gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023)/殺すべき敵を、観てる時間と共に本当に応援したくなる愛すべきキャラクターに仕立てていくのが本当に上手くて感動した👦🏼👩🏻


監督&脚本:阪元裕吾 撮影:伊集守忠 編集:遊佐和寿 製作:角田陸、後藤剛 製作総指揮:鈴木祐介 音楽:SUPA LOVE 主題歌:新しい学校のリーダーズ『じゃないんだよ』(2023) 上映時間:101分 製作国:日本 シリーズ:『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ第2作目 英題:Baby Assassins 2 Babies

 

 

若い映画ファンに人気が出てロングランされてた『ベイビーわるきゅーれ』(2021)の続編。配信になかなか来なさそうだからレンタルで観た。
そういえば主人公の一人まひろ役の伊澤彩織さんは『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)でスタントで参加してて凄いね。一時はアキラ(真田広之の娘)役のカメラテストまで行ってたらしいが、アキラ役になってほしかったね。

ネタバレあり

 

 

前作のStory
高校を卒業した少女殺し屋コンビ、杉本ちさと深川まひろは、二人の雇い先である殺し屋協会から「社会性を身につけるため同居して普通のアルバイトもしなさい」と言われて同居するが、社会不適合者の二人は「普通の暮らし」が上手く行かず喧嘩もする。だが殺しとなれば力を合わせて固い絆を見せるのだった

台東区に同居している杉本ちさと(演:髙石あかり)と深川まひろ(演:伊澤彩織)。若い女子である二人は殺し屋協会に所属する殺し屋コンビだった。
社会不適合者である二人は複数の支払いを放置していたため金欠になってしまう。
そして偶然出くわした銀行強盗をうっかり倒してしまった(殺し屋協会を通さずに殺しや死闘を行う事は協会の規則で禁じられている)。
謹慎処分になった二人は仕方なく普通のアルバイトをしたり喧嘩したりする。

一方、殺し屋協会に正規ではなくアルバイトとして殺し屋をしている兄弟、神村ゆうり(演:丞威)と神村まこと(演:濱田龍臣)。そして兄弟の仲介役をしている赤木(演:橋野純平)。
非正規の三人は協会から冷遇され、ろくな仕事を与えられていなかった。
ある日「正規の殺し屋を殺せば、非正規がその座に入れるかもしれない」という噂話を赤木から聞かされた兄弟は近所に有名な殺し屋コンビ〈ちさととまひろ〉が住んでいる事を知り、彼女たちの命を狙う――

そんな話。
前回同様、社会不適合者の主人公二人……ちさととまひろは殺しで得た金で暮らしている。給料が幾らかはわからないが好きなもの食ったり買い続けても全く困らないくらいみたいだからサラリーマンの二倍くらい?遺産を相続した子供が暮らしてる感じの部屋で、あまり高くなさそうな可愛いものが部屋にあふれているのが二人のキャラクターを表現してる?
急に金欠になった二人は、渡辺哲演じるおっちゃんの……何のお店かよく見てなかったけど商店街の子供が集まる店でバイトする。
おっちゃんは若い子と話を合わせたいのか付箋がいっぱい貼ってある辞書を片手に『花束みたいな恋をした』の話をしている。前作はコワすぎ!の工藤役の大迫さんが出てたが本作は渡辺哲で、レジェンドおっさんがちょいちょい出てくるシリーズだね。
で、主人公二人や協会の仲間や又は街で出会った人達が妙にサブカルっぽい話題や庶民的なトークを突然始まるのもこのシリーズの特徴なんだろうね。
話してる内容は興味無いけど、ちさととまひろの19歳のフリーターっぽいガーリーでダラダラした仕草や話し方が本当に前作同様いい感じ。特にちさと(髙石あかり演じてる黒髪の方)は本編の9割くらいずっと友達とふざけてるような甘えてるような独特の喋り方してるのが凄く癖になってずっと見てられる。他の作品の高石氏を検索したら普通に喋ってるのでこのシリーズのちさとでしか味わえないようだ。彼女は顔芸もすごく良い。ぬいぐるみを着て喧嘩する二人はアイアンマン方式でぬいぐるみの中の顔が見えるがちさとの顔がフシギダネそっくりで凶悪な顔すればするほど可愛い。

中盤、ちさとまひろは殺し屋フリーター兄弟と初対面するが格が違ったようで、まひろによって瞬殺される。
「兄弟が本作のメインヴィランなのに、こんなに力の差があって、この後どうやって対決させるんだろう?」という種類の心配が湧き上がってきて意外な面白さが湧いてきた。
その後、お馴染みの掃除屋たちとのおしゃべりやアクション等も、どうなるんだろう?という興味を持続させててよかったです。

 

 

殺し屋フリーターの神村兄弟は、格上のちさとまひろに瞬殺されたり馴染みの仲介屋を殺されて悲しんだり、弟が定食屋の女の子に告白したくて赤面してたりして観てたら愛着が湧いてくる。
ここで、単純に主人公が自分たちより強大な敵にぶつかってたおすだけだった前作にはなかった面白さが色々湧いてきてどんどん面白くなった。
神村兄弟は一応、主人公が殺すしかない敵なのだが、主人公ちさとまひろは金を稼げてるし協会がバックに居る体制側(殺し屋協会の正規殺し屋)で神村兄弟は二人しかいない反乱軍(貧乏な非正規殺し屋)。ちさとまひろは強いと有名な殺し屋だが神村兄弟は格下……双方の構図だけ見ると、ちさとまひろは「お馴染みのかわいい女の子たち」という以外はまるで敵みたいなキャラ設定。そして本編の敵である神村兄弟は普通の映画だったら完全に主人公側のキャラなわけで、この対立構造が変わってて面白かった。
といっても、このシリーズは別にヒーローものではないので、ちさとまひろも神村兄弟も、それぞれの仲間が大事なだけで依頼さえあれば誰も無感情に殺すキャラなので、神村兄弟が一見ヒーローっぽい下剋上のポジションに居るが、それは只そう見えてるだけで別にヒーローなわけじゃない、というのが面白いです。
……と書いても何が面白いのかわかんない書き方してしまった。平凡なシリーズだったらヤクザの組た対決した前作同様にちさとまひろは今回も大きい敵……殺し屋協会そのものとか競合他社の殺し屋団体とか、そういう主人公を応援したくなる巨大で悪い敵を用意しがちだけど本作の場合、神村兄弟はヒーローじゃないにしてもまるで主人公みたいな設定なんですよね。そしてラストに近づけば近づくほど応援したくなる。
ラストバトルの神村兄弟は2、3回ちさとまひろと殺り合ったせいか実力が数倍に跳ね上がってるからね。あらゆるところが主人公っぽいのに急成長までするんかい、それによってちさとまひろのライバルたりえる敵になる話だったんだと感心しました。
初対面では「雑魚すぎるでしょ」とか言ってたがもう「あいつら協会に入ってたら良い殺し屋になってたかもね」と言い、兄弟も「あいつらと仲間だったら楽しかったかも……」「いやこうしてる(殺し合ってる)方が楽しいぜ」とか言っててエモーショナルな空気が立ち上がってきた。
そんで銃撃戦で、ちさとと神村弟が被弾し、まひろと神村兄が近接戦で雌雄を決する。
……だけど優勢だと思ってた神村兄がいつの間にか気絶してた場面、あれどこで気絶したのかわかんなかったな。
最終的にはまひろ勝利。ちさとまひろが兄弟を殺すだけだが、試合後のノーサイドのような爽やかな雰囲気になる。
完全に勝ったせいかまひろが兄弟に敬語で話し始めるところなど、もう完全に仕事(殺し)が終わってプライベートになったみたいな雰囲気になって上手かった。ちゅ~るで乾杯したり「その服かわいいデスね」とか言ったりして。
本当にノーサイドにする気か?と一瞬だけ思ったが次の瞬間いや絶対それはないでしょと思う。数秒後、実際その通りに終わる。
監督が狙った演出が、観てるこちらの脳内の動きと完全にスイングしてて凄く気持ちよかったです。
映画始まった瞬間は、前作で知ったちさとまひろをまた観たくて観てるわけで新キャラ……しかもちさとまひろを殺したがってる男の二人組なんて応援したくないわけだが、観ていくうちに愛着が湧いてきて最終的にはちさとまひろと同じくらい負けて欲しくなくなる……観てる人をそんな気持ちにしていく手付きが凄く上手いなと思いました。

 

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com👦🏼👩🏻🔫👨🏻🧑🏻‍🦱🔫👦🏼👩🏻🔫👨🏻🧑🏻‍🦱🔫👦🏼👩🏻🔫👨🏻🧑🏻‍🦱🔫👦🏼👩🏻🔫👨🏻🧑🏻‍🦱🔫👦🏼👩🏻🔫

www.youtube.com

#sidebar { font-size: 14px; }