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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「シュガー・ラッシュ:オンライン (2018)」”友だちの夢を応援して送り出そう”という話はいいが全編に物悲しさとラルフのキモさなどネガティブ要素が充満🌎

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原題:Ralph Breaks the Internet 監督:リッチ・ムーア、フィル・ジョンストン
製作会社:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

製作国:アメリカ 上映時間:113分 シリーズ:「シュガー・ラッシュ」シリーズ



 

完全にネタバレあり!
ズートピア (2016)」の監督による「シュガー・ラッシュ」の続編。
英語のリスニングできないくせに本国吹き替えのサラ・シルバーマンが好きなので字幕で観た。幼女キャラなのに、可愛すぎない‥いや、むしろ明らかに大人のシルバーマン声で喋るのが何か良い。
アメリカのゲームセンターに置いてるアーケードゲームのキャラクター達によるお話。
新旧のアーケードゲームに登場するキャラクター達は、閉店時間になると同じ空間で飲んだりして過ごしてるという「トイ・ストーリー」のアーケードゲーム版といった感じの内容。
この世界、細かいこと考えると色々と「一体どういうリアリティラインの世界なんだ‥」と疑問が湧いてくるが、そこは積極的に何も考えずファジーに捉えて観たい。
前作では女児向けレースゲーム「シュガー・ラッシュ」のプレイアブルキャラクター、ヴァネロペが、8ビットの懐かしゲームの悪役、壊し屋ラルフが知り合って、色々活躍して親友になる話だった(そしてヴァネロペはディズニープリンセスだった)。
ストIIソニックなど、様々なゲームキャラが出てくるので皆で力を合わせる話なのかと思いきや、ラルフとヴァネロペ2人の話だったので拍子抜けはしたが、なかなか楽しめた前作だった。

 


本作では、あのまま6年間、楽しく過ごしていたようだ。
そんなある日、刺激を求めるヴァネロペを喜ばせようとしたラルフの行動が元で「シュガー・ラッシュ」筐体のハンドルが壊れてしまい、筐体は廃棄処分の危機に。
この危機を何とかするためヴァネロペとラルフは「シュガーラッシュのハンドル」をeBay(競売サイト)で入手しようと、最近ゲームセンターが導入したWi-Fiを伝ってインターネットの世界に行く。
刺激を求めていたヴァネロペは見たことないものばかりのネットの世界に大喜びだが、変化を嫌う保守的なラルフは気圧される。
ハンドルを買うため2人は、ポップアップ広告を人間に押させたり、稼げるオンラインゲームのプレイアブルキャラクターとして活躍したり、ラルフがYOUTUBE的な動画サイトでオモシロ動画を作成してアクセス数を稼ぐ。
道中、ディズニー・プリンセスやSWのストームトルーパーやMCUヒーローなどの版権キャラと出会ったりもするがさほど深い関係は築かない。ディズニー・プリンセスの場面はさすがに楽しかったが、予告編で全て見せてたしアレ以上の事は起きなかった。後半で助けに来てくれるけどね(僕が一番素敵だと思ったのはポカホンタス、次にムーランでした)。
そんな中、ヴァネロペはワイルドなレースゲーム「スローター・レース」そしてそのゲームのクールなキャラクター、シャンクに魅了され、徐々に「シュガー・ラッシュ」や元いたゲームセンターのことは薄れていってしまう‥。ヴァネロペが大好きだが変化を嫌うラルフは気が気ではない‥という話。

 

 

まぁ、一目瞭然なので、わざわざ言う方が恥ずかしいのだが、2人が元いたゲーセンは〈田舎〉、インターネットの広大な世界は〈都会〉、ワイルドなゲーム「スローター・レース」は〈ヴァネロペが本当にやりたい事〉、クールで賢くて優しいシャンクは〈夢の場所を見学しに行ったら出会った仲良くなりたい友だち〉、ラルフは〈お互い、ぼっちの時に出会った田舎の優しい幼馴染〉。
ヴァネロペは、元居たゲーセンを居心地良くは感じているものの本当は自分自身を試して新しい夢の場所でキラキラ輝きたがっている。
ラルフは6年前同様、優しくしてくれる仲良しだが6年前と変わらない(そして恐らく6年後も)。
完全に別離するしかない状況。
それにしてもヴァネロペは冒頭から、ずっと明らかに楽しくなさそうで観てて辛いものがある。〈田舎〉であるゲーセンで、ヴァネロペが連日ラルフに付き合って「あはは‥」と毎日乾いた笑いを浮かべてるのが本当に辛い!
ヴァネロペが「毎日同じことの繰り返しでつまんない!こんなとこ出てってやる!」とかラルフにギャーギャー言ってラルフを困らせるのならまだ良いのだが「ボンヤリとつまらなさを感じてるが善人のラルフを傷つけたくはないので、ラルフに合わせて楽しいふりをしてる」って感じが凄くきつい!
ラルフは気付いてないので幸せな日々を過ごしてるのだが、この状況、完全に親友であるヴァネロペに「気を遣われて」「手加減して付き合ってもらっていただいてる状態」これはキビシイ!
ヴァネロペにしても、ラルフに自分の想いを伝えてもラルフには理解できないだろうし辛い。
メインキャラの2人は冒頭から全編ずっと、そんな悲しい雰囲気を出してるので、ストーリーそのものは面白いけど観てて非常に辛い。
このすれ違いは、せめて中盤以降に浮かび上がってくる感じでも良かったのでは? 

 

 

ヴァネロペは、もう田舎(ゲーセン)には戻らず、この〈都会〉でやっていきたいと決意した、だがなかなかラルフに言い出しにくい。
一方その頃、ラルフは金をかせぐためにYOUTUBE的な動画サイトに「変な声のヤギの顔を自分のものに変えたコラ動画」「失敗した料理を食って口から火を出す」「変顔」などのオモシロ動画を投稿してイイネ!を稼いでいるのが悲しい(そして、もっと悲しいのが、これらの動画が本当に面白くなさそう!なゴミみたいな動画なことだ)。
「ここがネットの世界か!楽しいこといっぱいだ。オモシロ動画を作ろう!」などと、ラルフがやりたい事として自発的にやってるのならいいのだが彼は完全に金のためにやってるだけなので、そんな様子を傍から観ても楽しそうには見えない。
しばらくするとイイネ!の数が落ちてきたりしてラルフは人間たちに「おら、もっとイイネ!しろ」と強要したり、罵詈雑言書かれてるコメント欄を見つけてしまう。
そこで「ムキー!」と怒りのリアクションしてくれたら面白いのだが肩を落としたラルフは「おれは元悪役だから悪口には慣れてるよ‥」とか言ってるのが本当に悲しい。
ついでに言うと、このネット世界どこに言っても本当に楽しそうに見えない!
まぁヴァネロペが憧れるゲーム「スローター・レース」は比較的、面白そうな奴らがいるのでいいが、後はクソ動画を観て人々が大喜びしてるYOUTUBEもどき、eBay、検索サイト‥など基本的なネットコンテンツだけで、ディズニープリンセスやSWキャラやMARVELキャラも凄くつまらなそうな催しものに参加してて全然HOTな存在に見えない(プリンセス達も何か囲われてるみたいだし、恐ろしの森のナントカも差別されてる)。このネットの世界、正直めっちゃ無味乾燥だ。ネットやってる人間たちもバカみたいだし、まるで全人類やコンピューターの中のキャラたちも全員が痴呆状態となったディストピアっぽい。この映画もっと「ネットって最高だよね!広い世界に羽ばたこう!」みたいなポジティブな映画かと思ってたが、何だかネットを皮肉ってるのかな?というくらい楽しくなさそう。正直狙いがよくわからない。
何とか頑張って金を稼いだラルフだったが、ヴァネロペがネットの街や「スローター・レース」に残ると知ったラルフは闇堕ちしてしまう。
なんとラルフはヴァネロペが夢中になっている「面白いレースゲーム」をウィルスで侵して「つまらないゲーム」にしてやろうとする‥。
ラルフ「ヴァネロペがやりたがってる夢をぶっ壊せば、俺と一緒に居てくれるはず!
今まで彼はゲームキャラの仕事として〈壊し屋ラルフ〉役をやってただけだったが今、真の意味で「自分だけのために、親友の大切なものを壊そう!」という真の〈壊し屋ラルフ〉が誕生した。
いいのかそれで‥?ヴァネロペが本当にやりたがってることを潰されて仕方なく自分と居てくれる事に満足できるのだろうか。
当然、それはヴァネロペにも知られて嫌われるが、ウィルスはラルフの負の感情をコピーしてウィルス製の狂ったラルフを無限増殖させる。
ラルフ本体はヴァネロペに「俺が悪かった!ごめん」と謝って反省してるが、ウィルスのラルフ勢はネット世界の街を破壊しながらヴァネロペを追いかけ回す。そして、この狂ったラルフ勢はウィルスなのだが、ラルフの異常なまでの「幼女ヴァネロペへの執着心」「嫉妬心」「自分の幸福のために彼女の幸せをぶち壊そうとする暗い感情」などは、ウィルスがラルフ本人からコピーしたものなので、実質的にラルフがヴァネロペを追いかけ回して暴力で束縛しようとしてるようにしか見えない。
そして狂ったラルフ軍団は一体の巨大なラルフとなる。
そして大男のオッサンが幼女に寄せる異常な執着‥、利己的で異常な嫉妬心、思い通りにならなければ圧倒的な腕力で暴力‥、などという構図。そしてウィルスの狂ったラルフ軍団の気持ち悪さなど全てが相まって「ラルフ、本当に気持ち悪いな‥」と、前作から薄々感じてはいたが作品を楽しむために見ないようにしてたところに焦点を合わせられてマジでラルフが気持ち悪くなった。
途中で知り合ったディズニープリンセスも総登場してラルフをサポートしてくれるが、ラルフのキモさが限界を突破してるのでもはや何も感じなかった。
もちろんディズニーアニメなので、ラルフは改心して巨人ラルフを命がけで戦うという「当たり前やろ」という感じの死闘で倒し、ヴァネロペの夢も肯定してネットの世界という〈都会〉へと送り出す。

 


ヴァネロペはラルフにとって‥、大好きな友だち。まぁメタファーとしては娘。恋人。推しのアイドル。もしくはそれら全部を合わせた存在だろう。
いくら一緒にいたくても、その存在が新しい何かを求めて羽ばたこうとしてるなら送り出して応援するしかない。
‥という、そんなストーリーや結末は良いと思ったが、全編に充満する切なげな‥雰囲気(ドラマチックで鮮烈な悲しさじゃなくてメソメソじめじめした嫌な悲しさね)。そして終盤のラルフの絶対やったらアカン行為やウィルスによって可視化されたラルフのキモさが本当にキツかった。ラルフはウィルスを見て「俺ってこんなにヤバイのか‥」と気付いたり反省したりヴァネロペを送り出したりはして、ヴァネロペもラルフに「ありがとうラルフ、大好きだよ!」などと(台本に書いてあるから)言いはするが、取り返せないくらい気持ち悪かった(この場はひとつラルフを刺激しないように別れて、二度と連絡しないほうが良い)。とにかく彼には「カッとなって幼女の夢を壊したり暴力を振るう奴」という印象が付いてしまった。「男の嫉妬」という、この世で最も気持ち悪いものの描写が秀逸すぎた(ここまでキチンと描かなくても‥)。もちろんラルフも根は良い奴なのだろうが‥おっと毎日DVに遭ってる妻みたいなフォローしようとしてた。無理そうなのでラルフのフォローはやめとこう。もし三作目があればラルフの活躍が観れるだろう。
そういえば本作のレビューを検索したら「ヴァネロペは自分だけやりたい事やって俺たちは田舎に置いていくのかよ!」といった、ラルフに感情移入してヴァネロペを叩く意見も結構多くてそれもキツかった。
別離の悲しさとかラルフのネガティブ要素を描くのもいいけど、ちょっとやりすぎなんだよね。もう少し、せめて中盤までは普通に楽しい感じでいいんじゃないかな。ネガティブ要素が大きすぎてディズニープリンセス総登場しても全く取り返せてない。
というかラルフを悪く描きすぎな気もする(もう二度と顔も見たくなくなっちゃったし)。それでいてヴァネロペがもっと怒らないからラルフが余計に悪く見えてるよね、終盤もすぐ許し過ぎだし、まるで「あまりにキツく言ってラルフを刺激して腹とか蹴られたら怖いし」と思っているみたいだ。もっと怒ってラルフを痛い目遭わしたりしないからラルフに集まったヘイトが解消されきってないうちに終わった感じ。
きっとラルフの名誉挽回する完結編が作られるんじゃないか?
三作目が作られるとしたら‥やっぱり都会に疲れた?もしくは地元に貢献しようと帰ってきたヴァネロペが「都会も楽しかったが辛いこともあった、だけど成長できた。そして田舎も悪くないね」って感じになるのかな?「北の国から」みたいなシリーズだな。
ストーリー以外のこと書くところなかったが相変わらず本当に素晴らしいアニメーションだったけど。中盤の「スローター・レース」も良かったよ。懐かしゲームネタはほぼなかった。
何だか辛い本編だったがストーリーが終わった後にオマケ映像が付いてた。内容は「ラルフが可愛い小さいウサギにひたすらパンケーキ食わせまくってウサギは腹が破裂して絶命する」というギャグだった。シニカルで面白い気もしたが、本編が辛い話だったので何だか単純に嫌な気分になって鑑賞を終えた。。

 

 

そんな感じでした

「モアナと伝説の海 (2016)」ベタな冒険もので楽しかったです🌊 - gock221B

「ズートピア (2016)」学校で観せるとよさそうな力作なんだが若干の恥ずかしさと堅苦しさもある🐰 - gock221B

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Ralph Breaks the Internet (2018) - IMDb

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