gock221B

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『スクリーム6』(2023)/前作同様にラストバトルが爽快で面白い新シリーズ。登場人物の身体がランボー並に頑丈🎭🔪


原題:Scream VI 監督:マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット 脚本:ガイ・ビューシック、ジェームズ・ヴァンダービルト 製作総指揮&出演:コートニー・コックス 原作:ケヴィン・ウィリアムソン 製作国:アメリカ 上映時間:122分 シリーズ:『スクリーム』シリーズ通算第6作目(リブート新シリーズ第2作目)

 

 

ウェス・クレイヴンが監督してたメタ・スラッシャーホラー映画の人気シリーズ『スクリーム』。それをガイ・ビューシック監督とジェームズ・ヴァンダービルト監督が引き継いで作った第5作目『スクリーム』(2022)アメリカ本国では超大ヒット、それに続く第6作目である本作も大ヒットした。しかし日本では2本とも劇場公開されずDVDスルー。日米で温度差が凄いね。日本でもそこそこ人気あった気がしたんだが……とにかくレンタル始まった数秒後にアズスンアズ観た。
で話は戻るが、そのウェス・クレイブンじゃない第5作目(新シリーズ第1作目)である前作『スクリーム』(2022)は実際面白かった(というかシリーズ全作の中でも1、2を争うくらい面白かった)。第5作目なのに『スクリーム』(2022)と、タイトルからナンバリングを外したのは「前の4つ観てないから観るのダルい」と若者が観に来なくなるのを懸念して外したんだろう。それがヒットして軌道に乗った本作では”Scream VI”とナンバリング復活させたもんね。シリーズ再生に成功したってわけだ。
前作『スクリーム』(2022)、ナンバリング外したので完全に別物みたいなリブートかと思って観たら、旧キャラは出てくるわ過去作のセオリーを全編バンバン使ってるし……正直、過去作を最低でも数本観とく必要がある……とりあえず一作目『スクリーム』(1997)は観といた方が良くて、あともう一本だけ見れるなら『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(2011)でいいか(前作と本作に4のキャラが出てくるから)。
本作は続編を重ねるたびに過去キャラや”このシリーズだけのお約束”を異常に大切にして捨てずに続編を積み重なた結果、もう4作目以降から「登場人物全員の気が狂っている異常な世界」みたいになってきている。

このシリーズの特徴は第一作目から、登場人物たちが「これがホラー映画なら分かれて行動すると危険だから一緒にいよう」「自分は童貞だから殺されないはずだ」などメタ的な台詞が多く、スラッシャーホラー映画のクリシェ(お約束)を台詞や劇中の展開に取り入れている。「最近のホラー映画について」などを劇中で議論する事も多い。

 

ゴーストフェイス
そして毎回の敵、マスクを被った殺人鬼”ゴーストフェイス”が毎回連続殺人事件を起こすのだがマスクをかぶった正体は毎回別人、第2作目のゴーストフェイスは一作目のゴーストフェイスや後続のゴーストフェイスは「過去のウッズボローの殺人鬼ゴーストフェイス」の模倣犯。そして毎回「登場人物の誰がゴーストフェイス?」というミステリーを仕掛けてくる。一作目の初代ゴーストフェイスが二人一組で神出鬼没さを演出してたので歴代ゴーストフェイスも二人一組なことが多い(単独犯の時も一回あった)。
マスクを被っている間のゴーストフェイスは基本的に二人一組の匿名であるがために毎回「全てを仕組んでいるしワープもする超常的なキャラクター」のように描写されている。だが毎回「ゴーストフェイスの勝利確定!」となったクライマックスでマスクを取って素顔を晒して自分の所業や想いをベラベラ喋ったら途端に弱くなって主人公に敗北する……「匿名の複数人」というのが強さだったのにそれ捨てたら単純にシバキ合いになっちゃうからね。つまりゴーストフェイスの弱点は「自己顕示欲」という事になる。そもそも黙って殺せば騒ぎにもならんわけだしね。
とはいえマスクを被ってる時のゴーストフェイスの強さは素顔の時の10倍くらいと差がありすぎて、何作か観てると「殺人犯たちはゴーストフェイスにマスクを被らされる事によって受肉したゴーストフェイスに動かされてるんじゃないか?」とさえ思えてきてしまう。それが面白いところ。
ゴーストフェイスの殺人動機は売名だったり恨みだったり様々だが、ジェイソンみたいに目についた者を手当たり次第殺すわけではない。ゴーストフェイス自身またはターゲットの者たちがホラー映画を好きな事も多く、何らかのテーマの元に殺す。その殺す順番や場所やシュチュエーションなどを元にターゲットされた主人公たちや観客はゴーストフェイスの正体を推理したりするのが特徴。
裏をかいたことしてきたり逆にかかなかったりする。ホラー好きの仲間が「この今起きてる事件がホラー映画だったとしたら前作とは真逆の展開になるはず!だから俺が一人で上の階に行っても大丈夫なはず!」と上に行って大丈夫だったり殺されたりする。
……結論から言うと推理しても無駄な結果に終わる、それもまた可笑しい。


『スタブ』
また毎回中身が違うゴーストフェイスによる連続殺人の一部始終は、劇中でレポーターのゲイル(演:コートニー・コックス)が著書として出版したり、その本が劇中でハリウッド人気ホラー映画『スタブ』シリーズとして映画化されている。だから本作に登場する登場人物は「過去に起きたゴーストフェイス事件を『スタブ』シリーズを観て知っている」という前提があるのも特徴。また劇中で登場人物が『スタブ』シリーズについて議論することで、この『スクリーム』シリーズについて事故批評できたりもする。

ゴーストフェイス同様に、シリーズ全作共通して登場するシリーズ序盤の登場人物は『スクリーム』世界の中でも、ノンフィクション本や劇中ホラー映画『スタブ』を通じて劇中でもセレブとなっており「レガシーキャラ」と呼ばれ重要視されている。
本作ではレポーターのゲイル(演:コートニー・コックス)と『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』(2011)に出たサバイバーの少女が成長したFBI捜査官がレガシーキャラにあたる。

……とそんな感じの作品がスラッシャーホラー映画の自己批評である『スクリーム』シリーズなのだが、そもそもスラッシャーホラー大作なんて今はこの『スクリーム』シリーズしかないからね。(『ハロウィン』(2018)から続いた新トリロジーも面白い一作目『ハロウィン』(2018)だけで完全に終わってたので、そこで終わっとけば良かったのに無理やり2作作ってどうしようもない感じで終わった)。
そんな中、このシリーズだけが気を吐いてスラッシャーホラーを盛り上げてる。
後はXシリーズ(『X エックス』 (2022)『Pearl パール』(2022))も熱いよね。どっちも好きですわ。

ネタバレあり

 

 

 

 

Story
前作『スクリーム』(2022)で発生したウッズボロー連続殺人事件から生還したサム・カーペンター(演:メリッサ・バレラ)とタラ・カーペンター(演:ジェナ・オルテガ)のカーペンター姉妹。そして一緒に生き残った仲間たちはニューヨークで新生活を始めていた。
そんなある日、カーペンター姉妹に新たなゴーストフェイスが忍び寄る――

このシリーズではアバン(オープニングの前に流れる冒頭の映像)で有名女優がゴーストフェイスから電話がかかってきて殺されて始まる事が多い。
本作の場合、教授役のサマラ・ウィービングだった。サマラ・ウィービングは監督の過去作『レディ・オア・ノット』(2019)の主演だったから友情出演か。
路地でサマラ・ウィービング演じる教授を殺害したゴーストフェイスはさっさとマスクを脱いで正体を見せてしまう。正体の俳優はトニー・レヴォロリだった……MCU『スパイダーマン:ホーム』シリーズのフラッシュ役とか『グランド・ブダペスト・ホテル』(2013)のウェイター役の人。彼は劇中劇『スタブ』のマニアかつゴーストフェイス模倣犯だった。前作、生き抜いた主人公のカーペンター姉妹だが作中のSNSで「実はサム・カーペンターが真犯人!」という陰謀論がはびこっており、それを真に受け、またゴーストフェイスに憧れている彼は相棒のルームメイトと共に、同じ学園に通うカーペンター姉妹を殺害する予定で、その予行演習として悪い成績をつけたサマラ・ウィービング演じる教授を殺したのだった。
しかしそんな彼にも電話がかかってきてゴーストフェイスに殺される。彼は本作での新しいゴーストフェイスではなく、彼もまたサマラ・ウィービング同様の「有名俳優が演じる犠牲者」にすぎなかった……というのが本作アバンのネタでした。
サマラ・ウィービングはマーゴット・ロビーの妹みたいな感じのわかりやす美人で好きだが、トニー・レヴォロリもまたスクリーン持たせ力が凄い。この人は大作の主演すべき存在感あると思う(なんならトムホより好き)。


そんな感じで、ゴーストフェイスおたくのふたりが惨殺されたことによって新たなゴーストフェイス事件が始まり、ウッズボローでのゴーストフェイス禍をサバイブしたカーペンター姉妹とチャド&ミンディ兄妹は戦慄する。
この生き残りの四人は、タラに想いを寄せるチャドによって「コア・フォー」と名付けられる。この四人が、旧シリーズにおけるシドニーやゲイルなどの「主人公補正高すぎて、なかなか死なない旧キャラ」みたいなキャラクター群っていう宣言なんだろう。
更に新しい友だちや警察官、レガシーキャラ……等も加わり『スクリーム』が始まる。

〈コア・フォー〉
サム・カーペンター主人公前作では恋人がゴーストフェイスだった。一作目『スクリーム』の「主人公女性の恋人で実は殺人鬼だったビリー・ルーミス」が実父で、たまに父の幻に話しかけられる。己の殺人衝動に怯えてセラピーを受けている
タラ・カーペンター主人公。サムの義妹。前作で死んでおかしくなかったがブレイク中のジェナ・オルテガが演じているので生き残らせててよかった感
チャド・ミークス・マーティン:本作ではタラの事が好きになる
ミンディ・ミークス・マーティンホラーマニア。同性愛者でアニカと交際中

〈新キャラ〉
ダニー・ブランケット:カーペンター姉妹の向かいに住むイケメン。サムと付き合ってるナイスガイだが素性が不明だし「サムの恋人」は前作では犯人だった
ベイリー刑事
:地元の刑事。ゴーストフェイス事件を追う
クイン・ベイリー:タラのルームメイト。しょっちゅう男を連れ込んでいる
アニカ・カヨコ:ミンディと交際中のアジア系少女
イーサン・ランドリー目立たないオタク系少年
クリストファー・ストーン博士:サムのセラピーを断った精神科医

〈レガシーキャラ〉
ゲイル・ウェザーズ:第1作目から登場しているTVレポーター兼作家。シリーズで起きた事件を著作にして出版しているためスクリーム界のセレブ
カービィ・リード:第4作目に登場した被害者女子高生だったが今はアラサーのFBI捜査官。事件の解決に尽力する

……というのが本作のキャラ。
タラを始めとして「全く怪しくない」キャラも多いが、それはそれで「”全く怪しくない”という怪しさ」が発生するので最終的には全員怪しいと言える。劇中でも自己批評してたが、主人公や過去作の生き残りもトラウマから闇落ちして殺人者になる可能性はある。

中盤までは、登場人物を紹介しながらカーペンター姉妹を中心としたメインキャラがゴーストフェイスに狙われ追い詰められる様子を描く。
今までは屋内での凶行が多かったが、本作ではNYど真ん中のコンビニや満員の地下鉄の中など人が多いところが多く新鮮。

やがて今回のゴーストフェイスは過去5回起きた連続殺人事件で使用されたゴーストフェイスのマスクを殺人現場に置いている事が明らかになる。今回のゴーストフェイスの標的……目的は一体何なのか?
……というところは伏せておくとして、終盤はゴーストフェイスのラストバトル。
主人公サムへの殺人鬼だった今は亡き父の語りかけも多くなり、前作でもあった「サムも殺人鬼になってしまうのか?」という危うさとともに最後の戦いが描かれる。
フンワリとだけ言うとサムもゴーストフェイスになりタラにもその萌芽が見られる。
この新シリーズは、ゴーストフェイスに最後にやり返すパートが爽快で良いです。
どうやらリブート新シリーズは「現代では自らも狼にならないと狼を狩れない」といったテーマがあるのかも。
前作同様、本作も面白かった。……でもどっちかというと前作の方が僅かに上かな?
でも劇中で一番面白かったのは、過去作にも共通してるが主人公補正の高さ、そして刺される事の多さ……などにより全キャラ2、3回づつ腹部を刺されるが「イテッ!」くらいで済む……なんなら20回くらい刺されても平気で生き残るのが可笑しくなってくる。
いくらなんでも頑丈すぎる!
あと、この世界でのゴーストフェイス模倣犯が多すぎるしイカれすぎている。しかし現実日本のジョーカー模倣犯もそうだが、キャッチーな名前やルックスでくくると模倣犯が発生しやすくなるので、こういった犯人にはできるだけ”ジョーカー”みたいなキャッチーな名前は付けない方が良いと思う。

次回作はまだ情報ないけど、新トリロジーラストだし恐らく「主人公サムが今度こそダークサイドに落ちてゴーストフェイスになってしまうのか?」という話ではないだろうか。で、本当にそうなってタラが仕留めるのかな?まぁまだわかりません。

 

 

 

 

そんな感じでした

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Scream VI (2023) - IMDb

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