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映画の感想ブログ 😺 おしずかに‥〈Since.2015〉

「シャザム! (2019)」一人の男は壁を見ていた、もう一人の男は鉄格子からのぞく星を見ていた。君はどっちだ? ⚡

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原題:Shazam! 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ 製作総指揮:ジェフ・ジョンズほか
製作国:アメリカ 上映時間:132分 シリーズ:通称DCエクステンデッド・ユニバース

 

 

 

⚡「これは面白そうだ」と思いつつも同時期に「MARVELのキャプテンマーベル」こと「キャプテン・マーベル」そして11年観てるMCU最初の最終回「アベンジャーズ/エンドゲーム」の公開が近かったため「ちょっと今、完全にMARVEL気分だから、舌をDCに変えたくないな」と思い「悪いがレンタルでいいか」と、行かなかった。あと本作の監督が撮った死霊館バース作品「アナベル 死霊人形の誕生」が、死霊館バースの中で唯一そして一番面白くなかったというのもあった。
本作の原作の最初のタイトルが「キャプテンマーベル」だった複雑な経緯や、福田雄一菅田将暉などによる合ってなさそうな吹き替えやシンプルにクソ面白くもないオモシロ宣伝などが炎上した(各社携帯会社のCMに通じるおもんなさ)‥などの余談は面倒くさいのでそれは省略する。僕は字幕で観た。
原作シャザム!についてはクロスオーバー大作に彼が出たのを見かけるくらいでちゃんと読んだことない。だからオリジンや基本的な設定くらいしか知らん。あとはメアリー・マーベル(本作のメアリー)がめっちゃ可愛い事くらいしか知らん。あとはTwitterで「あの人アメコミ読みだした」と思ったらシャザム!にめっちゃハマり、やがて日本語に翻訳するようになられたり原作コミックでペンシラーになったり‥完全に中の人になられていく様子を、特に知り合いでもなんでもないがつぶさに見てたので「好きな力って凄い」とシンプルに応援していました。

⚡DCワーナー映画的には、「ジャスティス・リーグ」の記録的な大失敗、「ワンダーウーマン」「アクアマン」などの今までと違う明るいDCが超絶ヒットしたため、シネマティック・ユニバースとしての繋がりを稀薄にし、一本一本に集中する制作に切り替えた。実際面白い作品ばかりになってきたので当分これでいいと思う。
「ポジティブなヒーロー路線がうまくいってそれを基盤とした後にダークなの作れや!」と10年間思ってたので今のところ思い通りになってると言えるが、ワーナーDCは、一度成功したら見向きもされなくなるまで、その同じパターンを繰り回すところがあるので今度は「この中国ウケする明るく楽しい路線が(劣化するまで)連打されるんじゃないか?」という不安もある。エズラ・ミラーがダークなフラッシュを提案して没にされたらしいしね。まぁ今のところ面白いので問題なしです。DCのシネマティック・ユニバースと言えばTVのアローバースの方が上手くいってる印象だね。
また、昔から好感持てない奴が次々とコロコロと変わる印象のワーナー・ブラザース上層部的には、日系人CEOケビン・ツジハラが抱いた女優をワーナー作に出していた‥という不倫と枕営業の合わせ技が報じられて3月に辞任した。次のCEOは初の女性、元BBC幹部のアン・サーノフが就任した。今度こそ良い感じの人であって欲しい。

もうレンタルも始まったので、ネタバレありで

 

 

 

※このブロックは感想じゃなく、あらすじパートなので次の空白行まで飛ばしてOK。
⚡幼い頃に母と生き別れた身寄りのない白人の孤児〈ビリー・バットソン〉。
母を探すために家出を何十回も繰り返していた14歳になったビリー、今度は親切な里親〈ビクター&ローザのバスケス夫妻〉のグループホームに入居。
そこにはビリー同様、バスケス夫妻に引き取られた少年少女が居た。
足が不自由でスーパーヒーローに憧れている14歳の白人少年〈フレディ・フリーマン〉、大学進学を控えた優等生風の白人少女〈メアリー〉、人見知り大柄白人少年〈ペドロ〉、アジア系ハッカー少年〈ユージーン〉、抱きつき癖のある幼い黒人おしゃべり少女〈ダーラ〉という少年少女も住んでいた。しかしビリーは今まで通り、彼ら義理の家族になかなか馴染めずにいた。
ある日突然ビリーは〈謎の魔術師(ジャイモン・フンスー)〉によって異次元に存在する宮殿〈ロック・オブ・エターニティ〉に召喚され〈選ばれし者〉だと認められた上で〈スーパーパワー〉を授けられる。
ビリーが魔術師の真名“Shazam(シャザム)”を唱えると、稲妻と共にスーパーパワーを持った筋骨隆々の成人男性〈シャザム(ザッカリー・リーヴァイ)〉に変身した。
さっそくヒーローオタクのフレディと共に色々なパワーを試すシャザム/ビリー。
シャザムは〈神々や英雄の七つの力〉を有していた。Sはソロモン王の知恵、Hはハーキュリーズの怪力、Aはアキレスの勇気、Zはゼウスの力、Aはアトラスの体力、Mはマーキュリーの駿足‥‥これら魔法由来の力によってシャザムはスーパーマンと互角のスーパーパワーを得る。
しかし見た目は大人のヒーローでも、中身は思春期の少年のまま。フレディと一緒にスーパーパワーを無意味な事ばかり使ってはしゃいだり些細なことで喧嘩していた。
ところがそこへ、シャザムのパワーを狙う〈Dr,シヴァナ(マーク・ストロング)〉が現われる。彼は魔術師が封印していた七つの大罪の力を借りてシャザムに匹敵するパワー手に入れた邪悪な科学者。シヴァナはフレディを人質にする。
フレディや家族を守るため、七つの大罪に立ち向かうシャザム/ビリーだったが―
みたいな話。

 

 

 

⚡結論から言うと評判通り、ここ20年のDC映画でこれが一番おもしろかったかも。
本作、レゴバットマンワンダーウーマンの中盤まで‥この三本が好きなDC近代映画。
まずシャザムのオリジンや、魔術師による選定や七つの大罪などの基本設定が凄く何百年もかけて語られてきたどこかの国の神話っぽくて面白い。幼少期に西遊記三国志など古の英雄物語で得れる懐かしい面白さ。そして、この監督はジェームズ・ワン門下なせいかホラー描写やジャンプスケア(間を外してビックリさせる演出)が異常に上手かったし。結構怖い場面多いですよね。子供が観たらかなり印象に残ると思う。
シャザムは顔丸出しなこと以外は日本人ウケするヒーローだと思う。まず変身によって変身前と変身後の姿が全く違うのもそうだし、シャザム稲妻も滅多に使わないとはいえ必殺技っぽいしね。戦闘中に子供の姿に戻って敵の股をくぐって背後に回り込んで再び変身して攻撃!‥など、まるでゲッターロボのように変身を戦闘に活かしてる様が新鮮で楽しかった。
このページの一番上に貼った「ビリーくんがビルの屋上から海老反り大ジャンプして『シャザム!』」と変身して飛び立つシーンとか超カッコいいし、カーニバルでビリーくんが闘志をまとって静かに歩きながら静かに「‥シャザム‥!」と変身する場面がめっちゃカッコいい。
変身を使ったギャグも多いし、ここまで変身を上手く使う映画は他にないだろう。
MARVELキャラはリアルさや身近さが強い「現実の人間の延長」という印象のヒーロー像だが、DCヒーローは打って変わって完全に「地上を歩く神々」としての側面が強い。少し前までのDC映画では、その神っぽさが全部悪い方向に行ってる印象だったが本作は、その「地上を歩く神シャザムや魔法」と「正義の心を持った孤児ビリーや環境」のバランスや描写の塩梅が絶妙だった気がする。
魔術師によるシャザム候補チャイルドの選定シーン。シャザムとフレディが能力テストしたりイタズラする楽しい場面。終盤のシャザムチーム vs.七つの大罪など、どれも古いコミックや昔話のような大らかさで楽しい。フレディがシャザムの顔を銃撃させたり火を点けたり、調子に乗ったシャザムのせいで大勢が死にかける場面とか、どれも少しさじ加減が違えばヤバいシーンになってしまいそうだが、その辺は古いコミックのようにおおらかで楽しいシーンって感じに描写されてるから気にせず楽しめた。
それでいてビリーや孤児達の描写はリアルで、これがヒーロー・シャザムの大らかなシーンや映画全体のざっくりした神話っぽい全体像とギャップが合って、お互いがお互いをひきたてていた。
幼少期のビリーが母と生き別れるシーンとか、めっちゃ怖い。
「DVが横行する酷い家庭」であるとか「事故でママが死んじゃった」などのドラマチックな出来事が原因で生き別れるのなら飲み込みやすいのだが「カーニバルでママと楽しんでてママに買って貰った大事なオモチャが落ちて転がって追いかけたら迷子」になって、そしてそのまま永遠に会えない
‥とか、幼い子が見たら震え上がるような場面だ。自分も小さい時にこんな妄想して怖すぎて失神しそうになった。しかも警察に保護されて、施設を転々としてるのにママが一向に会いに来ないまま10年以上経ってるというのも怖い。まぁそこから察せられるリアルをビリーは中盤で見てしまうのだが。ビリーよりママの方が弱いのでビリーはママを諦める、そして新しくファミリーを作る、そんな決着が良かった。

⚡Dr.シヴァナはアメコミ映画では定番の「主人公の影としてのヴィラン」なんだけど、たとえば少し前までのMCU作品では「ヒーローの影としてのヴィラン」は割とヒーローを立たせるだけの敵って感じで印象が薄かった(最近は敵にも力入れるようになったけど)。でも、このシヴァナには結構力が入ってたのでシャザムとの対比が面白かった。家族との確執、子供の時持ってたおもちゃ、7つの力がどうなるか‥あらゆる事が対比になってて面白い。
なにしろ、映画にまず最初に出てくるのがビリーじゃなくてシヴァナ少年、というのが良い。よくあった一昔前のつまんないヒーロー映画だったら孤児ビリーの日常描写をやった後シャザムの力を授かる‥とダラダラ描写して退屈させられてただろう。
元々、父や兄に軽んじられていたシヴァナは、魔術師によってシャザム候補としてロック・オブ・エターニティに召喚されるが七つの大罪の邪悪な力に惹かれたため「不適格者」の烙印をおされて送り帰される‥。数十年後、調査と研究の結果、再びロック・オブ・エターニティに行ったシヴァナは、純粋さを持った者しか得れないシャザムの力ではなく、迷いなく七つの大罪の封印を解いて邪悪な力を持った男となり、現世に帰って父と兄、社員を皆殺し。もう人の道には引き返せなくなったスーパーヴィランとなる。
父と兄に疎んじられて自己肯定感の低かったシヴァナは、勝手に呼ばれてスーパーパワーを持てると一瞬だけ、ぬか喜びさせられ、そして「要らない子」だと言われてしまう。
その後、悪人になったのは100%シヴァナのせいなのだが「ちょっと魔術師のやり方も酷くね?」と同情の余地が若干あるのが本作の面白さを高めてますよね。魔術師は、不適格の子供を送り返す時に記憶を消せば、シヴァナに七つの大罪を奪われなかったのにね。
ちなみにシヴァナは、七つの大罪のパワーを得たと自分では思ってるっぽいが、実際には七つの大罪のために使役されている器のような存在らしい。「自分の命令を聞く軍を得た」のではなく「ヤクザがいつでもチンピラを貸してくれる(だがもう抜けられない)」という感じなのだろう。
シヴァナはビリー達が住むバスケス夫妻の暖かい家を見て嫉妬し「ゴミ溜め(Shithole)」と呼ぶ。2018年、トランプ大統領がアフリカ諸国を指して言った心ない呼び方だ。本作のそれは、当然トランプからの引用だろう。奇しくも同時期に公開された”MARVELのキャプテン・マーベル”こと「キャプテン・マーベル (2019)」でも、敵のミン・エルヴァが地球を指してShitholeと言ってたし、トランプが如何にアメリカの良識ある人々に嫌われたかが伺える。
シヴァナと七つの大罪という共依存のスーパーヴィランは、ビリーと兄弟姉妹の正しい団結によって敗れ去る。
ひとりの囚人は壁を見ていた、もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた。ビリーはどっちだ? もちろんビリーは星を見るわ‥家族に会うまで‥‥星の光をみていたい。
変身時の稲妻でトドメを刺したりポストクレジットでミスター・マインドが出てくる‥などは予想通りだったけど、シャザムチームとかスーパーマンのオチなどは予想してなかったので単純に楽しい驚きだった。
欲を言うならフレディ以外の兄弟姉妹やバスケス夫妻など家族のシーンが前半中盤にもう少し欲しかった気もする、‥が、時間が足りないからそれは仕方ない。
そういえばシヴァナが家に強襲してきた時、バスケス夫妻が留守で子供しか居なかったのが凄く良かったね。これと普通の大人は行けないロック・オブ・エターニティー空間など色んな要素が、まるで本作は子供達の妄想だったかのような「ラビリンス 魔王の迷宮」「ネバー・エンディング・ストーリー」などのジュブナイル・ファンタジー感を感じさせてよかった。警察とかマスコミもシャザムを観測してるんだけど、どこかフワフワしてるのもいいね。大人たちは子供達の世界には入ってこれない。子供達の世界に入ってこれるのはシヴァナだけだが、彼で子供の時に悪い意味で時間が止まってしまった人だからね。だからシヴァナだけはビリー達子供の世界に入っていけたのかもしれない。

 

 

 

⚡それにしても、この監督の「アナベル 死霊人形の誕生」にも「大勢の孤児が住む施設」「足が不自由な子供」が出てくるのが共通してるね。それが、この監督のオブセッションなのか?それともワーナーが「死霊人形の誕生」を観て「こいつ大勢の孤児たち描くの上手いやん」と思ってシャザムに起用したのか?それとメアリー役の女の子は「死霊人形の誕生」でも似たような年長者の孤児として出てた。同じ監督による「ライト/オフ」と「死霊人形の誕生」はジェームズ・ワン制作ホラー群の中でも結構つまらない出来だったけど、本作は文句なく楽しかったね。この監督はシリアスなものより楽しい作品や派手な作品の方が得意な監督なのかも。ちなみに本作が面白かったので死霊人形の誕生を見返してみたがやっぱりイマイチだった。
太古すでに誕生してどこかにいるらしいブラック・アダムもドウェイン・ジョンソン主演でやるってかなり何年も前から言ってたけど何時やるんだろう。「シャザム!2」と「ブラック・アダム」を個別にやって両者がぶつかる作品が作られる感じ?

⚡次のDC映画は、同じユニバースじゃない別世界の単体作だけど10月に「ジョーカー」、本作と同じDCシネマティック・ユニバース作品としては2月にハーレイクイン主人公のヒーローチームもの「バーズ・オブ・プレイ」がある。

 

 

 

そんな感じでした

DC・エクステンデッド・ユニバース

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった🦇 - gock221B

「スーサイド・スクワッド (2016)」めちゃくちゃ面白そうな予告編から繰り出された信じられないほど面白くない映画🤡 - gock221B

「ワンダーウーマン (2017)」ダイアナの純粋さとスティーブの高潔さ。女性ヒーロー映画を最初に手掛ける事に皆が躊躇してた中やったので一番偉い👩 - gock221B

「ジャスティス・リーグ (2017)」ニチアサ感が強いがまとまってた。だけどワンダーウーマンのケツばかり映すのやめろや - gock221B

「アクアマン (2018)」明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シチリア島での地上戦と半魚人トレンチが好きでした🧜🏻‍♂️ - gock221B

 

同じデヴィッド・F・サンドバーグ監督作

「ライト/オフ (2016)」それなりには面白かったが、短編と予告編で全てを出し切ってた印象👻 - gock221B

「アナベル 死霊人形の誕生 (2017)」10本近くあるジェームズ・ワン制作ホラーの中で最も凡作でした👧 - gock221B

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www.youtube.com

シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

 

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