gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「シンクロニシティ(2015)」ブレードランナーっぽい雰囲気のバック・トゥ・ザ・フューチャーもしくはシュタゲ

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原題:Synchronicity 監督:ジェイコブ・ジェントリー 製作国:アメリカ 再生時間:101分

BGMはヴァンゲリス風のシンセサイザー流れまくりスモーク炊きまくりタバコ吸いまくりという80年代回顧趣味のSF映画
主人公は前髪の量が多いジャケット着たギョロ目系ハンサムだし、ヒロインは刈り上げ風味のショートカットの女性だし、敵はマイケル・アイアンサイド
劇中ほとんど夜もしくは昼間でも閉め切った暗い部屋にいつも居てブラインドの隙間から強くて白い光が入り込んでる。そして大きなファンがよく回っていがち
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この映画はタイムスリップ系SFものなんだけど、ハッキシ言ってそれよりこの80年代テイスト出しまくり美術&BGMの方に力が入っている。SFじゃなくこっちがメインだろう
まあ予告編を数秒でも観れば一発でわかるだろう。
映画ブログを始めるにあたって絶対に使わないぞと決めていた「映像がきれい」「ツッコミどころ満載」「おバカな」「カッコして(褒めてます)」等と同時に封印した形容詞を今回初めて使ってみよう。つまりこの映画は

雰囲気がいい

深夜にソファーで横になって観ながら途中でウトウトしながら観る‥それを二夜連続で続けて観ると気持ちよさそうな映画。結構好きでした
逆に言うとSF要素は結構ゆるゆるで曖昧なので、この見た目や照明やBGMなどの俗に言う映画の雰囲気が気に食わなければ面白くも何ともないだろう(しかしそれら映画の雰囲気も金かけて努力して意図的に作ってるので、雰囲気などという曖昧な言い方は使いたくない。でもいい雰囲気と言えばすぐ伝わるのであえて使った)。
予告編を観て、このノリを二時間以上観たいと思わない人は観ても暇なだけなので観ない方がいいだろう。


Story
主人公ジムと仲間二人はタイムマシン開発に執念を燃やしていた。
スポンサーである宇宙開発企業のトップ、クラウス(マイケル・アイアンサイド)を読んで実験開始。無事にタイムスリップのためのワームホールが開いたがジムは昏倒。
撮影していたカメラには人影が映っており、カプセルに入ったダリアが出現していた。
そして謎の美女アビーと知り合ったジムは、ワームホールが開いた事をクラウスに報告する。
しかし、その事が仇となりジムはクラウスの罠にハメられ、タイムマシン実験技術を全て盗まれてしまう。
ジムは、過去の自分に警告するため、タイムマシンで過去に戻る。
戻った場所は、数日前に実験してアビーと出会ったところだった。
そして「同一世界で同一人物が複数存在できるのは48時間だけ」という事が判明。
衰弱死に向かうジムはそれでも何とか、アビーの正体暴き、クラウスの企みにハマった事実の修正‥などに奔走する。
そういう話。

ジムが最初にワームホールを開けた時点から、複数のジムが同時に存在する時間が続き、後半までは整合性が取れててよく出来てるっぽいが、後半で「同一線上のタイムスリップではなく、並行世界の過去へ移動していた」とわかり一気に複雑化。
今現在の状況を脳内でまとめようとすると脳がショートしそうになりながら観た。
それにしても過去に行ったジムが仲間に自分の携帯に電話かけさせたら、過去のジムの携帯にかかって、未来から来たジムの携帯は鳴らないのは一体どういうこと?
全く同じ携帯なんじゃないのか?どうや違う時間から来た奴は時空の異物‥っていうか「質量のある幽霊」みたいな存在なのだろうか?
それにしても登場人物は皆、曖昧でカッコいい言葉遣いで話すのが可笑しい。
それは事情を知らないはずの各人が、矛盾やタイムパラドックスが起きないように気を遣ってそうしている様に見えて来て可笑しかった(言ってる意味わかる?)
‥というか文章で上手く説明するのが難しいし、そもそもこの映画観てない奴はもうこの辺読んでも意味わかねーだろう。そろそろこのページ締めるか‥

結局は、アビーの働きかけ(再び過去に行くジムに手帳を持たせる)によって、過去に行ったジムが過去アビーに働きかける事によって新しい世界線が生まれてハッピーエンドという事なんだろう。
そもそもタイムパラドックスものはどうしても矛盾するものだし、あまり細かく考えない方がいいだろう。
そして、途中やラストを見るにつけ、これはハードなSFノワールなどではなく君の名は的な、軽いSFテイストの恋愛映画と見た方がいいかもしれない。
惹かれ合うジムとアビーのバカップルの行動で、上手くいくっぽい世界線へ移動できたようだからね。。
全然傑作とか上手い映画ではないが結構好きかな。
とりあえず雰囲気がいい

そんな感じでした

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「カツシン さみしがりやの天才 (2014-2015)」全2巻/読者自身がおてんとさまになれて最高だったが最終回で一気にテンション下がった

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著者:吉本浩二 ↑1巻表紙を見て「何でせっかくの勝新の顔をフィルムで隠してるんだろ?」と思ったら2巻の表紙で「フィルムと仕込み二つの武器を対比させてたんだ」と気付く粋な表紙

手塚の漫画描いてブレイクした漫画家さんが勝新を描いてたの知ってさっそく読んだ。
勝新はもちろん好きだ(というか勝新嫌いな人がいたらそいつはものをよく知らないか頭がおかしいかのどちらかだ)
勝新って妖精みたい

1巻
「人たらしで可愛らしい人物」というのは有名だが僕は割と評伝とかあまり読んでなくて作品の印象からクールだったり厭世的なキャライメージなどを強く持ってたので「この優しい絵柄の漫画家さんで大丈夫だろうか」と思ってたが、この漫画家は勝新の暖かみのある部分にクローズアップしてて、それが作風にあってて良かった。
それが第一話で、さみしがりなので一人では寝れないという勝新がスタッフに延々とマッサージさせたり、ホテルの部屋に集まってたスタッフが帰ろうとしたら必死でビールをたくさん買って彼らが帰るのを防ぐ可愛い様子にかなりキュンと来た。
劇中のスタッフ同様、読んでいるこちらもキュンとなる。
大成功の第一話だった。
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中村玉緒とのエピソードでは、珠緒とのエピソードが出会いから死別まで描かれる。死の三か月前に手を繋いで並木道を歩いた話が素敵すぎた(後述するがこの回を最終回に持ってくればよかったのに‥)
動画でよく見かける勝新ファンの画家バルテュスとの触れ合いの詳細も知れたし

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勝新が亡くなった事を妻から聞かされたバルデュスが、自室に帰って市の着物を抱いて半泣きで座頭市を観賞するコマとかも最高だった。
何より全体的に人好きだが、映画の事が好き過ぎるという描写が最高だった。
春日太一の回では「勝新は天才ではなく我々凡人の延長線上にいる努力の人」というのも良かった。
原田美枝子の巻に至ってはもう全てがヤバかった。一番好きな回。
ドラマ版座頭市原田美枝子が出た有名な二篇について語られるし、勝と原田の触れ合いがいちいち最高。
自分と原田の中に個別の孤独を感じていたという逸話が深みを感じさせるし死の前に原田に言った謎の言葉も、謎めいたイメージが少ない勝新にミステリアスさがぐんと増えて良かった。
最初は「面白いけどこの作家、全部手癖で描いて人の顔を似せようという気があまりないし似てないなぁ」と思って読んでたけど、読んでるうちに1巻の後半くらいで勝新だけは凄くそっくりに見えてくる。
春日太一勝新がのりうつったように描いてるうちに作者にのりうつったんだろうか
 
2巻
兄弟分のニューラテンクォーター社長の話。これはかなり良かった。
「遊びには無駄がねぇな‥」という台詞はかなり勇気づけられるものだった。
次に、作者は「独眼竜政宗」の大ファンだけあって、渡辺謙の正宗エピソードは前後編で念入りに描かれる。恐らくこの章が描きたくてこの企画を始めたんだろうなと思った(そしてこの渡辺謙と次の話の松田優作は他の人物より凄く似せている)
この撮影まで二人は一切会わず、勝新がアドリブしまくりな上に絶対にNGが許されないぶっつけ本番だったという有名な小田原参陣シーンが語られる
後編も勝新渡辺謙にこっそり告げた「主役俳優の極意」が語られる。
松田優作松田美由紀の回。この回は優作よりむしろ勇作の死後「松田優作の嫁さん」としか扱われてなかった松田美由紀に優しくし続けて彼女を一人の人間として浮かび上がらせたり「俺たちの死んだカリスマ松田優作さんの未亡人aka聖女が優作以外の男と付き合うなんてとんでもない!」と周囲に次の恋を次々と潰されてたところを勝新が救うエピソードもよかった。


最終回
最後は、事件を起こして女優を引退した長女と、事件を起こして勝新付き人になり役者になると同時に例の事件を起こした長男が語り部となった最終回。
長女と長男そして勝新本人が事件を起こし続け、勝新が死ぬ。
ここまでの華やかで面白すぎるエピソードではググーっと必要以上に引き込まれてハイテンションで感動させられ続けたが、この最終回は事件の数々の内容には突っ込まずササーっと義務的になぞって、作者は今までの様に「暖かい勝新、芸事が好きな勝新」を中心に良い話として着地させようとしているが今回だけは一切良い話として盛り上がらず、異常に寂しい雰囲気で死んでいって終わってしまい凄くモヤモヤした。
事件を色々なぞる長女は顔を伏せて無表情で、事件も全部1コマで義務的に済まされる事からインタビューしたはいいが使えない話だったんだろうなと思った。
長男の方は、誰が聞いても不透明すぎる例の事件の事もあるし「姉は見舞いに殆ど来ませんでした。死後に墓参りはよく行ってます」「『病室に仕込み杖を隠し持ってた』という伝説がありますが、ありはしませんでしたよそんなものは笑」などと言うのでテンション下がった。
別に「ファンの夢を壊すな」などと言いたいわけではなく「それ、どうしても言わないかんか?」という感じ。「俺が聞きたくない」からじゃなくて「サービス精神の塊の勝新は、そんな事言って欲しくないんじゃないか?」と思ってしまう。
ちなみに長男に「たまには見舞いに行けよ」と言われた長女は何故か無表情。
何か言えない事もしくはインタビューで聞いたけど書けない事とか色々あるんだろう。こないだ話題になった「ド根性ガエルの娘」を思い出す。
とにかく描写している事よりも、描写していないコマとコマの間から「色々あるんだろうな」という何かが臭いすぎてる。この匂いは嗅ぎたくないんだよな。描けないなら全部カットすべきだった。
勿論いい話だなという箇所も少しはあるのだが、この上手い作者が全力で描いてこの程度なので、実際にどういう感じだったのかとか、あまりいいインタビューじゃなかったんだろうなと推測できる。
最初から前回の松田優作松田美由紀の回まではテンション最高潮で一気読みしたが、この最終回だけテンションめっちゃ下がって本を閉じた。
何というか一気に読んで来てこの最終回読むと勝新だか何だか知らんが辛い現実には勝てない」「何だかんだ言って真面目に生きないとダメ」という勝新から遠く離れた、夢も希望もない感想が浮かんできてしまうのだ。
というか、この長女と長男を語り部にして最終回に描くのは無理があるだろ。
推測だが作者と編集者はそう思いつつも子供達を最終回に持って来て、それを更にカツシン力で超えて勝新とその周りの人々の業を昇華させて素晴らしい結びにしようとしたのだろう(そして失敗した)
中村玉緒と桜並木を一緒に歩いて死ぬ第二話が最終回なら。。というか殆どの話で勝新の死は描かれてるので他のどの話を最終回にしても盛り上がれるのだが。。
勝新の、その業ゆえに最後の最後が微妙な感じで終わってしまう‥という本作自体も勝新っぽさを体現してるといえば、そう言えなくもない。そんな風に無理矢理褒める方法はいくらでもある。でもまあこの最終回は単純に失敗だと思う

そんな感じでした

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cakes.mu

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天才 勝新太郎 (文春新書)

天才 勝新太郎 (文春新書)

 
俺、勝新太郎 (廣済堂文庫)

俺、勝新太郎 (廣済堂文庫)

 

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「グースバンプス モンスターと秘密の書(2015)」ファミリー映画だったが最後にとんでもない事が起きたぞ

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原題:Goosebumps 監督:ロブ・レターマン 製作国:アメリ 上映時間:104分

これは先週だか先々週くらいに観て正直あまり面白くなかった。
‥が、今となっては映画観る事よりもブログを更新したくてたまらないのでこいつで感想書いてみる事にした。
この監督は「モンスターvsエイリアン」とか「ガリバー旅行記」の監督。
どちらも凄く楽しかったしジャック・ブラックも大好きなので期待してたが‥これはイマイチだったかな。
後半モロにネタバレあり

Story
NYから田舎町に引っ越してきた母子家庭の少年ザックは、隣に住む父子家庭の美少女ハンナと友達になった。
しかし彼女の偏屈そうな父親(ジャック・ブラック)は児童向け大ヒットホラー小説「グースパンプス」シリーズでお馴染みのベテランホラー作家のR.L.スタインだった。
ある日、スタインが「グースパンプス」シリーズの中で作り上げてきたモンスターたちが町に解き放たれてしまう。
実はスタインが特別なタイプライターで書いた本を開くと、その本に書かれたモンスターが実体化してしまうため、スタインは長年書いた小説の原本に鍵をかけて保存していたのだ。
ザックとスタイン父娘は、解き放たれたモンスターたちをもう一度本の世界へ封じ込めるため、戦うことになる

ジャックブラックとスタインのグースパンプスとかいう本
このジャック・ブラックが演じるR.L.スタインなる作家は実在、存命する作家で、この「グースパンプス」なるシリーズも本当にある児童書シリーズらしい。

グースバンプス - Wikipedia R・L・スタイン - Wikipedia

子供向けスティーブン・キングみたいな感じ?
調べたらハリーポッターに次ぐとんでもない売り上げらしい。
劇中でスタインはキングをめっちゃライバル視してた気がする。
ジャック・ブラックは20~30代のロン毛時代は、エキセントリックで楽しいフリーター兄ちゃんの役をよくしてたが40超えた短髪状態でフリーターの役は結構きついものがある‥と思うと出番が減ってきた。最近は変なおじさんへとキャラチェンジしようとしている。

ボヘミアン・ラプソディー
スタイン宅にある特別なタイプライターで書いたグースパンプスの原本を開くと、その本に書かれたモンスターが飛び出してくる(雪男の巻を開くと雪男が飛び出す)
モンスターは本を開けば、また本に吸い込まれて元に戻る。
本から飛び出した悪い腹話術人形スラッピー(このシリーズに何度も出てきた有名な悪役らしい)によって他の全てのモンスターが飛び出して町に解き放たれてしまった。
またスラッピーはモンスター達がもう封印されないように全てのグースバンプスシリーズ原本を燃やしてしまった。
田舎町で暴れるモンスターたち。
事態を解決するためジャック・ブラックは、全ての本を書いた魔法のタイプライターで
「全てのグースパンプスモンスターを倒す能力を持つグースパンプスモンスター」を執筆
ジョジョ6部のボヘミアン・ラプソディーと全く同じ解決法。。
そういう話を
グレムリン」とか「ゴーストバスターズ」とか、ああいう子供向けの楽しげファンタジー映画っぽいノリでやった感じだろうか。
ギャグとかも全部子供が観ても大丈夫な感じのやつ。
別にダメなわけではないが子供を連れてるわけでもない中年が一人で観るようなもんではなかった。。
グースバンプス」を子供の頃に読んでたりしてればもっと楽しめたのかもね。
モンスターと闘いながら、父を失って塞ぎがちだったな主人公の少年と、人とのコミュニケーションから逃避していた作家スタイン、二人のコミュ障の成長を描く。

ラストいいのかこれで
割と早い段階で明らかになるのだが、隣の家の美少女はコミュ障のスタインが本を書いて生み出した他のグースパンプスモンスター同様「人間」のグースパンプスだった。
ラストバトルでスタインが新たに生んだ「グースパンプスモンスターを消滅させるグースパンプスモンスター」の力によって、他のモンスター達と同様に彼女も消滅してしまい、主人公と彼女の涙の別れがあった。
まあ王道の終わり方だね。
‥しかしラストのラストで、消滅したはずのハンナが再登場!
スタインがまた「ハンナ」の本を書いて甦ったのだ。
そして「ハンナ」の本は燃やした!
これでハンナはもう二度と本に戻る事はない本物の人間の女の子になったのだ!
これからはずっと一緒だね!少年と少女はハグするのだった!おわり
えっ何これ
少女はスタインが生み出した虚構の存在だろ?
少女はスタインの分身だから、見方を変えれば主人公はスタイン(ジャック・ブラック)の延長線上の存在と付き合っていくようなもんだぞ。
少年はこの後もハンナで童貞を捨てたり結婚したり妊娠出産させたりするのか?
住民票的な事とか手続きはどうするんだ?
またスタインに「面倒な事や社会的な事を解決するグースパンプスモンスター」とかを産み出してもらうのか?
何年か前に「泣くな、はらちゃん」っていう、麻生久美子が自分が描いた漫画から飛び出た長瀬智也と付き合うドラマを観て凄くモヤモヤしたのを思い出した。
そういうフィクションから人が飛び出た系のフィクションは、最後にそいつが消えなければダメだと思う。
最後に消えれば「一夜の夢だった」とか「Aは理想の人物を妄想していた、それをフィクションのかたちにしただけ」という感じに落とし込めると思うが「実体化して、本作の終わった後も2人は幸せになりました!」と言われると凄くモヤモヤする。
しかも少女とハグした少年は「あ、人間になってる!」と言うのだがこの台詞も冷静に考えるとよくわからない。
しかも「一回消滅したけど、また書いたから死んだところから続きのハンナです」と言われても、そんな事できていいのか?
スタインが少女を生み出して死んだから続きからまた人間にしたって‥これでいいの?
というか、このハンナが交通事故で死んでもスタインが本にしたらまた続きから生き返るのか?
こんな風にスタインが永遠の生命を生み出せるって無茶苦茶だろう。
ジョジョ6部的には、FFが「また生み出されてもそれは違う私。これが私、さよならを言う私なのよ‥」と言っていたがこれが一番自然な気がする。
フィクション的には、彼女はあくまでも虚構の存在なんだから、
少年は「君と冒険したおかげで成長できた。これからはこの思い出を胸に現実に立ち向かっていく。でも君の事は忘れないよ」っていうノリで、ハンナからは卒業しなきゃダメなんじゃないだろうか。

何でアカンのかもっと論理的に書きたかったが上手く書けなかった。
まあわかるだろ

そんな感じでした

未体験ゾーンの映画たち2017
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グースバンプス世界がふるえた怖い話(全10)

グースバンプス世界がふるえた怖い話(全10)

 

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「ザ・コンサルタント(2016)」映画全編が、殺人会計士である主人公のキャラ紹介かつ面白いという変わった映画だった

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原題:The Accountant 監督:ギャヴィン・オコナー 制作国:アメリカ 上映時間:128分

ここ数年、年に一本はあるアクションスターではない既に成功しているスターが殺人マシーンを演じる系映画‥「イコライザー(2014)とかジョン・ウィック(2014)」とかと同じ種類の映画の新しい一本。
実際どれも面白く、こんなものを作られたらエクスペンダブルズはますますエクスペンダブルズで固まらないと生きていけない。
一言で言うと「昼はレインマン会計コンサルタント、夜は殺人マシーン」という映画。

Story

田舎町で会計コンサルタント事務所を構える物静かな男クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)。
コミュニケーション障害を持っているが数字に対しては超人的な能力を発揮する彼は、裏社会と繋がりを持ち彼らの仕事を請け負っていた。
アメリカ政府当局もその存在には気づきつつ、なかなか正体を掴めずにいたが財務省の捜査官レイモンド(J・K・シモンズ)は部下メリーべス(シンシア・アダイ=ロビンソン)と共に謎の殺人者「会計コンサルタント」を追う。
そんな中、ウルフのもとに義肢などの開発を行う大手メーカー、リビング・ロボ社の財務調査という依頼が舞い込む。
社長のラマー(ジョン・リスゴー)に頼まれて、同社の経理担当デイナ(アナ・ケンドリック)が一年かけて見つけたという使途不明金の解明に乗り出したウルフは、天才なので一晩で不可解な点を見つける。矢先、調査は一方的に打ち切られてしまう。
そしてその日からウルフとデイナは、暗殺者ブラクストン(ジョン・バーンサル)率いる集団に命を狙われ始める。。

みたいな話。

序盤
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序盤はベンアフ演じる主人公の描写が丁寧にされる。
冒頭は、幼少期にパズルの最後の1ピースを無くしてパニックを起こしていると、幼女が拾ってくれる。その最後のピースをはめるとそれはモハメド・アリのパズルだった。
‥という事がわかる。しかもウルフは、このパズルを裏返してやっていた。
この時点ではわからないが何かの伏線なんであろうカッコいい始まり方。
彼は、数学の天才だが自閉症アスペルガー症候群で、感情や暗黙の了解などがわからず、たとえ話やジョークを真に受けてしまうシーンがちょくちょくある(だけど知能は高いので知識や経験によってそれらの察せなさを補って普通に生活できている)
神経質ゆえに規則性のある私生活だったり、パニックになるとソロモングランディの詩を唱えて気を静める様子が描かれる。
そんな感じで、田舎では目立たない物静かな会計士‥という感じで働いている。
だが今現在のベンアフなので筋肉パンパンの‥身体が完全にゴリラ。
これは「会計士が実は殺人マシーン」映画で、中盤以降でアクションもこなすので身体がパンパンで普通なのだが、ハッキリ言って映画の前半は「只の物静かな会計士だが実は‥?」というネタフリの部分なので「素手で他人の身体を引きちぎれそうなほど異常にデカいパワー系コミュ障の大男」が眉間にしわ寄せてウロウロしたり家でスネを棒でゴリゴリやって鍛えたり「何やってんだこいつ‥」という辺りがはっきり言って怪しすぎる。
本作が意図していないであろう異様なパワー系の恐ろしさを醸し出していた。
最初から「自閉症だがヒーロー、が主人公の映画」とわかって観ているからいいが、それを知らずに観ていたらと想像すると怪しすぎて凄く可笑しい。
パッと見、AVGN(ジェームズ・ロルフ)に似ている。
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The Angry Video Game Nerdとは (アングリービデオゲームナードとは) - ニコニコ大百科
The Angry Video Game Nerd - Wikipedia
あと、のっそり加減が「パンチドランク・ラブ(2002)」のアダム・サンドラーにも似てる。パンチ~も情緒不安定なのっそりした男だった。
端正な顔のこういうキャラは皆このスタイルになるのだろうか?


すごく不思議な映画。
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第一幕でたっぷりとウルフのキャラ紹介がなされたが、この映画はちょいちょい回想を挟みつつ、何だかんだ言って最後の最後までウルフのキャラ紹介が続いて終わる。この映画が丸々一本「ウルフのキャラ紹介」といっても過言ではない。
ただの「昼は一般人、夜は殺人マシーン」映画の一本だと思ってたけど、映画内の配分が凄く変わってて実に不思議な映画だった。
だけど、もっと知りたくなるので奥行きある映画だなと思った。
そして財務省の捜査官2人や、暗殺者とかのキャラも、やはり凄く奥行きがあった。
悪の黒幕は若干、薄っぺらいステレオタイプな悪役だった気がしなくもないが、彼は割とどうでもいいキャラなのでいい。
ウルフが射撃場にさせてもらってる老夫婦も何となくいい感じだった。
アナ・ケンドリック演じるヒロインは残念ながら、ウルフに割く時間や他のキャラに割く時間が多すぎて只の可愛い女でしかなかった。だけどやはりスターだけあって魅力だったわ。
最後に対決する暗殺者は、ネットフリックスのMARVELドラマで今パニッシャーやってる奴(フューリーとかボーダーラインにも出てるくせっ毛の鼻でかい変わった顔してるアイツだ)
つまり本作はバットマンvs.パニッシャーでもある。
結果も1995年に翻訳された「バットマン:パニッシャー」と同じだった。
中盤以降はウルフの戦闘シーンが展開されるので、過去に訓練を受けている描写などが増えてくる。そして普通、そんな回想は前半だけだが本作の場合最後までそれが続く。
てっきり「イコライザー」や「ジョン・ウィック」みたいに、後半はヒロイン救出したり敵を殲滅していくのが定石なんだが話は不思議な方向‥どんどんウルフのプライベートな問題へと進む。
それが最高潮に達した時に出会ったラスボスとの決着の付け方があまりに最高だった。
ウルフは途中から自分の私的な問題へと進んでいき、無視された悪の組織が「おい、俺達を無視するなよ」って感じで立ちはだかってウルフが「あ、ごめんごめん」って感じでささっと皆殺しにする。こんな映画めったにない


ウルフの強さ
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ウルフの戦闘シーンは数少ないが凄く良かった。
数学が得意な自閉症だけあって合理的すぎる戦闘スタイル。
必要最低限の運動量、最速最短の軌道で確実に殺すので強すぎる。
心臓や顔面などのモロ弱点を2、3発撃ち抜いて、100%絶命したであろう倒れた相手の頭部を更に撃って120%確実に殺している。
これは確実に死ぬ!
一人の人間を2、3回殺していると言っても過言ではない殺し方。
もしスーパーマリオみたいに命が3つあったとしても死んでそうな殺され方。
ソフト(戦略)の説得力はそれで、ハード(身体)はベンアフのゴリラボディだから、これは強い。
これ系の映画だと「イコライザー」や「ジョン・ウィック」などに比べて、本作のウルフは合理的すぎる才能ある自閉症マッチョだからこその強さであって、映画の魔に憑りつかれたような無敵の強さではなかった。敵の攻撃もちょいちょい喰らうしね。
とは言え、強さでは他の映画ほどではないがピンチにならなさ加減ではこのウルフが最高だったね。
キャラの奥行きはウルフが一番深いので、俺はウルフが一番好きだね。
サイドキックもいてヒーローっぽくもあるし続編があったら観たいな。
本作はウルフのキャラ紹介に費やす時間が長かったせいかアクションが結構少なかった。
ウルフの殺人バンの描写はあったが、殺人ハウスの設備を使うところが観たかった。


そんな感じでした 

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「ネオン・デーモン(2016)」エル・ファニングと美しい画は良かったが物凄くカンヌで賞を獲りたさそうすぎる映画👱‍♀️

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原題:The Neon Demon 監督: ニコラス・ウィンディング・レフン
製作国:アメリカ/フランス/デンマーク 上映時間:118分

 

これはエル・ファニングが出ずっぱりの、カッコいいポスター群の映画として認識していた http://www.impawards.com/2016/neon_demon.html
レフン監督作は「ドライブ」を観て「まあいいかな」と思っていたが「ブロンソン (2008)」「ヴァルハラ・ライジング (2009)」「オンリー・ゴッド (2013)」とか観てどれも全く好きじゃなかったので正直あまり合わない監督というイメージ。

Story
16歳の美少女ジェシーエル・ファニング)は、トップモデルになる夢を叶えるために田舎町からロスへとやって来た。

その美貌ですぐに一流デザイナーやカメラマンの心を捕えて順調に出世するが、ライバルのモデルたちはジェシー激しい嫉妬を抱き、常軌を逸した復讐を仕掛け始める。

というそんな戦後の少女漫画みたいなストーリー。
穢れなき天才少女がのし上がっていって、それを妬んだ凡人達が彼女の脚を引っ張って彼女が持っている才能を得ようとする話。
彼女が持っているものとは何かというと、それは処女性なのだが彼女以外のキャラは全員穢れているので「穢れの無さ」を獲得するのは不可能(唯一、最初に撮影してくれるカメラマン青年だけはジェシー同様の穢れてないキャラ)。不可能なので「ジェシーの血」を物理的に求める。だけどそんなものはやはり得れるものではないので‥という日本昔話めいたお話。

ジェシーは、ちょいちょいゼルダの伝説トライフォースみたいな三つの三角形を幻視するのだが
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これはジェシーにだけ見えてる自分の穢れなき才能のビジョンって感じか?

それでトライフォースみたいなビジョンを観たジェシーは後半、自分の凄さを知って自信満々になってお決まりの転落コース。
この調子に乗ったエル・ファニングが凄くカッコよかったので、このまま突っ走って欲しかったがこの無敵モードは一瞬で終わってしまい終盤は凡人キャラだけで話が進んでいってしまい退屈だった。
正直、彼女が普通に無双するところがもっと観たかった。

この映画の登場人物は老人の死体以外、全員が美男美女(モーテルの薄汚いオッサン役でさえキアヌ・リーブスが演じている)
これはもう「本作では容姿の美しさは美しさではない」と言いたいのだろう。
おそらくジェシーとボーイフレンドのカメラマンだけが美しい存在なんだろう(だから二人が序盤でドライブデートするシーンは凄く美しかった)


観る前からわかるが本作は全体的に寓話的で御伽噺ぽい、アート映画っぽい感じ。
観てると変なところが多く
「何でライバルに刃物で斬られたのに事務所の人に相談しないの?というか何で病院行かないの?」「何でモーテルに猛獣が侵入してきたらジェシーが金払わないといけないの?」「何でその怪しいモーテルに住み続けてるの?」「何でモーテルで事件が起きても警察呼ばないの?」「その度に、事務所に言わないのは何で?」「ヤバそうな屋敷で尾を引きそうなトラブルがあったのに何で居続けて挑発するの?」
とか、そんな疑問が出てくるがそれは「これは寓話的な映画だから‥」と、映画全体が言っているので恐らくツッコむだけ野暮だろう。ポスターとか予告編観ればそういう映画だと言っているしその上で観て「不親切だ」とか言っても仕方がない。
何というか、映画全体からカンヌで賞を獲りたい感じがバンバン出ている。
カンヌで賞を獲りたさそうな映画というは具体的に言うと、綺麗な画面、アート映画っぽい演出、奔放な性描写、タブー描写、自分本位な映画作り、曖昧な終わり方‥これら全部を足したものがそうだ。

レフンは確かデヴィッド・リンチが好きだったと思うが「マルホランド・ドライブ」に色んなとこが何となく似てる。あと「ブラック・スワン」を足したような。。

でもぶっちゃけて言うとそれらの映画に比べて少々、薄っぺらいんですよね。。
物凄く単純な‥日本昔ばなしなら10分で語り終えそうな話を二時間に引き延ばしても画面が持つのだからやっぱりきっと才能があるのだと思うが。。

だけどエル・ファニングが魅力を凄く出していて(特に、いつものプレーンな彼女じゃなくて自信満々モデルになった姿をもっと観たかった)あと画も綺麗。
綺麗だけど、このブルーピンクのキツい照明が当たりまくって80年代っぽいシンセが流れる‥という映像は、本当は好きだったんだけど、ここ数年で大流行しすぎて食傷気味で、全然新鮮じゃなかった(映画もMVもゲームもグラフィックデザインもこればっかり)。
これ誰が始めたんだろう?レフンの「ドライブ」かな?

文句ばかり言ってるようだが割と楽しめた。特に前半は。
だが性描写やタブー描写を増やして寓話っぽく終わる感じが、本来はショックを与えるためなんだろうけど逆にありきたりで退屈に思えてしまった。
全編が寓話っぽい作風のせいで、ショッキングな事が起きても「ああ、人を食うっていうメタファーで本当に食うパターンをやったのね」と、逆にショック性が薄らいでしまうというか‥これがリアルな映画だったら「衝撃のラスト」という感じがしたのだろうが、この映画の作風(窓から蚊が入るかのように貴重な猛獣が入ってくる)本作だと何が起きてもあまり意外な感じがしなかった。
こういう奇抜な映画ならむしろエル・ファニングが駆け上がっていくだけの内容の方がよかったかもしれない。
やっぱり、ドライブだけがエンターテイメント性を高めた映画で、それ以外の方がレフンっぽい映画なんだろうなと思った。
そういえばジェナ・マローンがレズ死姦する時にタンツボキスしてたのが妙にリアルでエロかった。あの死体はエロかった
あと前半、調子に乗る前のエル・ファニングが汚れてないカメラマンと街の灯りを見下ろしてデートする場面は凄く綺麗だった。
だが、まとめて考えるとやはり失敗作だと思う

そんな感じでした

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