gock221B

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『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲


原題:What If...?〈Season.1〉 製作総指揮:ケヴィン・ファイギほか 監督&製作総指揮:ブライアン・アンドリュース 原案:A.C.ブラッドリー 製作国:アメリカ 制作スタジオ:MARVELスタジオ 配信チャンネル:Disney+ 配信時間:各話約60分、全9話 シリーズ:MARVELシネマティック・ユニバース(Disney+制作アニメシリーズ)。『ホワット・イフ…?』シリーズ



 

マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)では初めてとなるアニメーション作品シリーズ。本当は全10話だったがコロナで間に合わなくて全9話になってしまい、完成しきれなかったガモーラの話はシーズン2行きになった。Disney+制作のTVシリーズとしては4作目、通算では……28作目くらい?
本作の前に配信された『ロキ』で、初めてマルチバースが映像として出てきて、続く本作では我々がよく知るMCU世界の正史というべき時間軸〈神聖時間軸〉以外の世界線の出来事が語られる(……もっともMARVEL全体から見たらMARVELコミックのアース616が正史でこのMCUの神聖時間軸……アース199999は多くあるユニバースの一つなんだが)。
『ホワット・イフ…?』はMARVELコミックの原作にもあるタイトル(MARVELコミックの正史アース616とは違う平行世界の「もしも……?」を描いた一話完結の短篇集みたいなもの)。
マルチバースMCUで初めて可視化されたのは『ロキ』だが、話題として『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』でミステリオの嘘としてマルチバースが出てきたり、MCUではないがソニー作品『スパイダーマン スパイダーバース』でもガッツリとマルチバースが出てきたし、スパイダーマン絡みのニュースやSNSでの噂などでマルチバースの概念は何年もかけて丁寧にファンに充分周知されていた(僕はこれをマルチバース教育と呼んでいた)。幾つもの平行世界が存在する……というのはどの世界もそうだが、MARVELが語ってる「マルチバース」は「幾つもの平行世界が存在しており、それらが時に互いに影響し合う」って感じか?DCコミックスでは「エルスワールド」って名称だしアメコミ好きな人やSF好きにはすんなり納得できる概念だとは思うが人によってはサッパリわからん人も多いみたい。
23作目までのウェーブ1はインフィニティ・ストーンをめぐる物理的な闘い「インフィニティ・サーガ」に続いて現在展開されているウェーブ2は後で「マルチバース・サーガ」と呼ばれるようになるんじゃないか?ってくらいマルチバースが強調されている。
……と、そんな事を言ってる僕も、MCUマルチバースを厳密に考えると『アベンジャーズ エンドゲーム』同様よくわからないところが多々ある(MARVELスタジオの人たちも恐らく面白さ優先であまり考えてない気がするから、あまり厳密に考えなくていい気がする)。
『ホワット・イフ…?』はMARVELコミックの原作にもあるタイトル(MARVELコミックの正史アース616とは違う平行世界の「もしも……?」を描いた一話完結の短篇集みたいなもの)。
アニメの吹き替えはMCUで実際の配役と大体同じ。でもクリス・エヴァンスなどスケジュール合わなかったのか契約が合わなかったのかした俳優は似た声の声優に変わっている。日本語吹き替えも大体実写版と同じ人。ただし竹中直人を始めとした「芸能人吹き替え」はプロ声優に変わっている。プロだけあって「変えるなよ!前のがよかったのに!」ってキャラは特に居なくて問題なし。一時的な話題作りのため芸能人吹き替えにしたはずが、まさかMCUが10年以上続くとは思ってなかったディズニージャパンの思惑が外れて芸能人吹き替えが次々と脱落していったように見えて何だか痛快。とはいえディズニーの芸能人吹き替えは違和感あるったり下手すぎる人は少ないですけど。
ネタバレあり

 

 

 

アニメは鼻の穴や描き込まれた割とリアルタッチな絵柄で3DCGに2Dっぽいテクスチャを貼った感じで好きなスタイル。演じてる俳優には、一見似てるようであまり似せてない曖昧な絵柄。多分わざと似せてない。スカヨハとか全く似てないのだが笑い方が同じだったり、ドン・チードル演じるウォーマシーンやリブ・タイラーが演じたベティは面長だったりと面影はある。肖像権には引っかからないので俳優が問題起こしても配信に問題ないが、一見してどのキャラクターかは身体的特徴でわかるという絶妙なキャラデザしてると思った。
全ての話は、あらゆるマルチバースを観察している上位的存在、ウォッチャーの目から語られる。こないだ配信されたばかりの『ロキ』では、あらゆる並行世界を監視して剪定する〈TVA〉という組織がいたがウォッチャーと被らないのか?という疑問もあるがTVA職員は「記憶を消された普通の人間」、ウォッチャーの事を認識できるのは、本作中に出てきたあまりに魔力が強すぎるドクター・ストレンジ・スプリームや全てのインフィニティ・ストーンを揃えたインフィニット・ウルトロンくらいしか居ない。普通の登場人物はウォッチャーを知覚できないと見ていい。TVAよりウォッチャーの方が上位の存在なので、TVAはウォッチャーを知らんかもしれん。『ロキ』ラスボスのヒーフーリメインズとか彼をも凌ぐ彼の変異体なら知覚できるかもしれんが、まだ明らかになってない事は考える必要もなく、今の時点ではウォッチャー知ってるやつは居ないと考えていいだろう。
本作も一話完結スタイルで作られてたので一話づつディティール重視で感想書いて、その後で総評を考えよう。最初に結論だけ言うと「けっこう良かった」って感じで楽しめた。一話完結だから週に一回づつ観るのが丁度いいと思ってたけど最後まで見たら「これはむしろ一気に観るものだわ」と感じた。

 

第1話『もしも…キャプテン・カーターがファースト・アベンジャーだったら?』
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ドイツ軍やヒドラと闘う『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)の時の話。ペギー・カータースティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカに変えるスーパーソルジャー計画実験を「ブースの中でなく間近で見学」した結果、世界は分岐して「スティーブではなくペギーが超人兵士キャプテン・カーターとなる」世界になる。キャップになれなかったスティーブ・ロジャースはハワード・スタークが造ったアイアン・モンガーのようなパワードスーツ〈ヒドラ・ストンパー〉に搭乗する。アイアンマンが生まれる遥か前に作られたものだが、ストンパーの動力はキャプテン・カーターがヒドラから、ぶんどった四次元キューブ(スペース・ストーン)なのでアイアンマンより遥かに強いと思われる。
男尊女卑の時代ゆえ、ペギーが超人兵士になっても「大金が無駄になった!」と相手にもされないのでペギーとハワードは独自に行動!戦場で最強なのが女性兵士ペギーで男をバッタバッタとなぎ倒す様が痛快。明るい話だしアクションもとても良い。自分がキャップや『ファーストアベンジャー』の舞台が好きなのもあって好きな回。バッキーも滑落事故に遭わない。
ペギー・カーターは単独作のドラマ『エージェント・カーター』が放送されてたがゴタゴタして打ち切られた事もあり活躍が嬉しい。キャプテン・カーターは『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』にもチラッと出るという噂もあるが是非ちょっとでもいいので出て欲しい。

 

第2話『もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら?』
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神聖時間軸では『ブラックパンサー』(2018)ブラックパンサーとなったワカンダ国の王子ティ・チャラ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017) 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)でも語られた通りエゴの依頼でヨンドゥ率いるラヴェジャーズがエゴの息子ピーター・クイルを攫うはずが「間違えてティ・チャラを攫ってしまう」新しい世界が生まれた。ワカンダの鎖国を憂い外の世界に出たかった幼いティ・チャラは進んで宇宙に旅立つしヨンドゥやラヴェジャーズも、たちまちティ・チャラに魅了された。
成長したティ・チャラスターロードの異名が宇宙に知れ渡る。持ち前の正義感でクリー帝国を倒して宇宙を救い、そのカリスマで神聖時間軸では敵だったネビュラやコラス、挙句の果てにサノスすらラヴェジャーズに引き入れてしまっていた。宇宙海賊も富める者から奪い、貧しい者に配る義賊へと変貌。
この世界ではティ・チャラがサノスやクリー帝国を倒したが、その代わりコレクターがのし上がって宇宙の脅威になっており神聖時間軸ではサノスに仕えてたブラックオーダーがここではコレクターに仕えている。ティ・チャラとヨンドゥ率いるラベジャーズは宇宙の驚異コレクターと闘う。今回もまた明るく痛快な話。
それにしても今回もセレスティアルズのエゴのことを吹き替えで〈天界人〉と呼んでたので『エターナルズ』でもそう呼ぶのかなと不安が高まった。しかも一般人じゃなくウォッチャーまでそう呼んでたのが正式名称っぽくて嫌だな。
自分がこのアニメで観たかったのは本編で活躍が足りなかったキャラの活躍なので、本来の実力を発揮したコレクターの活躍は嬉しかった。その名の通り宇宙のあらゆる強豪の武器を集めており神聖時間軸の彼よりずっとコレクターしていた。あと活躍どころか人格すらなかったコラスが本編ガーディアンズのドラックスの代わりにコメディリリーフとして活躍してたのも良い。本編で悲惨な死を遂げたコレクターの奴隷カリーナが活躍するのも地味に嬉しい。MCU実写でも大活躍のティ・チャラが本作でも、これ以上ないほど大活躍してるがティ・チャラを演じるチャドウィック・ボーズマン氏が夭折して今後の大活躍が観れなくなってしまったのでティ・チャラはもうどれだけ活躍しても構わない。ティ・チャラはどこに行ってもその場を太陽のように照らす人物であることが再確認できた。

 

第3話『もしも…世界が最強のヒーローたちを失ったら?』
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アベンジャーズ』(2012)結成直前の一週間の話。
アベンジャーズに加入するはずだったヒーローが次々と殺害されてしまう。その「連続アベンジャー殺人事件」の犯人をブラックウィドウ/ナターシャ・ロマノフニック・フューリーが探すミステリーもの。ミステリーものだから今回の真犯人についてはネタバレせずに感想書こう。
ナターシャが囚われたSHIELD車両から退院をボコボコにして脱出するシーン、狭い場所だからか製作者が『イップマン』のファンなのか、ナターシャが敵の顔面を小刻みに数10発くらい殴る詠春拳みたいな技を多用していて凄く良かった(カートゥーンの方の『スター・ウォーズ クローン大戦』でメイス・ウィンドウも似たパンチしてたから中国拳法じゃなくメイスから来てるのかも)。先日『ブラックウィドウ』で話題にされたばかりのナターシャの「カッコいい着地」も出てくる。本作は他の作品と連携を取ってないので偶然だと思うけど話題と話題が上手く結びついて勝手に面白さが生まれている。
また、この回は『インクレディブル・ハルク』(2008)の一場面と、ハルクの元恋人ベティ・ロスが13年ぶり(!)に出たことがSNSでも話題になった。インクレハルクは黒歴史……ではないがハルク/ブルース・バナーとサンダーボルト・ロス以外まるでなかった事になってるかのような扱いだったので(ブルース役の配役も変わったし実際インクレハルク観ずに『アベンジャーズ』からハルクを観始めても全く問題ない)、わざわざインクレハルクでの大学での闘いやベティ・ロスをわざわざガッツリ出すMARVELスタジオの思惑にファンは湧いた。先日の『シャン・チー テン・リングスの伝説』にもインクレハルクのヴィラン、アボミネーションも出たし、10年以上経過してハルクが動き始めた空気を感じた。
またフィル・コールソンも久々に見れた。最近MARVELスタジオは「Disney+のMCUドラマ以外はMCUの正史じゃない」って方針になってきて『エージェント・オブ・シールド』は多分もうMCUじゃない。コールソンは『アベンジャーズ』(2012)でロキに殺され『エージェント・オブ・シールド』で生き返った。だがMCU作品では『キャプテン・マーベル』(2019)まで出てこないし、90年代が舞台の作品なので若いコールソンとしての出演だった。故に実際のところ「MCUの現在のコールソンが生きてるのか死んでるのか」は未だに謎。シュレディンガーのコールソン状態。でもコミックに逆輸入されるくらい人気キャラだから今後……『シークレット・インベージョン』あたりで現在の彼も出てくると思う。
冒頭、フューリーからウォッチャーへディゾルブする場面転換がある。これは原作でフューリーがウォッチャーになった事を受けての遊びだろう。
今回の真犯人は絶対とんでもなく強いスペックなので、その本気の闘いが前から観たかったので今回観れて満足した。そして原作でたまにおかしな事になるのでMCUでもやっぱ情緒不安定キャラなんだなと思った。
だがそんな真犯人をロキが幻術と体術で圧倒する。ロキは最初強かったが段々と弱い感じの描写に変わっていった(これはキャップが明らかに強く描写されるようになったのと逆)。だから忘れてたけど「そういえば昔は、地球人より遥かに強いって設定だったっけ」と思い出した。てっきりマイルド弱体化によって本当にあまり強くない設定に変えられてたと思ってた。
これは個人的な好みだが、ミステリーの主人公が途中でナターシャからフューリーに変わってしまう。どうせなら全編ナターシャまたは全編フューリーどっちか一人が全部やって欲しかった気がする。ナターシャはまた別の話で出番があるからフューリー主人公で良かった気がする。


第4話『もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?』
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『ドクター・ストレンジ』(2016)で天才外科医ティーヴン・ストレンジは交通事故で両手の精密な動きを失い魔術にのめり込み至高の魔術師〈ソーサラースプリーム〉になった。本作では手ではなく恋人のクリスティーン・パーマーを事故で失ったことが元となりソーサラースプリームになった、そしてドルマムゥを退けた後の話。
……「神聖時間軸とは違う行動を取ったら違う現実に分岐する、それがマルチバース」って最初にウォッチャーが言ってたけど、この世界はドクターの一人ドライブじゃなくて同乗したクリスティーンの死が決まってる世界なので分岐もクソもなくマルチバースが生まれる定義がよくわからん。それ以前に分岐についての疑問はあるのだが長くなるから最後に考える。
しかしクリスティーンを諦めきれないストレンジはウォンの忠告を無視して、時を操るアガモットの眼(タイム・ストーン)を使って過去に戻り、クリスティーンの死を回避させようとする。だが何度やり直しても運命はクリスティーンの死へと収束してしまう。同じ時間を繰り返すストレンジにエンシェント・ワンが訪れ「あなたが魔術師となる原因となった『クリスティーンの死』はこの世界における〈絶対点〉なので何をしても変えられないし無理に変えると宇宙が崩壊する」と述べる。「『クリスティーンの死』によってストレンジは魔術師になるのだから過去に戻ってクリスティーンを助けると至高の魔術師は誕生しない事になってしまいパラドックスが生じて世界が破局を迎える」という事か。他の有名な「ヒーローになる原因となった死者」で例えると「ピーター・パーカーが過去に戻ってベンおじさんを救おうとしても出来ない」って事だろうし、そこを超魔術や超コズミックパワー等でベンおじを無理に救うと本作同様世界が崩壊しちゃうんだろう。
ということはどういう事かというと「MCUでは『死んだキャラの蘇り』はしません」って事ですよね。もしやるとしても「『インフィニティ・ウォー』でロキは死んだが『エンドゲーム』で過去のロキが動き出した」「『インフィニティ・ウォー』でガモーラは死んだが『エンドゲーム』で過去のガモーラが来た」どちらも「生き返った」のに限りなく近いが両者とも過去の体験をしていない全く別の同一人物……変異体にすぎない、そういう「生き返らせるとしたら、そういう変則的な蘇りしかしませんよ」って事か。死んだキャラ生き返らせちゃうと昔のジャンプ漫画のように登場人物の死に説得力なくなってつまんなくなるからやらないのが懸命。インフィニティ・ガントレットを装着したら原作なら死者の蘇りなんて簡単に出来たがMCUでは出来なかったしね(というかMCUのインフィニティ・ガントレットは原作に比べると殆ど何も出来ないに等しい)。
話を戻して本作のストレンジは数世紀にわたって魔物を召喚して次々と吸収する(第一話でレッドスカルが召喚したイカの魔物も出てくる)。分裂した「理性的な自分自身」と合体して完全体となり世界の理をも捻じ曲げる事も可能なドクターストレンジ・スプリームが誕生する。……ここは〈至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)〉と被るからスプリーム以外の名称を使って欲しかった。とにかくこの闇堕ちストレンジはクリスティーンを強引に蘇らせたが、エンシェント・ワンの忠告通り世界は崩壊。魔力が高すぎて死ぬことも出来ないストレンジだけが残り、この世界は彼を永遠に囚える独房と化す。
この闇堕ちストレンジは魔力を上げすぎたせいか上位的存在のウォッチャーを知覚して会話する事も出来たが世界に干渉しない誓いを護るウォッチャーはドクターの助けを無視する。何でもできるパワーを得ながら自らも世界全体も崩壊させる事しか出来ないという愛に狂った哀しいドクターの話。
この回はMCUマルチバースの理解が深まる要素が多かった。

 

第5話『もしも…ゾンビが出たら?』
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物語の時期は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の冒頭、ハルクがドクターストレンジとウォンの本拠地サンクタム・サンクトラムに降ってきた直後。
ブルースはゾンビ化したアベンジャーズに襲われるがワスプやスパイダーマンに救われる。
事の発端は『アントマン&ワスプ』(2018)で量子の世界へ妻ジャネット・ヴァン・ダインを救いに行ったハンク・ピム。ジャネットは既に量子ウイルスに脳を侵されて量子ゾンビと化しており、彼女に噛まれて量子ゾンビになったピム博士が元のサイズに戻った事で量子ウイルスを現世に持ち帰ってしまい全人類に感染。
人間より強いパワーを持った極小サイズのピムが不意打ちで飛行してきて噛みついてくるのを阻止できるヒーローはおらずアベンジャーズはあっけなく全員ゾンビになる。ノロノロ歩くゾンビでも脅威なのに、このゾンビは最強ヒーローチームがパワーを持ったままゾンビになってるんだから誰も止められず、世界は滅亡。ごく僅かの生き残りを除いて。
やれば絶対ウケるが本編でやれない『マーベル・ゾンビーズ』をやるのはこのタイトルしかないってわけですね。
愉快なゾンビ・アポカリプス生き残りメンバーは、スパイダーマン、ワスプ、ハルク、ウィンターソルジャー、オコエ、ハッピー・ホーガン、シャロン・カーター、ドクターストレンジの浮遊マント、アントマンの友達のバーバヤーガを恐れてる奴……他にも後から出てくる。ナイスな人選。アントマンの友達のバーバヤーガを恐れてる奴は演じてたデヴィッド・ダストマルチャン(新スースクでポルカドットマン役もした人)の特徴的な顔に全く似せてないし身体的特徴も無いのでバーバヤーガがどうの言うまで誰なのか全くわからなかった。コメディリリーフ一般人枠にしても何でこいつが選ばれたのかよくわからない。ゾンビワンダをバーバヤーガだと怯えるためだけの存在。
絶望的な状況で明るい希望を繋げる主人公がピーターなのは納得。
僕がこの回でテンション上がったのは本編でイマイチ活躍が薄かった上に強いのか弱いのかよくわからなかったワスプの活躍。「ピムテック系ヒーローが本気で殺意を持ったらとんでもなく強い」というのをこの回でも堪能できた。虫の大群を操って他のヒーローを数秒で骨だけにするし、今まで豆鉄砲みたいな印象だった腕から放つブラストもヒーローの首を一発で吹っ飛ばす威力がある事を知った。また「敵の体内に入って元のサイズに戻って敵を爆裂四散させる」……これも縮小系ヒーローが一度はマルチバース系作品でやりがちな技(ヒーローにしては残酷すぎて正史では出来ない技)、またアントマンにしか出来ないのかと思ってた巨大化もしてゾンビを踏み潰す……ワスプ一人で一国を壊滅できるくらい強い、それが見れてよかった。映画でのワスプはヒーローとしても女性キャラとしても全体的に薄かったからね。
あとはティ・チャラの「ワカンダでは死は終わりではない」という台詞。演じるチャドウィック・ボーズマンが亡くなっても、このようにティ・チャラは大活躍しているので只の綺麗事の台詞で終わっていない。何となくゾンビ回はシーズン2でもやる気がする。

 

第6話『もしも…キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?』
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『アイアンマン』(2008)でテン・リングスに誘拐されるはずだったトニー・スタークを『ブラックパンサー』(2018)のメインヴィランエリック・キルモンガーが助ける。
トニーに気に入られたキルモンガーはスターク・インダストリーズ副社長になり邪魔者を次々と消し、アメリカとワカンダを対立させた混乱に乗じてワカンダ入りして国王に取り入る。すべては悪の天才キルモンガーの計画だったのだ。
神聖時間軸のキルモンガー同様、亡き父の仇であるワカンダへの復讐心と野望でのし上がるピカレスク・ロマン。「トニーを利用してワカンダに侵入する」というのがもしも……?の部分だが、それ以外は『ブラックパンサー』本編でやったワカンダ崩しを改めてもっかいやってるだけとも言える。正直「もっかいキルモンガー描きたい」って事しか感じなかった。どうせなら正義のキルモンガーにすれば良かったのに。
MCUは、ヒーローは大事に描くがヴィランは基本的にどんな大物ヴィランでも容赦なく切り捨てたりキャラが非常に薄い。MARVELスタジオは、恐らくヴィランはヒーローの影として描く方針なんだろう。原作では大物だったり魅力的なレッドスカルやウルトロンなども只、悪くて強いってだけしか性格がなく魅力が薄かった、またタスクマスターは能力と容姿以外まったく別人にされていた。そんな感じでヴィランを軽く扱うMARVELスタジオが珍しく大事にしている数少ないヴィランがロキ、サノス、ジモ、バトロックそして、このキルモンガー。
このアニメのキルモンガーは完全にダークヒーローっぽく描かれてる。心技体揃ったパーフェクトソルジャーとして描かれてるし、何か事あるごとにアップになって「アハ☆」と笑って白い歯を見せたりして明らかに製作者に愛されてる。ティ・チャラの回があったのにキルモンガーの回もあり二人揃って最終話のメンバーになってるのだからやはり『ブラックパンサー』は破格の扱いと言える。『ブラックパンサー』ラストでキルモンガーが死んだ感じで終わったが、彼が死ぬ意味は特に無いので二作目以降で出てきて欲しかったが、このアニメでここまで優遇するって事はもう出ないのかも。
この回あたりでSNSでは「ホワット・イフってトニーやヒーローが毎回死ぬしバッドエンドばかりで辛い」という感想が増えてきた頃。バッドエンドが多いのは理由があるのだがそれは後述。
それにしてもティ・チャラの母の王妃がワカンダの将軍で自身もめっちゃ強いというの初めて知った、ドーラ・ミラージュ出身なんだろう。

 

第7話『もしも…ソーがひとりっ子だったら?』
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『マイティ・ソー』(2011)の回想で、オーディンはヨトゥンヘイムでロキを拾ってソーの義弟にする。だがこの世界のオーディンはロキを連れ帰らずソーは一人っ子。
そこでワガママ放題でパーティ大好きなソーが誕生した。
オーディンは長い眠りにつき母フリッガは旅行に出かけた。ソーと仲間たちはミッドガルド(地球)に出かけてパーティ三昧。宇宙からも色んなコズミック系キャラが地球にやってきてパーティする。アスガーディアンやコズミック系のキャラクター達はパーティしてるだけなのだが、強大なパワーを持つ彼らを危険視したSHIELDはコズミック・パーティを止めるためキャプテンマーベルを召喚する。
このシリーズに何度かキャロルは出てくるが毎回やたら強いがムスッとした学級委員長キャラで面白みが少ない。というか単独作以外の彼女は今のところこういう単純な役目になりがち。『アベンジャーズ エンドゲーム』はキャロル単独作を撮るより先に登場シーンを撮られたせいでキャロルのキャラが出来上がっておらず、本当にただ強いだけの女ゴリラだった。有名なパワーキャラ(ソーやハルク、スーパーマンやシャザム)はクロスオーバー作品において、こんな感じで「あ、あのハルクが負けただと!?」的な「最強の噛ませ」「最強の背景」みたいな役目を押し付けられがち。このアニメで言うとキャロルも完全にそれ。本作では神聖時間軸で最も活躍したキャラ……トニーやサノスも、この「最強の噛ませ」を何度もさせられてた。
神聖時間軸と同様にジェーン・フォスターはソーと恋に落ちるが、その任務を忘れた浮かれた様子が女子大生みたいで可愛かった。何だかエンタメ映画で薄っすらと「恋愛映画でもないのに男女が異性愛を築く場面があるのはダサい」という風潮になってきたせいか「あっエンタメ作品で男女が恋に落ちてる。何だか懐かしいな」と新鮮な気分になった自分の感覚が面白かった。あと『シャン・チー』のケイティが出てくるまで「MCU最高の女の子」と思ってたダーシーもジョーク言ったりハワード・ザ・ダックと仲良くしたりと活躍する。ジェーンがまともな時はボケ、ジェーンがソーに惚れておかしくなり始めるとツッコミ、更に自分がボケてセルフツッコミしたりと大活躍した。こんな良キャラを8年も使わなかったのは勿体なさすぎた。ジェーンもダーシーも『マイティ・ソー ラブ&サンダー』(2022)で出てくるだろう。
神聖時間軸では争ってたキャラも、この世界では皆仲良く楽しくパーティしていた。そういえばクロスボーンズ/ラムロウもこのアニメではヤレヤレ系SHIELD隊員としてちょいちょい出てくるのもいい。僕が好きなスカージも今回出た。
悲惨な話が続いたせいか日本昔話みたいな楽しい話でほっこりした。

 

第8話『もしも…ウルトロンが勝ったら?』
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『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)では、アベンジャーズが正義のシンセゾイド、ビジョンを誕生させてウルトロンを倒したが、今回は「ウルトロンが予定通りビジョンのボディとマインド・ストーンを手に入れたら?」という世界。有機ボディを手に入れて完全体となったウルトロンはアベンジャーズを打倒し世界中に核ミサイルを落とし地球は壊滅。そこへインフィニティ・ストーン(長いので以降は無限石と表記)を5つ所持したサノスが現れるが出現と同時にウルトロンから不意打ちレーザーを喰らったサノスは無限石を使う間もなく絶命。労せず無限石を揃えたウルトロン。ビジョンのボディそして無限石x6を手に入れたウルトロンは究極体インフィニット・ウルトロンとなる。
地球以外の世界がある事を知ったウルトロンは宇宙の各惑星を攻め、キャプテンマーベルも打倒し宇宙は滅ぼされた。
……まだ公開前のクソ強いはずのエターナルズとかエターナルズより遥かに強いはずのセレスティアルズは?などという疑問もあるが本作は、とりあえずフェイズ3までの世界のものしか出てこないので野暮は言うのやめよう。恐らくこの世界に彼らはいないのだろう、今後のMCU作品で出てくる他の強豪も同様……。そのように脳内補完した。
今回のサノスも敗北した。本作では神聖時間軸で活躍したサノスやトニーはやられてばかりだしキャップは全く出てこないが彼らは神聖時間軸で最も活躍したから別にいい。それとこの話みたいに「タイミング悪ければサノスもビジョンのレーザー一発で瞬殺されうる」みたいな違う展開を見せるのは良いと思う。ウルトロンは本来めちゃくちゃ強いのだが『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』では、本当は強かったはずだが各メンバーに何度も何度もボコられ続けるシーンが多すぎて、めちゃくちゃ弱く見えたからね。このアニメのおかげでウルトロン本来の強さが周知されてよかった。
アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』でブラックオーダーのコーヴァス・グレイヴが不意打ちでビジョンを刺して機能を大幅低下させたのは大金星だった事が改めてわかった。それと同時にワンダとビジョンのカップルは殆ど最強なのに神聖時間軸ではとことんツイてなかったりメンタル崩壊させられる展開ばかりで常に実力発揮できなくされてたな、とも感じますね。まぁ何度も言ってるようにアメコミヒーローのクロスオーバーで活躍できるのは、只の人間キャラとか中途半端な強さのキャラであって、クソ強いキャラは強大であれば強大であるほど活躍できなくなる運命だからね。MCUでパワーが強すぎるキャラ……ワンダ、キャロル、ビジョン……皆、単独作以外では活躍できてないね。無限石揃えたサノスを殺しかけたソーやサノスの戦艦を単身で潰したキャロルやサノスを倒しかけたワンダとか見せて彼らは決してラスボスを倒せたりはしないからね、「つ、つええ……」と思わせるだけ。イベントバトルみたいなもん。更にMARVELスタジオは「力では何も解決しない」って方針っぽいから今後も活躍する事は少ないだろう)。活躍させたいソーやハルクは原作より遥かに弱く描かれている、だがその方がまだ活躍できる目がある。
ウルトロンの攻撃から生き残ったナターシャとホークアイはウルトロンを倒しうる手段を発見する(そう、ナターシャみたいな人間レベルのキャラは何時でもどこでも最も活躍できるチャンスが多い)。
それにしても、この北斗の拳みたいな格好のサバイバーナターシャかっこいい。
MCU卒業してナターシャ見れる事なさそうだしティ・チャラ同様に活躍が嬉しいですね。MCUの女性キャラではここ数年キャロルが好きだったんだが、つい最近MCU卒業したスカヨハが後進のためにディズニー相手に勝ち目の少ない闘いしたのがあまりにもリアルヒーローすぎて今自分の中でナターシャの評価が再び最高に上がっている。
宇宙を破壊してやる事なくなってガッカリしてたI・ウルトロンは、上位的存在のウォッチャーに気づきマルチバースをも知覚する。そしてサノスにも不可能だったマルチバース間の横断をも可能にして、あらゆるマルチバースを破壊し尽くそうとする。
なんでこのウルトロンは別のマルチバースに働きかけたりマルチバース間を横断できたりするんだろう?多分面白いからそうしただけなんだろう。もしくはこの世界のマルチバースは安アパートみたいに壁が薄いのかもね。
自ら闘ってもウルトロンを倒せないウォッチャーは、第4話で一人ぼっちの宇宙に囚われているドクターストレンジ・スプリームに協力を求める。
一話完結だと思われたこのアニメここまでの7話が、別々の話の世界が実は繋がっている……という正にマルチバースの構造そのものだという事をシリーズ通してその構成を見せつけてきた、これはさすがにテンション上がった。
……最も予告編でアッセンブルしてたから実のところ、こういう展開になるのはわかってたけど。どうせなら「アッセンブルする場面も予告で見せなければ更に盛り上がったのでは……?」と一瞬思ったが、殆どの話が「特に何かに繋がるわけでもないバッドエンド」続きで途中で観るの疲れてきてたから予告で「最後にアッセンブルしまっせ」というのを見せたのはやっぱ正解だったな。実際、アッセンブルするのわかってても5話くらいでもう疲れてきてたからね。
それにしても見てるだけだったウォッチャーが「今回の話は辛いなぁ……」とか言ってたら、ウルトロンが「誰だ……何か言ってるのは……貴様か!?貴様!見ているなッ!」と話しかけてきた時のビビり様が面白かった。我々で例えるなら漫画やドラマの登場人物が突然、第四の壁を破って話しかけてきたような感じだろう。
ウォッチャーはどう考えても我々視聴者のメタファー(製作者も入ってそう)なのは間違いなく、そんな彼がI・ウルトロンに話しかけただけでなく誰も通れないはずの壁をブチ破って入ってきて「お前!ここで何もせずずっと見てたんか!?ずっと見ているだけの者など気持ち悪いだけだバカが!」とハゲをシバキ回し始める。正にただMCUを見てるだけで、かといってアベンジャーズやヒーロー達のように利他的な行動も取らず世界に貢献しようともしない我々に殴りかかってきたかのような恐ろしい展開……。

 

第9話『もしも…ウォッチャーが誓いを破ったら?』(最終話)
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全マルチユニバース崩壊の危機を前に「ウォッチするだけで事象に介入しない」という俺たちみたいな誓いを破ったウォッチャードクターストレンジ・スプリーム。二人はインフィニット・ウルトロンを倒すチーム結成のため今まで語られたマルチバースからヒーローやヴィランを集める。
第1話の後、過去から現在にタイムスリップしSHIELD隊員として親友ブラックウィドウと共に『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)冒頭を思わせる海洋任務中だったキャプテン・カーター
第2話の後、セレスティアルズのエゴにエネルギー吸収されかけてたピーター・クイル……という『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)を思わせる救助活動中だったスターロード/ティ・チャラ。(エネルギー吸収されてたって事は、クイルはフリーターの立場でもやっぱりエゴの誘いを断ったんだなと胸が熱くなった)。
第6話の後、ワカンダ王座を陥落させたブラックパンサー/エリック・キルモンガー
コロナで制作途中だった為シーズン2に回された「ガモーラがサノスを倒す話」という話……だったと想像できる世界からサノスを倒したガモーラ。ちなみにガモーラの仲間はサノスバスターを着たトニー・スターク。
第7話の後、ジェーンとデートするはずだったのにマルチバースから攻めてきたインフィニット・ウルトロンのウルトロン兵と戦闘中だったパーティ好きのソー
かくして集められた6人……ガーディアンズ・オブ・ザ・マルチバースは辺境の惑星で酒盛りして語り合う。三宅隆太監督言うところの勝負の前に結びつきを強くするための「焚き火を囲むシーン」だ(実際、物理的に焚き火を囲んでる)。心底ヴィランのはずのキルモンガーが「ここで悪い事しても仕方ないし出来ない」と思ってるのか普通に談笑してるのが可笑しい。宇宙に出たティ・チャラが海賊になってるのが少し嬉しそうだったのが和んだ。もう少し二人が触れ合うところ見たかったよね。
パーティ・ソーのやかましさに呼び寄せられたI・ウルトロンとガーディアンズ・オブ・ザ・マルチバース(長いから以降はGotMと表記)との死闘が始まる。
GotMはI・ウルトロンのパワーを削ぐためティ・チャラにソウルストーンを奪わせ、ドクタースプリームは第5話のゾンビ・ワンダを召喚してI・ウルトロンを足止めする。
第8話でインフィニット・ウルトロンを倒すためロシアの施設からデータ化されたアーニム・ゾラ博士をGETしたサバイバーブラックウィドウも闘いに加わり、別の宇宙では親友同士のキャップカーターとサバイバーナターシャは力を合わせ、ゾラ入りホークアイUSBアローをI・ウルトロンに射ち込む。
I・ウルトロンはゾラという最悪のウイルスに感染して敗北……。
「シンギュラティを通過した上に無限石で強化されてサノスですら不可能だったマルチバースまでに力を伸ばした神の様なウルトロンAIにゾラが勝てるか?」という疑問も湧いたが、それを言い出すとそもそも弱点のストーン丸出しでGotMとシバキ合いしてるウルトロンの方が純粋すぎるので細かいこと言うのはやめよう。とにかく「ウルトロン<<ゾラ」という現実を受け入れる他ない。ゾラはこの後、MCU神聖時間軸では見れなかった「腹に顔がある」ゾラ本来の姿も見せてくれる大サービス。
当然のように裏切ったキルモンガーとゾラ博士が無限石を引っ張り合いっこする。「無限石が揃ってないキャラの中では最強」であるドクタースプリームが二人を自分の孤独な宇宙という独房に封印する(何しろドクターは惑星をも吹き飛ばすI・ウルトロンのエネルギーを饅頭みたいに摘んでパクっと食べてしまった。デス・スターフリーザより強い)。
ところでウォッチャーはここまでの全ての未来を見越していたらしい。一体いつから見越してたのか?前回ウルトロンに見つかって胸ぐら掴まれた時はビビり散らかしてたから「誓い」を破ってドクターに助けを求めた辺りだろう。あれ以降はビビってなかったからね。あの以降は未来見えてたんだろう。
そしてGotMそれぞれの役割はこんな感じか?

ウォッチャー:誓いを破って皆を集める(ちなみにこの時点で勝ち確定)。
ドクタースプリーム:全体的にI・ウルトロンと闘って動きを止めたり皆が死なないように魔法で防御UPしたりゾンビ召喚とか色々するしタイムストーンも所持してるのでウルトロンのタイムストーン攻撃を無効化出来るしI・ウルトロンの惑星破壊エネルギーも食べて無効化できる……というか殆ど闘ってるのは彼一人。ゾンビ・ワンダ召喚はナターシャが皆と仲間になるための時間稼ぎに必要。そんな感じで凄い働きで物凄く強いがI・ウルトロンと拮抗するのがやっとなので決定打を討たせるには他のメンバーが必要。
キャップ・カーター:ナターシャを短時間で説得してガーディアンズ入りさせる事ができる。ナターシャが射った決定打を命中させるためウルトロンを拘束する。
ティ・チャラ:ソウルストーンを奪ってI・ウルトロンを「マルチバースに逃れられない只の強いロボット」にできる。
キルモンガー:ウルトロンを倒した後に裏切ってゾラと無限石を引っぱり合い「誰も無限石を装着してない」という状況を作りドクターに永遠に封印される役割(彼が居て裏切らないとインフィニット・ゾラが誕生するだけで振り出しに戻ってしまうため)
ガモーラ:彼女のインフィニティクラッシャーでウルトロンの無限石を破壊する……という当初の目的は叶わないのだが、直後にI・ウルトロンが暴れて吹っ飛んだナターシャの視界にゾラ矢とバイクが入って「あっ、これでI・ウルトロン倒せるんちゃうか!?」とナターシャに気づかせる。
パーティ・ソー:その騒がしさでI・ウルトロンを呼び寄せる。愉快な発言で皆をなごませる。

ナターシャ:ゾラ矢を持ってきた、そしてそいつを射ち込みI・ウルトロンを倒す!

こんな感じか。最初はゾンビハンタースパイダーマンも連れてくればよかったのに……と思ったがゾンビ世界からはゾンビ・ワンダが選ばれた。
勝利したGotMはそれぞれの世界に帰還する。
ここまでの話でバッドエンドばかりだったが、オセロの決着のように殆どの話がハッピーエンドに終わる。キルモンガーが悪さした世界でシュリとペッパーが仇討ちできなくなったとか顛末が不明のゾンビ世界は気になるが「ドクターがゾンビ全部召喚したから平和になった」とでも考えておこう。
やっぱドクターの凄さも良かったがナターシャの主人公のような大活躍が良かったね。
フェイズ1から最後まで不遇だったブラックウィドウは肩入れしたくなるヒーロだし、演じるスカヨハは、最終作『ブラックウィドウ』でもディズニーに舐めた事されて、後進のためにカネかけてディズニーに負けるのわかってる裁判を起こした事で「スカヨハもう完全にヒーローやん」とリスペクトが最高潮に達してたところに、このホワット・イフ制作陣からのブラックウィドウに対しての暖かい視線に胸が熱くなった。
そしてウォッチャーは前話のウルトロンの「見てるだけのお前キモい」発言に続いてナターシャに「てめーはヒーローが闘ってるのをポップコーン片手に見てるだけかよ!」とキレられる。
機動戦士Ζガンダム』で、カミーユが”歴史の立会人”を自称するパプテマス・シロッコに「お前だ!いつもいつも脇から見ているだけで人を弄んで!」「わかるはずだ、こういう奴は生かしておいちゃいけないって!」って言ってたもんな。「大して悪い事してなくない?」と思ってたけど、やはり傍観者は卑怯だって事か、イジメを見て見ぬ振りする奴はいじめてるのと同じみたいな。痛いとこ突かれました。
ナターシャ、正直スマンかった。僕も他者のためになること出来るように頑張ろう。

 

👨‍🦲

 

 

「一つの異なる行動を取ったら世界が分岐する、それがマルチバース」ってウォッチャーも言ってた。第一話では「ペギーがブースで実験を見学するのが神聖時間軸。ブースに入らないことを選択して世界が分岐した」って事だけど、そもそも「ペギーがブースに入るのが神聖時間軸」なのでブースに入らないって事は「ブースに入る気のないペギーがいる時間軸」って事だよね最初から。説明が難しいけど「行動によって世界が行動によって枝分かれする→マルチバース」じゃなくて「最初から無限のマルチバースがあってそれを見せてるだけですよね?」って事。わかる?言いたいこと。面白けりゃいいので、まぁいいや。

 

最終回で逆転するので、基本的にバッドエンドまたはビターエンドの話が多い。
それを毎週見てたので4話あたりで既にしんどくなっていた。
だから第1話~第7話は、アメリカ映画でいうと第一幕(誕生)&第二幕(最後に逆転する前の敗北)が延々繰り返されてる状態で、
最終話は第三幕(逆転勝利)という構造。そんな感じでつらい展開が毎週続くのがストレスたまってしんどかった。多分、一気に観たらストレス少ないと思うので一気観推奨だわ。
よかったところは映画本編で活躍が少なかったり本来の強さが発揮できてなかったり不遇だったキャラの活躍ね。
特にウルトロン、キャップカーター、アーニム・ゾラ博士、ハンク・ピム博士、ワスプ、コレクター、ダーシー、ハワード・ザ・ダック。シーズン2に持ち越しになったがガモーラも本当は活躍してたんやろう。
……あとナターシャね!
シーズン2では『もしも…ピエトロが死ななかったら?』と『もしも…蜘蛛に噛まれたのがメイおばさんだったら?』を絶対やってくれよな。
次のMCUは、11月5日公開の映画『エターナルズ』。

 

 

そんな感じでした

※↓〈本作を観る前に観とけばより楽しめるMCU作品〉

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『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡ - gock221B
『ブラックパンサー』(2018)/ワカンダフォーエヴァーしに行ったらジャバリ族になって帰宅しました🐈‍⬛ - gock221B
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)/素人もやし時代が面白くてキャップになって戦い始めると凡庸になる不思議なオリジン👱 - gock221B
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『アイアンマン』(2008)、『アイアンマン2』(2010)、『アイアンマン3』(2013)」/MCUの中で一番偉い1、珍作の2、映画としてなら良い3🔨 - gock221B
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What If...? (TV Series 2021– ) - IMDb

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