロい気分にはならないので映画に集中できる。
これがちょいブスだったり妙にポッチャリしてたらリアリティを感じて興奮してノイズになって映画に集中できなくなる。
・爪に泥炭が付いている→この近くに泥炭は無い。遠くに埋められていた?
・手足が折れている→縛られて手足を折られたのか?
・舌が抜かれている→喋れないように舌を抜かれた。何のために?
‥などと検死が進む毎に、彼女に起きた事やその正体が徐々に明らかになっていく。
画面では彼女の身体をどんどん切り開いていって身体の中を見て真相を知っていく。
その展開が我々が本作を観ながら真相を知っていく流れとシンクロしていて良い感じ。
ちなみに、ホラー映画なので「何か気配を感じる→BGM止まった無音状態でドアの隙間から覗く→誰もいない→ホッと胸を撫で下ろす→身内が脅かしてきたり猫が飛び出る」
という、わかってても誰でもビックリさせられるホラーあるあるがちょいちょい挟み込まれてビクビクさせられる
あと、ホラーとしてのスプラッターなシーンは無く、むしろビックリ展開や静かな展開が多いのだが、何しろモロに解剖してるのでオモムロに皮膚を斬ってベローンとめくって内蔵や脳を手掴みで取り出したりするので冷静に考えたらどの映画よりもグロいとも言える。
「暴力」じゃなくて「医学的な解剖」だから、これほど映せたんだろうか。
ちょっと珍しく気持ち悪くなった。。

 

第三幕
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"ジェーン・ドウ"の正体がわかって色々な事が起きてクライマックス。
書いたら面白くないので書かないでおく。
でも解剖して新事実が次々とわかっていく中盤のワクワク感は超えられなかった。
ちょっと期待し過ぎてハードルが上がりきってたのかもしれない。
謎が判明するのが早いし、クライマックスになって以降の展開が長すぎる気がする。
あと、割と登場人物が全員、可哀想な感じなのが観てて辛かったですね。。
でも、まあ面白かった。
怪現象が起きても親子はあまり驚きすぎずに対応したり、妙にウッカリしててモタモタした展開になったりと、気になるところもあるがまあ‥それくらいはいい。
むしろ良い見方すると、この監督はアメリカナイズされきった展開をあまりしないので先が読み難くて新鮮だった。
父が子にしたの独白や、ジェーン・ドウの正体の背景はかなり深くて遠大な何かに触れそうなものを感じたが、それらは割とサラッと流されて凄さに繋がりそうで繋がらなかったのが残念だった。
あと一歩で傑作になった気がする。


感想
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じわじわ真相につながる中盤の解剖シーンや、ありきたりな展開を外したりオリジナリティが溢れる展開が多いところが良かった。
特に、ありきたりな展開をちょっとだけ外したりするのは出世したホラー監督は皆やってるのでそれは必須なんだろう。
本作を無理に他の映画で喩えるとすると「トビー・フーパーが90年代以降に撮って、ひっそり公開されて監督のファンやホラー好き以外にはウケてなかったが、観てみたら中々の力作だった」‥という感じに似てる。
それと、よく考えるとジェーン・ドウは本当にずっと遺体のまま寝てるだけ、というのが後から考えると何気に凄い。
ホラー映画は非常に舐められやすいジャンルで、途中まで相当怖がったり面白がってても最後の展開が自分の期待と少し外れただけで「全然大したことなかった」と、大の大人が中学生みたいな事を言いがちなジャンルだと思う。
傑作とまでは言わないが本作は面白かったし独自のノリがあったので、本作の良いところと監督の凄さをバシッと伝えたかった‥が上手くいかなかった気がする。
主人公たちとシンクロするかのように真相を知っていく過程こそが楽しかったので真相を書くわけにもいかない僕が話せるのはここまでだ。
とにかく興味が湧いたら観てほしい

そんな感じでした
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