gock221B

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『シャザム!~神々の怒り~』 (2023)/ビリー役の子が聡明な感じに育ちすぎて、賢いビリーが変身したらIQが低いザッカリーのシャザムに変身する印象。しかもシャザムは意地のようにビリー状態に戻らない!⚡


原題:Shazam! Fury of the Gods 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ 脚本:ヘンリー・ゲイデン、クリス・モーガン 製作:ピーター・サフラン 製作国:アメリカ 原作:DCコミックス 製作会社:DCスタジオほか 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ 上映時間:130分 シリーズ:『シャザム!』シリーズ第2作目、DC・エクステンデッド・ユニバース(DCEU)第12作目

 

 

前作はDCEU第7作目の『シャザム!』(2019)。公開当時はザック・スナイダーによるDCEUが不評で、それを嫌ったワーナーが介入して無茶苦茶になって崩壊した直後。その後、何をやっても成功しかしないジェームズ・ワンが監督した『アクアマン』(2018)が大ヒット。今までのザックDCEUから大きく雰囲気を変えて、シネマティック・ユニバースとしての繋がりをあまり考えず単体として楽しい感じのDC映画というのが続いた。でアクアマンに続いたのが前作『シャザム!』(2019)一作目。
興行収益はほどほどだったが楽しくてハートフルで評価は高かった気がする。
僕も結構好きでした。主人公ビリーが生みの親の母を探し当てたら……何とまさかまさか拒絶されて再度捨てられる!という思ってもなかったなかった展開、そして義兄弟で親友のフレディや義兄弟姉妹たちとの触れ合いなどを観て僕の心に爽やかな風が吹きました。あとシャザムのアメコミで最もカッコいい変身もね。
だが一作目の後すぐに製作が始まった2作目の本作は、情報を聞いても予告編観ても一切アガらなかった。なんかこう……凡庸すぎて。
で、コロナ禍とかで延期になりつつ本作が公開される頃は「DCEUが終了し、ジェームズ・ガン&ピーター・サフランによる新しいシネマティック・ユニバースDCUが2025年から始まる」という事になり、つまり「本作の続きは(恐らく)作られない」というテンション上がらない状態で公開された。ワーナーもまた匙を投げてるのか大して宣伝もせず興行収益も大したことなかった。それだけでなく評価もボロボロだった。なんかMCUが覇権になって時が経ちすぎたせいかアメリカ本国では3年くらい前から「DC映画はダサい」みたいな風潮ができたらしい?
本作を観たら別にそこまで酷くないし、まぁまぁ楽しめたのだが「これはバカにしていい」という対象に選ばれてしまったがためにボコボコにされた……という『モービウス』(2022)の、いじめられ方と似てて何か後味が悪い。まぁ『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)『ブラックアダム』(2022)も本作も『ザ・フラッシュ』(2023)も、全部コケてるので次に公開される『ブルー・ビートル』(2023)も全く宣伝されてないよね。ジェームズ・ガンのDCU一作目『スーパーマン レガシー』(2025)までは全部敗戦処理的な、客はともかく配給する会社にモロに見捨てられてて悲しい。
そういえば公開前に主演であるシャザム役のザッカリー・リーヴァイが「新型コロナウイルスのワクチン接種への考え方をツイートして炎上した。「うわ……シャザムの人、反ワクやん……」と引かれてしまった。これもイマイチだった興行収益やバカにされまくった一因だったんだろうな……というかこれがめちゃくちゃデカそうだね。

ネタバレあり

 

 

 

 

前作『シャザム!』(2019)のStory
孤児ビリー・バットソン(演:アッシャー・エンジェル)が魔術師シャザム(演:ジャイモン・フンスー)に勇者として選ばれ、スーパーパワーを持った大人の超人シャザム(演:ザッカリー・リーヴァイ)に変身する能力を得た。
悪の超人Drシヴァナを倒したビリーはバスケス夫妻の家で共に暮らす5人の義兄弟&義姉妹にもパワーを分け与えた――

本作のStory
シャザム
(演:ザッカリー・リーヴァイ)に変身できるx里子の少年ビリー・バットソン(演:アッシャー・エンジェル)と、同じくスーパーパワーを得た義兄弟&義姉妹バスケス夫妻の家で暮らしながら事件が起きるとフィラデルフィアの街を守っていた。そんなある日”アトラスの娘たち”がシャザムの神のパワーを狙ってきた――

そんな話。
シャザムと義兄弟&義姉妹は三人の女神と戦う。ビリーと義理の両親やフレディと女神アン……といった感じで他者との触れ合いとかあるが、前回ほどヘヴィではなくほっこりした感じ。三女神も白人ヘレン・ミレン、アジア人ルーシー・リュー、ラテン系レイチェル・ゼグラーと、どういうわけか人種が違う多様性姉妹。まぁ女神だからね。次女のルーシー・リュー演じるカリプソが長女(ヘレン・ミレン)に下剋上してラスボスになるんだが、彼女らはただ「悪くて強い」だけという割と薄っぺらい敵なので特に特筆するところはない。

三姉妹の末っ子”アン”こと女神アンテア(演:レイチェル・ゼグラー)はビリーの義兄弟かつ一番の親友フレディ(演:ジャック・ディラン・グレイザー)と仲良くなる、悪い女神ではない。
フレディは片足が不自由で杖付いてるのにアンに絡むいじめっ子に立ち向かって杖を曲げられ腹パンされる。それでアンに好かれて仲良くなる。幾らシャザム化できるという裏付けがあるとは言え凄い勇気ある男子で、ここは少し心が動いてグッときた。
それにしても前作のポスクレで、スーパーマンにも認められたところを見せたのにまだいじめられてるんだな。フレディの勇気はよかったけど、こーいう感じでストーリーの展開のために前作での進展がなかった事になるのはちょっと嫌。
そういえば女神アン役のレイチェル・ゼグラーは、ディズニープリンセスみたいなポジティブな可愛さだった(本当にディズニーのCGアニメに出てくる美少女顔)……とか思ってたら実写版『スノーホワイト(邦題不明)』(2024)で白雪姫役をやるんだね。で悪い魔女はワンダーウーマンことガル・ガドットがやるらしい。どっちもピッタリ合ってるね。

ビリーはといえば「里子なので18歳になったらバスケス家を出てかなきゃならんかも……」という不安が鎌首をもたげていた。
その不安からの現実逃避としてシャザムに変身しっぱなしでチームシャザムによるヒーロー活動を多めに行っていた。だが全員、頭脳やコミュニケーションは子供なので言動や振る舞いの子供っぽさや建物への被害が多かったりして「フィラデルフィアの恥」と呼ばれイマイチ市民から尊敬されていない感じ。
そんな感じでビリーは、シャザムだけが入室できる空間に入り浸っていた。
で、前述した通りザッカリー・リーヴァイは反ワクがバレてバカにされてたのだが彼が演じる「ビリーが変身したシャザム」は、かなりアホって感じのキャラなので個人的には反ワクと言われても大してイメージダウンにはなってなかった。
それよりザッカリー・リーヴァイは座長としてデヴィッド・F・サンドバーグ監督と共に現場でトップに君臨していたせいか、本編であまりにも「シャザムに変身しっぱなし」で、ビリーくん状態のシーンが少なすぎる。「もうちょっとビリーに戻ったれよ!」という気持ちになった。前半、ビリーが学園で過ごすシーンも入れたれよ。
で、ビリー役のアッシャー・エンジェル氏は成長もして凄く賢そうで繊細そうな美少年に成長してるのに、シャザムに変身したらアホのザッカリー・リーヴァイになってしまうのが「シャザムに変身したらIQ下がるのかな?」と思ってしまった。
というかザッカリー・リーヴァイのシャザムが完全にカートゥーンの……海外アニメのおもしろキャラクターみたいな演技なんだよね。ビリー状態は割と繊細そうなので「同じ人か?」と思ってしまった。
一方で義姉メアリー(グレイス・キャロライン・カリー)は義兄弟&義姉妹の中で唯一人、変身前もシャザム状態も同じグレイス・キャロライン・カリーが演じている。前作ではまだ幼くて少女役してたグレイス・キャロライン・カリーが完全に大人になったからこうなったんだろうね。前作ラストでシャザム化したメアリーは違う人が演じてた。
メアリーも演じてる俳優も好きなのだが、本作のメアリーは進学の勉強をずっとしてるだけで出番が少なかった。短い空中戦があったくらいか。あとシャザム化した状態でグラサンかけてるのが可愛かったくらい。
それより黒人少女の末娘の子は、シャザム化状態のスタイルが凄すぎるし、子供状態でも一番活躍していておいしい役どころだった。
アジア系の子と大柄の子は殆ど何してたか覚えてないくらい出番なかった。里親夫婦の方が出番多いまであった。

 

義兄弟&義姉妹は悪い女神ヘスペラ&カリプソに最初のバトルでパワーを吸い取られてシャザム状態に変身できなくなってしまう。
だから彼ら彼女らは両親や魔術師シャザムや女神アンと共に車やユニコーンに乗って、悪い女神が街に放ったモンスターを倒したりと活躍していた。
これはこれで悪い場面じゃないんだけど、前述の「スーパーマンが来て友達だって言ってくれた」のにフレディへのいじめが変わってなかったのと同様に、前回ラストで全員変身できるようになったけど処理できなかったのか結局ビリー以外全員変身できなくなり只の子供状態でサポートする……って皆が変身できるようになった展開も全部白紙に戻っちゃってるよね。こういう後退ちょっと苦手なんですよね。
で、何だかんだビリーのシャザムの自己犠牲で悪い女神カリプソを倒す。しかしビリーの命も……魔術師シャザムの神の力も枯渇してるのでビリーを助けられない……と思ってたら例の曲と共に「神ならここにいるわよ」とダイアナが来て神パワー注入でビリー復活……皆のパワーも……めでたしめでたしというカメオ出演は一応意味あるから良いんじゃないか?と思った。
「パワー欲しい人~?」と言われてバスケス夫妻も手を挙げてたのが良かったね。わかんないけどバスケス夫妻もシャザム化してたら面白いね。
もう続きなさそうだから書くけどポスクレ1は、シャザムの元をスーサイド・スクワッドJSAの司令官アマンダ・ウォラーの部下、ハーコート(演:ジェニファー・ホランド)とエコノモス(演:スティーヴ・エイジー)が訪ねてくる。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)『ピースメイカー』(2022)でお馴染みの二人。『ブラックアダム』(2022)にも出てきてた。もう終わっちゃったけどウォルター・ハマダ期のDCEU後半でMCUでいうニック・フューリーみたいに、複数の作品を繋ぐ役割がアマンダ・ウォラーそのパシリとして毎回出てきてたのがハーコートとエコノモス。ハーコート役のジェニファー・ホランドジェームズ・ガンの奥さんだね。ジェームズ・ガンTwitterでアンチに「DC作品に妻ばっか出すな!」と絡まれて「『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)以外は俺がキャスティングしたわけじゃないしお前ら文句言いたいだけだろ」と言い返してました。
シャザムは憧れのワンダーウーマンやスーパーマンがいるジャスティス・リーグへのスカウトだと思ってたがハーコート達が来たのはジャスティス・ソサエティへの勧誘だったというオチ。
ジャスティス・ソサエティ『ブラックアダム』(2022)にもガッツリ出たジャスティス・リーグより上の世代のベテランが多く居るヒーローチームですね。
この後、冷静に考えたら「シャザム!」シリーズとしてはブラックアダムとぶつけたかっただろうから、ブラックアダムとぶつかる予定でジャスティス・ソサエティ入りさせたんだろうね。アマンダ・ウォラーはブラックアダムを捕らえようとしてたから。
だがドウェイン・ジョンソンはどういうわけかシャザムとの共演を嫌って「スーパーマンと戦うぞ~」みたいな訳分からんポスクレ作ってましたよね。シャザムとぶつかるとなるとヴィランではないもののブラックアダムはライバルキャラみたいな感じに落ち着く、ドウェインはそれが嫌だったのでシャザムを一旦迂回して「ブラックアダムはスーパーマンと同格だぜ!」という流れにしたかったんだろうね。まぁ2作とも続きはないので今はもうどうでもいいけど……。
本作は、前作『シャザム!』(2019)よりかなり落ちるし、かなりアホっぽい『ブラックアダム』(2022)よりも下の印象でしたね。ハッピーなラストは良かったけど。

全然期待してなかったけど、やっぱ性格の良い子達が頑張ってて妙にハッピーな終わり方もホンワカしてたし「何回も観たい」「ずっと忘れられない」なんて事は全くないけど最後まで楽しむ分には充分に楽しめました。
結局シャザムは新DCUには出るのかな?ちょっと本作がコケたから微妙か。
次はアメリカ本国でDCEU第14作目の『ブルー・ビートル』(2023)がひっそり公開されるらしいが日本での公開は未定。その次がDCEU第15作目にしてDCEU最終作『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』(2023)がアメリカ本国で12月に公開されて終わるけど日本公開日は来年らしいね。

 

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com『ワンダーウーマン』(2017)/ダイアナの純粋さとスティーブの高潔さ。女性ヒーロー映画を最初に手掛けたのが偉い👸🏻 - gock221B
『ワンダーウーマン 1984』(2020)/凄く魔法少女アニメっぽい内容。正論のみのダイアナと聖人トレヴァーと捨て置かれるバーバラ👸🏻 - gock221B
『ブラック・アダム』(2022)/ドウェイン・ジョンソンのDCEU一夜城。意外な楽しさとジャスティス・ソサエティの良さがありました⚡ - gock221B



〈DCEU以外のデヴィッド・F・サンドバーグ監督作〉
『ライト/オフ』(2016)/それなりには面白かったが、短編と予告編で全てを出し切ってた印象👻 - gock221B

『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では割と凡作👧🏻 - gock221B

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Shazam! Fury of the Gods (2023) - IMDb

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