gock221B

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『ブルービートル』(2023)/ヒスパニック家族映画として良い内容だしタイムボカンシリーズのメカみたいな宇宙船バグ・シップも美しすぎるヒロインも最高。変身したハイメ君の戦闘だけ退屈。本編に一度も出てこないテッド・コード/二代目ブルービートルへの興味がどんどん高まる🔵


原題:Blue Beetle 監督:アンヘル・マヌエル・ソト 脚本:ギャレス・ダンネット=アルコセル 製作総指揮:ウォルター・ハマダ 原作:DCコミックス 製作会社:DCスタジオ、ザ・サフラン・カンパニー 配給:ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ 公開:2023年8月18日(日本は劇場未公開) 製作国:アメリカ 上映時間:127分 シリーズ:DC・エクステンデッド・ユニバース(DCEU)第14作目?

 

 

遂に劇場未公開になってしまったDC映画……哀しい。レンタル始まったので観ました。
DCEUも残るところコレとアクアマンの続編を残すのみとなった……のだが本作は日本では未公開。本国でもDCEUは2020年くらいから全く客が来なくなったしDCEUは年明け公開のアクアマン続編で完結し、2025年からジェームズ・ワンが仕切る新ユニバース「DCU」が始まる。
この『ブルービートル』もこないだまで「DCEUとして作ったけどDCU作品って事にする」とか言ってた気がするが今Wikipedia見たらDCEUになってた。だが主人公のブルービートルが新ユニバースDCUに残留する数少ないキャラクターらしい(他にはピースメイカーやアマンダ・ウォラーとか)。やっぱDCU一発目は『スーパーマン:レガシー』(2025)にしたいから本作はDCEUって事にしたんだろうか。まぁいいや。ワーナーDC情報は常に流動的だがとにかく「『ブルービートル』はDCUじゃなくDCEU」「ブルービートルは引き続きDCUに出るらしい」という2点は間違いないっぽい。


ブルービートルは三人居て、最初は1939年(!?)に登場した初代ブルービートルダン・ギャレット、次に二代目ブルービートルテッド・コード、この二人は今は亡き出版社チャールトン・コミックのキャラクター(後に紆余曲折あってDCコミックスのキャラになった)。『ウォッチメン』のナイトオウルのモデルになったのが二代目テッド・コード(ナイトオウルもブルービートルが乗るタツノコプロみたいな宇宙船まんまパクった宇宙船に乗ってた)。作者アラン・ムーアは『ウォッチメン』を描く際にオリジナルキャラじゃなくチャールトン・コミックのキャラを使って描こうとしてたから他のキャラのモデルもチャールトン・コミック。ロールシャッハのモデルはクエスチョン(トレンチコートを着たのっぺらぼう。アメコミ界で最も渋いデザイン。ブルース・ティムの傑作アニメ『JLU』でも準レギュラーで活躍した)。コメディアンのモデルはジェームズ・ガンが超傑作ドラマ化したピースメイカー。ドクター・マンハッタンのモデルはキャプテン・アトム(なんか『JLU』でよく核爆発してた印象)。オジマンディアズのモデルはサンダーボルト(さすがに知らん)。


ブルービートルの知識ほぼ無いけどアメコミで何度か読んだことあったのがこの二代目。あのスパイダーマンをスタン・リーと共に創ったスティーヴ・ディッコがデザインした。一言でいえば、肉体は普通だけど自ら作った発明品で戦うヒーロー(有名な他のヒーローで言うと近いのはバットマン)。未来から来たヒーロー、ブースターゴールドとの愉快なコンビで人気だった。『ブースターゴールド』はジェームズ・ガンが新生DCUでドラマ化するらしい。ブースターゴールドとジェームズ・ガンどちらも知ってる人なら「ガン、ブースターゴールド好きそう!何ならクリス・プラットが演じそう!」と誰もが言うようなヒーロー。ブースターゴールドの単体作作るなら二代目ブルービートルもほぼ間違いなく出る(『ピースメイカー』(2022)のヴィジランテみたいな感じで出るはず)。2~5年後くらいには観れるだろう、多分。
初代ダン・ギャレットは全然知らんが今ググったら「薬でフィジカルを強化して防弾スーツ着て戦う」と書いてあるからキャプテン・アメリカとかブラックパンサーみたいなもんか。で、本作の主人公ハイメ・レイエス(以下ハイメ君)は三代目、宇宙から落ちてきた未知のテクノロジーで変身して戦う。読んだことないけどナノテクを使うようになったアイアンマンみたいな感じか。という事で三人とも名前は一緒だが由来が全然違う。初代と二代目テッドは本作に出てこないが名前は出てくる。

ネタバレあり
しかもほぼ全部ネタバレするレベルのネタバレ。興味ある人はもう観てるだろうし興味ない人はこれ観ないだろうからいいだろ

 

 

 

 

Story
ヒスパニック系メキシカン移民一家
の青年ハイメ・レイエス(演:ショロ・マリデュエニャ)は、大学を卒業して愛する家族が待つ実家に帰ってきた。

しかしの事業が失敗したり家賃の高騰によりレイエス家は大ピンチとなっていた。
ハイメは法学部を卒業したばかりなのだがメキシコ系のため、白人のようなまともな職にはつけず地元のハイテク系大企業コードでバイトするしかなかった。
そこで令嬢ジェニー・コード(演:ブルーナ・マルケジーニ)は今は亡き父テッド・コードが創ったこの会社の技術を叔母のビクトリア(演:スーザン・サランドン)が兵器に使って軍需産業化しているのを止めようとしている。ハイメは持ち前の正義感で揉めていたジェニーとビクトリアの間に割って入りバイトを解雇されてしまうが、おかげでジェニーと知り合えた。
ハイメはジェニーから預かった青いスカラベ型の機械に触れると、スカラベはハイメの脊髄と一体化し強力なアーマーを形成した。
ハイメはレイエス家を、ジェニーは父が遺した遺産を護るためビクトリアの邪悪な計画〈OMAC〉に立ち向かう――

そんな話。
映画は、物語の中心となる「レイエス家とコード家はヒスパニック系メキシカン」というのが凄く前面に出ている。
レイエス家は貧乏なメキシカン。コード家は超お金持ち。
貧乏だけど愛情たっぷりのレイエス家で育ったハイメ君(ブルービートル)、大富豪のコード家だが愛する両親が早逝し広い家で独りぼっちで過ごして今は邪悪な叔母に乗っ取られようとしているお嬢様ジェニー。二人が出会い邪悪な叔母さん率いる私設軍隊と戦う。しかもブルービートル&ジェニーだけでなくレイエス家の人たちも共に戦うってところが面白かった。
「監督や出演者の大半もヒスパニック系で、アメリカではマイノリティである彼らの奮闘を描く」……というMCUがフェイズ4で多くやって(
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)『エターナルズ』(2021)『ミズ・マーベル』(2022))、そして結果的に徐々に人気が落ちてしまったマイノリティなナショナル・ヒーロー路線。そしてDCEUも蝋燭の火が消える寸前。……という非常にタイミング悪い時に作られた。宣伝なども全くと言っていいほどされなかった敗戦処理のような作品。
批評サイトのロッテントマトでも「批評家の評価78%、一般評価91%」となかなか良いしね。
Blue Beetle - Rotten Tomatoes
結果的に言うと、個人的にはDCEUの中でも「良い方」に入るナイスな作品だった。
『アクアマン』(2018)とか『シャザム!』(2019)の頃に公開されていれば、ヒットした可能性も高かったが時期が悪かった……まぁ本作のハイメくん達は新生DCUでも続投っぽいからNEXT頑張って欲しい。
出演者の多くもヒスパニック系なので知らない俳優が多かったが調べたら全員、ヒスパニック系の有名俳優が多かった(ハイメ君のおばあちゃん役の人とか)。パキスタン系の有名俳優が出てたらしい
『ミズ・マーベル』(2022)みたいなもんか。
中でも特に、主人公ハイメ君の爽やか美青年っぷり、ヒロインのジェニー役の美しさ、陰謀論者の発明家ルディ叔父さん(演じてるジョージ・ロペスはアメリカでも有名なメキシコ系アメリカ人コメディアンらしい)、おばあちゃん役の人も良かったが、この三人が特に鮮烈な印象を放ってたね。
ヒロインのジェニー役はブルーナ・マルケジーニというブラジルの有名な女優兼モデルで、サッカー選手ネイマールとの間に子供も居たが最近別れたらしい。
で、このブルーナ氏が美しすぎてヤバかった。と言っても「親愛なる隣人」ヒーローがテーマのMARVELとディズニーのポリコレ志向が合わさってMCUにはファニーな魅力の人がよく出てくるのと違ってDCは「地上を歩く神々」ヒーローなのでDC映画にも美男美女ばかり出る、そもそもハリウッド映画とか美しい人がたくさん出てくるし「綺麗な人は骨格から違う」なんてよく言うけど、この人の場合小さい顔とかスタイルとか骨格は勿論だけど鼻の穴の形とか毛の一本一本とか何もかもレベルが違いすぎて「え……なんで?美しすぎる」と戸惑うほどでした。美しさをしつこく言うのはブスだどうだと言う事の次くらいに下品だと思うのでこの辺にしとくがこの人美しすぎて何度も「え?」と一時停止してしまいました。若い時サルマ・ハエックが異常に好きだったし自分は色んな美人の中でヒスパニック系が一番美しいと思ってるのかも。とりあえず白いより褐色の方が美しいと感じてる。ジェニーが最初に出てきた時、スタイルが隠れるような白いサロペットみたいなの着てたのも可愛かったです。

……このブログ、いつもはトップ画像しか貼らんが(なんか画像多いとダサくて字ばっかりのほうがカッコいい気がするから。本当はトップ画像もないのが一番かっこいい)今回は画像多めにする。何故なら「まだレンタルでしか観れない映画、しかも2023年のDC映画」なんか誰も観ないからビジュアルを見せたい。「ブルービートル?観るぜ」って人は別に勧めなくても観るから別にいい。

コード家を乗っ取ろうとしている邪悪な叔母さんビクトリアはスーザン・サランドン。「ヒスパニックの遺産を乗っ取って人殺しに使おうとする邪悪な白人」という憎まれ役を大御所スーザン・サランドンが殆ど一人でやってくれてて偉い。
……しかし、そんな邪悪な役をやってくれた大御所スーザン・サランドンも、現実では反イスラエル発言で干されかけてるという、この皮肉……。
77歳の大御所オスカー女優 反イスラエル発言で映画降板、事務所も契約解除 - Yahoo!ニュース
というか、アメリカとかハリウッドとかってユダヤ人ばっかりでイスラエル支持なわけで、そんな彼らの元で創ってるスーパーヒーロー映画を死ぬほど観てきた身として今のイスラエルパレスチナ問題を踏まえて劇中で正義だなんだと言ってるのを無邪気に楽しんでていいのか?という問題はある。勿論創ってる人や俳優には様々な思想がいるわけだから十把一絡げでどうこう言うわけではないが、ちょっとハリウッド映画……特にスーパーヒーロー映画は純粋には楽しめなくなっていく気がする。観てても「スーパーマンウクライナとかパレスチナなんとかしてよ」と脳裏に浮かびそうだしね。
イスラエルといえば本国アメリカで超絶大ヒットしたけど日本ではビデオスルーだったが僕も大好きな『スクリーム』(2022)『スクリーム6』(2023)という『スクリーム』新シリーズの主人公の女優もイスラエル批判して『スクリーム7作目』から一発で解雇された、そしてその妹役をやってた大人気ジェナ・オルテガも後を追うように翌日、『スクリーム7作目』を辞退した。『スクリーム』シリーズそのもの以上に主人公のカーペンター姉妹が好きだったから、あんなに好きだったのにもう一気に興味なくなったよね。
……まぁイスラエルパレスチナの話は一旦やめときましょう、この映画の感想の数千倍デカい話題だから映画の感想とか書けなくなる!

とにかく話を戻そう、貧乏だが家族の愛情たっぷりで育ったハイメ君と孤独なお嬢様ジェニーが知り合うボーイミーツものでもある。
邪悪な叔母さんはコード社創設者テッド・コードが研究していた「宇宙から飛来したスカラベ型の超スーパーハイテクなマシン」を奪おうとしている。
この超すごいスカラベを、ビクトリア叔母さんが開発した強力なアーマーに取り付けて超スーパー兵器にして売りまくる……これがビクトリアの邪悪な計画〈OMAC(One Man Army Corps)〉だ。小学生みたいな説明したがわかりやすいやろ。

ジェニーはそれを防ぐため会社に侵入してスカラベを持ち去りハイメ君に一旦預けて逃がす、しかしハイメ君の自宅でスカラベはハイメ君の脊髄に同化してしまう。

ジェニー曰く「父テッドでも解明できなかったスカラベだが、ハイメを宿主として選んだ」との事だった。
スカラベの中にはカージ・ダベッキー・G)という名前のAIがおり、宿主として選んだハイメとだけ、ある程度意思疎通が取れる。
脊髄に同化したスカラベからナノテク風のアーマーを展開した状態が所謂ブルービートル状態。ハイメの想像力によって色んな武器を生成可能(ブラスト砲、大剣、音波砲、羽で飛行、羽シールドなど)。
元も子もない言い方をするとナノテクを活用しだしたアイアンマンのDC版だ。AIと会話するし……。あとこのハイメ版ブルービートルには背中にスカラベ風の脚が何本か生えてて攻撃や防御に使ったりするのだが、これもまたMCUスパイダーマンがトニーに貰ったアーマーを想起させるので、ヒーロー詳しくない一般層が観たら「アイアンマンとスパイダーマンをパクって、DC必死やなw」と言われてしまいそうだ。勿論DCとMARVELはパクりパクられ又は偶然のシンクロニシティで類似ヒーローが死ぬほど居るのでアメコミ好きな人でそんな事いちいち言う人は居ないし、ブルービートルは元のコミックからしてこうなんだが本作の映像を観る限り……「ちょっとアイアンマン+MCUスパイダーマンに寄せてる?」という感じも少しあった。まぁいいだろう別に。青いし。
ただスパイダーマンと違うところは、スパイダーマンで言うとMJやメイおばさんまで参戦して敵をやっつける!それがブルービートル。

ビクトリアは、スカラベと同化したハイメを捕らえるために私兵のイグナシオ・カラパックス(演:ラオール・マックス・トルヒーヨ)を差し向ける。強力なパワーのOMACアーマーを装着してはいるが、さすがに外宇宙の超ハイテクのスカラベアーマーの敵ではない。それよりハイメが苦心していたのは、スカラベのAIカージ・ダが宿主ハイメを護るためカラパックスを何度も殺害しようとする。心優しいハイメは「殺しちゃダメだ!」と何度も止める。ハイメは敵のカラパックスではなくスカラベの制御によってピンチになるがルディ叔父さんとジェニーが車をぶち当てて何とか助かる。

ハイメとジェニーと陰謀論者の発明家ルディ叔父さんの三人は、ビクトリアも知らないであろうテッド・コードが住んでいた実家に行く。その中にはテッドが作った秘密の施設が……。
最初から何度も名前出ている、ジェニーの父である実業家テッド・コードの正体は二代目ブルービートルだったのだ。

ブルービートル基地、ブルーとパープルの光が目立つゲーミング空間でかっこいい。関係ないが僕もフロアライトで自部屋は常に青いです。
というかコミックで言う初代ブルービートルだったダン・ギャレットのスーツもあったし「テッドはダン・ギャレットに師事していた」みたいな台詞もあったので、この世界でもかつて初代ブルービートルが居たのだろう。
このブルービートルの真実や、テッド基地のハイテク機械に興奮するルディ叔父。
ルディ叔父さんが言うには、この世界でもかつて二代目ブルービートルは「スーパーマンバットマンには劣るがある程度有名なスーパーヒーロー」だったらしい。本作のOP映像でも二代目ブルービートルのデイリープラネットクラーク・ケント/スーパーマンが働いている新聞社)の新聞記事とか出てくるしね。

ハイメくんは若いから知らなかった……らしいが、芸能人じゃないんだからさ、バットマンたちより劣るとはいえ、こんなメカに乗ったスーパーヒーローが地元に居たらいくら若でも知っとるやろ!とは思った。
この世界は「スーパーマンバットマンや初代&二代目ブルービートルが居た世界」らしい。だが「スーパーマンバットマン」は別にDCEUにもDCUにも居るし本作に「スーパーマンバットマン」が出るのは名前だけで顔は出てこない。だから本作はDCEUとDCUどちらの世界かハッキリしない。恐らく後でDCUに組み込みたければ組み込めるし切り捨てたければ切り捨てられるよう、どちらにも対応できるように編集したのだろう。本作は今のところ、検索したら一応DCEU作品っぽいけど?後でDCU作品って事になる気がする。『スーパーマン:レガシー』(2025)をDCU一発目にしたいから『ブルービートル』はDCEUって事にしといて、後から「『ブルービートル』もDCUですよ」と、する気じゃないかな?「DCEUのドラマだった『ピースメイカー』(2022)のシーズン2も作るが、シーズン2はユニバースが違うDCUにする」って言ってたけど、本作も『ピースメイカー』シーズン2も多分ああとからヌルっとDCUにする感じなんだと思う。

ルディ叔父さんによるテッドPCの解析で、どうやら「スカラベと同化したら全神経と結びついてしまい宿主が死ぬまで取れない」という事が判明。いつも温和なハイメ君もこれにはさすがに「就職したいだけなのに何でこうなるんだ!」とナーバスになる。
……だが明るい性格なので数分後には立ち直った。ルディ叔父さんも「スーパーヒーローになると思えばええやん」と至って軽いノリ。このノリでレイエス家は数々の困難を乗り切ったのだろうと思わせる。
このブルービートル基地の存在を知らなかったビクトリアは(というか「テッド=二代目ブルービートル」だったことも恐らく知らない)、スカラベを持ち去ったハイメを探してレイエス家に急行。家族を捕らえようとする。
ハイメ達が急いで帰宅したが、持病を患っていたハイメの父アルベルト(演:ダミアン・アルカザール)は相次ぐ衝撃によって心臓発作を起こし命を落としてしまう。
戦闘力では単体でOMAC軍を圧倒できるハイメだが父の死を目にした動揺から我を失ってしまい「スカラベ無効装置」みたいなのを喰らってしまい連れ去られる。
ハイメ君は勿論何も悪くないのだが「カラパックスを殺さず見逃したこと」「父の死でショックを受けすぎたこと」など「ハイメの優しさ」が原因で家族に危険が及び父アントニオが死に、そして自身も捕まってしまった事になる。

しかし唯一戦えるハイメが捕まってどうすればいい?
アントニオの死、ハイメ拉致、実家炎上に泣き崩れるレイエス家。「お父さんが何十年も苦労して建てた家が!何で普通にも生きられないんだ!」といった移民的な悲しさを全面に出している。
すると突然、ナナおばあちゃん(演:アドリアナ・バラッザ)が立ち上がる。
「闘ってハイメを取り戻すぞ」と言う。おばあちゃんはかつて革命の戦士だったのだ。
ジェニーはブルービートル基地にある、ブルービートルの宇宙船バグ・シップや父が遺した兵器を装備し、レイエス家はハイメ奪還に向かう。

このバグ・シップが本当にタツノコ・プロの『タイムボカン』シリーズのビックリどっきりメカみたい過ぎて本当に良すぎましたね。幼児のオモチャみたいな見た目も最高だし、到着したら巨大な脚が生えてガチョンガチョンと歩く様も最高。メカはなるべく幼児性あるものが好きかも。それで居てOMAC基地に降り立って敵の兵士をうっかり踏んじゃうんですよね。そんでしばらく脚に敵兵士が刺さったまま。本作はノリは明るいんですが要所要所で人がどんどん死ぬんですよね。それも良かったです。
バグ・シップの超合金魂とか欲しいね。プラモでもいい。
ナナおばあちゃんも凄いね。コメディ調だったけど明らかに敵を銃殺してたね。
スーパーパワーを得たハイメ君は敵を殺さないよう自分を律してるんだが、おばあちゃんや叔父さんはコメディっぽいノリでマジでバンバン殺してるのが凄い。
ジェニーと妹ミラグロ(演:べリッサ・エスコベド)は二代目ブルービートルの開発した装備で侵入。
ハイメは、スカラベのパワーをOMACの装置で抜かれるが無意識の世界で死んだ父と再会し鼓舞されて復活する。

まさかジェニーやルディ叔父さんはともかく、レイエス家(おばあちゃん、ママ、妹)まで参戦するとは思わなかった。この映画、ハイメくんが変身する三代目ブルービートルがハイメくんが優しすぎるせいで、とにかく相手にダメージがないように自分を抑え続けてオモチャみたいな兵器を作って戦う戦闘が正直チャイルディッシュでつまらないので戦闘シーンより日常シーンの方が面白いという珍しいスーパーヒーロー映画なんだが、こういう感じで「ハイメ君のしょうもない初戦で退屈……しそうになったらブルービートル基地出して湧かせる!」→「ハイメ君のしょうもない敗戦で退屈……しそうになったらバグ・シップ発進!」といった感じで上手いこと、退屈を感じそうになったら二代目の装備を出してくれて退屈せずに済んだ。いや、キッズが観てたらハイテクの魔法みたいなハイメのアーマーの方が好きなんだろうけど僕は本作に一秒も出てこないテッドコード/二代目ブルービートルがどんどん好きになりました。早くテッド観たいな、出てくるなら一体どんな俳優が演じるんだろ?

ビクトリアの私兵カラパックスは「家族への愛がお前の弱点だ」とハイメに何度も言う。しかしそういうカラパックスも家族の写真を持ち歩いている。そう、カラパックスはビクトリアに家族を皆殺しにされて記憶を消されて私兵にされた「愛を失って悪堕ちしたハイメ君」といったスーパーヒーロー映画のオリジンの定番「主人公を反転した悪堕ちしたバージョンの敵」だった。
カラパックスは、ハイメ君を逃してくれたビクトリア配下の科学者サンチェス改めホセ(演:ハーヴィー・ギレン)を惨殺し、更にルディ叔父さんも爆撃される。
父、優しい科学者ホセ、ルディ叔父さんまでも殺されたと思ったハイメは怒りに完全に取り憑かれ、それまで他者を傷つけないように抑えていたスカラベのパワーを全開。スカラベからパワーを奪ってパワーアップしたカラパックスのOMACを完全に破壊。
ハイメは、カラパックスを無力化しただけでは気が収まらず惨殺しようとする。
しかしスカラベのカージ・ダが強制的にアーマーを停止。
そしてビクトリアに家族を殺されて洗脳されたカラパックスの記憶を見せるカージ・ダ。
前半・中盤で優しいハイメ君が「たとえ敵でも殺しちゃダメだ!」と何度もカージ・ダの過剰防衛を諌めて教育していたおかげでカラパックスを殺さずに済んだ。
カラパックスは「お前の家族への愛がお前を弱くする」と言っていたが、我を失う前のハイメの優しさが、ハイメの過ちを防いだ。
こうなると前半・中盤の「ハイメ君の戦闘だけは正直つまらないな~」と不満だった自分の感想も、伏線となって回収された気分になって良かった。

ラストシーンは共に闘った貧乏だが家族愛に溢れたハイメ君と、家族が居なくて孤独だったがレイエス家の仲間になれたお姫様ジェニーがキスする。
ここ10年くらいのハリウッド映画は「共闘と恋愛は違うだろ!」って事で「主人公とヒロインが共闘してるうちに恋に落ちて最後にキスして終わる」なんてラストはなかったので懐かしいな~と思った。
しかもハイメ君はキスした心拍数を、カージ・ダがハイメの身体異常と勘違いして頭部以外をブルービートルに変身させてしまう。
キスしながら背中からブルービートルのスカラベ脚がニョキ……ニョキ……と生えてくる。
勃起」と「ブルービートルへの変身」をシンクロさせるとは憎いオチですね。
こんな風にスーパーパワーと性愛を結びつけたギャグやるのって「射精」と「ウェブ発射」をシンクロさせたサム・ライミ版『スパイダーマン』以来だね。
ハイメ君が可愛い顔しながら、やたらと大剣や巨大なキャノン砲を生成したがるのも勃起した巨根を思わせるな。フロイト的な安易な意見?悪かったよ。
ポストレジット・シーンは、実は生きてたテッド・コード/二代目ブルービートルが娘ジェニーに緊急信号を送ってくるというもの。これは殆どの人驚かなかったでしょうね。「テッドは行方不明になった」ってだけで死んだと思う人いないでしょう。
バグ・シップとかブルービートル基地が出てくる度にテッド・コード観たい欲が高まったもんね。しかし観れるかどうかわからんがテッドがDCUで観れるのはいつだろ?『ブルービートル2』?そんなの作られるかどうかもわかんないけどね。ジェームズ・ガンが如何にも好きそうな『ブースターゴールド』のドラマを待った方が多分確実。『ブースターゴールド』には95%出てくる。ブースターゴールドの親友だもんね。
そんな感じでアクションシーンが子供っぽくて全部退屈……という致命的な短所はあったものの、その短所があって尚、好きでした。DCEU作品内でも……3番目か4番目くらいに好きな、結構上位でした。

次のDCEU作品は来月……2024年1月12日公開のDCEU最終作『アクアマン/失われた王国』(2023)。さようならDCEU。

 

 

 

 

そんな感じでした

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Blue Beetle (2023) - IMDb
Blue Beetle - Rotten Tomatoeswww.youtube.com

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