gock221B

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『リメンバー・ミー』(2017)/死の香りのする良作だったが、あまりに全て上手くいきすぎな気も‥💀

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原題:Coco 監督:リー・アンクリッチ 製作総指揮: ジョン・ラセター
制作:ディズニー/PIXAR 製作国:アメリカ 上映時間:105分 💀

 

 

 

トイ・ストーリー」シリーズや「カーズ」シリーズの監督であり宮崎駿を尊敬して交流を深めているPIXARの代表つまり覇王。そしてつい最近、PIXAR女性社員やスタッフに望まれないハグしたり彼女達の肉体を勝手に撫で回したり無理にキスしたりして、ラセターがフトモモに手を置こうとする時にさりげなく避ける動作に「ザ・ラセター」という名称が付けられるほどセクハラ行為が常態化していた事が発覚するという、自殺したいほど恥ずかしい事実が発覚して現在、半年間の休職中であるジョン・ラセターが製作総指揮を努め、「トイ・ストーリー3」監督リー氏が監督した本作を「きっと、これを制作してた女性スタッフたちもジョン・ラセターに無理やり下半身を触られたりキスされながら我慢して作ったんだな」と思いながら鑑賞。

 

 

Story
伝説のミュージシャン、ラクルスを尊敬しミュージシャンを夢見るメキシコの少年ミゲル
しかし、ミゲルの家はミュージシャンのひいいひいおじいちゃんが音楽をやりたいがために居なくなってしまい苦労したひいひいおばあちゃんの決めた厳格な掟によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた。隠れてギターを弾いたりデラクルスのビデオを観たり、認知症のひいおばあちゃんココや野良犬ダンテと遊ぶ日々。
ある日、ミゲルは顔が破られた古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんがデラクルスではないかと推測。
デイ・オブ・ザ・デッド(死者の日)のお祭りで一芸を披露するため、デラクルスの墓に忍び込み彼のギターを手にした瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。
そこは、夢のように美しく、死者のガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。
しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルは永遠に現世に戻れなくなってしまう。
ひいひいおばあちゃんを初めとする親族もいたが彼女達は家族の掟があるので彼女たちの手で現世に還ると音楽をできない呪いにかかってしまう。ここはひとつひいひいおじいちゃんであるデラクルスの手で現世に還るしかない。

唯一の頼りは、に会いたいと願う陽気で孤独な死者のヘクター
だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、ここ死者の国でも第二の死を迎えて消滅してしまう」という運命が待ち受けていた。
絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが好きな曲“リメンバー・ミー”だけ。一体どうなってしまうのか
そんな話

 

 


右にも死者!左にも死者!どこもかしこも死者だらけだ(トヨエツ)
これほどまでに「死」の香りが充満したアニメがあっただろうか。いやない
登場キャラクターの殆どが死者。本編の9割は死の国。プロローグとエピローグ以外は死者だらけ。死の香りが充満している。
これを監督したのが黒沢清だったらとんでもなく恐ろしい画面だっただろう
「ミゲルは死者に遭う夢を見た‥」などというボヤかしもなく、ミゲルは死の国で死者に聞かないとわからない情報を持って現世に返ってくるので完全に死者に逢って帰ってきた驚異の少年になっとる。
勿論、恐ろしくならないようにキャラクターたちは終始おどけまくっていて、画面は明るくて美しく楽しい(これによって逆に死を強く感じる気もする)
更に「死者は、生者に忘れられると第二の‥最後の死を迎えてしまう」という未だかつて聞いたこともないほど恐ろしい設定がある。
「死者に鞭打つ」どころではない。死んであの世に落ちた死者を更に死なす!あまりに恐ろしくて何だか死にたくなってきた
ショックを受けるミゲルにヘクターは「まあ‥誰にも訪れる運命だ。今は気にしなくてもいいヨ~♫」
気にするわ!
だが死後の世界があったとしても我々には知覚できないのと同じように、死者が更なる一段階上のレイヤーの死者の死者の世界があるのかもしれん。だがそれは他の只の死者には知覚できない。つくづく「死」というものは生きてる者特有の概念なんだな、とか色々考えさせられた。
そういえば高橋洋が語ってた怪談で「人間には見えない、幽霊にしか視認できない幽霊を見て怯える幽霊の話」があったなぁ。認識できなさすぎて恐ろしいよな
だから、この死の世界ではフリーダ・カーロのような著名人の死者は安泰。
本作には特に出来てきてないがアインシュタインとかがこの死者の国いたとしたら彼などは不老不死なんだろう(それとも、ここはメキシコ人だけが来る冥府なのかな?)
それにしても、この作品のこのストーリーや設定は「親族、先祖を忘れないようにしよう」という事のメタファーに過ぎないのだから厳密に考える必要は一切ないのだが、自分がミゲルになったつもりで考えると「死んだら鮮やかで楽しい世界に行く。そしてそこで生者に忘れられると今度こそ完全に死ぬ」という事を知ったミゲルは現世で今後、どういう気持ちで生涯を生きるんだろう?とりあえず「皆がいる楽しい世界に行く」という事がわかってるのだから我々よりずっと気楽で楽しく生きられそうだ。
土曜日ではなく金曜日の気持ちで生きれるのだから。。
何でもこの映画は「2017年、最も優れた脚本の映画」と言われたらしい。
確かにスキがなかった。そして映画開始で即、楽しくて、納得のオチまであっという間だった。最後はじんわりするし
これはPIXAR作品で、ディズニー作品とは違うかもしれないが「ズートピア」を観た感触に似ていた。
観てる間は凄く面白いし感動もするし欠点もなく「よく出来とるわぁ~!」と思うのだが、観終わってしばらくすると、割とすっ‥と忘れてしまうのは僕だけでしょうか。別に嫌いになるわけではなく記憶から消えやすい。あまりにも何もかもが解決してしまうからだろうか?でも「インサイド・ヘッド」はかなり強烈に覚えてるので個人の好き嫌いかもしれない。
ズートピア」を評して「他人にツッコまれる要素を限りなく減らして、あらゆる方面に気を遣った作品」という批判ぎみの声があるが、本作にも似たようなものを感じた。
当然、ミゲルやヘクターやミゲルの親族達に幸せになってほしいので、事が上手く運んで「よかったぁ~」と安堵して幸福な気持ちで劇場を後にしたのだが、ちょっと事が上手く運びすぎだと思うのは重箱だろうか?
ラスボスが「全て俺の計画通り!」的な自白をし始めるとマイクが声を拾っており、それが死者の国中に響き渡り彼はベルトコンベアー式に失脚してしまう。そして現世に還ると、どういうわけか現世でもそれが明らかとなってラスボスは現世でも名を落とし、真のヒーローが讃えられている。
勿論「そうなって欲しい」と観てるこちらの思うがままなのだが、あまりに何もかもが上手く行き過ぎて、まるでミゲルによる「こうあってほしい」という空想のようにも思えた。
文句というほどの事ではないのだが、そんな感触があったがために「リメンバー・ミー」を歌う終盤の感動シーンで乗り切れなかった。
せめて「現世では悪が明らかになってないが、そんな事はどうでもいい。僕は家族を大事にするし音楽もやるぜ」という感じでよかったのではないだろうか?
というかミゲルは一体どうやって真実を明らかにしたんだろう?
まあいいや。そんな事も思ったりはしたが良い話であることは間違いないので、お子さんを連れて観に行くにはちょうどいいだろう、きっと。。
何か個人的に「インサイド・ヘッド」の時ほどハマらず、あまり褒めてない感じになったが、あっという間に引き込まれて一気に観終えてしまった感触だったので面白いことは間違いない。
そういえばココおばあちゃんの表情や顔面の情報度が凄かった。全キャラの全身分のポリゴンがココおばあちゃんの顔だけに集中してそうなデータ量だった。
あと犬のダンテの忠実なバカ犬っぽい挙動。死者の世界での守護動物?のカラフルさは思わずトランス系のレイヴに行きたくなったし、死者が渡る橋やオレンジの花びら、死者の街などの美しさはマジで凄かった。
一度も演奏したことないのにミゲルの歌が上手すぎて素晴らしかった。
その割に演奏シーンが3、4回しかなかった。もっと街の説明なども全部歌にしてアナ雪みたいなマリアッチミュージカルにしてもよかった気もした

 


そんな感じでした

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