gock221B

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『ベイビーわるきゅーれ』(2021)/アクション描写が得意なのに女の子二人の日常がメインで殺しはおまけという構成にしたのが凄く冴えてると思った👩🏻👦🏼


監督&脚本&編集:阪元裕吾 製作国:日本 上映時間:95分 公開日:2021年7月30日 シリーズ:『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ第一作目 英題:Baby Assassins

 

 

おととし凄いロングランになって今年の春に続編も公開されてたやつ。
この監督の映画『ある用務員』(2021)に出てた女子高生の殺し屋コンビを、再び同じような設定の主人公にして新たに作ったもの……らしいけど自分はこの監督の映画観たのこれが初めてだからそっちは観てない。

 

 

 

 

Story
殺し屋の、ちさと(演:髙石あかり)とまひろ(演:伊澤彩織)は、高校卒業と共に組織の方針として、二人同居してアルバイトをする事になった。
殺しは得意だがアルバイトは上手く行かない二人です――

そういう感じで、同居を始めたばかりの女の子二人が地域のヤクザと揉めて殺し合ったりしながら新生活を送る話。
殺しが大の得意な二人にとってはヤクザとの抗争なんかよりも、アルバイトや他者とのコミュニケーションや家事や相方との喧嘩の方が遥かに大変……というコメディ。
阪本監督は生々しいアクションやバイオレンス描写が得意なのでアバンやクライマックスなど、要所要所で大規模なアクションがあるのだが、ストーリー的にはアクションはそよそよと凪ぐ風のようなもので女子二人の日常の方が物語の中心というのが面白い。
アルバイトをしようとしても、衝動的なちひろはついうっかり客や先輩をボコってしまったり、コミュ症のまひろは会話すら出来ず長続きしない。
だが二人は暗殺業しているので数千万円の貯金があるので別にバイトなんてしなくても生活できる。
では組織がなぜ二人に共同生活とアルバイトさせるのかという詳しい理由は語られないが、二人は社会性ゼロでどこにも潜入できそうにないので社会性を身に付けさせるためだろうなと思った。今までは女子高生の格好でパパ活女子を装い標的をブッ殺していたようだが、もう高校も卒業したから将来を見据えてステップアップしていかなきゃね、という感じだろうか。
二人が所属する暗殺組織は派遣会社みたいな感じで描かれている。
二人は担当(演:ラバーガール飛永翼)から仕事を請け負い、始末した死体は掃除屋(演:水石亜飛夢)に頼んで処理してもらう、依頼を受けてもいないのに弾みで殺してしまった場合は事務所の保険が適用されず死体処理&隠蔽のために凄く大金がかかる……という設定。これ以上のことはよくわからない(というかこれ以上の設定は物語に必要ないので多分考えてもいない気がする)。
暗殺組織の詳細や主人公の二人がどういう経緯で暗殺者になったのか等も当然語られない。
前述の通り「女の子達が日常を過ごしながら、たまに殺しをする」という殺しはトッピングみたいなものなので語る必要はない。
普通のつまんない邦画だったら、二人のオリジンとか組織の仕組みなどのつまんない描写に一幕使いそうだが「本作にそんなのいらねーよ」って感じで退屈な説明が一切ないのが気持ちよかったです。
敵は、「比喩や冗談が全くわからない」という『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のドラックスみたいな性格のヤクザ(演:本宮泰風)とその息子(演:うえきやサトシ)と(演:秋谷百音)というヤクザ一家。物理的に強いのは終盤まひろとタイマンを張るクライマックスというみせばがある娘の側近(演:三元雅芸)だけで、他のヤクザは全員かなり頭が悪いキャラなので主人公二人に殺されるために生まれてきたような敵という感じがある。
そういえば、ちさとがヤクザの娘に気絶させられて銃を奪われた時に何で殺されなかったんだろ?コンビだと知ってて二人共呼び出すために殺さなかったのか?そもそもヤクザの娘は主人公の事を二人組だと知ってたっけ?まぁいいや。

 

 

アクションが生々しくて爽快!って以外には日常描写が売りなわけだが主人公二人の「若者感」が凄く良かった。若い女の子でしか有り得ない喋り方と仕草と生態。ちさとは、終始友達とちょけてるような甘えてるような喋り方してるところや怒ったら急に静かになって敬語で喋りだしたり衝動的にキレたりする感じが凄く若い女の子っぽい……といっても演じてる髙石あかり氏は実際役柄と同じくらい若いから当然なんだが、そういう話じゃなくて”ちさと”というキャラが必要以上に若さを撒き散らしてるようなキャラという話。もう一人の”まひろ”を演じる伊澤彩織さんは青年のような中性的な風貌の20代後半のスタントウーマン兼女優だが、声や喋り方が幼女みたいなコミュ障役なので18歳ですと言われても特に違和感ない(でもインタビューを受ける本人を見たらまひろと大差ない可愛い話し方してたけど)。
あと二人の喧嘩もかなりしょうもないし、しょうもないがゆえに次の日ゴメンナサイしてすぐ仲直りする程度のもの、これもまた若者っぽい。
本作は劇中で、主人公二人が他のサブカルの話や周りに居るウザい奴あるある等の会話を頻繁にするのも特徴。だけど主演や登場人物だけでなく監督自信もまだ20代なので、そのトークの内容は「野原ひろしやジョジョの名言を現実でも使うやつ恥ずかしい」「『一番怖いのは人間だ』とかしょうもない事言う奴うざい」という感じのものが多く、二人がいうそれらの事は全くもって正論なんだけど誰もが若い時に思うようなあるあるが多かった。自分も20代ならいいけど今の自分は中年なので「自分も20年前こんなこと言ってたな……」と時の流れを感じさせられて、本作のサブカルやあるあるについての台詞が恥ずかしい……とまでは思わないが何だか観てたら照れくさい気持ちになった。別に本作は文句つけるない面白い映画だったけど、そういうサブカル系の台詞は鋭くないなと思った。だけど監督が実際にスクリーンに出てきてそう話すのではなく、18歳のちさととまひろが言ってる事だから別にいいか……。そういう意味ではやはり中年より若者が観た方がより楽しめる作品なのかもしれない。

そういう感じで生々しいアクションや作品全体から感じる良い意味での「若い雰囲気」、あと展開や描写にジメジメしたところやしょうもないシーン等が全くないカラッとしたところなど、邦画の嫌なところが全くない……とても良い映画だと思った……というかむしろ邦画で一番いいよね……そもそも邦画なんて滅多に観ないし。二作目や監督の他の映画も観よ。

 

 

 

 

そんな感じでした

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