原題:X-MEN'97 シリーズ構成:ボー・デマーヨ 監修:ジェイク・カストレナ 原作:スタン・リー、ジャック・カービー 製作総指揮:ブラッド・ウィンダーバウム、ケヴィン・フェルジ、ルイス・デスポシート、ビクトリア・アローンソ、ボー・デマーヨ 制作スタジオ:マーベル・アニメーション 配信サービス:Disney+ 製作国:アメリカ 配信時間:各話約30分(最終話だけ約40分)、全10話 配信開始日:2024年3月20日-5月20日 シリーズ:MARVELスタジオのDisney+アニメシリーズ。『X-MEN』(1992-1997)の続き
MARVELを代表するヒーローチームのコミックの一つX-MENが90年代にアニメ化された『X-メン』(1992-1997)……その最終回から27年経った今、MARVELスタジオ&Disney+によって続きが作られた。
当時のアニメは、日本では日本人スタッフが嘘で固めたOPを作って日本でもシーズン3くらいまで地上波の夕方で放映されてた。
X-MEN 日本版OP1-2(JPN) - YouTube
本作では当然ながら、日本制作のOPではなくオリジナルのOP曲が使われている。でも僕も普通に嘘で固めたナイフじゃなくてオリジナルの方が好きだったので都合がいい。
『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』(1996-1997)と放映時期が違いが実際にビーストウォーズほどではないがビースト役の千葉繁だけはスキを見てアドリブを差し込んだりしてた気がする。
あと日本での放映が始まった頃に、アニメの内容を岡本夏生がX-MENのアニメキャラと会話しながら番組を紹介する謎すぎる特番『岡本夏生のX-MEN大好きスペシャル』(1994)が放映された。これは本放送じゃないので千葉繁を始めとした声優陣がめちゃくちゃな吹き替えしまくっていた。
(1994)『岡本夏生のX-MEN大好きスペシャル』のOP・EDとCM - YouTube
上記のOP&EDがUPされた時は驚愕したが、肝心の本編がネットにUPされたのは30年間見たことないので見る方法はない(昔ビデオに録画したものがひょっとして押し入れにあるかもしれないが観る手段ないし)。
で、肝心のアニメはというと時々観てたが、その時実家を出て大阪に一人暮らしして仕事とか恋愛とかリアルが忙しかったのでアニメ自体あまり熱心に観てなかった……いや、当時、今川泰宏監督のファンだったので『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』(1992-1998)『機動武闘伝Gガンダム』(1994-1995)だけは熱心に見てた)。……あ、X-MENはたまにしか観てなかったけど同じ海外アニメでも天才ブルース・ティムの『バットマン』(1992-1993)は熱心に観てたわ。で、このブルース・ティムのバットマンの作画が凄すぎて、並べるとX-MENが凄くショボく見えて、それであまり観てなかったんだと思う。作画はあれだが内容は名作だったと聞く。
今ならDisney+で全話観れるはず(同じく90年代に作られてたスパイダーマンやアイアンマンなどのアニメも全部Disney+にある)。
X-メンを視聴 | Disney+(ディズニープラス)
で、そのアニメ版X-MENの日本での放映が始まった1994年。小学館から『X-MEN』の邦訳が始まった。以前の日本でのアメコミ翻訳は70年代の『月刊スーパーマン』とか光文社のMARVEL翻訳など以前でもあったが一時止まっていたが、このX-MEN邦訳版のヒットからアメコミ邦訳が再開された感ある。邦訳版X-MENはジム・リーが担当した範囲を中心に17巻まで出版された後、雑誌形式でMARVELの色んなタイトルを複数収録する事によって月に千円であらゆるMARVELヒーローを脳に叩き込まれた『マーヴルクロス』全17号(1996-1997)、リア充が時計やスニーカーと同じノリでアクションフィギュアハマったが今の時代にその記憶が全く残ってないので集団幻覚みたいな雰囲気になっているトッド・マクファーレンの『SPAWN スポーン』、『ウォッチメン』の邦訳一回目、『バットマン ダークナイト・リターンズ』の邦訳一回目……とか色々あり、浮き沈みはありつつ何だかんだ言って現在までアメコミ翻訳は続いている(あまりに雑語りですがすみません)。
また同じく1994年に当時カプコンに居たアメコミ好きの秋友克也氏が頑張って格闘ゲーム『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』(1994)発売。僕は黄色と青のコスチュームやジム・リーの絵やキャラ選択画面のわくわくするBGM、サイクロップスやウルヴァリンやサイロック、あとアイスマンやオメガレッドやジャガーノートのキャラ性能などに魅せられた。このシリーズは北米で大人気で続いて『MARVEL vs.カプコン インフィニット』(2017)で大失敗するまで続いた。僕はこのシリーズ大好きだったが『エックスメン VS. ストリートファイター』(1996)が一番丁度良くて好きだった。世界的にはマブカプ2やアルカプ3が一番人気なんだけど正直やりたくても三人動かすのは難しくてついていけなかった……。
……こうして振り返ると邦訳と地上波夕方アニメと当時大人気だった格ゲー……と一気にメディアミックスしてたのね(あと日本の漫画家によるX-MEN漫画も出てた)。
これらのメディアミックスの”教育”のおかげで現在の40~50代の中年はアメコミ映画が公開されても出てくるキャラを知っている事が多い。中年男性は主にMARVELカプコンの格ゲーで、邦訳を読み続けた人はそのまま原書を読み始める人が多かった。
僕はというと英語が苦手なので原書には手を出さなかったがX-MENの邦訳は……90年代の小学館のやつは20歳前後だったのでかなり好きで全部買って(特にクリス・バチャロのアートが好きでした)、一旦翻訳が止まった後はヴィレッジブックスの2000年代の『アストニッシングX-MEN』シリーズとか『ハウス・オブ・M』は好きだったけどあまり読んでなくて、あと小学館から出た『X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋』は妙に好きでした。でも2000~2010年代は、FOXのX-MEN映画があまり好きじゃなかったのも合わさってX-MENからは離れてアベンジャーズの方がいいぞって離れてたんですが(読んでないくせに一応ネット等でX-MENの動向はチェックしていた)FOXのX-MENもようやく無事滅び去ってくれてMARVELスタジオに帰ってきた。そんでMCUは〈X-MEN登場〉への地ならしとして『ミズ・マーベル』 (2022)や『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエヴァー』(2022)や『マーベルズ』(2023)など色んな作品に〈ミュータント〉や〈X-MEN〉を出してきているが正直この辺のフェイズ4&5作品はもう一般層の多くにそっぽ向かれて誰も観てないという悲しさ。今夏公開の『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)は今まで観られた予告編の再生回数の新記録出たそうなので、さすがに久々のヒットするだろう。
で、最近の原作のX-MENは〈クラコア編〉が最近終わったと聞くが、その一冊目の『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』も翻訳されたが、この『ハウス・オブ・X/パワーズ・オブ・X』がめちゃくちゃ面白かった。X-MENの中でも……というか今まで読んだアメコミでベスト3に入るくらい面白かった。その続きはまだ途中までしか読んでないけど、ミュータントたちがあまりに人間離れしすぎてて感情移入できなくなり「ミュータント達には悪いけど早くクラコア壊滅して欲しい……」と思ってたら壊滅した。
原作の古いエピソードだと『ダーク・フェニックス・サーガ』が一番好きです。なんかX-MENとかMARVELコミックスそのものに求める楽しさが全て詰まってる気がする。この辺りのジョン・バーンのアートも好きです。
なんか正直言って一個一個について書いてたら無限に書けるので全て短くおさえた。
そんなこんなでX-MEN '97の感想に話を戻そう。
ネタバレあり
これまでのあらすじ 『X-メン』(1992-1997)
X-MENとは、悪の脅威から人類を護り、人類とミュータントとの平和的共存を実現するために組織されたミュータントヒーローチームである――
人類との平和的共存のために長年戦い続けたX-MENだったが、その指導者プロフェッサーXが人類に撃たれ致命傷を負い、彼は治療のため惑星シーアーに旅立った。
一体、何度繰り返したら地上に居場所ができるのか?――
Marvel Animation's X-Men '97 | Previously On X-Men | Disney+ - YouTube
……という27年前のアニメ最終話の直後から始まる。
OP曲も引き継がれてSNSのTL上の北米のオタは咽び泣いていた(声優とかも当時の人なのかな?)。なんでもケヴィン・ファイギが「絶対にあの当時のOP曲じゃないとアカン!」と強く言ってたらしいね。でも実際すごくいいOP。
ドラマやアニメのOPとか初回以降は飛ばすけど本作のOPは最後まで飛ばさなかった。
毎回ほんのちょっとづつ違うからね(戦死したメンバーが消えたり加入したメンバーが追加されたり、その回に起こる出来事に関係した過去の思い出が挿入されたり)
www.youtube.comちなみに27年前のはこれ
www.youtube.com
こうして見比べるとジュビリーがやってた”新入り”役を本作ではサンスポットがやってるんだな。
それにしても〈立体的な”X-MEN”のロゴ〉が水平線に投下されて核爆発が起こるところ、それぞれ違うフォントのクソデカいキャラクター名とキャラクターが次々登場するところなど最高。曲も勿論すばらしい。
ついでに日本版OPも載せておこう
こちらは90年代日本アニメ特有の過剰にメランコリックな感じがたまらない。
「SHOCK!嘘で固めたナイフ斬り付け」という出だし、
また「リアルタイム 濡れた幻ィ~……ィィィイイイ~ッ↑↑↑♬」と勝手に一人で盛り上がって上がっていく箇所などたまらない。
欧米人は、ウルヴァリンとオメガレッドがエリアルレイブしながら上空に舞い上がりきったところで「 ブレイクアウト 」と言う箇所のダサさで膝から崩れ落ちる快感がたまらないらしい。同時に、別に現在の目から観てダサいわけではなく30年前の時点で既にダサかったことを君に教える。だが別に私が言う「ダサい」は悪い意味だけではない事もわかってほしい。「うわ……ダサ……」それも楽しい思い出だ。しかも80、90、00年代のダサさは今から狙っても作れない希少なダサさなので無視せず微笑んでいたい。
前回までのあらすじ
プロフェッサーX(以下教授orエグゼビアorハゲ)が反ミュータント過激派のヘンリー・ピーター・ガイリックに撃たれた!
脱線したのでまたあらすじを言う羽目になった。
前のアニメの終盤見てないので、そういうあらましはよく知らん。教授は恋人であるリランドラ女王に治療のためシーアー帝国に連れて行かれたらしい。昔の邦訳ではシャイア帝国と言われてたね。
だが最初の数話観てたらサイクロップスとかマグニートーとか皆、まるで教授が死んだかのように振る舞ってるから「今は教授死んでるのか」と素直に受け取ってたら数話後で普通に生きてたので「普通に生きてるじゃん」と思った。
あまりに皆、教授が死んでるかのように振る舞うので「みんなハゲが死んでると思ってるのかな?」と思い、後で生きてた教授が地球に帰還したら驚くかなと思ってたら皆ノーリアクションでいつの間にかハゲが帰還してたので俺のほうが驚かされた。
第1話は、第1話らしくX-MENを一人ひとり紹介しながら反ミュータント勢やセンチネル軍団を軽くボコす素晴らしい第1話。
サイクが上空から飛び降りて地面にオプティックブラストして着地したり(かっこいい)、ガンビットがウルヴァリンの爪にチャージする合体技を見せたり、ビーストがセンチネルの配線をいじって鹵獲したり、ストームが登場しただけでセンチネル達が「オメガ級ミュータントを検知……」と警戒モードになるのも素晴らしい。
へそ出しの恥ずかしいタンクトップ着たガンビットとかジム・リーのX-MENを思わせるバスケットに興じるX-MENなどなどファンサービスに満ちた第1話だった。
ちなみに作画は、昔のアニメの絵柄のまま美しい作画になっていて素晴らしい。全体的に『ホワット・イフ…?』〈シーズン1-2〉(2021-2023)っぽい。多分スタッフも同じだろう。
昔のアニメではジュビリーがX-MENに保護されてそのままメンバー入りしてたが今回のアニメでは大富豪の息子のロベルト・ダ・コスタがそのポジションになる。彼は勿論後のサンスポットだが何でサンスポット?
まぁいいや。ロベルトはX-MENに入るのを拒絶してたが親との断絶で、なし崩し的にX-MEN入りする。シーズンの後半まで全然パワーも使いたがらないし何か重要な役割があるのかと思ってたけど終盤でやっとパワーを使ってジュビリーを助けるだけだった。
だからジュビリーは先輩キャラになった、かつては生意気小娘キャラだったジュビリーだが後輩ができたせいかロベルトが反発するのを見守ったり、彼と楽しいことして黙って柔和なニッコリ顔で微笑んだりして妙に可愛らしい。2人は微笑ましい感じのカップルになる。
他には今シーズン前半では教授の代わりにX-MEN指導者となったマグニートー。ノースリーブで紫の妙にセクシーなコスチュームを着て、ことある毎に教授への愛をぶつぶつ呟いたかと思うと攻撃を受けて乳まるだしでエッチなやられ方したりするのが可笑しかった。
ガンビットと良い感じだったローグが、昔いい仲だったマグニートーと三角関係になる。ガンビットはまるでティーンエイジャーのようにむくれる。
ウルヴァリンは、X-MENリーダーのサイクロップスの妻ジーン・グレイ(妊婦)に未だに惚れている。ジーンが出産間際になって急いで病院に連れて行って出産を手伝ったりするが、最終的にはジーンは夫サイクロップスの元に帰るわけでさの度にウルヴァリンは悲しそうな顔でジーンをじっとりした顔で見る……可哀相だが面白い。
ちなみに「ジーン(と夫サイクロップス)が写った写真をじっとり見つめるウルヴァリン」はフィギュアにもなっている。なんたる屈辱……!
そしてモーフが親友ウルヴァリンやガンビットを変身能力でからかう!(モーフの変身いたずらは殴られそうなラインのイタズラなのでヒヤヒヤするが面白い)
ガンビットやウルヴァリンの好きな女子、昔のアニメがキッズに観て欲しい感じだったためか。
第2話は、教授の遺言によってX-MEN指導者になったマグニートーが、ミュータントを危険視する人類によって裁かれる事件。
第3話は、サイクとの間にできた息子を出産したジーン・グレイが、実はジーン本人ではなくジーンのクローンであったと判明。後にマデリーン・プライヤーと名乗ることになるクローンは闇落ちしてゴブリン・クイーンというヴィランになってX-MENと戦う。
第4話は、ジュビリーとロベルトが異次元空間を司るモジョーが作り出したベルトスクロール・アクション・ゲームのような世界に引きずり込まれて脱出するために戦う楽しい話。ゲーム画面はコナミのX-MENゲーム風で、両端の顔はカプコンの『マーヴル VS. カプコン クラッシュ オブ スーパーヒーローズ』(1998)のヴァリアブル・クロスだね。
第5話は、平和の祭典をジェノーシャ(ミュータントだけの架空の国家)で行っていたら正体不明のセンチネルが襲来して惨劇となり多くの犠牲が出る……。
という、この第5話が多くのドラマやアニメで第3話~第5話あたりで起こりがちな「流れ変わったな?」回。
個人的には、一話完結の楽しい話が続く前半が第五話で流れ変わる、という本作の前半が個人的にはかなり神アニメ的に面白かった。”楽しい事件”とは言いつつマグニートー裁判もゴブリン・クイーン事件もそれだけで映画一本作れるほど壮大な事件を24分にまとめてるので当然面白い。
その前に「X-MEN」は〈差別をテーマにしたヒーローもの〉という大前提がある。アメリカやアメリカの延長としての地球を守るアベンジャーズや、個人的な悩みとそのメタファーとしての平和維持につとめるスパイダーマンとは少し違う。
そして新しいX-MENが始まると毎回新しく観はじめた人から「アベンジャーズやスパイダーマンは市民から人気なのに何でX-MENだけ迫害されてるの?」という疑問が出てくる。アベンジャーズやスパイダーマンは(基本的に)後天的なアクシデントや過程の結果スーパーパワーを身につける、だから「俺達(人類)の代表だ!」という感じなのに対してX-MEN……ミュータントは突然変異で生まれつきパワーを持った人類(遺伝子が違うから人類そっくりの違う生物かも)。だから人類からすると「俺達は、遥かに優れた能力を持つミュータントに取って代わられるかもしれない」という本能的な恐怖を抱く、そして迫害される。肌の違う人種やLGBTQ+のメタファーみたいな感じ?
人がいる限り差別は(ほぼ)なくならないのと同じようにX-MENは差別と戦い続ける運命。
また劇中には基本的にX-MENとミュータントのヴィランしか出てこないのでミュータント=スーパーパワーを持って産まれた突然変異という印象になるが、X-MENはミュータントの中でも上澄みで、画面外には使い道のないパワーを持って産まれた上に迫害されてたり単純に身体異常を持って産まれただけの弱者ミュータントなども大勢いる。「田舎町でリンチに遭って死んだ可哀想なミュータント……しかし彼は只の身体障害者だった……」みたいな悲しいエピソードもよくある。
本作で言うと地下に逃れ住んでるモーロックスが弱者ミュータントの代表として描かれている。緑色の子供リーチとか。しかし第5話、謎の反ミュータントの繰り出したセンチネルによって皆殺しに遭う。マグニートーは以前もこの時も「君たちを護る」と誓って目をキラキラさせてマグニートーに憧れていたリーチも最後は絶望の表情を浮かべ、救えないままマグニートーの眼前で死んだ。
また原作では「X-MEN加入前にモーロックス虐殺の手引きをした」という後ろ暗い過去があったガンビットが、本作ではモーロックスを助けようと単身、三ッ首センチネルに突撃して相打ちとなり戦死したのが熱かった。ガンビットって一見カッコいいのだが主役になれないパッとしない印象だったが、この第5話では文句なくカッコよかった(というかガンビットを30年ぶりにカッコいいと思った)。個人的にはこの第5話が本作のピーク。「物体に破壊エネルギーをチャージできる」という吉良吉影的なガンビットは相打ち覚悟なら誰でも倒せそうだなぁとかロマンも広がって良かった。
この第5話がピークだったとして、続く第6話、第7話の三話が中盤といった感じ。
第6話、MCUでもお馴染みのクリー帝国やスクラル帝国と並ぶ宇宙の大国シーアー帝国にて女王リランドラと結婚するために領域展開〈教室〉とか展開して頑張っていた教授だったがミュータントやX-MENの危機を知り「もうシーアーとかどうでもいい!」とか言って地球へ帰還してしまう。もっと言い方ないのか?というかシーアーはフォローないからデスバードのものになってしまいシーズン2とか3でシーアーの問題に再び取り掛からなきゃならんのか?そして第2話でパワー消失弾を撃ち込まれて只の人間になっちゃってたストームだったが、知り合ったフォージと共闘してパワーを取り戻す……というか最初からパワー無くなっておらず精神的な問題なんだっけ?よくわからんがとりあえずパワーは戻った。
そして、ジェノーシャでの虐殺はバスチオン、そして彼をサポートするミスター・シニスターの仕業だとわかる。
絶望と人類への怒りによって何度目かの闇落ちしたマグニートーは地球全土への停電現象を起こす(というか具体的には描かれてないけどこれだけで凄まじい数の死人が出てるよね?)。X-MEN vs. マグニートー vs.バスチオン&シニスター&センチネル軍団という三つ巴が描かれるのが後半。
といってもマグニートーはヴィランというよりも「一時的に闇落ちしてしまったX-MEN」という印象が強い。マグニートーを説得するために教授を中心としたメンバーが彼が根城としている衛星アステロイドMに向かうX-MEN。バスチオン&シニスターを倒すためのX-MENと2チームに別れて解決にのぞむ。
「X-MEN以外のヒーローは何してるのか?」というのも最終話で少し描かれていた。
デアデビルやクローク&ダガーなどのNYローカルヒーローやブラックパンサーはセンチネルプライムと戦って市民を護る、ドクター・ストレンジは魔術を使って停電した病院で手術を行っていた。ピーター・パーカーやMJや他のヒーローも90年代MARVELアニメの作画で出てきてた、ファンサービスだね。
一方、キャップとアイアンマンは地球に降ってきているアステロイドMを戦っているX-MENごとミサイルで吹き飛ばそうとする大統領と共にいた。キャップは悲しい顔で見てるだけ。X-MENはあくまでもはぐれ者たちなのだ。
色んな戦いがあって、赤い彗星マグニートーが落とすアクシズ……じゃないアステロイドMを何とか止めることに成功するX-MEN、しかし時空の裂け目に飲み込まれて大半のX-MENは過去や未来へと飛ばされてしまう。
ジェノーシャでアポカリプスがガンビットを蘇らせて配下のフォー・ホースメンにする事を匂わせてシーズン2へ……。
作画や動きも綺麗だしファンサービスもふんだんで楽しかったんですけど、第6話から最後まで、話や場所があっち行ったりこっち行ったりでかなり落ち着かないものがあった。「それがX-MENのよくある展開だろ」と言われたらそうなんだけど、中盤は特に「アメコミ好きにも先の展開を読ませないぞ」という事に全力を出してて、ストーリーの流れそのものはゴツゴツした道のりだった。
またX-MENってチート級だらけで、最強レベルのテレパシー能力を持つ教授、フェニックスの力を覚醒させれば惑星の一つや2つ容易く滅せられるジーン・グレイ、フルパワー出せば地球全土にマグネットパワーを作用させられるマグニートー、天候を操るストーム……など、ローグも対ミュータントなら触るだけでKOそうじゃなくても常時キャプテン・マーベルより少し弱いくらい強いというバケモノなのだが、ストーリーの都合に合わせてパワーが強くなったり弱くなったりするのも少し醒めました。
第5話で「ちょっと強いだけのセンチネルに何でマグニートー負けたん?」とか「最終話でフェニックスの力を覚醒させたジーンだったが蘇った後はその力使えなくなった」とか「ストームもチートパワーで活躍してたが衝撃波かなんか来て失神しちゃった」みたいな事が多すぎて、観てるうちになんだかどうでも良くなってくる事が多々あった。
敵のバスチオンやシニスターやマグニートーもチート級なので苦戦するのはわかるんだけど「ここで強いX-MENを気絶させとこう」みたいなのが多すぎてね……。
最初の5話と最終話は楽しかったんだけど、中盤から第9話にかけてぐらいはかなり観ててダレました。しかし最終話が盛り上がったDisney+のMARVEL作品って、あれだけいっぱい作っといて『ロキ』〈シーズン2〉(2023)の一本しかなかったから最終話が盛り上がった本作はまだ良い方なのかもね……。シーズン2と3はもっと中盤も腰を据えて作ってほしい、アメコミ好きに展開読まれてもいいから面白くするのが先決……。
そんな感じで、色んな思い出に触れてるうちに長くなったけど本作の評価自体は「まぁまぁ」といった感じでした。アメコミ好き的に「過去のあのX-MENエピソードが!」とか「アイツが出た!」みたいに喜ぶオタク的なポイントは、いっぱいあったんですが、もうMCU疲れになって何年も経ってるので、そういう要素で喜ぶ体調じゃないんですよね(というか自分の過去のTwitter検索したら11年前の『アイアンマン3』(2013)の時点で一回目のMCU疲れになってた)。確かに3年くらい前までは「◯◯が出てきた!」とか「きっと□□に繋がる要素だ楽しみだな!」などとオタク的なはしゃぎ方も出来てたんですが、フェイズ4以降の一体いつ回収されるかわからない膨大な新キャラとか新要素とか全部、次にいつ出てくるかわからない、場合によっては再登場ない奴も多そうだしもうはしゃいでられないんですよね。というか個人的にそんな全キャラの現状を趣味でまとめてるから近々全部載せるので考えてみましょう。宇宙に拉致されたエターナルズや闇落ちしたシャロン・カーターは果たしていつ出てこれるのか?
「◯◯が出てきた!」「きっと□□に繋がる要素だ!」っていうのは本業(面白いかどうか)が成立して、余った時間で楽しめるオマケですからね。面白さが伴ってなければそういったオタク要素は楽しめません。「本編はともかく、◯◯が出てきて来年の△△に繋がる要素か!?」とか、そんなもんスコセッシじゃないけど「映画でもない」要素ですからね。『マーベルズ』(2023)に僕が大好きなビーストが出た!だが出たから何だってんだ?同じく僕が一番好きなカマラがヤング・アベンジャーズ作ろうとしてるけど一体いつ観れるの?そういう状況です。勿論デップー&ウルヴィーやらデアデビルやF4や実写X-MENでのMCU復権を信じてますけどね。でも今はつまらないよね、という事実を言ってるだけです。
次のMARVEL作品は7月26日に〈MCU最後の希望〉と言われている『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)、今年のMCU映画はこれ一本のみ!(「よかった今年は一本しか観なくて済む」と思っている僕が居ます)。
そして、もはや誰も観なくなって2年くらい経っているDisney+によるMCU作品は9月18日に『アガサ:オール・ア・ロング』(2024)がある。よりにもよって誰も観なさそうなタイトルだな……しかしアガサなんて好きじゃないけど途中まで死ぬほど面白かった『ワンダビジョン』(2021)のスタッフが作るしワンダの事もわかるかもしれないから少し期待しよう。とりあえず僕だけは観ますわ。
そんな感じでした
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X-Men '97 (TV Series 2024– ) - IMDb
X-Men '97 | Rotten Tomatoes