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『チャレンジャーズ』(2024)/全編半笑いでテニスのような3Pしてるような不思議な映画。希少なテクノ映画でもある


原題: Challengers 監督&制作:ルカ・グァダニーノ 脚本:ジャスティン・クリツケス 主演&製作:ゼンデイヤ 撮影:サヨムプー・ムックディプローム 編集:マルコ・コスタ 音楽:トレント・レズナーアッティカス・ロス 配給:Amazon MGMスタジオ・ディストリビューション(日本はワーナー・ブラザース) 製作国:アメリカ 上映時間:131分 公開日:Apt 26, 2024(日本は2024年6月7日)

 

 

「C’MOOOOOOOOOOOOOON!!!」(本編より)
そんな映画だった。
ルカ・グァダニーノ監督の映画あんまり観てない。
唯一『サスペリア』(2018)だけ観たことあるのだが、映像は凄くカッコいいのだがピンとこないものがあった。でも、つまらなかったわけではなく、自分が狙いに気づいていないだけ、という自分のせい系のいまいちさだったのでまた観たら面白い気はする。それに主演のダコタ・ジョンソンも良かったのだが、その同僚役で僕が好きなミア・ゴスが出ていたため「ダコタ・ジョンソンが悪いわけじゃないけどミア・ゴスが主人公の方がこの映画には合ってただろ」という気持ちが強かったので曇りなきまなこで観れてなかった気もする、今にして思えば。
そんで本作はテニス・プレイヤーであるゼンデイヤ演じる若い女性と二人の若い男性の三角関係の映画と聞いて、なんだかぴんと来なさそうだなと思った。でも予告編とか観たら映像が凄くカッコいいので配信に来たら観ようと思ってた。

ルカ・グァダニーノ監督といえば、ジェームズ・ガンによる新しいDCコミック実写化のシネマティック・ユニバース〈DCU〉で、『Sgt. Rock』を監督すると去年あたり?報道された。Sgt. Rock(ロック軍曹)は第二次世界大戦ナチスと闘う戦争コミックのキャラらしい(読んでないし、それしか知らない)。
だがロック軍曹は実は一足先にDCUに登場している。実は来月公開の『スーパーマン』(2025)より一足先に凄くひっそり始まった『クリーチャー・コマンドーズ』〈シーズン1〉(2024-2025)コマンドーズの一人、G.I.ロボットのメイン回の第3話で、G.I.ロボットの上官として登場した。グァダニーノ監督による映画『Sgt. Rock』は先代ジェームズ・ボンドを努めたダニエル・クレイグが主演と聞いてうわぁ観たい観たい!と瞬間的に期待が跳ね上がったがどうやらそれはガセだったらしく映画製作も流れそうになってガッカリ……したが、今度は傑作ドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』(2024)で誰だかわからんくらい肥満メイクしてペンギンを演じたコリン・ファレルがロック軍曹役で「2026年から撮影の予定」と聞いて「ダニエル・クレイグの方がいいけどコリンファレルも良い、観たい観たい」と期待が再点火した。

そんなグァダニーノ監督が気になるし、本作『チャレンジャーズ』は一部で人気だったので尚更観ておきたかった。

ネタバレあり

 

 

🧑🏻👩🏽🧑🏼

 

 

タシ・ダンカン(演:ゼンデイヤ)は、男子テニス・プレイヤーの夫アート・ドナルドソン(演:マイク・ファイスト)とパトリック・ズワイグ(演:ジョシュ・オコナー)の試合を観ている。
アートとパトリックの試合では軽快なテクノが流れる。

……トレント・レズナーによる目が覚めるようなBGMでめちゃくちゃ良い。しかも鑑賞の邪魔になるくらい音がデカいのもよかった。おの音を聴くだけで早くも観てよかったと思った。サントラとか毎回記事の最下部に飾りとして貼ってるが今回は先に貼っとくので聴いて欲しい。

僕はミニマルテクノが長い事ずっと好きなのだが「なんで映画にテクノ使わないんだろう?」と長年ずっと思ってたのでテクノ風の曲が流れて凄く嬉しかった。
ここ数年で一番いい劇伴だった。

話を本編に戻して、ゼンデイヤ演じるタシは金髪のテニスプレイヤー、アートのコーチ兼妻らしい。しかしアートが試合しているパトリックとも色々あったような雰囲気。
そして三人がまだジュニア選手だった時に知り合った10年前の回想が始まる。
大人気の天才テニスプレイヤーであるタシ。もうルックスからして何しろゼンデイヤなので10頭身くらいあって脚は果てしなく長く鮮やかな褐色の肌で、そんな彼女がテニスウェアとかスポーツウェア着てるんだから、もう誰が観ても「憧れの女の子」、作中で「誰もが恋をする」とアートが何度も言って言われたゼンデイヤはにやりとするが、そんな設定が嘘にならないのもゼンデイヤならではだろう。
男子二人は子供の頃からずっと一緒の親友兼ライバルのようでゼンデイヤにまとわりつく様は、子犬のようで爽やかささえ感じる。
知り合った夜にゼンデイヤは二人を誘う。
AVなどのエロファンタジーではなく、普通の知性を持った人物の3Pが始まる瞬間ってなかなか観れないので凄く新鮮だった。
男子二人が遅れて「えっ3P!?」「3Pでもいいから彼女と寝たい……というかもう始まってるじゃん!」という感じで「こんな風に始まるのかな?」と思った。複数でSEXしたことないしよく考えてみたら、どうやって始まるのかわからない。男子が手をこまねいていたら積極的な女性がいないと始まらないだろうし。
タシは男子二人と交互にキスする、それで3人でディープキスしてる……そんなごちゃごちゃしてる流れで気づいたら男子二人がディープ・キスしていた。
これはめちゃくちゃ面白かった。
いつの間にか自分に夢中だった男子二人がディープキスしている。タシは二人を「へぇ~……」という何とも言えない表情で見つめる。

ここのタシの表情、正直よくわからない。
監督はゲイを公言してゲイ映画をよく撮ってるし「男子二人はタシに夢中だが、実は自分たちでも気づかぬうちにゲイだったって映画か?」という気もするし尚更タシの感情がわからない……「わからない」っていうのは本作への批判ではなく「僕のような者にはわかりませぬ」というへりくだった意味での「わからない」ね。
この後、去ってしまうので「自分をほっといて二人で盛り上がるな」という怒りにも感じるが、キスする二人を観る彼女は少し嬉しそうだし(上のGIFは仲よく絡むイケメンなどに対して腐女子が萌えてる的な時に使うのがミームとして流行ったらしい)。だからそういう男子二人の絡みを眺める壁になった腐女子的な気持ちなのか?……これもまた自分が男なのでよくわからない。わからないがとりあえず面白くはある。
この前半で起きる3人の3P未遂シーンは作品の背骨のようなところがある。

やがて優しいが奥手のアートと違って若くからプレイボーイだったパトリックが先んじてタシと付き合う。
しかしプライドの高いタシとイケイケのパトリックの間には不協和音が流れ始め、破局。イライラしたタシは荒いプレーで試合中に大怪我して選手生命を絶たれる。
それを慰めたアートと付き合い始める(現実でもよくある流れだ)。
そして親友同士だったアートとパトリックは絶交。アートはタシと歩んでいくことにする。
それでタシはアートのテニスコーチになり、時が流れやがて子供もできる。
一方、パトリックは試合でも精彩を欠いている。生活力がなくその日の食事や寝る場所にも常に困っている……が、プレイボーイのままなのでマッチングアプリで知り合った女の子の家を泊まり歩いている。
だがパトリックだけでなくアートも負けが混んでおり、そんな二人が試合する……そうして冒頭のシーンへと繋がる。
タシはアートが勝てるようにパトリックに交渉したりパトリックの方もタシに再接近したりしながら二人は衝突して……。
そんなところから、異常にカメラワークもテクノ風音楽もかっこよすぎるクライマックスになだれ込みラストへと……。

と、そんな映画で、なんか不倫どころか恋愛という感じでもなく全編、若者が3Pしてる様をストーリーにしたかのような印象。
3Pといってもセクシーではあるが別にいやらしかったりエロいわけではない。そういうことでテニスの試合みたいな3Pが全編繰り広げられてるような映画で、他の映画にはない楽しさがあり、sでいつつも大人になった後半の三人はどこか苦しそうで楽しくなさそうでもある。そんな三人がラストで一瞬開放されて自由になる。だからしみじみ良い映画だったなと思った。
三人が出会った時の不思議な3P現象がまた起きたようなラストというか……。

そういうことで「若い男女3人の三角関係」と聞いてピンとこなかったが昨夜、作業しながら観てたら楽しかった。
さっきも言ったが「不倫」「痴情のもつれ」のようなドロドロした感じは一切なく、最初から最後までテニスの試合みたいな3Pみたいな三角関係で、そんな映画だったので新鮮だった。
こういう内容の映画だと自分の恋愛とかと重ねて語られることが多いが、他人のそういうの読んだら大抵、聞きたくもない話が急に始まったぞ?とか思うので僕は遠慮しておく。
恋愛映画……なんだろうけど個人的には3P映画と呼びたい。そういえばタシが劇中で「私が愛を求めてるように見える?」とか言ってたな。
まるで彼女が「女子は恋愛をするもの」とされている世界から一人だけ切り離されて自由な存在であるかのようでカッコよかった。それはパトリックとの大喧嘩中に言った台詞だから強がりだったのかもしれないが、でも劇中の彼女は終始カラッとしてるし男との付き合いも何だか友情みたいに見えるしね。
そういう意味で不思議な爽快感がある映画だった。

 

 

そんな感じでした

 


 

Challengers (2024) - IMDb
Challengers (2024) | Rotten Tomatoes
Challengers (2024) directed by Luca Guadagnino • Reviews, film + cast • Letterboxd
チャレンジャーズ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

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