原題:Terminator 3: Rise of the Machines 監督:ジョナサン・モストウ
製作国:アメリカ 上映時間:110分 シリーズ:「ターミネーター」シリーズ
ターミネーター1作目を久々に観て自分の中に小規模なターミネーターブームが起こった(普段は特にターミネーターの事など考えてないが大体、8年に一回くらいの割合でターミネータープチブームが来る)じゃ、次は「ターミネーター2(以降T2)」を観るか‥と思ったがネトフリにもHuluにも無かった。数ヶ月前にはあったんだけど‥まあ仕方ない。2は飛ばして「ターミネーター3(以降T3)」を観ることにした。
僕を含む一部の映画好きだけに人気あるものの、このT3は世間一般では大抵、失敗作と言われて人気がない(似たようなポジションの映画は「エイリアン3」)
ダントツで一番人気あるのは常にT2、次にT1。
そしてT2大好きな人はT3を嫌いというパターンが多い(その理由は長くなるので省略する。君にもすぐ思い浮かぶだろう。それが原因だ)
とにかくそんなわけでT3の低い人気は今後も上がる事はないだろう。
僕はというと、T2は思春期だった公開時の初日に観に行って、ご多分に漏れず凄く面白かったしT-1000のCGに驚き、溶鉱炉で感動したのだが20歳を超えると、何だか妙に悪い意味で少年ジャンプの漫画っぽいノリやウェットな作風のT2が苦手になって今ではT2は全然好きじゃなくなった。
そんな2000年代に公開されたこのT3は、カラカラに乾ききっているしB級映画っぽくて気に入った(僕の評価基準はジョン・カーペンターを中心に据えているのでB級映画っぽさでかなり加点される。イーストウッドは高尚なB級映画でMCUは金のかかったB級映画だ)
だけどそんなT3好きの僕でも、T2の方が絶対に完成度高い映画だということはわかっている。この話はまた後で。
だが、そんな好きだったT3の事も「ターミネーター:新起動/ジェニシス」にガッカリしたから、もうターミネーター自体の事を忘れていた。
T1は昔より面白かったが、T3は久々に観返して果たして10年前のアラサーの時のように楽しめるのか?10年、20年前好きだったものに久々に触れて「こんなもんだったのか」という事はよくある。だけど久々に観たT3はやっぱり面白いままだった。
だがT1~2の監督でありT3~4を嫌うジェームズ・キャメロン監督は現在、シュワ氏とリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーを呼び戻して「2から直接繋がる真のターミネーター3」とも言うべきターミネーター六作目を製作中。
このT3や4や新起動やTVドラマは正史から外れた平行世界の物語になってしまった。
ただでさえ人気ないのに、黒歴史みたいな位置づけになってしまい更に観る人は減ったであろう(もし僕がターミネーターシリーズ未見の人間だったらT3以降は観なくていいや、と思っても不思議じゃない)
今後はますます観る人が少なくなりそうだなぁと 寂しい気持ちになった。
T3好きでT2が好きじゃないからといって、別にT2や今度やるT6アンチになるわけではない。
T2は好きじゃないが完成度の高い面白い映画だという事は認めているし(好き嫌いと良し悪しは分けて考えなければいけない)T6も出来によっては近未来の僕が「T6!T6!」と狂喜の火の玉となって往来を闊歩して逮捕される近未来が来る日(審判の日)が来る可能性もゼロではない。
嵐がくるよ‥
「ターミネーター」一作目の感想の時にも書いたのをまた書くことになりますが、僕が思う「ターミネーター観」というのは「(なるべく)現代を舞台に、なかなか死なない無表情のターミネーターというロボットが延々と追いかけてくるのをサバイヴするSFアクション映画」というもの。早い話が只の鬼ごっこだ。
他には「シュワ氏も出てくる」という要素もある(CGですらシュワ氏が出なくなったらこの条件は消える)。
そしてその鬼ごっこ要素とシュワ氏以外の、シリーズ通してのSF要素などは全て、このターミネーター鬼ごっこを馬鹿馬鹿しく見えないように設置してあるにすぎない。‥というのが僕のターミネーター観。
だからサラ・コナー、ジョン・コナー、カイル・リース、スカイネット、タイムスリップ、審判の日‥‥などの数々はターミネーター鬼ごっこを成立させるための舞台装置に過ぎないというもの。
だからターミネーター鬼ごっこよりもSF要素の方が大きくなると面白さが減少する(T4とかTジェニシスはこの過ちを犯した。T4は面白いけどね)
それでT2は鬼ごっこアクションは最高なんだけど友情や愛情などの人間関係がやたらウェットでベタベタしてるのでプラマイゼロになって苦手。この「T3」は金儲けのために作っただけであろうが、とにかく頭からケツまでドライで乾ききった空気の中でアクションが延々と続いていくので最高です。
色んな映画観てきた中で僕が世界で一番好きな映画はジョン・カーペンター監督の、数百メートル移動するだけの映画「ゴースト・オブ・マーズ」ですからね。去年まではタランティーノの性欲を車に置き換えて女性を責めたり逆に責められたりするだけの映画「デス・プルーフ」がナンバー1映画でした(タランティーノがユマ・サーマンを怪我させた事件の影響で好きじゃなくなって「ゴースト・オブ‥」が繰り上がり一位に)
「T3嫌い」と言う人はよく「美少年救世主ジョン・コナーが猿顔の無職になってしまった」とか言うのですがジョン・コナーを演じてたエドワード・ファーロングは身を持ち崩してゴラムみたいな風貌になってしまったので、クリクリした目の本作のジョンの方がマシなのでもうそこはネックじゃないと思います(というかジョンとかサラとか、ただの歩くマクガフィンとしか思ってないので別にどうでもいい)
だけどSF作品では「設定=舞台設定」そういうものは多いと思うんですよね。
「新世紀エヴァンゲリオン」の黒き月とかアダムとかがどうのこうの‥みたいなややこしい設定は全部「シンジくんの自意識と対人問題」「エヴァと怪獣(使徒)プロレス」の舞台設定に過ぎませんし(だから当時「エヴァの設定などをエヴァの本分だと思ってあれやこれや考えてる人が凄く不思議だった」)
‥という僕のターミネーター観を前提にすると、本作は乾いた雰囲気の中で鶏肉を焼いて塩振っただけのものを食ってるかのようなぶっきら棒な本作は、2にあった嫌な部分(ベタベタした人間関係)がなくて凄く好きです。
本作のシュワ氏‥T-850も、ジョン&ケイトを守るが未来世界で、未来のジョン・コナーを殺害したというブラックな設定があるのが良い。
アクション的には前半の長いカーチェイスシーン。終盤に公衆トイレでシュワ氏とT-Xが便器の破片を巻き散らかしながら行われるどつきあいなどが凄く良かった。
棺桶を担いで警官隊をバーっ!と撃って「死傷者なし」と出るT2の偽善的なネタを再現した場面も可笑しかった。何よりもシュワ氏が棺桶を担いでいるというのがハッタリ効いてていいし。
久々に観たけど、昔と同じ様にとても楽しかった。
ターミネーター同士の闘いの結末や本作自体の結末などは、割とあっさりしすぎてる気もするが、まあ漫才が終わる時に大して面白くないこと言ってモウイイゼありがとうございました~~と立ち去るかのような終わり方で、まあ良かったのではないだろうか。
T2のような感動とかは特になかったけどね。強いて言うなら本作の有り様自体は結構感度的かもしれない。
昔は「可愛いけどT-1000より強いとはどうしても思えん」と思っていたT-Xだが、時代の流れで「ハッキングしたり他のマシーンを操れる」っていう能力一つとってもT-1000の数千倍は強いなと思った。
その代わり内蔵してある未来十徳ガンは、威力がショットガンに毛が生えた程度にしか思えずあまり強さは感じなかった。
そもそも旧式とはいえシュワ氏に対して舐めプで闘いすぎて、結局後で困ったことになってたしね。総合するとあまり強くないかもね。
それと昔は可愛いとしか思ってなかったT-Xだが、今観ると思いのほかターミネータの演技が下手だね。美人がターミネーターの真似してるようにしか見えん。
まぁ、いいか。。
あと今まで知らなかったけどT1~3通して出てくる警察医のおっさんって同一人物だったんだね。マニアなら常識っぽいが僕は別にマニアではないので知らなかった。
まあ、そんな感じでT3というよりターミネーターシリーズ自体の雑感って感じになってしまったがそんな感じだ。
ちなみに「ターミネーター」シリーズで好きな順番は
3=1>>>2>4>>>ジェニシス
こんな感じか。TVドラマ版は観てないのでわかんない。6も普通に楽しみだ。
「ターミネーターシリーズはエイリアンみたいに1で完全に終わってる。で、こんな未来もあり得たB級SFアクションとして3が好き」という感じだ
序文でも述べたが、ただでさえ人気ないT3なのに、来たるべき真T3(T6)の出現(審判の日)で、本作は黒歴史みたいな位置づけになってしまい「T2ランド」「T1ランド」の横の空き地にひっそりと存在していた、この「T3大好きっ子公園」は荒野のようになってしまった(T4荒野、Tジェニシス荒野は更に酷い惨状だろうが)
とにかく、めちゃくちゃ人が少なくなったイメージだ。
だがこのT3荒野にいる人間はゼロではない。この俺のような者もいる。
この荒野に集まって人類抵抗軍を組織しよう。そしてスカイネットを破壊するのだ。
アービバー(アイルビーバック)
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