gock221B

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『ホワット・イフ…?』〈シーズン2〉全9話 (2023)/MARVELスタジオから、MCU全作観てるような精神異常者へのクリスマスプレゼント。前シーズンより面白いが旧キャラに偏ってる感。見終わるとヘラ姉さんが大好きになる🎄


原題:What If...?〈Season.2〉 監督&製作総指揮:ブライアン・アンドリュース 原案:A.C.ブラッドリー 製作総指揮:ケヴィン・ファイギほか 製作国:アメリカ 制作スタジオ:MARVELスタジオ 配信チャンネル:Disney+ 配信時間:各話約60分、全9話 配信開始日:2023年12月22日~12月30日 シリーズ:MARVELシネマティック・ユニバース(Disney+制作アニメ)。『ホワット・イフ…?』シリーズ

 

 

MCUの別の様々なマルチバース(多元世界)を舞台にした「もしも……?」を観せていくDisney+Originalアニメシリーズ、のシーズン2。
ウォッチャー(CV:ジェフリー・ライト)の重厚なナレーションの後に様々なSFやファンタジーの世界が繰り広げられる感じからして僕が大好きなカナダのSFアニメ・オムニバス映画『ヘヴィメタル』(1981)とかNetflixのSFアニメシリーズ『ラブ、デス&ロボット』〈シーズン1-3〉(2019-2022)っぽくて好きです。作画も、実写映画のそれぞれのキャラに似せてるフォトリアルな感じの独特の作画で良い感じです。
シーズン1は、あまりにバッドエンドの話が多く割と飽きてきた感がある、また全部観終わると、「どの話も全て最終話の前ふり」って感じが強かったので正直、第一話と最後の2話だけで後はダイジェストにして……2時間の映画にした方が良かったかも?という、他のMCUドラマ全てに思うのと同じ感想を抱いた。
シーズン2の本作は「クリスマスから年末にかけて毎日配信」という変わった手法で配信された。

実写MCU作品の配役がそのまま演じてるキャラだけ吹き替え表記した。
あと今までみたいに全部見た後で一気に書かず毎日、観た夜に書いてたからいつもより長くなった。

ネタバレあり。そして問いかけよ。「もしも……?」と。

 

 

 

 

MCU世界でのマルチバース発生、と前作シーズン1のあらすじ〉

マルチバース発生の前提 ドラマ『ロキ』〈シーズン1〉(2021)『ロキ』〈シーズン2〉(2023)
ロキの女性版の変異体シルヴィがカーンの変異体〈在り続ける者〉を討った事により世界……アース616(※MCUの正史世界)〈アース616〉から枝分かれして無数のマルチバースが誕生。その後、ロキは全てのマルチバースを司る〈物語の神〉となって全てのマルチバースを安定させた。


前作『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉 (2021)
アース616(※我々が映画やドラマで観てるMCUの正史世界のこと)とは別のマルチバースの数々を舞台とした神聖時間軸とは別の「もしも?」の話

超越的なパワーを持ちながら、そのパワーを「色んなユニバースを観察する」というサブスクを観る引きこもりのような事にしか使わない異星人ウォッチャー(CV:ジェフリー・ライト)。彼は「ただ観るだけ」「自分は各ユニバースに不介入」の姿勢を貫いていた

しかし、ある一つのユニバースで誕生した「ビジョンと融合してサノスからインフィニティ・ストーンを全て奪ったウルトロン」……インフィニット・ウルトロンが単独でのマルチバース突破能力まで獲得しコズミック・ビーイング(MARVEL世界における宇宙的存在)と成った彼は、あらゆるマルチバースを消滅し始め観察しているウォッチャーの存在に気づき命を狙ってきた。
インフィニット・ウルトロンに対抗すべく、ウォッチャーはインフィニット・ウルトロンを倒しうる各ユニバースのヒーロー達……〈ストレンジ・スプリーム〉〈キャプテン・カーター〉〈サノスを倒したガモーラ〉……などを始めとした7人のヒーローを召喚して〈ガーディアンズ・オブ・ザ・マルチバース〉を結成してインフィニット・ウルトロンを打倒。各マルチバースに平和が戻ったのだった。

 

 

シーズン2第1話(通算では第10話)
『もしも…ネビュラがノバ軍に入ったら?』 ★★★★★

正史世界では、サノスの義娘、後にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの中心メンバーとなって銀河を救うことになるサイボーグのネビュラ(CV:カレン・ギラン)。
このユニバースではロナンがサノスを殺害した世界。愛する姉ガモーラも喪い失意のネビュラ(CV:カレン・ギラン)は、惑星ザンダーノバ軍警察ノバ・プライムに拾われノバ軍警察に入隊した世界。
ある日、宇宙海賊ヨンドゥ・ウドンタ(CV:マイケル・ルーカー)が殺された。思い入れもあるヨンドゥの死に疑問を感じたネビュラは独自に捜査を開始するが――

ノバ軍警察になったネビュラがヨンドゥ殺人事件を捜査して事件の黒幕を倒し、ロナンによるザンダー侵略を食い止める
観る前は「また地味な話だな……」と思ったけど、起承転結しっかりしてるしアートもシーズン1より大幅にカッコよくなってて面白かった。同じ年の同じMARVELコズミックものの大作『マーベルズ』(2023)よりも、たった24分だけなのにこっちの方が数倍面白かった。肉付けしたら普通に楽しい映画にできそう。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)ではザンダーはいつも昼間だったが本作では常に青みがかった夜で、ネビュラも空飛ぶパトカーで移動してるし『ブレードランナー』っぽい世界にしたのは明らか。確かに他の大集合回とかサプライズ回と違って地味な話なんだけど本当に面白い硬派な海外アニメって感じで凄く良かった。
SWとかDCも映画本編がつまらん時期、偉い人に見向きも口も出されないから自由にできるせいかアニメの方が面白くなるのと似てる。
ネビュラもこういう機会によく出てくるよね。使いやすいせいか。出てくる度に「ほんとに本来のネビュラは真面目で良い娘だな」と思わされる。
実写の中の人がそのまま吹き替えしてた他のキャラはヨン・ロッグ(CV:ジュード・ロウ)、ハワード・ザ・ダック(CV:セス・グリーン)、コーグ(CV:タイカ・ワイティティ)なども。

〈この話の関連作〉
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)/この一ヶ月くらい何度も観てるうち物凄い好きになった🦝 - gock221B
『キャプテン・マーベル』(2019)/偉そうな男をぶっ飛ばせキャロル!😼 - gock221B
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡ - gock221B

 

 

シーズン2第2話(通算では第11話)
『もしも…ピーター・クイルが地球最強のヒーローたちを襲ったら?』 
★★★

正史世界では、幼い頃宇宙海賊ヨンドゥに誘拐されて育てられガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのリーダーとなって銀河を救ったピーター・クイル
本来ならヨンドゥは冷酷無比な天人(セレスティアル)である実の父エゴ(CV:カート・ラッセル)に引き渡さず自分で育てたのだが、このユニバースではそのままエゴに引き渡してしまった世界。
天人(セレスティアル)のスーパーパワーを持ってしまったクイル少年を危険視した
S.H.I.E.L.D.創設者のペギー・カーター(CV:ヘイリー・アトウェル)とハワード・スターク(CV:ジョン・スラッテリー)はS.H.I.E.L.D.を辞めたハンク・ピム博士/初代アントマン(CV:マイケル・ダグラス)を呼び戻し更にビル・フォスター博士/ゴリアテ(CV:ローレンス・フィッシュバーン)、ティ・チャカ/先代ブラックパンサー、クリー人のウェンディ・ローソン博士/マー・ベルらを収集。ソ連からはゴルバチョフバッキー・バーンズ/ウィンターソルジャー(CV:セバスチャン・スタン)を派遣してきて、アスガルドをクイル少年に荒らされた雷神ソー(CV:クリス・ヘムズワーズ)も加勢しに来た。
この
アベンジャーズ1988はクイル少年を保護して強大なパワーを持つエゴを倒せるのか?という話。
「現代のアベンジャーズの親世代がアベンジャーズ組んだらどうなるか」みたいな夢のある回で今回もまた最高に面白い。
とはいえ24分しかないので、目立つドラマは「子育てが上手くいってない仕事人間ハンク・ピムが娘に頼まれて、見ず知らずのクイル少年を説得して心を通わせる」「実は同い歳で共に母親を失ったホープヴァン・ダイン(後の二代目ワスプ)がクイル少年と仲良くなる」「かつての仲間バッキーの変わり果てた姿にショックを受けたペギーとハワード。この時代はまだ氷漬けのスティーブの名前でバッキーを説得」くらいで、ソーやティ・チャカやゴリアテやローソン博士などは割と共に戦ってるくらいでしかなかったが、それでも楽しかった。
ローソン博士が思いのほか可愛い。実写版の中の人はアネット・ベニングだったからアネット・ベニングのデビュー当時だから実写だったらかなり可愛いんだろうなとか「
ティ・チャカの父はハワードの戦友でヴィブラニウム分けてもらった」とか、アメコミに興味ない監督が『アントマン&ワスプ』(2018)で描かなかったフォスター博士のゴリアテを拾い上げたり、「グースは元々ローソン博士が飼ってたんだな」とか興味深い小ネタも満載だった。
「クリスマスにこんなのを即観てるのはMCU全作観てるような精神異常者に違いない」とばかりに、そんな異常者が楽しめる要素満載のクリスマス配信。そして映画本編で一回軽い集合作やればよかったのにやらないから人気が死ぬほど落ちてる今日この頃のMCUで、アニメとはいえアベンジャーズしてくれたのも嬉しかった。
〈この話の関連作〉
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)/誰もが欲しがる強大なパワーを自ら棄て去るスターロードのカッコよさ🦝 - gock221B
『ブラックパンサー』(2018)/ワカンダフォーエヴァーしに行ったらジャバリ族になって帰宅しました🐈‍⬛ - gock221B

『アントマン』(2015)/アントマンもいいがハンク・ピムとピム粒子が恐ろしすぎる!🐜 - gock221B
『アントマン&ワスプ』(2018)/終盤「追いかけっこはもういいから量子の世界もっと見せろ!」と思った🐜🐝 - gock221B
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)/素人もやし時代が面白くてキャップになって戦い始めると凡庸になる不思議なオリジン👱 - gock221B
『キャプテン・マーベル』(2019)/偉そうな男をぶっ飛ばせキャロル!😼 - gock221B
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)/MCUで一番何回も観返してるのはこれ👱 - gock221B

『マイティ・ソー』(2011)、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)/久々に観ると牧歌的な印象⚡ - gock221B

 

 

シーズン2第3話(通算では第12話)
『もしも…ハッピー・ホーガンがクリスマスを救ったら?』 
★★★★

クリスマス。トニーやアベンジャーズが留守中にアベンジャーズ・タワーの警備をしているハッピー・ホーガン(CV:ジョン・ファヴロー)、バイトで来ていた女子大生ダーシー・ルイス(CV:カット・デニングス)、何故か居合わせたS.H.I.E.L.D.副長官マリア・ヒル(CV:コビー・スマルダーズ) 。
そこへ
『アイアンマン2』(2010)ヴィランジャスティン・ハマー(CV:サム・ロックウェル)が忍び込みスターク・インダストリー兵器を盗もうとする。
ハッピーやダーシーやマリアがそれを阻止する……という完全に『ダイ・ハード』(1988)パロディ回。ありとあらゆる『ダイ・ハード』パロディシーンが頻発する。
『ホワット・イフ…?』は「違うユニバースを舞台にした『もしも……?』の話を描く作品」だが、この話は「『アベンジャーズ』(2012)の後から
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)の間のクリスマスにこんな出来事があった」って感じで「正史の描かれてなかったエピソード」と言っても通用しそうな話。
ダーシーは未だにMCU一般人で一番好きなキャラだし、ジャスティン・ハマーもMCUヴィランの中で地味にめちゃくちゃ好きなので嬉しい回だった。
ハッピーがジョン・マクレーン的な活躍してアベンジャーズ・タワーを護る愉快な話。ハマーはアラン・リックマン、ダーシーはパウエル巡査の役回り。
留守のアベンジャーズは、ナターシャは任務をこなしているが他のメンバーは皆ファン・イベントみたいな事をしていて「人妻に大人気のキャップ」「アイアンマンのオモチャは売り切れだがホークアイは値下げしても全く売れてない」など愉快なシーンがいっぱい観れる。
他にアベンジャーズの中で実写と同じ俳優が吹き替えしてるのはホークアイ(CV:ジェレミー・レナー) ブルース・バナー(CV:マーク・ラファロ)、
ソー(CV:クリス・ヘムズワーズ)。全話に続いて「おなじみのヒーローが顔合わせしてる楽しさ」を充分楽しめる回。
〈この話の関連作〉
『アイアンマン』(2008)、『アイアンマン2』(2010)、『アイアンマン3』(2013)/MCUの中で一番偉い1、珍作の2、映画としてなら良い3🔨 - gock221B
『アベンジャーズ』(2012)/主人公補正を持ったヒーローが集合して主人公補正を保ったまま最後まで進んで上手くいった貴重な作品🌏 - gock221B
『マイティ・ソー』(2011)、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)/久々に観ると牧歌的な印象⚡ - gock221B

 

 

シーズン2第4話(通算では第13話)
『もしも…アイアンマンがグランドマスターと出くわしたら?』 
★★★

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)最終話で、マルチバース突破能力を獲得したインフィニット・ウルトロンが各ユニバースを破壊し始めたので、ウォッチャーが各ユニバースからヒーローを集めて〈ガーディアンズ・オブ・マルチバース〉を結成してインフィニット・ウルトロンを倒した。そのヒーロー達は『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)の最終話までに描かれたヒーローたちだったが一人だけ語られなかった者が居た。それが〈トニー・スタークを相棒にしてサノスを倒したガモーラ〉だった。その時は「ああ、本当は『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)に入るはずだったがコロナ禍で間に合わなかった話だな」とすぐ気づいた、その『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)で語るはずだったトニー・スタークとガモーラの話。

『アベンジャーズ』(2012)クライマックスにてポータルを通ってチタウリ旗艦に核ミサイルをぶつけて倒したトニー・スターク/アイアンマン。正史ではそのままポータルから地球に帰還したが、これは「アイアンマンがすぐ地球に帰還できなかった話」、アイアンマンはポータルの狭間に巻き込まれて惑星サカールに落下。
サカールの統治者グランドマスター(DV:ジェフ・ゴールドブラム)を楽しませるためのグラディエーターにさせられる(この時はまだアベンジャーズ一作目直後なのでハルクやロキやソーは居ない、ヴァルキリーは既に居る)。
トニーは地球に帰る前に冷酷な統治者グランドマスターを打倒するため他のグラディエーター……トニーを殺すために派遣されたの娘ガモーラ、岩石異星人コーグ(CV:タイカ・ワイティティ)、酔っ払いのアスガルド戦士ヴァルキリー(DV:テッサ・トンプソン)達と組んで「サカールの統治権」を賭けてグランドマスターと死のレースをする。
トニーはハルクバスター作って、サカールのネットをハッキングしていつでも潰せるのだから別にレースしなくてもいいんだが楽しいから別にいいや。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)でコロシアムに像が彫られてたベータ・レイ・ビルとかもレースに出てるかと思ったけど特に居なかった。ベータ・レイ・ビル好きなので。だけど出ても雑に脱落したりするだけだから特に出なくてもいい。
トニーはレースの過程でガモーラを説得する。それにしてもガモーラとネビュラはどんな世界線でも説得されてサノスに反旗を翻す運命が多い。二人共、根は普通の真面目な女子っぽいしヒーローになる傾向が強いんだろう。
一言だけだがサノス(DV:ジョシュ・ブローリン)もちゃんと中の人が吹き替えてた。
見事なトニー・スターク大活躍回。本来配信されるのはシーズン1だったはずで、シーズン1はサノスと共にあまりにもトニーが犬死にする回が多くて文句言われてた気がするけど、このトニー大活躍回も間に合ってれば溜飲を下げれてたんだろう。
シーズン1でウォッチャーがガーディアンズ・オブ・マルチバースにトニーを誘わずガモーラだけ連れてったのは何故だろう?単純にトニーがいたら目立ちすぎてしまうからだろうか。
それにしてもヴァルキリーってイカすキャラだわ。本編でも大抵ソーを助けてカッコいいってだけしか無いけど本当にデザインとか仕草とかカッコよくて好き。あとコーグもやたら何回も出てくる。本当に愛されてる感じだよね。

〈この話の関連作〉
『アベンジャーズ』(2012)/主人公補正を持ったヒーローが集合して主人公補正を保ったまま最後まで進んで上手くいった貴重な作品🌏 - gock221B
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡ - gock221B
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)/この一ヶ月くらい何度も観てるうち物凄い好きになった🦝 - gock221B
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲 - gock221B

 

 

シーズン2第5話(通算では第14話)
『もしも…キャプテン・カーターがヒドラ・ストンパーと戦ったら?』 
★★★★★

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021) 第1話『もしも…キャプテン・カーターがファースト・アベンジャーだったら?』
第2次世界大戦中、スティーブ・ロジャースが超人兵士キャプテン・アメリカになったのが正史だが、このユニバースではスティーブと想い合う上官ペギー・カーターが超人兵士キャプテン・カーター(CV:ヘイリー・アトウェル)となった世界の話。
この世界での超人兵士にならなかったスティーブは勇気ある小柄な青年のまま、ハワード・スタークが開発した巨大アーマー〈ヒドラ・スタンパー〉に搭乗してキャプテン・カーターと共闘してヒドラと戦った。ちなみに正史ではスティーブの親友バッキー・バーンズ(CV:セバスチャン・スタン)が崖に転落してヒドラに暗殺者ウィンター・ソルジャーに洗脳される未来が待っていたが、この世界ではペギーが普通に落下を防いだので大丈夫。
レッドスカルが異次元から呼び出した魔物を押し返したペギーはポータルに吸い込まれ、正史のスティーブ同様に現代に行った。

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021) 最終話『もしも…ウォッチャーが誓いを破ったら?』 
マルチバースを破壊し始めたインフィニット・ウルトロンを倒すため、ウォッチャーは各ユニバースからヒーローを集めて〈ガーディアンズ・オブ・マルチバース〉を結成してインフィニット・ウルトロンを倒した。ペギーはその一員として全てのマルチバースを救って本来のユニバースに還っていった

……という前シーズンからの続き。シーズン1の第1話が『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)のペギー版だったように、今回は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)を元にしている。そこに『ブラック・ウィドウ』(2021)の要素もプラスした感じ。
シーズン1の第1話ラストで現代に来た
ペギー・カーター/キャプテン・カーター(CV:ヘイリー・アトウェル)は、正史のスティーブ同様にニック・フューリー(CV:サミュエル・L・ジャクソン)に拾われアベンジャーズを結成する。そして正史世界と同じようにペギーがアベンジャーズを率いてNY決戦を制した。このユニバースのアベンジャーズは、キャップがスティーブではなくペギーって事のほか、ハルクが居ない代わりに二代目ワスプが入ってる(ブライアン・アンドリュース監督のインタビューによると、この世界はキャプテン・カーターが大戦で大活躍したおかげでフェミニズム運動が本来より早く活発になり女性の社会進出が進み、その影響でNY決戦の時点でワスプが加入したって事らしい。何気ないワスプにこんな意味があったとは……)。
それにしても正史での回想でもマルチバースものでもNY決戦は何度も出てくる。SWにおけるデススター破壊みたいな感じで「NY決戦はMCU世界の特異点」みたいになってるな。
この世界のバッキー・バーンズ(CV:セバスチャン・スタン)は前述のあらすじで書いたように雪山から落下してないのでウィンター・ソルジャーにはならず国防長官みたいな役職についてアメリカを護っているようだ。
ある日、そのバッキー長官はアイアンマンのようなアーマーに襲われる。ペギーは、この世界では1950年代に死んだらしいスティーブ・ロジャースが当時の若さのままヒドラ・ストンパー
を着た暗殺者になっているのを目撃する。このユニバースではスティーブが正史世界でのバッキー……ウィンター・ソルジャーのポジションになっている。
ペギーは親友でもありアベンジャーズの仲間でもある
ナターシャ・ロマノフ/ブラックウィドウと共に暗殺者スティーブを追う。
ナターシャ
の話によると、『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)第1話ラストでペギーは自己犠牲によってポータルに飲み込まれて現代(2011年)に行ってしまった。しかしペギーを失ったスティーブは心の穴を埋めるかのようにバッキーと共にヒドラ潰しに熱中しまくってたら1950年代に行方不明となり死んだと思われていた。しかし正史でロシアがバッキーを洗脳したのと同じく、このユニバースではナターシャの古巣であるロシアのスパイ組織レッドルームに捕獲され洗脳された。
ティーブが老けてない理由は、ウィンター・ソルジャーと同じように暗殺任務の時だけ目覚めさせて任務が終わると再び眠りにつく……を繰り返してたのと装着しっぱなしのヒドラ・ストンパーの効果、そしてヒドラ・ストンパーは脱げないらしい。
ロシアに乗り込んだペギーとナターシャは、スティーブと交戦して何とか一瞬彼の正気を取り戻すことに成功。三人はレッドルームと戦う。
映画によく出てくる「古き良きアメリカ」を模した、笑顔のマネキンがたくさんある不気味な核実験場みたいな場所でペギーは再び洗脳されたスティーブと、ナターシャはレッドルームのブラック・ウィドウズと交戦する。
ペギーは、キャップがウィンター・ソルジャーを止めた無抵抗戦法で何とかする。
ブラック・ウィドウズを率いてるのはナターシャの育ての母メリーナ・ヴォストコフ(CV:レイチェル・ワイズ)、このユニバースのメリーナはヴィランでレッドルーム総帥になっている。
この回は
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)『ブラック・ウィドウ』(2021)を構成の元にしている。MCUで最もアクションが凄いは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)を元にしてるせいかペギーやナターシャvs.ブラック・ウィドウズの戦闘のアニメーションが本当に凄い!そして核実験場みたいな不気味な町の美術とかも素晴らしい。この回は一本の映画の長さで観たいほど素晴らしかった。ナターシャの妹エレーナとかレッドガーディアンは描く時間がないせいか出てこなかった。
上記以外で実写の中の人が吹き替えてたのはブロック・ラムロウ(CV:フランク・グリロ)と、最後にペギーが召喚されたユニバースの魔術師
ワンダ(CV:エリザベス・オルセン)もそう。
ラストでペギーは別のユニバースに召喚され、ペギーは『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)最終話と同じようにウォッチャーの仕業だと思う。しかし実際には違うユニバースのスカーレット・ウィッチの仕業だった。
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)最終話と同じようにマルチバースの危機を感じて、このスカーレット・ウィッチ変異体がヒーローを集めてるのだろうか?この続きは最終話。
それにしても『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)第一話同様にキャプテン・カーターはMCU版『ホワット・イフ…?』を象徴するキャラクターっぽくて毎回力が入ってる。

〈この話の関連作〉
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲 - gock221B
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)/MCUで一番何回も観返してるのはこれ👱 - gock221B
『ブラック・ウィドウ』(2021)/ナターシャの敵は巨大犯罪組織……ではなく気持ちの整理。ナターシャやスカヨハ好きにしか楽しめない異常に地味だが良い作品。きめポーズの秘密👩🏻‍🦰 - gock221B

 

 

シーズン2第6話(通算では第15話)
『もしも…カホーリが世界を造り直したら?』 
★★★

ネイティブ・アメリカン、モホーク族のカホーリ(CV:デヴァリー・ジェイコブス)の里がスペイン人の侵略を受けた。里に伝わる禁足地の湖に落ちたカホーリは青い光に満たされた別次元で目が覚めた。
このユニバースでは、炎の巨人スルトが起こすラグナロクアスガルドが壊滅した時に四次元キューブが地球のモホークバレー(現在のNYあたり)に落下。キューブに内包されていたインフィニティ・ストーンの一つスペース・ストーンが湖に溶け、湖はスペース・ストーン由来の別次元に繋がるポータルを形成した。以来、禁足地となった湖に落ちたモホーク族は皆、ポータルを通過して、その別次元の”楽園”で永遠の命と不思議なパワーを持って平和に暮らしていた。
しかしカホーリは、同胞が苦しんでいるのに自分だけ楽園で幸せに暮らすことを良しとせず、パワーを熟練させご先祖達と里に戻りスペイン人の侵略を退けて仲間を救った。
……というカホーリのオリジン。
そして、仲間内で最強はカホーリだが仲間達とスペイン人を返り討ちにして和平を結んだ。そこでマルチバースの壁を破ってカホーリの前に現れたのが闇落ちしたドクター・ストレンジことストレンジ・スプリーム(CV:ベネディクト・カンバーバッチ)。彼は『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021) 第4、8、9話にも登場した。闇落ちして自分のユニバースを崩壊させてしまったが、キャプテン・カーター同様に〈ガーディアンズ・オブ・マルチバース〉に加入してインフィニット・ウルトロンを倒してマルチバースを救った至高の魔術師。
カホーリをスカウトして新たなマルチバースの脅威と戦うつもりなのか、それともカホーリを使って悪巧みしているのかこの時点ではよくわからない。

「カホーリて聞いたことないな」と思ったらどうやらこのMCUアニメ『ホワット・イフ…?』のオリジナルヒーローみたい。MCUには扱いきれないほどキャラが居るのにわざわざオリキャラ作るってことは最終話でカホーリを使って何かやりたい話があるのか?それとも制作者が「自分たちだけのキャラを作りたい!」と思ったのかは謎。
カホーリの声優を調べたらモホーク族またはモヒカン族由来の女優兼映画監督みたい。
とりあえず色々なことが集約するシーズン2最終話を観ないとこのキャラのことはよくわからない。「スーパーパワーを得たネイティブ・アメリカンが歴史に反してくそったれ白人をぶっ倒した」という爽快感以外は最終話の前振りに過ぎず、この回観ただけだと何とも言えない。ネイティブ・アメリカン大活躍は良いけど、ヒーローのオリジンって結構あまりに見すぎて退屈だからね。まぁ最終回でのカホーリの活躍に期待しよう。

〈この話の関連作〉
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡ - gock221B
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲 - gock221B

 

 

シーズン2第7話(通算では第16話)
『もしも…ヘラがテン・リングスを見つけたら?』 ★★★★

アスガルドの王オーディンは娘である死の女神ヘラ(CV:ケイト・ブランシェット)を恐るべき兵器へと育てあげ数々の世界を征服した。しかし「ワシも歳だし侵略はもういいか」と落ち着こうとしたがまだまだ闘い足りないのがヘラ。正史ではオーディンがヘラを地の世界に封印したが、このユニバースではヘラが持っていたムジョルニアを破壊して正史でソーに対してやったようにヘラのパワーや魔法のヘルメットを奪って普通の人間並みの能力に落とした上で地球へと追放した。
地球に落ちたヘラは、外宇宙の武器テン・リングスを使いこなすウェン・ウーと出会う。しかし魔法のヘルメットを被ろうとしても持ち上げられないヘラ(ソーのムジョルニアと同じだ)。しかしヘラに興味を持ったウェン・ウー。ヘラはウェン・ウーが飼っていた神獣・帝江(牢に居たので正史におけるモーリスだと思われる)の導きで、別次元からの侵略を退ける隠された国ター・ローに辿り着く。ヘラはそこでジアイと名乗る女性拳法家に己の精神をコントロールする術を学ぶ。ここで、凶暴なヘラはかつて動物を愛する優しい少女だったこと、そのヘラをオーディンが己の野望のために人園兵器に変えたことなどがわかって心が傷んだ。
オーディンは部下のヘイムダル(CV:イドリス・エルバ)から、ヘラの姿を見失ったこと、テンリングスという神をも倒しうる武器がある事を知り奪うため地球に侵攻する。
そして「もう用無しだ」とヘラを放逐した癖に今度は「また私の下で侵略しまくろう!それとテン・リングスは下等生物には過ぎたる武器だからワシによこせ」と言うオーディン(こいつマジでカスだよな)。
ここで修行してアイテム無しで心技体ともに強くなったヘラと、テンリングスを装備したウェン・ウーは手を組んでオーディンを打倒!ヘラは憎んでいたオーディンをも救おうとし、オーディンをパワーでも魂でも完全に超えたヘラはヘルメットを再度被ることができ、しかも闇の死の女王ではなく光の女王ヘラとなった。
こうしてヘラのアスガルドとウェン・ウーの組織テンリングスは宇宙を駆けてもはや恒例行事となったサノスぶっ殺し祭りをして幼いガモーラを救うのだった……。
正史では凄まじい強さで極悪非道の限りを尽くしたヘラ(何しろクライマックスで雷神として覚醒したソーも勝てなかったしヘラが居るからサノスも宇宙侵略をまごついてたもんね)。
だが、ヘラの闇も全てカスのオーディンが生み出したものだとわかった。これはマルチバースの話だが正史のオーディンもカスっぽいから、正史のオーディンとヘラもこのまんまじゃないか?と思えてしまったよね。
でも、このユニバースのヘラは幸せそうなヒーローになって良かったね。このアニメ、正史ではヒーローだった奴がヴィランになってるパターンは多かったけど、逆パターンは少なかったから「ヘラもオーディンから離れてター・ローで健康的にベスト・キッド的な修行すれば更生するのか」としみじみ感じてしまった。このユニバースのウェン・ウーも爽やかで楽しそうだったな。しかしウェン・ウーって正史でもそうだが強い女性に惹かれやすい性格なのね。
フェイズ4以降の要素があんまり出てこなかったから前話のレッドルームとかこの回のテン・リングスは嬉しかった。この回は中の人だったケイト・ブランシェットがヘラの吹き替えしてたりイドリス・エルバがほんの数言だけのためにヘイムダルやくしてたりして驚いた。ヘイムダルはあれ別に違う人が吹き替えてもいいレベルだったが……。
それにしてもミシェル・ヨーがやってたキャラが「私はジアイ」と名乗ってたのは何だったんだろ。

〈この話の関連作〉
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡ - gock221B
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)/シャン・チーとケイティと中盤までのアクションとストーリーが最高⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕⭕ - gock221B
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)/予想を裏切り期待に応えるMCUの到達点🎨 - gock221B

 

 

シーズン2第8話(通算では第17話)
もしも…1602年にアベンジャーズがアッセンブルしたら?』 ★★★

第5話『もしも…キャプテン・カーターがヒドラ・ストンパーと戦ったら?』のラストで超人兵士ペギー・カーター/キャプテン・カーター(CV:ヘイリー・アトウェル)は、中世のようなユニバースの魔術師ワンダ(CV:エリザベス・オルセン)によって、そこに召喚されて終わった。その続き。

そこはソー・オーディンソン王(CV:クリス・ヘムズワーズ)やロキ王子(CV:トム・ヒドルストン)などアスガルド人っぽい王族がが収める地だった。
その配下は、ペギーを召喚した魔術師ワンダ(CV:エリザベス・オルセン)、フューリー卿(CV:サミュエル・L・ジャクソン)、怒ると今シーズン第3話を思わせる紫の巨人に変身できるハッピー・ホーガン卿(CV:ジョン・ファヴロー)など。 
このユニバース、空に亀裂が入り世界が崩壊しかかっている。
この世界の崩壊はインカージョンなんだろう(ユニバース同士の衝突で互いのユニバースが衝突する現象)。インカージョンはMCU本編でも起きてるユニバースがあるしMCUマルチバースが崩壊しかかってるんだろうね。
ここは、どうやら「1602年と21世紀が合体した世界」らしい。つまり二つのユニバースが合一したせいでインカージョンを招き、崩壊寸前というわけだ。アベンジャーズの変異体がやたら居るのも、1602年世界と合体した21世紀世界のキャラなんだろう。
それを阻止しうる「危険を顧みず他者を救おうとするヒーロー」として魔術師ワンダによってこの世界に召喚された。
しかしヘラ王女が空の亀裂に吸い込まれてしまい、姉を救えなかったことでソー王は八つ当たり気味に怒り、追われる身となってしまったペギー。
ペギーはウォッチャーの存在を認識できるようになっており、ペギーがお気に入りのウォッチャーに頼めば元の世界に戻れるようだがペギーは2つの世界を救いたいと思い、この崩壊しかかったユニバースに留まる。
そして魔術師ワンダによって「このユニバースではペギーの前にこの世界に来た未来人〈先駆者〉がおり、先駆者が存在する事でこの世界が崩壊しかかっている。それを解決できるのはペギー」という事がわかりフューリー卿はペギーにそれをこっそり教えてくれる。
ペギーは〈先駆者〉を探し元の世界に戻し、合わさった二つの世界を引き剥がさなければならない。
追われるペギーは、発明家の変人トニー・スターク、義賊のスティーブ・ロジャース/ロジャース・フッド、ウィンター・ソルジャー風のロン毛と仏頂面のバッキー・バーンズ(CV:セバスチャン・スタン)、縮小化能力を持ち蟻を操れるスコット・ラング/アントマン(CV:ポール・ラッド)、怒ると緑の巨人に変身できるブルース・バナー(CV:マーク・ラファロ)など、アベンジャーズの変異体と思われる者たちを仲間にする。
そして互いの世界の恋人を喪ったペギーとスティーブはひと目で恋に落ちる。
ペギーの話を聞いて変人トニーが作った機械。これで〈先駆者〉を探すことができて更に元の時代に送り返せる。しかし作動させるにはソー王が持つ王家の石(インフィニティ・ストーン?)を嵌め込む必要がある。
そこで彼らアベンジャーズ1602は石の奪取のためソーの城に潜入する。

色々小競り合いはあったが石の奪取に成功。
そして実は、義賊スティーブがその先駆者だった事がわかる。スティーブは正史でいうところの
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)後半、ワカンダでサノスとの戦闘中、インフィニティ・ストーンに触れてしまいこの世界に飛ばされてしまい記憶の殆どを失ってしまっていたとのこと(このスティーブのシールドがワカンダ風に尖ってたのもヒントだったのね)。
ペギーが「何度あなたを失えばいいの?」という哀しむが、スティーブは「幸せはどこかにあるさ」と微笑んで、トニーの機械を作動させ元の世界に消える。そしてインカージョンを起こしかけていた2つの世界も分離しインカージョンは止まった。
アベンジャーズ1602やどこかで見たようなキャラたちは合一しかけていた21世紀の世界の方に戻り、ペギーは一人だけ1602年世界に残された。
三度目の哀しみにくれるペギーの前にストレンジ・スプリーム(CV:ベネディクト・カンバーバッチ)が現れる。第6話ラストで本作オリジナルヒーローのカホーリもスカウトしていた。また各ユニバースからヒーローを集めて何らかの脅威に対抗するのだろう。

ウォッチャーやストレンジ・スプリームと共に『ホワット・イフ…?』自体の主人公になりつつあるキャプテン・カーター、まさかの3話目。「中世世界で活躍するアベンジャーズ」という世界が楽しめた。正にキャプテン・アメリカ!って感じの利他的な正義感で活躍しまくっている。こう見てみると別人とはいえ『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)でキャプテン・カーター変異体を雑に惨殺したのは今思えば良くなかった感じしてきた。
〈この話の関連作〉
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲 - gock221B
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)/予想を裏切り期待に応えるMCUの到達点🎨 - gock221B

 

 

シーズン2第9話(通算では第18話)※シーズン2最終話
『もしも……ストレンジ・スプリームが介入したら?』 
★★★

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021) 第4話『もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?』
正史のスティーヴン・ストレンジは交通事故で手の精密な動作を失ったが、とある世界のスティーヴンは最愛の恋人クリスティーン・パーマーを失った。
正史通りスティーヴンは魔術を収めてドクター・ストレンジとなるが、喪ったクリスティーンを蘇らせようと禁術に手を出して神にも匹敵する強大なパワーを手にしてストレンジスプリームとなる。。そうしてクリスティーンを蘇らせたが、クリスティーンが事故死するのはこの世界の「変えたら世界が崩壊する」〈絶対点〉だったためクリスティーンもユニバースそのものも崩壊してしまう。

『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021) 第8話『もしも…ウルトロンが勝ったら?』、第9話『もしも…ウォッチャーが誓いを破ったら?』
独りぼっちのユニバースで落胆していたストレンジスプリームの元にウォッチャーが助けを求めてきた。ストレンジは各ユニバースからキャプテン・カーターなどのヒーロー達を集めてガーディアンズ・オブ・マルチバースを結成し、各ユニバースを消滅させていたインフィニット・ウルトロンを打倒。ストレンジ・スプリームは悪を結晶の中に封印し、見守るため自らのユニバースに還っていった。

 

ストレンジ・スプリーム(CV:ベネディクト・カンバーバッチ)は前話ラストで中世に取り残されていたガーディアンズ・オブ・マルチバース仲間のペギー・カーター/キャプテン・カーター(CV:ヘイリー・アトウェル)の元にやってきて自らの城しかないユニバースに招待する。
そこにはインフィニット・ウルトロンのように「ユニバースを崩壊する可能性のある膨大なヴィラン達」が結晶に閉じ込められていた。どうやらストレンジ・スプリームは一人でガーディアンズ・オブ・マルチバース活動を続けていたらしい。
そんな感じで「自分では察知されるので君が近づいて『ユニバースを破壊しかねない者』を捕らえてきてくれ」と頼む。
それは第6話でストレンジ・スプリームがスカウトしに行ったカホーリ(CV:デヴァリー・ジェイコブス)だった。ストレンジ・スプリームの提案は断られたらしい。
しかしストレンジ・スプリームの本当の目的は「クリスティーンごと自分の宇宙を元通りにする事」だった。そのために「ユニバースを崩壊しかねないパワーを持った者」を捕らえて自分が作った強大な炉で燃やし、そのエネルギーで宇宙を元通りにする事だったのだ。
「君だって愛するスティーブが蘇るならこうするはずだ」というストレンジ・スプリーム。ペギーは一瞬迷ったがカホーリが苦しむ様を目の当たりにしたら「スティーブやクリスティーンはこんな事喜ばない」と思いカホーリに助太刀する。
しかしストレンジ・スプリームは神にも匹敵するパワーを持っていてペギーとカホーリでは対抗できない。ペギーはストレンジ・スプリームが収集していた超ヴィラン達の結晶を破壊し全員解き放つ。『キャビン』(2012)クライマックスみたいな展開。
ヘラ、ウェン・ウー、スルト、キルモンガー、サノス、悪いロケット&グルート、悪いソー、ワンダのゾンビとマーベルゾンビーズ……ありとあらゆる超ヴィランが解き放たれた。ストレンジ・スプリーム大慌て。
ペギーはインフィニット・キルモンガーみたいな奴をボコってインフィニティ・ストーンを全て揃えてインフィニット・カーターとなる。
追いついたストレンジ・スプリームは超ヴィラン達を転移させ炉に投げ捨てようとする。インフィニット・カーターとカホーリは超ヴィラン達を助けながらストレンジスプリームと戦うが少しづつ押され絶体絶命に。
すると落下してるヘラが魔法のヘルメットを投げて「地獄を見せてやれい!」と言いながら落下する。
別にヒーローになったわけでもぺギーとカホーリの仲間になったわけでもないが、自分はもう落ちて死ぬだけだからストレンジ・スプリームを倒せるものに自分のパワーを貸すことで共通の敵を倒して欲しいという事だ。
ヘラは第7話で「育ちが良いか、良き師が居ればヒーローにもなれる」とわかったので好感度が上がったし、第8話冒頭でも「ひええ~!」とか言いながら人間バージョンのヘラが死んだり、この回でも暴れたり落下したり持ち上げられたりまた落下したり、といった場面でやたらヘラの狼狽した顔がアップになるので好きになってきた。そこへ来て迫真顔での「これを使えい!」これでヘラ姉上が一気に好きになった。
最終話もなかなか面白いが冒頭でストレンジ・スプリームが裏切ってからは予想通りの展開が続いて緊張感が解けてきてたので、モブみたいに走り回ってるだけだったヘラ姉さんが突然自発的に協力してくれるので今シーズンで最も印象的なシーンになった。
更にウェン・ウーっぽい奴がテン・リングスを、悪いソーみたいな奴がムジョルニアを、スルトみたいな奴が炎の剣を……と、色んな落下中の超ヴィランが強化した武器を貸してくれる。
それを全部装備したペギーとカホーリ。……なんか持ってる全てのオモチャを装備した女児みたいで可愛くもある。
色々バトルして何とかストレンジ・スプリームの中から〈邪心〉を分離させる。しかし炉の暴走は止まらない。ストレンジ・スプリームは自分ごと〈邪心〉の塊を抱えて炉に突っ込む。炉から今まで集めたパワーが漏れる……。
結果としてストレンジ・スプリームがかつていた「クリスティーンが事故死する運命のユニバース」は「クリスティーンは死なないがストレンジが永遠に生まれてこないユニバース」となって蘇った。ストレンジはダース・ベイダーみたいに最後に善の心を取り戻して良い行いをした。
ウォッチャーはカホーリを元の世界に戻すがペギーは「もう少し寄り道していこうかな」という。その視線の先にあったのは……よくわからないが緑の輝く樹っぽかったから
『ロキ』〈シーズン2〉(2023)で時間の神となったロキが居るマルチバース織り機じゃないかな?
だからアベンジャーズ5か6で、ロキが出てくるならキャプテン・カーターも実写になって加勢してくれるんじゃないかな?と思った。

〈この話の関連作〉
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉全9話 (2021)/本編での活躍少なかったキャラの活躍が嬉しい。”行動せず観てるだけなんて気持ち悪い”というファンへのメッセージ👨‍🦲 - gock221B

 

 

そんな感じで最初と最後だけ面白かったシーズン1よりもシーズン2の方が面白かった。
ただ出てくるキャラが、あまりにアベンジャーズなど初期キャラばかりに偏っておりキャプテン・カーターの出番があまりに多すぎたりして若干飽きてきた。
初期キャラやキャプテン・カーターも好きだけどね?キャプテン・カーター主人公回が一つのシーズンで3回も必要か?とか他にも「カホーリに文句はないしスペイン人の侵略をモホーク族が撃退する歴史改変は最高だがカホーリのキャラ薄いな……」とか「出てきてないキャラいっぱいいるのにオリジナルキャラかぁ」とは少し思った。
初期キャラが繰り返し出てきたのは、まぁ一番人気あるってのもそうだけど吹き替えしてくれる本物のMCU俳優を使い回せるって理由もあった気がする。
でも楽しかった。
好きな回は第1話のネビュラがノバ軍に入った話。第5話のキャプテン・カーター版ウィンター・ソルジャー+ブラックウィドウ回。第7話のヘラが拳法を通じてヒーローに生まれ変わる回など。振り返ってみるとフェイズ4以降の新キャラが全然出てこないからシャン・チー要素が出てくるヘラ回や第5話のレッドルームは嬉しかった。
やっぱ制作陣が好きなんだろうがヘラが大好きになったね。本編だと「強い!強すぎる!ソーの友達皆殺し!」とゴリ押しで駆け抜けてあんまり可愛げなかったから本作では「困ってるヘラ、やられてるヘラ」をたくさん見せて魅力が倍増した。ケイト・ブランシェット本人の吹き替えも上手すぎたし。あとウェン・ウーやたら何度も出すので「本編でもウェン・ウー生かしとけば……」とも思った(だけどウェン・ウー生きてたらカッコよすぎてシャン・チーどうでもよくなからやっぱ死んで正解だったのかも)。ダーシー……は地味にフェイズ1の時から「一番好きな一般人キャラ」で良く名前出てたから意外性はなかったね。ジャスティン・ハマーは嬉しかった。この制作者のチョイスは結構納得。
シーズン3があるならもうアベンジャーズ初期メンより新しいキャラや、まだスポット当ててないキャラを中心に出して欲しい。さっきも言ったが声優使い回せるからか同じキャラばっか出てたしね。
とはいえ超久しぶりに面白いDisney+のMCU作品だった。というか最後まで観て「面白かった!」と思うMCU作品自体ほとんどないから本作はかなり良い方だよね。

 

 

 

そんな感じでした

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『ロキ』〈シーズン1〉全6話 (2021)/工夫やサプライズに満ちた藤子F不二雄っぽい面白いドラマ。クラシック・ロキ最高🕚 - gock221B

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What If...? Season 2 (2023) | Synopsis, Cast & Characters | Marvel

What If...? (TV Series 2021– ) - IMDb
What If...? - Rotten Tomatoes

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