gock221B

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『VIVANT』(2023) 全10話/毎週楽しみに観てて全体的に楽しかったんですが最終話で超ガッカリ、超ガッカリ。”考察”すな!🐫


原作&演出:福澤克雄 演出:宮崎陽平、加藤亜季子 脚本:八津弘幸李正美、宮本勇人、山本奈奈 プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織 監修:Baatar Densmaa&Dorj Dariimaa&Deigersaikhan Uuganbaatar(モンゴル語)、竹内一郎&布施友里恵(医療)、石坂隆昌(警察)、勝丸円覚(公安)、國松祟(法文書)、杉浦英和(IT・金融)、松田じゅん(自衛隊) 放送枠:TBS系「日曜劇場」 放送局:TBS系列 製作国:日本 放送時間:各話約60分前後、全10話 放送期間:2023年7月16日~9月17日

 

 

役所広司とか阿部寛二階堂ふみ出てる」と思ってこのドラマ『VIVANT』(ヴィヴァン)第一話を観始めたら面白かったので毎週見るようになった。で、作ってる人は以前見た『半沢直樹』(2013、2020)を始めとする日曜劇場作品をよく手掛けてる人らしいのでDisney+で同じ人の福澤氏の新しい方の『ドラゴン桜』(2021)も観た。
半沢直樹』(2013、2020)は面白さや魅力はわかったので「大人気になるのもわかるな」と思ったが、堺雅人や歌舞伎俳優達の演技があまりに大袈裟過ぎるし悪役が説明セリフを変顔で絶叫してるし観てると頭がおかしくなりそうだった。
『ドラゴン桜』(2021)も、そういった『半沢直樹』的な要素はふんだんにあったが、生徒たちの魅力や肝心の、主人公による授業が凄く面白かったので僕も「勉強……面白そう!」と素直に子供の時以来に英語の勉強を趣味で始めて一日短時間だが40日間毎日続いている(他の教科も勉強していく予定)。だから生徒たちの勉強シーンと受験だけやればよかったのに『半沢直樹』的なしょうもないvs.陰謀的な要素は要らなかった。
本作は「主役級の俳優ばかり出てくる謎のドラマ」と、内容は伏せられたまま映画以上の大予算を組んで始まったという特別扱いで始まった。

ネタバレあり

 

 

 

 

Story
中央アジアバルカ共和国で事業を進める丸菱商事は、現地のインフラ会社に1億ドルが誤送金される。エネルギー開発事業部の乃木憂助(演:堺雅人)は9千万ドルを回収すべくバルカへ向かうが――

……という感じでエリートサラリーマンの堺雅人から始まるので最初は「新しく作ったTBSオリジナルの『半沢直樹』かな?」と思ったが、主人公・乃木はテロに巻き込まれるわスリルとサスペンスが展開されるわで先が読めず面白かった。
乃木は遭難してジャミーンという少女とその父に助けられたり、国際的テロ組織〈テント〉の幹部の爆死に巻き込まれそうになり、バルカ共和国日本大使館に駐在していた日本の公安部警視の野崎守(演:阿部寛)とその右腕であるバルカ人の公安エージェントのドラム(演:富栄ドラム)、バルカの病院に勤めていてジャミーンも治療していたWHI[世界医療機構]医師の柚木薫(演:二階堂ふみ)らに助けられた。爆破テロ犯人容疑をかけられた乃木や柚木は、ジャミーンを治療するため野崎&ドラムに護られながら日本に向かう。 
帰国してジャミーンを治療した。乃木と野崎とドラムと公安は、誤送金を故意に行ってバルカに大金をパスして、その咎を乃木に全て着せようとした丸菱社員を探しだす。
犯人を見つけると、乃木は相棒の工作員らしき男、黒須駿(演:松坂桃李)と共に犯人を何と処刑する。
乃木の正体は日本国内のテロを、非合法な手段を用いてまでも未然に防ぐ又は排除する政府非公認の自衛隊の影の諜報組織〈別班〉のエージェントだった。第一話で爆死した国際的テロ組織〈テント〉幹部は死ぬ前に乃木に「お前がVIVANT(ヴィヴァン)か?」と謎の言葉を残して爆死した。
「〈VIVANT(ヴィヴァン)〉とは〈別班〉を外国人が無理に発音した言葉だろう」という公安の野崎の推理は合っていた。つまり「乃木憂助=VIVANT=別班」、ここまでが前半の「誤送金編(第1話 - 第4話)」。

まず〈バルカ共和国〉というのはモンゴルの隣にあるとされる本作オリジナルの架空の国だが、風景や国民の感じなど、ハッキリ言って「バルカ共和国=モンゴル」と言ってもいいだろう。国の色んな社会問題などに切り込んでいったりするので架空の国にしただけで「ほぼモンゴル」。
堺雅人や他の人も『半沢直樹』同様の大袈裟な演技をしているのだが、登場人物はいつもモンゴルの雄大な風景の中にいるので『半沢直樹』ほどコントっぽくは見えず普通に楽しめた。
そして、この誤送金編の仲良し四人組がバルカ警察から数分間隠れるためだけに、ぼっとん便所の便槽セット等をイチから作ってサスペンスを演出したり、ラクダで砂漠を過酷な横断したりしてて「面白さのために全力で作ってて凄い!」と感心した。銃撃されまくっても平気な装甲車で走る場面も僕が好きなクリント・イーストウッドの『ガントレット』(1977)っぽくてよかった。
そして「乃木=日本の秘密特殊部隊〈別班〉のエージェント」だと徐々に明かされていく。
現実世界でも「〈別班〉は総理大臣ですら知らされていないが確実に存在する」と石破茂元防衛相が言ってたりして、今は都市伝説にしか過ぎないが「結構、本当にありそうだよね」という温度感。非合法組織だし認めたらアメリカに睨まれそうだし今後も事はなさそうだが……。
とりあえず現実の別班の事は置いておくが、本作の劇中で野崎が「この日本という平和な先進国で何でテロとかが殆ど起きていないと思うんだァ?」という説明は、たった一言で〈別班〉の存在がめっちゃ信じられるようになる説得力あった台詞だったので秀逸な脚本だなぁと思った。
ちなみに乃木は40年前、幼い頃バルカでテロリストによって両親から引き離され孤児になって記憶喪失になっている。乞食になっていたところを日本人の戦場カメラマンに連れ帰られ孤児院で育ち、自衛隊に入り〈別班〉に入った。乃木は辛かった時に二重人格……なのかイマジナリーフレンド(空想上の友達)かわからないが〈F〉というもう一人の人格(又はイマジナリーフレンド)を生み出した。……このFの設定は正直なくても構わないように見えたので存在意義がよくわからなかった。また乃木は過酷で特異な生い立ちのせいか「善人ではあるが愛というものがわからない」という少しサイコパスっぽい変わった善人として育った。「日本に害をもたらす者はどんな手を使ってでも排除する。日本のために」という〈別班〉という過酷な立場になったのは、その自己の穴を埋めるため「とりあえず〈日本〉を過剰に愛してみるか……」という感じで「愛を知るために日本という大きな父」を求めての事だったのかもしれない。特技は「物の重さをグラム単位で察知できる」というニッチな能力。しかしこの特技が後で何度も効いてくる(この要素は凄く面白い)。
乃木を助けたり疑ったりしつつ共に動いていた野崎は、僕が阿部寛を好きという事もあるが一番良いのは常に謎のニヤニヤ笑いをずっとしてるのが不気味でよかった。ドラムは可愛すぎるのでよし、ドラムは日本語できない設定なのでスマホの翻訳機で喋るのだが、その声が林原めぐみで本当に良い感じ。
二階堂ふみも好きな俳優だが、彼女が演じる柚木もジャミーンの治療に熱心で時には乃木や野崎をも欺く只者ではないキャラで良かった。
乃木は、バルカ脱出やジャミーン治療に全財産はたいて助けたりしてるうちに二人は恋に落ち、「愛を知らない男」だった乃木は生まれて初めて女性と結ばれる

 

 

乃木は「国際的テロ組織〈テント〉の創設者兼リーダーのノゴーン・ベキ(演:役所広司)は40年前、幼い頃に引き離された父・乃木卓(演:林遣都)ではないか?」と思い、バルカに再び向かう。野崎とドラムも後を追う。
乃木は、仲間の別班エージェントを裏切って全員、銃撃し〈テント〉ナンバー2であるベキの息子ノコル(演:二宮和也)に自ら捕まり、テントに潜り込む。
「ベキの正体は本当に乃木の父・乃木卓なのか?そして乃木やベキの真の目的は?」と、バルカの〈テント〉内メインの物語が後半の「宿命編(第5話 - 最終話)」。
ベキは、間違いない俳優の役所広司が演じてるので説得力ありまくるし、そのベキが拾って息子にしたノコルも「自分はベキの実子だ」という乃木に嫉妬しまくる。ノコルを演じる二宮くんのベジータみたいな演技が良すぎるし凄く面白いキャラ、腐女子にも人気出そうで本当に良かった。他の幹部も面白いし。
この後半は残虐性と人道的な面を併せ持つ〈テント〉の性質や、乃木とベキの父子愛それが気に入らないノコルの嫉妬などが全体的に『スター・ウォーズ ep5/帝国の逆襲』(1980)『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019)のような雰囲気も少しあった。

そういう感じで毎週楽しく観てたこの『VIVANT』だったのだが、最終話でかなりガッカリして終わった。
乃木は元々、数々の難関を突破しないと入隊できない別班エージェントだし、その隠れ蓑として超大手企業に入社してダメ社員を擬態するほどの超エリートなので、最初から割とスーパーサイコパスとして描かれていたのだが、最終話は更に輪をかけて、なろう系小説の主人公みたいに万能に活躍し、その他の登場人物も全員乃木を立たせるために動いているように見えた。父を取られたくないあまり乃木に辛く当たっていた態度が魅力だったノコルももはや乃木に素直になってありがとうとか言うし、乃木に前半・誤送金編では只者ではないしチャーミングでもあった柚木さんも乃木の帰りを待つだけのつまらない女になっちゃうし、野崎もバルカという仮想モンゴルで「日本スゴイ!」を連呼するし、バルカ(仮想モンゴル)で影の首領だったベキも日本人だし、最終話でやり合う敵達も『半沢直樹』の敵みたいにヨダレを垂らして悔しがるし……ありとあらゆる要素が「日本スゴイ!日本の中年男性だけがスゴイ!」みたいなノリで終わってしまい「あぁ、第9話まで楽しんで観てたけど、よく考えたら、これ日本の中年男性をきもちくさせる(広末涼子)日曜劇場のしかも『半沢直樹』撮った人の作品だったわ……」と思い出した。
そういう感じで第9話まで楽しく観てたんだけど最終話だけで一気に醒めました。
とはいえ日本のドラマって説明台詞と大袈裟な演技が多すぎるので殆ど観ない自分が毎週楽しく観てたし面白いドラマなのは間違いない。それに本当なら最低でも全20話くらい必要そうな話を全10話でやっとのもテンポよくて良かった。
「色んな要素あって面白いけど結局このドラマの芯って何なんだろ?」と思いながら観てたけど、最後まで観たらこれは「幼い頃に時が止まったままの乃木が愛を知って、ようやく歩みだす物語」かな?と、個人的にそう思った。
シーズン2もありそうだが、次は日本と日本のおじ礼賛を控えめにして欲しい。恥ずかしいから。あとこれ観てる人らは考察ばっかすな。考察厨が「『VIVANT』のポスターで二階堂ふみは『I』の下にいるから『医者』って事か!?」みたいな遊びやら展開予想やらよくしてたが、そんなの意味ないから。そんな”考察”する暇あったら普通に感想を言えと思う。昔からそうだが”考察”について思うところが多々ある。SNSYOUTUBETikTokの普及で”考察”が異常に増えた。
”考察”すな!
「これはまだ他の考察してる人達もまだ言ってないんですけど……」と頭に付けて話し出すのやめい。恥ずかしいから。
この美しき映画&ドラマ界を”考察”で汚すものは何人たりとも許さない……命に従い”考察”厨を排除する……!(堺雅人の口調で)。ピーリピリピリピリ!(堺雅人の誇張モノマネするハリウッドザコシショウ風に)。
 

 

 

 

そんな感じでした

『ドラゴン桜』(2021) 全10話/『半沢直樹』的な歌舞伎の見得切り風の勧善懲悪の大絶叫ターンバトルは恥ずかしいので全部カットして全編、生徒達の勉強と受験で良かった🌸 - gock221B

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