gock221B

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『マエストロ:その音楽と愛と』(2023)/中盤以降は良いんですけど最初の50分が信じられないくらいつまらなくて前半50分観るのに一週間かかった。キャリー・マリガンとマヤ・ホークは全シーン良かったです👨🏻👩🏼♬


原題:Maestro 監督&脚本&製作&主演:ブラッドリー・クーパー 製作:マーティン・スコセッシスティーヴン・スピルバーグほか 音楽:レナード・バーンスタイン 配給:Netflix 製作国:アメリカ 上映時間:131分 公開日:2023年11月22日(日本は2023年12月8日)、Netflixでの配信は2023年12月20日から

 

色男俳優ブラッドリー・クーパーが監督、脚本、主演、製作……など務めまくってスコセッシやスピルバーグなどの後押しもあった監督主演第二作目。
指揮者レナード・バーンスタインと舞台女優の妻フェリシアの愛と音楽を描いた実話を描いた映画。
一作目の『アリー / スター誕生』(2018)は、前半は普通に面白くて2人で唄うめっちゃエモいシーンがよかったのは覚えてる、でも後半センチメンタルすぎて心が離れた……そんな記憶がある。
続く本作は、何となく見る前から自分が興味なさそうなんだけど、今年から「アカデミー賞作品賞にノミネートされたものはなるべく観る(あとパルムドール)」という縛りを自らにかしたので観ました。かつてアカデミー賞ノミネート作はつまらないものばかりだったが七年くらい前から面白さも両立した作品が多くノミネートされるようになってきたからね。今のところ観た2024年ノミネート作6本は全部おもしろい。残り三本。

ネタバレも多いですし。あとあまり良い様には書いてないのでお好きな方は読まない方が良いかもしれませぬ。

 

 

 

 

舞台女優フェリシア(演:キャリー・マリガン)と、バイセクシャルで愛煙家の指揮者レナード・バーンスタイン(演:ブラッドリー・クーパー)の夫婦愛をバーンスタインの音楽活動を通して描いた映画。
一作目『アリー / スター誕生』(2018)同様に「ブラッドリー・クーパーが監督&主演&製作(今回は脚本も)」「少し問題あるが魅力的なハンサム男性主人公と振り回される女性主人公」「音楽を通して愛を描くのがテーマ」……などといったところが共通している
なんか、ブラッドリー・クーパーはろくでなし系ハンサム主人公に感情移入して題材に選んで自ら演じてそうだよね。

まず若かりし才能あふれる2人が出会って草むらで背中合わせで座って数字あてゲームとかして仲良くなる「昔」の部分は白黒で描かれている。
やがて画面はカラーになり子供達も大きくなる。バイセクシャルであるレナードの長年の浮気が原因でフェリシアは怒りを爆発させたり凄い演奏シーンでよりを戻す中盤。
しかし後半はフェリシアに腫瘍が見つかり……というのが大体の流れ。

まず主人公フェリシアを演じるキャリー・マリガンの熱演が全編凄かった。
レナードと知り合ったばかりの可愛いフェリシア、夫に振り回され睨みつけ終いには怒りを爆発させるフェリシア、レナードの妹シャーリー(演:サラ・シルヴァーマン)と頻繁に女子会するフェリシア、良い子の娘ジェイシー(演:マヤ・ホーク)と触れ合うフェリシア、夫と一旦離れて男性と仲良くなるが「私はドキドキしてたのに、彼は私の友達を紹介してほしいだけだった……」とシャーリーとの女子回で寂しく微笑むフェリシア、癌が発覚するが若い頃のように夫と草むらに座って数字あてゲームをする寿命が残り少ないフェリシア、闘病生活に突入して優しい家族や友達にが「彼女を励ます会」をしてくれるのだが自分が惨めになったのか会の終わりには「もう誰にも会いたくない!」と泣き出すフェリシア、末期症状でままならぬ自分の身体に苛つき優しいジェイシーに八つ当たりしてすぐ謝るフェリシア、夫とベッドで横になり微笑むフェリシア、ラストカットの微笑むフェリシア……など全編良い。彼女の子ども達とか孫が観たら号泣してるだろ(なんかフェリシア名場面集を列挙してたら走馬灯を追体験してる気持ちになってきて、だんだん良い映画のように思えてきた)。

ブラッドリー・クーパー演じるレナードは、恐らく本作の見せ場であろう中盤の長くて素晴らしい指揮シーンが圧巻。レナードは全体的にフェリシアをほっといて同性愛に興じている、しかも音楽界に入ってきた何も知らない若手ばかりと次々つきあってるのはかなりイメージ悪い。娘のジェイシーに酔って「いま妖精のような子と付き合っててね」と語りだして「そんな話聞きたくない」とか言われてしまうし妻の闘病中は男遊びをやめるが、彼女が亡くなるとまためちゃくちゃ若手と付き合い始める。何が言いたいのかというと夫婦愛とか感動的なところだけ描くのであればレナードのチャラ性愛は描かないだろうにバンバン描きつつ、夫婦愛を描いてるところが良いなと思った。特に妻が亡くなった後はすぐ映画終わるのだから「ジジイになっても若い男と遊んでるぜ」ってシーンは入れないほうが良い話っぽく終われる、それなのに「いや、でもこの爺さんは男好きだから……」と、わざわざ入れる。ここは誠実で良いなと思った。ラストシーンでは特殊メイクでバーンスタインそっくりになるのも圧巻。

サブキャラも、夫婦の娘役を演じたマヤ・ホークや、バーンスタインの妹シャーリー役のサラ・シルヴァーマンスタンダップ・コメディアン)、二人とも前から凄く好きなので嬉しかった。
イーサン・ホークユマ・サーマンの娘マヤ・ホークは大体何の作品でも良いんですが、今回も本当に良い。もう彼女の「良いやつ」っぷりがいつも表情や痩せっぽちの全身から出まくっている。夫婦の快活な「良い娘」として描かれていて、おどけたり常に母に寄り添う姿が本当に良い。
サラ・シルヴァーマンは、普段のスタンダップ・コメディとか観ても日本人なので全然わからないし、本作での役もフェリシアの話し相手になってるだけのチョイ役なんだけど彼女も大体いつも良い。なんか彼女の無責任な表情とかがツボにはまるというか。

 


……良かったところばかり列挙していったので書いてる自分も「良い映画だった」と錯覚してきたが、実際に観ていて前半のバーンスタイン夫婦の出会いと人生を白黒画面でじっくり描く50年代幸せ描写があまりにも平坦すぎて興味持てなさすぎて全部観るのに一週間くらいかかった。正直言ってマジでおもんない。
一流の出演陣や美術とか撮影とか……映画としては多分いい映画なんでしょうけど、もう本当に内容に一切興味が持てなさすぎて苦痛で苦痛で仕方なかった。アカデミー賞ノミネート全部観るしばりしたから観ざるを得なくて連日脱落しました。
だけど50分くらい経過した時にレナードの長年の浮気にキレたフィリシアとケンカし始めたあたりで興味湧いて何とか最後まで観れた。
そんな不仲で盛り上げる中盤の後、フェリシアの哀しみが伝わってくる闘病生活の後半とかは普通に良い。
映画って最初の20分がつまらないと大抵最後まで観てもつまらない事が多い。
途中から面白くなる映画もたまにはある。この話題の時にがよく『カメラを止めるな!』(2018)、『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)やイーライ・ロスのホラー映画などがよく出てくる、だけどそれらの映画はわざと前半つまらなくしてるし、その「わざと今つまらなくしてるな」って気配がバンバン出てるんですよ序盤から。「どこがそうなのか具体的に挙げよ」と言われても言葉で説明しにくいしそもそも俺がそんな証明する必要ないからしないけど、とにかく中盤から面白くなる映画は滅多にない。しいて言うなら本作は数少ないそんな一本だった。僕にはね?
だが最初の50分くらいが本当に興味持てなさすぎてその後がそこそこ良くてもなかなか入っていきにくいんですよね。遊びに誘ったのに「行かない」「行く」「やっぱり行かない」とか繰り返す奴いたら遊びに行っても100%面白くないだろ?あと遅刻ばっかりする新人が仕事はそこそこ出来たとしても認めたくないだろ、それに似てる。
「やっとパーティ始まったけど、もうピザ冷めて固くなってるよ」ってやつだ。
癌発覚して若いときみたいに芝生で数字当てゲームしたり、ラストのフェリシアのカットなどは本当ならめちゃ感動しそうなもんだが感動しきれなかったところがある。
映画の序盤は大抵あげていかないと入りにくいよね。ギャング映画とか芸能映画は前半はバンバン成り上がってカタルシス凄いし、恋愛映画は出会った若い男女の喜びが炸裂しないとダメだし、それは割と難しくないと思うのだが……。
『アリー / スター誕生』(2018)は前半と中盤が面白かったので変だな……と思って調べたら脚本が違うな。ブラッドリー・クーパー自ら脚本書いたっていうのが前半のつまらなさの所為かもしれないな?
あとブラッドリー・クーパー作品は要所要所でメソメソとセンチメンタルで湿ってるんですよね。それが良い人もいるだろうが僕、ウェットなシーンが苦手だからアメリカ映画ばかり観てるのであんまり得意な方じゃないかもね。
映画としては多分いい映画なんだろうと思うが僕にはちょっと合わなかったかも。前述の通り、中盤くらいからの展開や女優陣の演技は良かったですけど……。
丁寧に描いてるしウェットなシーンが多いので日本の年寄りが観たら感動するかも。

 

 

 

 

そんな感じでした
ブラッドリー・クーパー監督作〉
『アリー / スター誕生』(2018)/前半とガガとShallowと自分の行動を全部説明するブラッドリー・クーパーは良かった👱🏻‍♀️🧔
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www.netflix.com
Maestro (2023) - IMDb
Maestro | Rotten Tomatoes

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